じじぃの「社会と科学技術の関係・第1回・英国BSE事件が問いかけるもの!白熱教室JAPAN・大阪大学」

白熱教室JAPAN 「大阪大学 第1回 英国BSE事件が問いかけるもの」 動画 TV小僧
http://veohdownload.blog37.fc2.com/blog-entry-11953.html
BSE - UK 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=R1LYzIfz8AA&feature=relmfu
狂牛病1of5ドキュメンタリー 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=3jA5WsDJSBs&feature=related
環境アセスメントにおける パブリックコンサルテーション (サウスウッド委員会)
http://www.env.go.jp/policy/assess/9-kensyu/pdf/theme/h19_kobayashi_text.pdf
牛海綿状脳症 フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』 (一部抜粋しています)
牛海綿状脳症(Bovine Spongiform Encephalopathy, BSE)は、牛の脳の中に空洞ができ、スポンジ(海綿)状になる病気である。一般的には狂牛病として知られている。
【症状】
この病気が発症した牛は、当初は痙攣を起こしたりする程度で目立った症状は現れないが、やがて音や接触に対して過敏な反応をするようになり、病状がさらに進むと運動機能に関連する部位も冒されて立てなくなるなどの症状を示す。イギリスで発生したのは、飼料として与えた汚染肉骨粉が感染源と考えられている。なお、日本での発生原因は完全には解明されていないが、肉骨粉と同時に牛用代用乳がその原因として疑われている。
【原因】
ウイルスなど核酸を有した病原体による病気ではなく、プリオンと呼ばれる蛋白質のみで構成された物質が原因だとする見解が主流であるが、有力な異論・異説も少数ながらあり、プリオン原因説は完全な定説とはなっていない。健康体の牛などの体内には正常プリオン蛋白が発現しているが、BSEの原因となるプリオンは、正常プリオン蛋白とは立体構造が異なる異常プリオン蛋白から構成されている。

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白熱教室JAPAN 大阪大学 「英国BSE事件が問いかけるもの」 2011年10月30日 NHK Eテレ
【出演】大阪大学教授 小林傳司、大阪大学准教授 八木絵香、大阪大学大学院生  【語り】鹿島綾乃
今回は、大阪大学コミュニケーションデザイン・センター、小林傳司(ただし)教授の「科学技術社会論」の講義を取り上げます。4回の講義のテーマは「社会と科学技術の関係を考える」。
東日本大震災津波に起因する福島第一原子力発電所の事故は、改めて我々に社会と科学技術の関係を見つめ直すことを求めています。先進国にとって科学技術はその経済的繁栄の原動力ですが、1960年代から科学技術がもたらす負の側面が顕在化し始め、社会はその対応を重ねながら科学技術を推進してきました。原子力発電技術は、20世紀を代表する巨大な総合的科学技術の典型でもあります。そして、人々の生活に直結する科学技術の歯車がひとたび狂うと、その災厄は極めて大規模になることを如実に示したのが、今回の事故です。
小林教授の講義では、このような科学技術の性格をきちんと理解し、今後科学技術を活用するために科学技術の専門家はどのような責任を負い、同時に一般市民はどのように関与していくべきなのかを考えます。
科学哲学・科学技術社会論を専門とする小林教授に導かれ、理系・文系の枠を超えて集まった大学院生たちが、正解のない問いをめぐり白熱した議論を繰り広げます。
http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/next.html
どうでもいい、じじぃの日記。
10/30、NHK Eテレ 『白熱教室JAPAN』を観た。
大体、こんなことを言っていた。(手抜きしている)
科学技術の不確実性と社会的意思決定
今日取り上げるのは小林傳司教授の「科学技術社会論」の講義です。科学や技術を社会的な視点から見つめ直し、専門知識を持つ者と持たない者とのコミュニケーションの困難さを大学院生たちに実感させます。そして何をすべきかを考えることが目的です。
講義には専門の違う大学院生が参加しています。問題解決に向け、それぞれの研究分野にたって議論する双方向型のコミュニケーションを通して社会と科学技術の関係を考えます。
教室に小林傳司教授、八木絵香准教授と約30名の大学院生が着席して講義が始まる映像が出てきた。
八木准教授、「みなさん大学院生ですが、学部、学年がバラバラです。みなさんに自分の専門性において何かコミットできるものがあると思うので、誰の方が専門性があるから自分はしゃべならいとかいうのではなく、積極的に話してください。思ったこと考えたこと、それが一番のこの授業に関するお願いです」
小林教授、「じゃ、始めましょうか。今日は社会と科学技術の関係について考えてみます。『科学技術の不確実性と社会的意思決定』です。みなさんの周りで科学技術の加工、改変をしていないもの何かありますか?」
男子院生、「空気」
男子院生、「人間」、「人体」
小林教授、「それ以外は全部、何らかの科学技術が関係して囲まれている。つまり科学技術というのは我々の現在のあり方を決定的に作っている存在。そして先進国の経済は科学技術の成果によって回っているわけです。いわゆる天然の資源を輸出して先進国になっている国はほとんどないわけです。つねに科学技術の加工のよって経済が回っている。そういう社会です。これだけ科学技術が世界のすみずみまで満ちあふれていることをあたりまえと思っているんだけれども、裏側には思わぬ問題が起こっているというのがここ数十年の我々の経験です。今回の福島原発もその1つです、でもその科学技術を社会で使うときにどうやって使うかを決めるか、誰が決めるかという問題は非常に重い。・・・」
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小林教授、「さて、ここからが本題。サウスウッド委員会を作った。イギリスの政府は大変慌てた。牛が急にふらつき出す。専門家を集めて何とかしろ。当然そうなって専門家委員会が作られるわけ。どうやって専門家を集めるのか。みなさんはイギリスの農水省の課長補佐とか、ちょっと変な病気が牛に流行ってる。専門家の先生集めて委員会作れ、と言われたときに、あなたがそうだったら専門家をどうやって集めますか?」
女子院生、「私は文系なので細かい専門知識が無いということで、農業関係の専門家、特に家畜の専門家を集める」
小林教授、「その通りなのだが、ものすごく抽象的なので、具体的にはどんな人を集める?」
女子院生、「まず、研究者」
小林教授、「何の研究者? つまりこの病気というのはそんなにメジャーなものではないので、そもそも研究者が少ない。どこにその研究者がいるか。これは牛の病気だけれども牛の研究者だけでいいのか?」
男子院生、「免疫学者」
男子院生、「公衆衛生」
小林教授、「食べる人間が大丈夫かというのは、すごく大事な問題です。・・・」
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イギリスのBSE事件

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専門家の調達
→ Eminent committee(サウスウッド委員会)
結論の暫定性
5.3.5 In these, as in other circumstances, the risk of
   transmission of BSE to humans appears remote.
8.2 ….Although the risks appear remote.
日本語訳
5.3.5 このような状況を鑑みるにBSEの人びとへの
   感染のリスクはほとんどありそうにもないと思われる
8.2 …リスクはほとんどありそうにもないと思われるが・・・
イギリスのBSE事件

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見逃された留保
9.2 It is …most unlikely that BSE will have any
   implications for human health. Nevertheless, if our
   assessments of these likelihoods are incorrect, the
   implications would be extremely serious.
小林教授、「科学の立場から言ったときに、確定でもないことをそれなりに正直に言ったとも言える。私たちは誤っているかもしれないとは一応言っている。でもこの文章を誰が読むのか、この報告書は誰が読んでどのように社会に使っていくのか、そういうことも考えないといけない。たとえばこれが科学者の学会のなかで書いているといったら、まあいいよね。同業者のなかで読んでいるというんだったらいい。でもこれを読むのは誰かというと、実際の役人だ。彼らは実際の政策にどういう規制をするのかしなくてはいけない。その人たちのよりどころとして、この専門家の先生のレポートができて、これに基づいて何らかの政策を打ち出すわけだ」
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男子院生、「分からない、と言って、その後の判断を役人に委ねるのではなくて自分で決めないといけないというのなら、後は牛肉を食べるかどうかは自分で判断してくださいと言う」
小林教授、「科学で分かるとところはここまでですとやって、そこから先、もし何か問われたなら、自分で判断をしてくれと」
男子院生、「僕も科学者として呼ばれているので、科学的な根拠にのっとって科学的な事実をたんたんと述べるだけです。あとはそれをどう規制をかけていくというのは政府の役目だと思う」
男子院生、「委員会に文系の人も入れるべきだと思う。科学者のやれるのはここまでの範疇だと。これは安全だとは科学者が言うべきことではない」
小林教授、「君がたとえば役所の課長とか、政治家でもいい。緊急に判断してやらないといけない、対策を出さなくてはいけないという状況で責任を負っていたとする。科学者が『微妙』と言ったら、君はどう判断する?」
男子院生、「行政として長期的にも短期的にも国民が利益になるような選択肢を考える。分からないということが国民のためになるならそう言うし、逆に隠して国民の利益になるなら隠す」
八木准教授、「科学的にはここまでというのは分るんですが、科学者が分からないと言うことはこのリスクを見逃すことに加担することになると思うんだけど」
男子院生、「そうなりますか? それじゃあ行政の人は絶対に責任を取らないといけないんですか? 行政の人が国民にちゃんと分からないと言えばいい。国民は肉を食うか食わないかの選択があるんじゃないですか」
男子院生、「それは行政の役割を放棄していることになる。分からないで進んでいって国民がみんな死んでしまいました、ということもありえるわけです」
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じじぃの感想
福島原発で最初に爆発があったとき、あれば水素が爆発して放射能が散らばったのではない、と科学者は言った。
あれは、科学者として言うべきことではなかったと思う。
イギリスのBSE事件は福島原発事故の処理と重なってみえる。
11月6日と13日では東日本大震災原発事故の問題を取り上げるそうです。