じじぃの「科学・芸術_253_小説『子供と家庭の童話』(グリム童話)」

世にも恐ろしいグリム童話 (Hansel & Gretel) 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=dQ3LHMypj38
Die Bruder Grimm und ihre Marchen

シンデレラ(グリム童話)の原作が怖い!?あらすじと残酷な結末を紹介 2017年08月14日 Pinky
女性なら誰もが憧れたことのあるプリンセスであるシンデレラ。
大人気ディズニーのキャラクターとしても知られているシンデレラの原作が実は怖い?グリム童話に登場する原作のシンデレラのあらすじをご紹介!原作のグリム童話はハッピーエンドではなく残酷な結末だった!
http://pinky-media.jp/I0010092
『世界文学大図鑑』 ジェイムズ・キャントンほか/著、沼野充義/監修 三省堂 2017年発行
むかしむかし…… 『子供と家庭の童話』(1812年〜15年) グリム兄弟 より
グリム兄弟は、それ以降の民俗学者と同じく、人々の精神の由来のたしかなものにして後世に残すことを研究課題とし、自分たちの文化圏全域で語られたおとぎ話を記録する活動をはじめた。
これは壮大で夢に満ちた企てだった。民間伝承に対する関心が湧き起ったのは、民族主義が高まって文化を誇る傾向が強くなったからであり、グリム兄弟がおとぎ話を収集した目的もそれと変わらない。また、ヨーロッパの学者のなかで彼らだけがそうした仕事をはじめたわけでもなかった。しかし『子供と家庭の童話』に示されているように、グリム兄弟の労作こそがヨーロッパで収集された物語の最大部分を代表しており、どの作品よりも広く翻訳され読まれている。
森の奥深く分け入って物語を集めまわったと見なされることが少なくないが、そうしたことはおこなわれていない。グリム兄弟が資料にしたのはほとんどが兄弟のもとへ寄せられたものであり、中には文章の形で届く例もあった。「ねずの木の話」は、画家フィリップ・オットー・ルンゲが兄弟に送ってきたものである。
初版では、グリム兄弟はもっぱら大人向けに書いた。1823年に出されたエドガー・テイラーの英訳版が子供を対象として成功をおさめたのを機に、兄弟は修正を加えてドイツの物語を健全なものにした。たとえば、初版の「ラプンツェル」では、主人公の(婚外)妊娠があからさまに書かれているが、修正版では単に太るだけである。それでも暴力が最小限になったとはかならずしも言いがたい。シャルル・ペローの話に出てくるフランス版「サンドリヨン」は、義理の姉たちを許して、よい夫を見つけてやる。ところがグリム版の懲罰的な話では、シンデレラを助ける鳩が姉たちの両目をつついて失明させてしまう。
それでもグリム童話の人気は持ちこたえ、長年にわたって多様に解釈されて、さまざまな媒体で改作されてきた。夢幻の世界へ誘う「むかしむかし」という表現は、いまも不滅の真実を明らかにし、幸福で調和のとれた結末の魅力と相まって、世代を超えて人の心を惹きつける。