じじぃの「未解決ファイル_141_ミトコンドリア」

アンチエイジングの鍵を握るミトコンドリア 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=KQ-enWql0j0&feature=related

NHKドキュメンタリー 時空を超えて 「死からよみがえることはできるか?」 (追加) 2015年7月2日
【語り】モーガン・フリーマン (2012年 アメリカ製作)
今年3月に放送したシリーズの第2弾。「死からのよみがえり」をテーマに第一線の研究者らさまざまな角度から検証する。
クローン技術などを駆使すれば、近い将来、肉体を再生させることは可能になるかもしれない。しかし、故人の経験や記憶はどうなるのか? 心も再生できるのか? 脳をコピーし、心をコンピューターの中で再生できるという研究者もいる。それで“生きている”と言えるのか? 究極の答えとは!?
細胞の寿命が来ると調節遺伝子は、シグナルを発し細胞に自らを破壊する酵素を作らせます。
こうして毎日およそ500億の細胞が死んでいます。
例えば、心臓発作など重大な問題が起きると傷ついた細胞は周りの健康な細胞にも死ぬ時が来たことを知らせます。
知らせを受けると全身の細胞が次々と死にはじめ、人は死に至ります。
私たちの死は生物学的なプログラムによって制御されているんです。
プログラムを修正し細胞が自ら死ぬのを止めることができれば死を回避したり死者をよみがえらせることも可能になるかもしれません。
細胞に組み込まれたプログラムに働きかけることが重要だと考えています。
細胞が自ら死ぬ死のプログラムの引き金は何なのかを探るため、健康な細胞を採取し酸素の供給を断ちました。
予測では生き残った細胞に酸素を与えればまた元気になるはずでした。
私たちの予測とは正反対の結果が出ました。酸素を断たれると細胞は全く活動しなくなりましたが死ぬこともありませんでした。ところが、再び酸素を与えた途端細胞が次々と死に始めたんです。
酸素は生命活動に欠かせないものです。ところが、その酸素が細胞を死に至らしめる引き金にもなっていたんです。
酸素を断った細胞に再び酸素を与えると、細胞が次々と死ぬ「死のシグナル」が発せられることが分かりました。
この反応は冷却することで抑えられることも分かりました。
ベッカーは死のシグナルがどこから発せられるのかが分かれば、冷却しなくても伝達を止められるかもしれないと考えました。
死のシグナルがどこから発せられるのかを解明しようとしました。
注目したのは細胞内の代謝経路です。
全ての経路は細胞の中にあるミトコンドリアにつながっています。ミトコンドリアは人体のほとんどの細胞に存在する小さな器官です。栄養や酸素を取り込み化学エネルギーに変えます。
1つのミトコンドリアが制御不能になると死のシグナルが発せられ連鎖反応的に広がります。
ベッカーたちは、ミトコンドリアに硫化物シアン化物一酸化炭素を作用させることで連鎖反応を防げると考えました。
これらの物質の適切な投与量を測定しようとしています。
患者に酸素を戻し始める時点でミトコンドリアに3つの物質を投与するのが理想的です。
これによっていわばミトコンドリアをリセットします。
死を引き起こすのではなく、通常どおりエネルギーを生産させるようにするのが目的です。
まだ実験的な段階ですが、死のシグナルを妨げる方法が見つかれば瀕死の人や死んだ直後の人を蘇生させることが可能になるかもしれません。
厳密に制御された条件の下では、死者をよみがえらせることは既に可能になっています。
では死者の肉体を新たに育てることができるとしたら? もしアインシュタインモーツァルトを生き返らせることができれば人類に大きな恩恵をもたらすでしょう。
亡くなった愛する人をよみがえらせることができれば、多くの人にとって意味があります。
http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/3452/1988019/index.html
NHKスペシャル 「あなたの寿命は延ばせる 〜発見!長寿遺伝子」 2011年6月12日
【主演】萩本欽一 【語り】中山エミリ三宅民夫
老化を遅らせ、寿命を延ばす遺伝子が見つかった。「サーチュイン遺伝子」というその遺伝子は、特別な人でなくても、誰もが持っている。うまく働かせられれば、平均寿命は100歳を超える。衝撃の発見の詳細を、萩本欽一さんの案内で分かりやすくお伝えする。
サーチュイン遺伝子は最初に酵母で見つかり、その後、ハエ、ネズミ、サル、ヒト、と、地球上のほとんどの生物が持っていることが分かった。動物実験では、サーチュイン遺伝子の働きを強めることによって、寿命が20〜30%延びることが確認された。
ミトコンドリアが出す活性酸素」「免疫細胞の暴走」など、老化をもたらす具体的な要因が最新の研究で分かって来ている。サーチュイン遺伝子がONになると、指揮者のように働いて、100近くの老化要因を抑える。その結果、肌、血管、脳など様々な器官が若く保たれ、寿命が延びるのだと考えられている。
この遺伝子、万人が持っているが、普段は眠っていて働かない。しかし、働かせる簡単な方法も分かった。さらにはサーチュイン遺伝子の機能を高める“長寿薬”も開発途上にある。果たして、人間の寿命はどこまで延びるのか? 最新科学の成果を追う。
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20110612
健康長寿
ミトコンドリアは、活性酸素の産生源として特に注目されています。私たちが呼吸で取り込んだ酸素の90%以上はミトコンドリアで使われます。ミトコンドリアの最も重要な機能は、その酸素を使って成長や生存のためのエネルギー(ATP)を作ることです。この過程で酸素の0.1-2%が活性酸素に変わるのは避けられないと考えられています(酸素の2-3%が活性酸素になると書いてある文献が多いのですが、これは初期の報告に見られる不正確な数字を使っているためと思われます。実際はもっと少ないようです)  生きるために必要な過程で生命を脅かしかねない物質が出来てしまうのは皮肉なことです。ミトコンドリアからの活性酸素の産生は老齢動物で増加するという報告が多くあります。
http://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/aging/doc3/doc3-03-1.html
ミトコンドリア遺伝子と長寿 2002/11/26
財団法人岐阜県国際バイオ研究所 遺伝子治療研究部長 田中雅嗣
加齢とともにミトコンドリア遺伝子に変異が蓄積し、ミトコンドリアからの活性酸素の漏出が増大し、それが細胞機能に悪影響を与えるという「老化におけるミトコンドリア遺伝子変異蓄積説」は、多くの観察から支持されています。
高出力型のエンジンではなく、排気ガスの少ない、耐久性の高いミトコンドリアをもっていると、長生きができるかもしれません。
現在、ミトコンドリア遺伝子型と成人発症性疾患の関連を追及しています。糖尿病における動脈硬化の進展や腎臓の機能障害、心筋梗塞脳梗塞の発症などに、ミトコンドリア遺伝子多型が影響を及ぼしていることが明らかになってきました。それらのデータについてご紹介したいと思います。
http://www.tmig.or.jp/J_TMIG/kouenkai/koza/62koza_3.html
サイエンスZERO「健康のカギをにぎる!? ミトコンドリアの新常識」 2009年11月7日 NHK教育
【専門家ゲスト】日本ミトコンドリア学会会長・日本医科大学教授 太田成男 【コメンテーター】東京女子大学教授 黒崎政男 【司会】安めぐみ、山田賢治
教科書で習った「ミトコンドリア」のイメージといえば小さいカプセル状。しかし蛍光タンパク質を使った新たなイメージング技術の発達により、生きたままミトコンドリアが見えるようになり、その本当の姿が明らかになった。また、ミトコンドリアはエネルギーのもとになるATPを作り出すという働きをしているが、その詳しい仕組みが最近わかってきた。そして今、特に注目されているのが、ミトコンドリアと健康の関係だ。細胞の中のミトコンドリアの量が多いほど、疲れにくいことや、運動によってミトコンドリアの量を増やすことができることもわかってきた。ところが身体に過剰なストレスがかかると一転、活性酸素を多量に発生するようになる。するとミトコンドリア自体が傷つき、本来の役割を果たせなくなってしまう。そしてミトコンドリアの量が減ると、糖尿病やがんなどの病気につながる可能性さえ見えてきた。単なるエネルギー生成器官ではなかったミトコンドリアの本当の素顔に最新研究から迫る。
【見えた! ミトコンドリアの本当の姿】
蛍光タンパク質の登場で、生きているミトコンドリアの姿が明らかになった。ミトコンドリアは糸のような細長い形をしていて動きまわっていることがわかった。教科書で習ったようなだ円形のものは、この細長いミトコンドリアの切断面だという。
【見えた! ミトコンドリアの役割】
大阪大学産業科学研究所では、ミトコンドリアがつくったATP(アデノシン三リン酸)についての研究を行っている。ATPの濃度を測るために蛍光タンパク質を使った新たな技術を開発。ミトコンドリアのATP濃度を測定したところ、意外なことに、細胞の核の部分より低いことがわかった。細胞が効率よくエネルギーを使うためではないかと考えられる。
【見えた!? 病気とミトコンドリア
ミトコンドリアは、メタボリックシンドロームなどの現代病にも深い関わりがあると考えられている。糖尿病患者の細胞には、健康な人よりもミトコンドリアの量が少ないというデータもある。運動不足などでミトコンドリアが減ると、血液中の糖がATPに変えられずに余るようになる。その糖によるダメージでますますミトコンドリアが減ってしまい、この状態が続くと糖尿病が進行していくと考えられる。
【健康のかぎをにぎるミトコンドリア
健康の秘けつは、元気なミトコンドリアをたくさん持つことだという。元気なミトコンドリアを増やすには、ウォーキングで汗をかくことや、普段ちょっと意識して全身を使うだけでもOK。運動をすれば、必要なエネルギーをつくり出そうとミトコンドリアの量も増え、健康な生活を送ることができる・・・かも。
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp281.html
『ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト 最新科学が明らかにする人体進化35億年の旅』 ニール・シュービン/著 垂水雄二/翻訳 早川書房 2008年発行
すべての証拠が語ること
【微生物の過去――ミトコンドリアの病気】
ミトコンドリアは私たちの体のすべての細胞の内部にある、驚くべき数の仕事をこなしている。もっとも目につく仕事は、酸素と糖を、細胞内で使うことができるような種類のエネルギーに変換することである。その他の機能としては、肝臓内の毒素を代謝したり、細胞内のさまざまな部分の働きを調整したりすることが含まれる。私たちがミトコンドリアを意識するのは、なにか不具合が生じるときだけである。残念ながら、ミトコンドリアの機能不全によってひき起こされる病気のリストは驚くほど長大で、しかも複雑である。酸素が消費される化学反応にもし問題があれば、エネルギー生産が低下することが起こりうる。機能不全は個別の組織、たとえば眼の組織に限定されることもあるが、体中のあらゆるシステムに影響を与えることもある。機能不全の場所と深刻さに応じて、体の衰弱から死まであらゆることをもたらしうる。
私たちが生きるために使っている過程の多くに、ミトコンドリアの歴史が反映されている。糖と酸素を使える形のエネルギーと二酸化炭素に変換する科学的な一連の連鎖反応は、数十億年前に出現し、その変形版(バージョン)は、今でもなお多様な微生物に見られる。ミトコンドリアはこの細菌としての過去を内部にもっている。遺伝的な構造全体と細胞性の微細構造が細菌と類似ていることから、ミトコンドリアはもともと、10億年以上前に自由生活をしていた細菌から生じたものであると一般に認められている。実際に、私たちのミトコンドリアのエネルギー生成機構全体が、そうした太古の細菌の一つで生まれたのである。
ミトコンドリア病を研究するうえで、細菌としての過去は利点として使うことができる――実際に、ミトコンドリア病の最良の実験モデルのいくつかは細菌なのである。細菌であれば、ヒト細胞では不可能なあらゆる種類の実験をおこなうことができるから、これは強力な武器である。

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『生命の跳躍――進化の10大発明』 ニック・レーン/著、斉藤隆央/翻訳 みすず書房 2010年発行
 (一部抜粋しています)
カロリー制限を、少なくとも人生の早い段階(ミトコンドリアが古びる前で、中年なら結構)ではじめれば、老化だけでなく、加齢にともなう病気をも防げる理由がわかる。フリーラジカル活性酸素)の漏出を減らし、ミトコンドリアの膜を強化して損傷を防ぎ、さらにミトコンドリアの数を増やすことによって、カロリー制限は事実上、生命の時計の針を「若いころ」へ「リセット」する。そうすることで、何百もの炎症性遺伝子のスイッチがオフになり、遺伝子を若い化学的環境へ戻す一方、細胞をプログラム細胞死から守る。この組み合わせはガンと変性疾患の両方を抑え込み、老化の速度を送らせる。実際にはほかにさまざまな要因(TORを阻害することによる直接的な免疫抑制効果など)がかかわっていそうだが、理論上、カロリー制限による恩恵はおおかた、単純にフリーラジカルの漏出の現象によって説明できる。われわれを鳥に近づけているのである。
ほんとうにそんな仕組みになっていることを裏付ける、興味深い証拠もある。1998年、当時岐阜県国際バイオ研究所にいた田中雅嗣らが、ミトコンドリアDNAでよく見られる変異(世界では残念ながらそうではないとしても、少なくとも日本ではよく見られる)をもつ人々の「運命」を調査した。その変異では、DNAの文字ひとつだけ変わる。この変化により、フリーラジカルの漏出が、どの瞬間を見てもほとんど気づかないほどわずかに減少するが、それは障害を通して続く。以外にも、その結果はとてつもない。田中らが、継続的に病院の世話になっていた数百人の患者でミトコンドリアDNAの配列を解析したところ、50歳ぐらいまでは、変異タイプと「通常」タイプとの比率に差はなかった。ところが50歳を超えると、ふたつの対応の差が開き出した。80歳に達するまでには、その変異をもつ人がなんらかの理由で病院に来る可能性は、もたない人の半分になった。彼らが病院に来なかったのは、亡くなったとかの理由ではない。田中は、この変異をもつ日本人が100歳まで生きる可能性が、そうでない日本人の2倍であることを明らかにした。これは、この変異をもてば、なんらかの老年性疾患に罹る可能性が半分になることを示唆している。医学全体を見わたしても、これほど衝撃的な事実を私は知らないので、もう一度言わせてもらいたい。ミトコンドリアにわずかな変化があるだけで、なんらかの老年性疾患で入院するリスクが半減し、100歳まで生きる見込みが2倍になるのである。

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どうでもいい、じじぃの日記。
この間、図書館から『生命の跳躍――進化の10大発明』という本を借りてきた。
ぱらぱら、めくっていたら、日本人がなぜ長寿なのかについて書かれている。
「世界では残念ながらそうではないとしても、少なくとも日本ではよく見られる」
活性酸素が遺伝子を傷つけ、老化の原因のひとつになっていることは知っていたが、この活性酸素を作り出しているのがミトコンドリアだ。
そういえば、1年ぐらい前に観たNHKの 「サイエンスZERO」という番組で「ミトコンドリアの新事実」をやっていたのを思い出した。
健康な人はミトコンドリアの量が多く、病気の人は少ないのだそうだ。
運動などをすると細胞内のミトコンドリアが増えて健康になっていく。しかし、ミトコンドリア自体が活性酸素を作っておりミトコンドリア自身を傷つけているらしい。
ミトコンドリアにわずかな変化があるだけで、なんらかの老年性疾患で入院するリスクが半減し、100歳まで生きる見込みが2倍になるのである」
ミトコンドリアは糖尿病における動脈硬化や腎臓の機能障害、心筋梗塞脳梗塞の発症などに、深く関係しているのだ。