じじぃの「中国・南水北調プロジェクト・2035年クライマックス!水が世界を支配する」

【ニュースフォーカス】汚水を北上させる「南水北調」プロジェクト 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=MSFTpwNhyKM
中国 干ばつの真の原因は 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=pZyx_wiiCiA&feature=related
Water map 画像
http://aftermathblog.files.wordpress.com/2006/09/water-stress-map.jpg
黄河主流のダム及び南水北調計画 画像
http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/001/652/99/1/kougadam.gif
南水北調 経路図 画像
http://tj.news.cn/misc/2008-09/01/xinsrc_3230905011608281254178.jpg
南水北調」の北京区間工事現場

砂漠化が進む中国

南水北調」プロジェクト、北京で給水開始=水不足の根本的な解決にはならず―米紙 (追加) 2014年12月31日 レコードチャイナ
南水北調中央ルートにより、北京は年間需要量の3分の1がまかなわれるという。
だが、専門家からは、高コストのプロジェクトは長期的な解決案にはならないとの指摘がある。首都の人口増加や経済成長にともなって水の需要も増大し、汚染によって利用可能な水源も減少している。北京は今後もきわめて深刻な水不足と向き合うことになる。
http://www.recordchina.co.jp/a845.html
『水が世界を支配する』 スティーブン・ソロモン著  書評・前田耕作 2011年9月19日 YOMIURI ONLINE
本書は、現代社会の飽くなき欲望と、60億から90億に達しようとしている世界人口と産業界が求める水需要が、現状の慣行や技術では、自然界から取り出すことのできる持続可能な淡水の供給をはるかに上回ってしまう地球規模の危機の切迫に強い警鐘を打ち鳴らす。水の濫用と汚染、気候変動による恒常的な水不足、それらを克服する知恵と戦略を歴史の教訓に学びながら視軸の転換を探る。だが希望は玉虫色である。
水洗トイレの発明による公衆衛生革命、巨大ダムの建設によるエネルギー革命、豊かな水を享受してきた消費社会が、多元的な水危機に直面して厳しい即応が求められる。矢野真千子訳。(集英社、2000円)
http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20110919-OYT8T00401.htm
プレミアム8 未来への提言 ▽環境保護活動家 楊勇 〜中国13億人の水危機に挑む〜 2010年3月4日 NHK HI
【ゲスト】環境保護活動家 楊勇 【きき手】登山家 野口健
“世界の工場”として急速な経済発展を遂げている中国は、農産物や工業製品の生産で大量の水を使用している。深刻な水質汚染地球温暖化の影響も相まって、国家の命運を左右するほどの水資源不足に陥っている。こうした中、探検家で環境保護活動家の楊勇さんは、4ヵ月をかけて中国内陸部を大規模に探査。水問題の現状を調査した。貴重な探査の映像をもとに、楊さんに中国の水危機の現状を聞く。
http://www.nhk-g.co.jp/program/news_documentary/2010/024/
南水北調 ウィキペディアWikipedia)より
南水北調(なんすいほくちょう)は、中国南方地域の水を北方地域に送り慢性的な水不足を解消する構想(プロジェクト)の事。2002年12月27日、当時の首相朱鎔基によって着工を宣言された。第10次5ヵ年計画の一つで、総投資額は約5,000億元。規模、難度共に、三峡ダム工事を超える。西気東輸西電東送青蔵鉄道とともに、西部大開発の目玉プロジェクトとして位置づけられる。
南水北調工事の論争と対策】
南水北調工事が発表されてから、多くの論争を巻き起こした。
反対者は主に、巨額の工事費がかかり、多くの住民の移動問題にかかわり、供水量の少なかった場合の経済効果、供水量の多かった場合、渇水期の長江の水不足、またそれに伴う長江河川の船の航行の影響、長江河口の潮の塩分濃度の増加、さらに生態系への影響を懸念する。
賛成者は、長江の水量は毎年海に大量に流れ込むほど豊富にあり、一部分の水を北の渇水地区に回せば、渇水の問題は解決し、またマイナス面での影響も防止策や、補償、総合的な整備を行うことによって、最低限に抑えることができるとみている。

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『水が世界を支配する』 スティーブン・ソロモン/著、矢野真千子/翻訳 集英社 2011年発行
チベット問題と南水北調プロジェクト (一部抜粋しています)
黄河揚子江だけでなく、アジアの大河はどれもチベット高原に源を発している。そもそも中国がチベット統治権を主張して譲らないのは、中国とアジアの水源を手放すわけにはいかないからなのである。大河の下流域の国々にとっては、生命線である川をめぐって中国が非協力的な態度をとっていることが気がかりだ。1997年の国際水路会議で、中国はトルコとブルンジとともに国際水路の公平な共有を認めようという決議に反対票を投じている。まあ、優位な側にある国は、その特権を制限されるような国際条約を簡単には受け入れないのが世の常だが。
それはそうとして、中国の南水北調プロジェクトほど大きな規模と野心をもった水利事業計画はないだろう。この構想は、やはり毛沢東が1952年に全国の水資源を視察したとき、「中国南部は水がありすぎて、北部は水がなさすぎる。南の水を借りて北を助けたらどうかね」と語ったことから生まれた。水がなさすぎる中国北部で開催される2008年北京オリンピックを前に、中国政府は2001年、技術的な実現可能性も環境への負荷も不確かなまま、多国籍土木事業による水移転計画に着手した。コロラド川の2倍から3倍の水を、あるいはリビアの「大人工河川プロジェクト」の25倍の水を揚子江流域から引いて中国北部に移してしまおうという計画だ。合計すると2200マイルの長さになる3本の送水管が、山や谷、運河、鉄道、その他自然の景観や人工の景観を横切って、乾ききった中国北部に水を送るべく設計図が引かれた。
東側ルートと中央ルートの作業はオリンピックに間に合うよう急ピッチで工程が組まれたが、複雑な西側ルートは2010年以降のスタートとなる。
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南水北調プロジェクトがもしうまくいけば、中国は水不足の危機を一時的に回避できるかもしれない。だがそれは、けっして長期的な解決にはならない。なぜなら揚子江そのものがすでに過剰取水されていて、北部に分けてやれるほどの余裕がないからだ。そんな状態で南の水を移したところで、中国の急速な近代化のペースにはとても追いつけない。この計画は淡水欠乏と生態系破壊という根源的な問題を先延ばしするだけにすぎない。
一方、地球温暖化が中国全体の水供給に打撃を与える可能性が忍び寄っている。黄河揚子江の源であるチベット高原の氷河が、急速に融解しているからである。中国の巨大ダムと水移転計画はすべて、この氷河がなくなれば一夜にして無用のものとなる――氷河なきあとの、季節によって極端に変わる気候パターンには規模が釣り合わなくなるだろうから。地球温暖化の脅威にさらられているのは中国だけではないが、巨大ダムと水移転計画の成功に賭けているものの大きさを思えば、この国は他国よりずっと危険だということになる。気候変動の影響をまともに受けるまで、中国にどれだけの時間が残されているのかはだれにもわからない。だが、気候変動に関する政府間パネルIPCC)の試算によれば、2035年にはかなりの氷河が融解し、中国の淡水源は3分の1減少し、農業のニーズを満たせなくなるという。この2035年というのは、中国の氷河以外の水危機もクライマックスを迎えると予想されている時期でもある。
中国の将来は、水危機と環境危機にどう対処するかにかかっている。古くからある輝かしい文明を21世紀に復活できるかどうか。近年得た新興超大国という地位を保てるかどうか。1つ希望があるとすれば、この国で草の根の環境運動が広がって政府を動かすほどの力に育ってくれることだ。そうなれば政府は独裁主義を緩め、もっと民主的で柔軟な政策を打ち出すようになるだろう。しかしながら、環境保護圧力がかえって政府の独歳主義を硬直させ、15億の民の物質的欲望を一発でかなえられそうな、また別の大規模水供給プロジェクトが打ち上げられる可能性も否定できない。中国が水危機の対応に成功するにせよ失敗するにせよ、それは21世紀の世界史に大きなできごととして記録に残るはずだ。
水の欠乏と生態系の衰弱は急成長中の大国である中国とインドのアキレス腱であるが、それは同時に、比較的水が豊かで自由民主主義の西洋工業国にとって、世界秩序を変えていくリーダーシップを再びとるチャンスでもある。ここしばらくリーダーシップが弱まっていた西洋工業国だが、淡水が石油よりも重症な時代になると、まだ十分に利活用なれていない水資源をもっているという莫大な比較優位性を発揮することになる。

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どうでもいい、じじぃの日記。
図書館から、『水が世界を支配する』という本を借りてきた。中国の「南水北調プロジェクト」のことが書かれている。
去年3月にNHK 未来への提言 「環境保護活動家 楊勇 〜中国13億人の水危機に挑む〜」を観た。
テレビを見て感じたことは何て無謀なことをするんだろう、自然破壊もいいところだ。植林とかで中国の砂漠化を防止することが先決だろう、と思った。
2010年、中国の民主活動家、劉暁波氏がノーベル平和賞を受賞した。
しかし、中国は変わらなかった。
中国人の考え方は我々、日本人と違った思考回路が働いているのだろうか。
作家の堺屋太一氏は中国の歴史は文明史というよりは王朝史だと言った。中国共産党もまた、中国共産党という王朝なのだという。
万里の長城」を造ったのは秦の始皇帝だった。彼らの現代の南水北調プロジェクトは万里の長城の水路版のように見える。
「中国は水不足の危機を一時的に回避できるかもしれない。だがそれは、けっして長期的な解決にはならない。なぜなら揚子江(長江)そのものがすでに過剰取水されていて、北部に分けてやれるほどの余裕がないからだ」
最近は南水北調がダメなら「海水」を引けばいい、とかいうのが出ている。
「政府間パネル(IPCC)の試算によれば、2035年にはかなりの氷河が融解し、中国の淡水源は3分の1減少し、農業のニーズを満たせなくなるという。この2035年というのは、中国の氷河以外の水危機もクライマックスを迎えると予想されている時期でもある」
彼らが過ちを認めるのは、2035年になってからなのだろうか。
そのとき、初めて中国共産党一党独裁が崩壊するのだろうか。