じじぃの「看護師・介護士を目指す外国人!愛なき国」

【ドキュメンタリー】インドネシア人看護師候補者(日イ経済連携協定 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=sAkeRB1OA0s
プライムニュース 「介護現場で働く海外研修生の実情は 外国人材活用に向けた日本の課題」 (追加) 2014年4月17日 BSフジ
【キャスター】島田彩夏、反町理 【ゲスト】木村義雄自由民主党参議院議員・党外国人労働者等特別委員長 元厚生労働副大臣)、塚田典子(日本大学大学院グローバル・ビジネス研究科専任教授)、牧野裕子(特別養護老人ホーム 新横浜パークサイドホーム法人統括部長)、リア ワロカ(介護福祉士
6月に発表される予定の成長戦略と絡んで、安倍政権が制度面の検討を始めた、外国人材の活用。もちろん、野放図に門戸を開くわけにはいかない。では、どのような産業分野で、どのような資質を持った外国人労働者を受け入れていくのか。
その一つの先行事例とも言えるのが、介護分野。2000年代後半から、経済連携協定EPA)に基づき、インドネシア・フィリピンからの研修生を迎えている。
介護施設で働きつつ資格取得を目指す彼らの実情から、雇用のグローバル化に向けた日本の課題を考える。
前編:http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d140417_0
後編:http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d140417_1
『愛なき国 介護の人材が逃げていく』 NHKスペシャル取材班/著、佐々木とく子 阪急コミュニケーションズ 2008年発行
なぜ、制度がうまく回らないのか? (一部抜粋しています)
2004年11月29日、当時の小泉純一郎首相と、フィリピンのアロヨ大統領との間で、「日本・フィリピン経済連携協定(日比EPA)の大筋合意がなされた。この協定の目玉の1つが、医療・福祉分野における労働力の移動である。フィリピンから看護師・介護士を「輸入」し、少子高齢化で減ってしまった「介護の担い手」を外国人によって補填し、「超高齢社会」の打開策にするものである。
今まで、政府は労働力の移動に非常に慎重な姿勢を貫いてきた。犯罪の増加などを恐れてのことである。しかし、少子高齢化が進み、絶対的な労働力の供給が逼迫(ひっぱく)している今、政府も外国人労働力に頼らざるをえない状況を認識し、方向転換する必要性を迫られたと言えよう。では、政府はなぜ、看護・介護の現場の門戸を開いたのか。ここでは介護の現場に絞って考えていきたい。
そこには、介護分野における深刻な人材不足がある。労働環境が劣悪だとされてきた介護現場だが、以前は仕事がきつくても、それなりに安定した収入を得られる職場とされ、人材には事欠かなかった。しかし、介護保険法による賃金の是正が行われると、介護現場は魅力ある職場ではなくなってしまった。加えて近年の景気の回復によって、担い手は他業種へと流れてしまった。そのため、介護の現場では安定した労働力を提供できないという、看過できない事態に陥りつつあった。
表向き政府は、介護福祉士ホームヘルパーの資格取得者数を引き合いに出して、人材は足りているとしている。しかしその一方で、限定的とはいえ、看護・介護の労働力の受け入れを決めた。すなわち、労働市場の国際的な需給システムを組み入れるという大義名分を隠れ蓑にして、看護・介護における人材不足を認めたのだ。換言すれば、政府の危機感の表れが「日比EPA」という形として現れたと言えるのではないだろうか。
さて、それではなぜ、政府はフィリピンの介護士に白羽の矢を立てたのか? 先にも述べたように、もともとフィリピンは労働力を"輸出"し、、外貨を手に入れる出稼ぎ大国である。介護士の輸出も昔からなされており、協定が大筋合意に達する直前の03年には、カナダやアメリカといった欧米諸国のほか、台湾やイスラエルなど世界各国におよそ1万9000人の介護士を派遣している。ホスピタリティー精神旺盛な国民性からか、フィリピン介護士に対する各国の評価は高い。政府が外国人介護士として、フィリピン人に目を付けたのは、そうした世界からの評価に基づいてのことである。
しかし、欧米での成功の裏には、フィリピンの公用語が英語であるという背景がある。言語がまったく異なる日本では、その点において非常に懸念が残る。そのため、政府も受け入れにあたり、6ヵ月の日本語研修を条項に付与している。とはいえ、実際に雇い入れるのは現場である。戦力として期待できなければ意味はない。また、フィリピン人介護士の研修も現場がしなければならない。さらに、フィリピン人への偏見もお年寄り世代には根深く残っている。

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2/10、NHK 首都圏ネット 「看護師を目指す外国人 "最後の試験"へ」から
3年前はインドネシアから、おととしはフィリピンから、現地で看護師や介護福祉士の資格のある人たちの受け入れが始まりました。
日本の病院で仕事を手伝いながら、国家試験の合格を目指しています。看護師の場合、与えられた期間は3年。今の規定では今月20日の試験は最初に来日した人たちにとって最後のチャンスです。その最後のチャンスを前にした看護師の今を受け入れ先の病院で取材しました。
東京都杉並区にある河北総合病院が映像に出てきた。
おととし、インドネシアから2人の外国人看護師を受け入れました。その1人、モハマド・ユスプさん(男性・28歳)です。日本の高い技術を学ぼうと来日しました。
ユスプさん、(たどたどしい日本語で)「日本の技術が高いから、日本の看護師の技術を勉強するつもりです」
4歳の子どもと妻を残し、来日したユスプさん。しかし現地での日本語の研修は充分でなく、当初、「ありがとう」しか話せませんでした。
ユスプさん、「日本語を勉強する時間はなかった。来てから日本語を覚えるのは大変です」
病院の担当者は当初、日常会話ぐらいはできる人が来ると考えていました。ほとんどしゃべれない状態での来日は想定外でした。
女性の看護師さん、「(ユスプさんたちが)来る前に立てたスケジュールです。日本語はある程度できると思って私たちは計画を立てた。国家試験の勉強はテキストで、過去の問題をやっていくという計画を立てました」
しかし、病院は計画していたカリキュラムを大幅に変更せざるをえなくなりました。日本語の基礎的な勉強を繰返すことにしたのです。国家試験の勉強を始めたのは1年後でした。
女性の看護師さん、「来た彼たちは日常会話もほとんどダメな状態だった。日常の会話の勉強から行こうということで、国家試験の勉強はその後にしようということになった」
国家試験はおととし、去年とも不合格。今月の20日の3回目の試験。これに合格できないと今の規定では帰国しなければなりません。
病院内で女性の看護師さんから国家試験の勉強を見てもらっている2人のインドネシア人が映像に出てきた。
病院では去年12月からすべての業務を外し、丸1日専属の看護師を付けて指導しています。ユスプさんも漢字がかなり読めるようになりましたが、まだまだ不安があります。今勉強しているのは過去の国家試験の問題。難しい専門用語。現場では学べない日本の法律や制度。必死の勉強が続きます。
ユスプさん、「今1日ずっと勉強している。最後まで諦めたくない」
女性の看護師さん、「2年経ってみて、彼らも努力したと思う。非常に進歩はあると思う。しかし国家試験を合格するレベルに行っているかどうかはかなり難しい」
東京都千代田区にある日本・インドネシア経済協力事業協会(JIAEC)の映像が出てきた。
看護師や介護福祉士の受け入れを支援してきた団体です。去年、福祉施設医療機関を対象に調査を行いました。その結果、受け入れから1年から2年経った段階で業務に差し支えない日本語能力があると答えた施設は4分の1。国家試験に必要な語学力を身に付けていると答えた施設はわずか4%足らずでした。
外国人に看護を教えている講師の女性、「ひらがな、カタカナからスタートして、漢字・専門用語の国家試験というのは、とてもこれを逆の立場なら私たちでも無理なことです。ある程度、インドネシアでやってこないと、こちらの短い3年間ではとても時間が足りない」
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病院でも看護を教える側にも負担が大きい。受験者にもハードルがきつすぎます。今の制度を見直すべき時にきています。

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じじぃの感想
日本に来日したインドネシア、フィリピン人は全部で450人。受験者254人の内、国家試験に合格した人はわずか3人しかいない。
「国家試験に必要な語学力を身に付けていると答えた施設はわずか4%足らずでした」
確率的には、300人ぐらい受験したとして4%が合格とした場合、合格者は12人ぐらいだろうか。
試験まであと10日しかない。頑張ってください。