じじぃの「人の生きざま_633_浅田・稔(工学者・ロボカップ)」

世界一神業まとめ - ロボット・アニメーションダンス & スポーツ & 音楽 脅威の身体能力超人集 動画 YouTube
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ロボットが死について考える?

ロボットで探る人間の不思議〜ロボカップから認知発達ロボティクスへ WAOサイエンスパーク
大阪大学工学部 教授 浅田 稔
1953年生まれ。大阪大学大学院基礎工学研究科修了。82年、大阪大学基礎工学部助手。89年、工学部助教授。95年、教授に就任。認知・知能ロボットの世界的権威。08年まで、ロボカップ国際委員会のプレジデントを務める。
21世紀は「ロボットの世紀」とも言われます。現在、そのロボットの研究で世界の最先端を走るのが日本。日本では世界で稀に見るロボット大国なのです。そんななか、知能ロボット、認知ロボットと呼ばれる分野で活躍するのが大阪大学の浅田先生。人間学とロボット工学を融合した「ヒューマノイド・サイエンス」の提唱者としても知られています。果たして、ロボットはどこまで進化したのでしょう。浅田先生のグループが開発した学習し成長する「ヒューマノイド・ロボット」などを例に、人間の不思議とロボットの未来を探ります。
http://s-park.wao.ne.jp/archives/819
『21世紀はどんな世界になるのか――国際情勢,科学技術,社会の「未来」を予測する』 眞淳平/著 岩波ジュニア新書 2014年発行
ロボットに認知・発達機能を持たせる (一部抜粋しています)
その一方で、自己学習するロボットを設計し、そこから人間への新たな理解を生み出し、それらの相乗効果の中から、より自立したロボットを作り出そうとする、ユニークなアプローチを試みている研究者もいます。
この代表例の1つが、大阪大学大学院の浅田稔教授らの取り組みです。
浅田教授らのグループは、①ロボカップ、②認知発達ロボティクス、③「ロボットの街」の創造、という3つの分野で、ロボットに自律性を持たせるための探求を続けています。
①は、2050年までに、サッカー・ワールドカップの優勝チームに勝てるヒト型・自立型のロボット・チームを開発する、という目標の下で行われている研究です。
その一環として、浅田教授らの呼びかけによって、「ロボカップ」と呼ばれるロボット・サッカー競技会が始まり、毎年、国内大会や世界大会が開催されています。
この取り組みでは、強いロボット・チームをつくることも大切です。しかし、何よりもその過程で、人間の運動や集団行動のメカニズムを理解すること。さらにそれを、ロボットに応用することで、さまざまな知見を得ていくこと、が重要視されています。
②は、初めから多くの機能を備えたロボットを作るのではなく、ロボットに観たり聞いたりするなどの「認知機能」、経験を積むことで学習する「発達機能」などを与え、実際の人間とのかかわりの中で自律的な成長を促そう、とする研究です。
そこでは、はいはい運動を自分で学習する「Pneuborn-Ⅶ」。知らない人が来ると、悲しそうな表情をしたり、隠れたりする「M3-Kindy」。集団でのコミュニケーションの中で、顔や表情を変えたりする「M3-Synchy」。入ってきる情報を最大化する、というプログラムが組み込まれたことで、音などの外部刺激に反応してそちらに顔を向けたり、飽きるとそっぽを向いたりしる「Noby」、を始めとする多くのロボットが作られています。
もちろん、現時点でロボットにできることは、それ程多くありません。
しかしロボットに、人間の赤ちゃんや子どもの成長過程をたどらせることで、自律的にさまざまな認知機能を得て、自分の知能を高めていける機能、を持たせようとするこの研究は、今後のロボット開発を考えるうえで大きな意味があります。いわばここでは、ロボットが自分で学習し、できることを自分でふやしていくこと、が期待されているわけです。
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さらに浅田教授は「将来的にロボットが死や痛みを感じられるようにしたい」とも語っています。人間は、心のどこかで自分の死を意識していて、それがその人の行動に何らかの影響を及ぼすことも、しばしばあります。また人間においては、自身の肉体的な痛みを感じることが、他者の痛みを感じるという、共感や同情、哀れみなどの感情につながっています。
このため、ロボットが人間のような感情や認知の発達能力を獲得するためには、ロボット自身の、そして他者の死や痛みを感じる能力が不可欠ではないか、と浅田教授は考えています。