じじぃの「人の死にざま_740_G・メストラル」

Lego Animation of Velcro, invented by George De Mestral 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=Ddyqab7r41k
オナモミ 画像
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/PICTs/ooonamomi2.jpeg
ベルクロ Google 検索
http://www.google.co.jp/images?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4GZAZ_jaJP276JP276&q=%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%AD&oi=image_result_group&sa=X
面ファスナー ウィキペディアWikipedia)より
面ファスナーは、面的に着脱できるファスナーである。布に特殊な加工をし、主に衣類用に、再び脱着可能な状態で結合したい場合に用いられる。商標に由来する俗称としてマジックテープ (Magic Tape)、ベルクロ (Velcro) がある。
【歴史】
面ファスナーは、スイスのジョルジュ・デ・メストラル (George de Mestral) が1941年にアルプスを登山したとき、自分の服や愛犬に貼り付いた野生ゴボウの実にヒントを得て、1948年に研究を開始した。1951年に特許出願し、1955年に認定された。
1952年にはスイスに Velcro S.A. が設立され、面ファスナーを生産する一方で、各国企業にライセンスしたり現地法人を設立したりしてベルクロの名で生産させた。
日本では日本ベルクロ(現在のクラレファスニング)とYKKをはじめとした会社で製造している。
George de Mestral From Wikipedia, the free encyclopedia
George de Mestral (June 19, 1907 - February 8, 1990) was an electrical engineer who invented Velcro.

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『世界のヒット商品はどんな「ひらめき」から生まれたの?』 スティーブン・D. ストラウス/著、飛田妙子、萩岡史子/翻訳 主婦の友社 2003年発行
「くっつくと離れない」。手本は自然の中にひそんでいる (一部抜粋しています)
オナモミという植物をご存じだろうか。「ひっつきむし」というとピーンとくるだろう。草むらを歩くと服にくっつくあの植物である。
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しかしこのいまいましさを利用して大もうけした人物がいる。
ジョルジュ・デ・メストラル。彼はここからヒントを得て数百万ドルのビジネスにしてしまったのだから驚きだ。そもそも12歳にしておもちゃの飛行機で特許を取ったほどの天才児だったのだから、まさに「栴檀(せんだん)は双葉より芳(かんば)し」。デ・メストラルは1907年スイスに生まれ、ローザンヌにほど近いレマン湖畔、ワインの産地として名高い小さな村で育った。先祖代々数百年にわたって住み続けている土地だ。アルバイトで学費を稼ぎだし、ヨーロッパでも有数のローザンヌ連邦工業大学を卒業、電子工学の学位を受けた。
大学卒業後のある日、犬を連れて森に散歩に出かけた。イトトンボ採取が目的だった。新しく買った顕微鏡でイトトンボを見てみようと思っていたからだ。ところが1匹も捕まえられなかった。収穫といえばトゲトゲのオナモミだけ、あてにしていたイトトンボが捕まえられなかったので、やむなくオナモミを見ることにした。一体どうしてこんなにひっつくのだろう。顕微鏡をのぞくとオナモミには数百もの鉤(かぎ)状の突起があることがわかった。これがループある服の繊維や動物の毛や髪にひっかかる。
なるほど、とデ・メストラルはひらめきを得た。ミクロの世界で発見した鉤とループを作り出すことができれば、ファスナーやボタンを使わないでものをくっつけることができる。このアイデアを具体化するためには、まったく性質の違う2種類の織物を作り出さなければならない。ひとつはオナモミに似た、数百もの鉤状があるもの。もうひとつはそれに対応するループ状のもの。こうして彼の探求が始まった。
夢が大きければ、それだけ苦労も大きい。大発明の本質というのは凡人なら気に留めないようなことを、何かが違うと見逃さないところにある。凡人の目には見えない物が、天才の目にははっきり見えるのだ。天才が、きっかけとなる「ひらめき」を感じる瞬間も、凡人にしてみればただの「時間の無駄」ということになる。ジョルジュ・デ・メストラルの場合もそうだった。
彼はこのアイデアを当時世界的な機織りの中心地であったフランスのリヨンで持ちかけることにした。職人の多くは「鉤とループのファスナー」という発想に興味を示してくれたが、結局みんなから実際に作るのは無理だよといわれた。小さな布でどうやって数百もの鉤とループを作れというんだ。当時の機械では自然を再現して、小さなループや鉤を作ることなどできなかった。
デ・メストラルが辛抱強く探した結果、オナモミの鉤のメカニズムを作ってもいいという職人がひとり現れた。彼は細かい手作業で木綿のテープを2種類作り上げた。押しつけるとオナモミさながらしっかりと貼りついた。惜しいことに彼が使った木綿のテープは耐久性に欠け、たちまちすりきれてしまった。こんなことでくじけるデ・メストラルではない。今度は化繊に目を向けてみた。適当な材質を探し出すまで、何年もの年月を費やし、何種類もの繊維を試してみた。果てしない試行錯誤のすえ、デ・メストラルが選んだのはナイロンだった。高温の赤外線を当てて織ると耐久性のあるループが作れた。
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いよいよ製品を市場に出すときになって、この鉤とループのファスナーの名前をどうするか考えた。デ・メストラルは「ベルベット」や「ベロア」に通じる「ベル」というフランス語が気にいっていた。フランス語で鉤を意味する「クロシュット」から「クロ」をとり「ベルクロ」に行き着いた。戦略的パートナーの支援を得て、デ・メストラル はスイスでベルクロ社を立ち上げた。ベルクロ社は「鉤状のものに対応するループ状の毳(けば)をもつ人工素材による布地の考案と製造」で最初の特許をフランスで得た。
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ベルクロは20世紀でもっともすぐれた発明とまでいわれ、思いがけないところでも使われている。人類初の人工心臓の移植手術で、心臓を接合するのに用いられた。原子力発電所や陸軍の戦車でもライトや部品を壁に取り付けるために用いられている。NASAでは宇宙服のヘルメット内部にベルクロを使い、宇宙飛行士が鼻やあごがかゆい時にかくことができるようにしている。自動車でもフロアマットやスピーカーカバーを固定するのに使われている。家庭ではカーテンをまとめるカーテン止めやじゅうたんのすべり止め、いす・ソファのカバーのずれ止めに使われている。
デイビッド・レターマンは番組中、笑いをとるためベルクロを使って壁をよじ登ってみせた。ジョルジュ・デ・メストラル はベルクロの発明により国際発明殿堂入りを果たしている。

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George de Mestral Google 検索
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