じじぃの「科学夜話・第2講・天の川銀河・星はどのようにできたのか?宇宙の雑学」

天の川銀河の歪みは「ダークマターの巨大な塊」が原因で発生しているかもしれない

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=6QC-iStSyPE&t=1s


巨大なダークマターの塊が、天の川銀河を歪ませていた!?

2023/11/6 Yahoo!ニュース
天の川銀河の奇妙な形状
天の川銀河はあまりに巨大すぎて、その中にある地球から探査機を銀河の外へ飛ばして、俯瞰的にその全貌を見ることが不可能です。そのため最も身近な銀河でありながら、謎が多く残されています。
しかし観測技術の進歩と共に、ガイア宇宙望遠鏡などの登場もあり、銀河にある億単位の星々の個々の位置や運動を細かく調べ上げることで、天の川銀河の全体像が徐々に理解されつつある現状です。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/71ba7447f1540849fb8942b5721e1da169a035cf

『宇宙とは何か』

松原隆彦/著 SB新書 2024年発行

第2講 宇宙の地平

星はどのようにできたのか? より

宇宙が生まれたばかりの頃は、まだ星は存在していませんでした。あったのは、光、原子、ダークマター。この3つがあらゆるところに、ほぼ一様に散らばっていました。一定の密度で散らばっていたけれども、ほんの少しゆらぎがありました。ちょっとだけ密度の濃いところ、薄いところがある。すると、その密度の濃いところに、まわりからものが集まってきます。重力によって引っ張られるからです。

まず、ダークマターが集まります。
ダークマターは正体不明の物質です。原子でもなく光でもありません。光はダークマターを素通りしてしまうし、ダークマターは光を出さないので目で見ることができません。けれど、重力だけは持っているのです。ダークマターが集まっていると、物質が引っ張られます。

どうしても見ることができないので、最初は科学者の間でも「そんなものがほんとうにあるのか」と怪しまれていました。でも、ダークマターがあるとすると宇宙の性質が説明できるし、ないとすると説明できません。観測により、存在証拠も複数見つかりました。現在は「ダークマターはある」のが前提になっています。

とくに最近では、ダークマターが宇宙全体にどのように分布しているのかということが調べられるようになっています。一般相対性理論により、重力のある場所で時空間が歪み、光の進路が曲げられるという事実を利用して調べるのです。これを「重力レンズ効果」と呼びます。

ダークマターが集まる場所では、その背後にある銀河の像がゆがんで見えます。このうがみを詳細に観察して解析することにより、どのくらいの量のダークマターがあるのかを推定できるんです。

――星の作られ方の話でしたね。
最初は何もなかった宇宙ですが、まず、密度の高いところにダークマターが集まって塊(かたまり)になります。1つの天体みたいに……って、見えないので何ともいえませんが、とにかく塊ができる。

すると、原子など物質がそこに引っ張られて集まります。ギュギュギュっと集まって小さくなります。ダークマターは集まってもそれ以上小さくなれませんが、原子は小さくなれます。それは光と相互作用するかどうかの違いです。光と相互作用すると、光を放出して、広がろうとする力を打ち消し、小さくなれるのです。原子にはある光との相互作用が、ダークマターにはありません。

ダークマターがぼやっと広がった真ん中に、原子がギューっと集まって小さくなっていき、あまりにも密度が高くなると核融合反応が起きます。そのとき、エネルギーをぶわーと出して輝くのです。これが星です。

このように、星ができるより先にダークマターが集まり、ダークマターにより星ができました。今度は星同士が引っ張り合うことで銀河ができます。

銀河の形成にもダークマターが絡んでいます。ダークマターの塊の中に星が集まって、回転しているのが銀河です。銀河の回転の様子を調べることで銀河中にどのように質量が分布しているのか見積もると、銀河の円盤のずっと外側まで質量が広がっていることがわかりました。

私たちがいるのは天の川銀河ですが、この天の川銀河のまわりにも、ダークマターが広く存在しているんです。

銀河、銀河団、超銀河団 より

天の川銀河は、比較的大きな銀河の1つです。私たちが夜空で見る天の川は、内部から見た姿です。直径を見積もると10万光年以上。中心部分が太った楕円形をしていて、円盤状の部分は渦巻模様が広がっています(図、画像参照)。
このタイプは「渦巻銀河」とよばれ、宇宙にはたくさんあります。「銀河」と聞くと、このタイプをイメージする人が多いのではと思います。

他にも、渦巻状の模様を持たない楕円形の「楕円銀河」も宇宙にも多くあります。「渦巻銀河」とも「楕円銀河」ともいえない、中間のような形は「レンズ状銀河」です。決まった形を持たない「不規則銀河」もあります。

いずれのタイプであっても、銀河は群れ集まる性質を持ちます。重力が働くからです。銀河同士も引っ張り合って集まってくるので、銀河の団体さんができます。50個から数千個の銀河が集まると「銀河団」になります。その銀河団同士も引っ張り合うので、さらに大きな「超銀河団」が作られつつあります。大きいものほど移動に時間がかかりますから、超銀河団ほどのとてつもないものは、まだ発生の途中という感じです。

                    • -

じじぃの日記。

松原隆彦著『宇宙とは何か』という本に、「星はどのようにできたのか?」というのがあった。

ダークマターは正体不明の物質です。原子でもなく光でもありません。光はダークマターを素通りしてしまうし、ダークマターは光を出さないので目で見ることができません。けれど、重力だけは持っているのです。ダークマターが集まっていると、物質が引っ張られます」

ダークマターの正体は何か?

ダークマターの存在を最初に提唱したのは、アメリカ・カリフォルニア工科大学の天文学者フリッツ・ツビッキーです。
彼は地球から約3.2億光年離れた場所にある「かみのけ座」銀河団の質量重さを知ろうと観測を始めました。1000個以上の銀河が集まっている場所です。
観測を続ける中、銀河団には高速で動いている銀河がいくつもあることに気づきます。ツビッキーは「これらの銀河はどうして飛び出していかないのだろうか?」「飛び出さないように、つなぎとめるだけの引力を及ぼしている『何かの物質』があるのだろうか?」と疑問を持ちました。
           胆江日日 サイエンスニュース より
   
ダークマターは、現在われわれが知っている素粒子では説明ができない。

その有力候補の1つがニュートラリーノと呼ばれる素粒子だ。ニュートラリーノは、弱い相互作用をする重さのある粒子、WIMPs (Weakly Interacting Massive Particles) の一種だ。

ダークマターがぼやっと広がった真ん中に、原子がギューっと集まって小さくなっていき、あまりにも密度が高くなると核融合反応が起きます。そのとき、エネルギーをぶわーと出して輝くのです。これが星です」

ダークマターの集まりが太陽(恒星)などになったのだそうだ。

ツビッキーがダークマターの存在を最初に提唱したのは、1933年だった。

それからもうすぐ100年になる。

「見えないけれども何かがある」

ダークマターは未だ、正体不明の物質であり続けているのです。