じじぃの「人の生きざま_56_川口・淳」

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川口淳一郎 フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』 (一部抜粋しています)
川口淳一郎(1955年9月24日- )は、日本の宇宙工学者、工学博士である。専門分野はアストロダイナミクス(応用飛行力学)、軌道力学、姿勢・軌道制御、航法・軌道決定論、惑星探査ミッション解析、システム制御論
【経歴】
青森県弘前市出身。1974年に青森県弘前高等学校卒業後、京都大学工学部機械工学科に進む。京都大学卒業後に東京大学大学院工学系研究科航空学専攻に進学した。
2010年現在、独立行政法人宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(ISAS/JAXA)宇宙航行システム研究系教授、研究主幹、同深宇宙探査センター長、また、月・惑星探査プログラムグループ(JSPEC/JAXA)月・惑星探査推進ディレクターを務めると共に、宇宙開発委員会専門委員、日本学術会議連携委員、日本航空宇宙学会、米国航空宇宙学会(AIAA)、計測自動制御学会、システム制御情報学会、日本惑星科学会等の各学会の会員となっている。
【業績】
「のぞみ」ミッションにおいて探査機の重量制限緩和の為に二重月スイングバイと地球パワースイングバイを併用した軌道を提案し、また、主推進器の逆止弁の故障によってパワースイングバイを行えなかった際の救出ミッションにおいて、芸術的ともいえる二重地球スイングバイを考案している。これらの功績から「のぞみ」のミッションを描いた松浦晋也著の科学ドキュメンタリー「恐るべき旅路」の記載にならい、「軌道の魔術師」と称されることもある。
また、「はやぶさ」ミッションにおいては電気推進の特性を生かした「EDVEGA」と呼ばれる航法を考案した。現在はソーラーセイルを用いた惑星探査に関する研究を行っている。
科学衛星ミッション以外にもロケット等の姿勢・誘導制御について研究を行っており、「M-3SIIロケット」「HIMES」「M-Vロケット」「SS-520ロケット」などに携わった。

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小惑星探査機はやぶさ ―玉手箱』は開かれた 川口淳一郎/著 中公新書 2010年発行
スウィングバイ (一部抜粋しています)
2003年5月の打ち上げ後、1年ほど「はやぶさ」は太陽から見て地球とほぼ同じくらいの距離を飛行していた。この間にイオンエンジンを使って加速し、軌道エネルギーを蓄えたのち、2004年5月19日に地球をスウィングバイしてイトカワに向かう軌道に乗った。これは太陽中心軌道でいえば、離心率を加速させることにあたる。
スウィングバイ(swing-by)とは、「惑星が探査機を掴(つか)んで放り投げる」ようにする操作で、探査機の燃料を使わずに大きな軌道の修正を行うことができる。探査機が重力を持つ惑星(や衛星)の近くを通りすぎるとき、探査機の軌道は惑星の重力を受けて曲がる。このとき、探査機は燃料を使わずに軌道修正ができることになる。さらに、惑星は静止してわけではなく、それ自身も公転しているので、探査機の軌道速度は、もともとの探査機の軌道速度と惑星の軌道速度が合成されたものとなる。
つまりスウィングバイのときは、それまでに蓄えた軌道エネルギーの貯金だけでなく、さらに利息がつくという、魔法のようなことが行われる。「はやぶさ」は電気推進と組み合わせて世界ではじめてこの魔法を使ったのである。この方法は、イオンエンジンで加速した量に利息が加わってスウィングバイで増速量を放り出せるという意味で実はまったく新規の技法なのである。EDVEGA(Electric Delta-V Earth Gravity Assist)法というわれわれオリジナルの方法である。
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はやぶさ」もまた、M-V-4号機でのX線天文衛星「ASTRO-E」打ち上げ失敗により、打ち上げ時期が変更された。そのため、当初予定していた小惑星1989MLに到達できなくなってしまった。探査対象の小惑星を他の小惑星に変更する可能性については、山川宏君(現・京都大学生存圏研究所教授)が1998SF36が候補になりうることを計算してくれた。しかし、1998SF36に巳買わせるには、M-Vロケットの能力では、どうしても不足で、背k付け胃が決まっていて製作もすすんでいた探査機の大規模な重量の削減でもしなくてはとうてい打ち上げえられないことがわかっていた。数年後の1989MLへの次の機会までプロジェクトを凍結させるのか、どうか。大きな判断が必要だという状況にあった。問題はNASAの対応だった。当初の計画にもりこまれていた国際協力の継続が果たしてNASAに受け入れられるかどうか。NASAもためらうような計画を、とはじまったプロジェクトではあるが、NASAが他の事例のように、構想から打と上げまで3年という早さで、MUSES-Cを追い抜くミッションを投ずる可能性すらあったわけで、どう対処するか、瀬戸際だった。
私は1つの対処案の化膿性を描いていた。2004年の1998SF36への打ち上げのウインドウには若干の時間があった。その時間を利用して地球スウィングバイによって加速させることはできないか。ただ、説明は感嘆ではないが、地球から打ち上げ、軌道飛行を経て地球をスウィングバイさせるだけでは、実はエネルギーの加増は理論的にはできないのである。ここに一工夫が必要だった。答えは、地球スウィングバイの間にイオンエンジンで太陽周回軌道の離心率を増加させる方法にあった。これが、EDVEGA法である。打ち上げるときには、2004年に1998SF36へ向かうよりも、より小さい軌道エネルギーですむ。そのかわり、その間に余計にイオンエンジン運転をしなくてはならないのだが、このEDVEGA法では、ちょうど、第5段目の加速を固体ロケットに代わって、燃費のよいイオンエンジンで行わせることに対応するので、この収支は圧倒的にEDVEGA法のほうが効率的なのである。必要になった余分のイオンエンジンの運転のための燃料は、搭載するタンクに余裕を持たせていたため、探査機の設計をけることなく対処できた。このEDVEGA法は、とくに太陽電力で航行するミッションでは非常に有効な妙案となり、いろいろな応用が広がった。まさに瓢箪から駒という副産物となった。
こうして「はやぶさ」は、打ち上げからスウィングバイまでの1年間、イオンエンジンで加速を続けた。
2004年5月12日11時までに、「はやぶさ」は地球スウィングバイのための軌道微調整を終了した。最接近は15時22分(日本時間。以下同)で南太平洋のマルサケス諸島の北約500キロメートル、西径141度、南緯3.5度の地点の上空約3700キロメートルを「はやぶさ」は猛スピードで地球を通りすぎながら、何枚もの画像を撮影した。あいにく日本付近には前線が停滞しており、母港の内の浦や日本列島の大部分は撮影することができなかったが、その画像は、テレビの天気予報で気象予報士森田正光さんが紹介してくれたという。
スウィングバイ時の目標点からの誤差はおよそ1キロメートル程度にとどまり、非常に緻密に実地されたことが裏付けられた。支援を行ったカリフォルニア工科大学ジェット推進研究所(JPL)からは、正確な誘導と航法の運用に賞賛の評価を得た。このスウィングバイの結果、秒速30キロメートルから34キロメートルへ、毎秒約4キロメートルの増速を行ったことになる。
2004年5月27日より本格的にイオンエンジンの運転を再開し、イトカワに向けてさらに加速を進めた。
惑星探査機は目的地に着かなければ仕事はできない。イトカワに到着するのは1年4ヵ月の航海の後である。

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