じじぃの「赤ずきん!本当は恐ろしいほど残酷な」

Rotkappchen 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=3uCzS_FknLA&NR=1
Bedtime Stories: Little Red Riding Hood 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=fZVBZTS2ntk&feature=fvwrel
"RED RIDING HOOD" The Action Movie 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=8Wf1C4iBikI
シャルル・ペロー フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』 (一部抜粋しています)
シャルル・ペローはフランスの詩人。アカデミー・フランセーズの会員。古今論争の火付け役。日本では『ペロー童話集』の作者として有名。
【物語研究の論点から】
この童話集(通称「ペロー童話集」)は、グリム兄弟やマザー・グースよりも前に民間伝承をまとめたものとして名高いが、読者に読みやすくなるよう、若干の脚色が入っている。当時の風俗を取り入れたことで、読みやすい物語となった一方で、昔話収集としては余分なものが入る結果となってしまった。しかし、物語の研究をする者には今でも、無視できない作品となっている。
特に、グリム童話集とは収録された物語が重なることもあり(例:赤ずきん)、その比較研究が進められている。
澁澤龍彦は、グリム童話と比較して「古拙の味わいがある」と述べている。
【童話集のその後】
ペローの物語は、今も世界中の子どもたちに愛され、音楽や映画、舞台、オペラなどのテーマとなっている。 なかでも、ディズニーの『眠れる森の美女』や、東映動画でアニメーション化された、『長靴をはいた猫』は有名。
「サンドリヨンは本来、毛皮の靴を履いていた」とする説があるが、ポール・ドラリュの研究によると「ガラスの靴」が原型であり、ペロー は説話を正確に記録したとされる。

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『昔話の魔力』 ブルーノ・ベッテルハイム/著、波多野完治/乾侑美子/翻訳 評論社 1978年発行
赤ずきん (一部抜粋しています)
<純真>でかわいい女の子が、狼にのまれるというイメージは、消えることのない印象を聞き手に与える。「ヘンゼルとグレーテル」の魔女は、子どもたちをとって食おうと計算しただけだった。ところが、「赤ずきん」では、おばあさんと子どもがほんとうに狼にのみこまれてしまう。たいていの昔話がそうだが、「赤ずきん」にも類話がたくさんある。いちばんよく知られているのは、グリム童話集におさめられているものだろう。グリムの「赤ずきん」では、赤ずきんとおばあさんは生き残り、狼はその罪にふさわしい罰を受ける。
しかし、この物語は、文学史上はペローから始まる。イギリスではこの物語の題名として、ペローがつけた「小さな赤い乗馬ずきん(Little Red Riding Hood)」のほうがよく知られている。ただし、グリムのさいようした「小さな赤いぼうし」のほうが、内容にあっている。
昔話の研究者の中でも、最も博識で鋭い目を持った一人でもあるアンドリュー・ラングは、もしいろいろな「赤ずきん」の結末がすべて、ペローのそれのようになっていたら、この話はとうに忘れられていただろう、といっている。これは多分、ラングのいうとおりで、「赤ずきん」が最も人気のある昔話の1つになったのはグリムの再話があったためだろう。しかし、この物語の歴史がペローから始まる以上、我々もまず、ペローの再話を検討する−−そして捨て去る−−ことにしよう。
ペローの物語も、出だしは他の「赤ずきん」と変わらない。まず、おばあさんがどんなふうに、小さな赤い乗馬ずきん(あるいは帽子)を孫娘に作ってやったかを語り、そのずきんが孫娘の通り名になったことを語る。ある日。赤ずきんの母親が赤ずきんに、病気のおばあさんのところへお菓子を届けさせる。赤ずきんは、その途中の森の道で、狼に出会う。その時は近くに木こりがいたので、狼は赤ずきんをその場で食べるのをあきらめる。そのかわり、どこへ行くのかとたずねる。赤ずきんは教えてやる。狼がおばあさんの家の場所をくわしく聞くと、赤ずきんはそれにも答える。すると狼は、自分もおばあさんのところへ行こうといって、全速力でかけ出す。赤ずきんのほうは、道草をしながらのんびり歩いていく。
狼は赤ずきんのふりをしておばあさんの家にはいりこみ、たちまちおばあさんをひとのみにしてしまう。ペローの物語では、狼はおばあさんの服を着込んだりせず、ただ、おばあさんのベットにもぐりこんでいる。赤ずきんがくると、狼は、自分と一緒にベッドにおはいり、と誘う。赤ずきんは服をぬいでベッドにはいったが、おばあちゃんがはだかなのに驚いて、叫ぶ。「おばあちゃま、おばあちゃまの手は、なんて大きいんでしょう!」
しると狼が答える。「それは、むすめや、おまえをしっかりだくためさ!」
「おばあちゃま、おばあちゃまの足は、なんて大きいんでしょう!」赤ずきんがいうと、「それは、かわいい子よ、早く走るためさ!」
この2つの問いと答えは、グリムの再話には出てこない。
例のよく知られた、おばあさんの耳や目や歯についての問いは、ペローではこのあとに続く。最後の問いに、狼はこう答える。「それはお前をたべるためさ」
そういいおわると、この悪い狼は、赤ずきんにとびかかって、むしゃむしゃたべてしまいました。
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赤ずきん」を聞いた人は、当然のことだが、なぜ狼は赤ずきんを、出会いがしらに−−最初のチャンスに−−食べてしまわなかったのだろう、と考える。ペローは、そこはいかにもペローらしく、一見筋の通った説明をしている。近くにいた木こりがこわくなかったら、狼はきっとそうしていただろう、というのだ。ペローの物語では、狼は一貫して男性の誘惑者だから、他の男性のいるところで少女を誘拐するのを恐れる、というのはよくわかる。
グリムの再話ではそこが全く違う。狼がすぐ食べなかったのは、狼のあきれるばかりのいじきたなさのせいだ、という説明になる。「おおかみは、腹の中でかんがえました。このちっちゃな、やわらかいやつ、こいつはおいしいごちそうだ。このほうが、おばあさんより味がいいぞ。2つとも、ぱっくりやるには、ぬけめなくやらなくちゃならんぞ」

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どうでもいい、じじいの日記。
『昔話の魔力』という本を見ていたら、「赤ずきん」が出てきた。
グリム童話は『ヘンゼルとグレーテル』、『赤ずきん』、『灰かぶり姫』、『白雪姫』、『狼と七匹の子やぎ』などの民話を、ドイツのグリム兄弟が共同でとりくんだ古代ドイツの民俗学の研究の一環として蒐集したドイツ民話集である。
この『赤ずきん』ほど世界中で愛され親しまれている童話があるだろうか。
しかし、グリム童話がグリム兄弟によって世に出る100年以上前にフランスのペローが童話集が出している。その中には『赤ずきん』、『眠れる森の美女』、『長靴をはいたネコ』、『サンドリヨン』などが含まれている。
赤ずきん』のストーリーはグリム童話と結末を除いてほとんど同じである。ペロー童話集では、赤ずきんは食べられてそこで終わりだが、グリム童話では通りがかった猟師が気付き、狼の腹の中からおばあさんと赤ずきんを助け出して終わりになっている。
この物語で奇妙なのは、なぜ、最初に出会った赤ずきんを襲わなかったということだが、まずいおばあさんを先に食べた後でおいしい赤ずきんを食べたほうがよりおいしく食べれるという心理が働いたのであろうか。
森の中におばあさんの家があるというのも奇妙だ。
日本に「姥捨て山」伝説がある。中世のヨーロッパでも口減らしのために山に姥捨てされる風習があったのである。赤ずきんは口減らしのために山に姥捨てにされたおばあさんのところに会いにいったのである。
おっかない赤ずきんちゃんの童話。さらに、この童話には「姥捨て山」という伝説が隠されていたのである。