微生物とつながる農業
http://cgi4.nhk.or.jp/eco-channel/jp/movie/play.cgi?movie=j_gendai_20101101_0694
木村秋則 画像
http://www.kinari-int.com/models/images/kimura1.jpg
木村秋則さんのりんご 画像
http://highknowledge.up.seesaa.net/image/apple.jpg
第6次産業の創造を21世紀農業を花形産業にしよう 今村奈良臣
「21世紀は食糧の時代になる。そして農業は21世紀の花形産業になりうる。農業ほど生産から加工、販売に至るまで創意と工夫を活かせる仕事はない。そのうえ、サラリーマンはライフ・ワークを誇れるものはほとんどないが、農業はライフ・ワークを誇れる数少ない職業のひとつである。どうか胸を張り、誇りと自信をもって明日をみつめて頑張って欲しい」
http://www.chiiki-dukuri-hyakka.or.jp/book/monthly/9611/html/t0.htm
2010年11月1日放送、NHK クローズアップ現代 「微生物とつながる農業」より。
【キャスター】森本健成
農薬も肥料も使わないりんご、病気に強い米、これらに共通するのが不思議な微生物「エンドファイト」の存在です。エンドファイトは植物の隠れた能力を引き出す能力を持っていることが最新の研究で明らかになってきました。
研究者、「エンドファイトを使ってみると農薬を使わなくても栽培できる」
農薬や肥料に頼って、収穫量を得てきたこれまでの農業。先週閉幕した生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)では、安定した農業を続けていくために作物を支える多くの微生物の重要性があらためて確認された。
農業への利用が期待されるエンドファイト。実用化に向けた試験も始まっています。
ニュージーランドでは国を挙げて、利用を促進、経済効果は140億円にもなります。
ニュージーランドの政府関係者、「エンドファイトの大きな利点は、農業において高い生産性が得られることです」
微生物とのつながりで広がる新たな可能性に迫ります。
森本さん、「『エンド』とは内側、『ファイト』とは植物という意味です。つまり植物の中に入り込む微生物です。数多くの微生物があって、それらの総称が『エンドファイト』です。植物の中に入り込むことによって植物の隠れた能力、たとえば成長力や病気、害虫への抵抗力を引き出すというのです。一体エンドファイトとはどんな微生物なのか、まずご覧いただきましょう」
青森県弘前市のりんご園が映像に出てきた。
木村秋則さんは農薬や肥料を一切使わずにりんごを栽培しています。りんごは病気にかかりやすく、農薬や肥料を使わないと栽培が難しいと言われてきました。しかし木村さんは10年以上の試行錯誤の上、りんごを実らせることに成功しました。成功の秘密はりんご園に自然の森のような土を再現したことだと言います。
木村さん、「木が弱いとほとんど伸びないわけですよ。それが今、肥料を施した以上に伸びているってことは、すごく木が元気いいってことだと思うんです。もう元気を超えているんじゃないですか」
土の中から表れた白い物、微生物の固まりです。木村さんのりんご園には微生物が非常に多いといいます。微生物が多いのは土の中だけではありません。りんごの葉の内部を見てみます。(顕微鏡を覗いて)曲がりくねった管のように見えるのが微生物です。このように植物の中に入り込んでいるのがエンドファイトです。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
『新興衰退国ニッポン』 金子勝、児玉龍彦/著 講談社 2010年発行
・「失われた30年」になる危険性 (一部抜粋しています)
この国が衰退過程に入り、経済も社会も持続可能性を失いかけているとすれば、従来の政策的枠組みに基づいた政策を続ければ続けるほど、事態は悪化そてしまう。それゆえ、政策理念の根本的転換が必要となる。民主党政権はオバマ政権と同様に、マニフェストで画期的な理念転換を打ち出していた。
まず、民主党マニフェストでは、地球温暖化対策として、キャップアンドトレード方式による実効性のある国内排出権取引市場の創設、地球温暖化対策税の導入、あらゆる再生可能エネルギーに対する全量固定価格買い取り制度の早期導入を3本柱として打ち出した上で、効率的な電力網(スマートグリッド)の技術開発・普及の促進、住宅用などの太陽光発電パネル、環境対応車、省エネ家電などの購入の助成などの政策項目が並んでいる。そして、新エネルギー・省エネルギー技術を活用し、イノベーション等による新産業を育成するとしていた。民主党は日本版グリーン・ニューディール構想を打ち出していたが、それはドイツの「第3次産業革命」やオバマの「グリーン・ニューディール」と同じく、これまでの政策理念からの根本的な転換を含んでいる。それは「環境を守ることは経済成長と矛盾する」という考え方から、「環境を守ることで産業や雇用を作り出す」考え方に180度変えることを意味している。
・
日本の財界は、相変わらず電力・製鉄・米国向けの輸出大企業が中心となった「55年体制」そのままであり、自らが「痛み」を伴う産業構造転換を進めていかなければいけないのに、相変わらずエネルギー多消費型産業中心の経済界は、その「既得権益」を守る為に、環境エネルギー革命を妨害し続けているのである。しかも、その一方で、「既得権益」を壊すとして自ら都合のよい「構造改革」路線を推進してきたのも財界であった。その結果、新しい成長分野は生まれず、輸出依存の脆い経済構造ができてしまったことはすでに述べた通りである。それゆえに政権交代による政治主導の産業戦略が求められているのであるが、なかなか前進しない。「失われた20年」が「失われた30年」になりかねない状態となっている。
エネルギーとともに自給率が著しく低下している農業分野も、地域経済を再生する上で非常に重要な分野である。これまで工業製品の輸出で稼いだ外貨でできるだけ安い原材料や食料を輸入する「貿易立国」をとってきた。農業が国内で生き残るには、規模を拡大して「国際競争力」を高めるべきであり、それでも生き残れない農業は斬り捨てるべきであるということになる。たしかに、経済学でいう比較生産費説によれば、これが合理的な考え方だということになろう。
しかし、実態を見れば、このような考え方は日本ではほとんど非現実的な想定にすぎないことは明らかだろう。日本の平均耕作面積は1.4haにすぎないが、オーストラリアは約3400ha、アメリカは約180ha、英仏など欧州諸国でも50〜60haであることを考えれば、1.4haを4haにしようが10haにしようが、誤差の範囲にすぎない。しかも、どの先進諸国とも、日本に比べて多額の農業補助を出している。更に中山間地でいくら面積を拡大しても効率性はほとんど上がらないので、耕作放棄地はますます増えていくだけであろう。
その一方で、地球温暖化に伴う気候変動や新興国の成長などがあいまって国際食料危機が予想される。ここでも根本的理念転換が必要とされている。実際に、民主党のマニフェストには、それが含まれている。打ち出されているのは、農家の戸別所得補償、安心・安全の農業への転換、農業の6次産業化の3本柱である。それらは、市場競走は規模で争っているのではないという考え方に基づいており、従来の農業政策を根本的に転換させる要素が含まれている。
まず農家の戸別所得補償政策は、関税や農産物価格維持政策という消費者負担による農業保護政策から、納税者負担による農業保護政策への転換を意味する。関税や価格維持政策の場合、しばしば工業利害と農業利害は衝突する。工業利害は関税を引き下げようとし、農業利害は関税で国内農業を保護することを望むからである。
これに対して、納税者負担による戸別所得補償政策の場合は、財政負担をどれだけ増やせばよいかが問題になるのであって、自由貿易協定や東アジア共同体の形成とは矛盾しなくなる。戸別所得補償という考え方の延長線上には、自給率を高める為に農産物を保護するという保護の発想だけでなく、将来的には、自給率上昇を超えて農産物を輸出産業に育てていく道が開かれているのである。実際に欧州の農業はそうなっている。
だが、今の財政赤字状況では、戸別所得補償政策はせいぜい農家経営の赤字補填が精一杯である。だとすれば、小規模でも農家経営が成り立つ為には、安心・安全の農業への転換や農業の6次産業化が必要となる。そう考えると、東アジア諸国へ日本の農産物を輸出していくには、ヘリコプターで農薬をまくような100〜200haの農業ではできない安心・安全の農業への転換が必要となる。厳しい安全基準や検疫体制によって、安全や安心を付加価値にするのである。その一方で、農産物を直接販売することで流通の中抜きを取り戻したり、地域で加工したりして、地域としての農業を再生していくのである。だが、ここでも農家の戸別所得補償などの基底にある政策理念の転換について十分に語られていないので、選挙で農家票を獲得する為のバラマキ政策になりかねない状況になっている。
・
このように、オバマ政権の"チェンジ"と同じく、民主党政権のマニフェストは、これまでの政策的枠組みを根本的に転換させるものであったが、次第に人々の期待を裏切り始めている。この100年に1度の世界的経済危機が起きたがゆえに、これまでにない政権交代が起きたにもかかわらず、そしてそれぞれの国における政策理念の根本転換を掲げていたにもかかわらず、自からが負っている時代的責務を十分に認識せずに、政策をずるずると後退させているのだ。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
どうでもいい、じじぃの日記。
『新興衰退国ニッポン』という本に「『失われた30年』になる危険性」が載っている。
1990年後半に日本経済のバブルがはじけ、失われた10年が続いた。その後も、景気は低迷し、さらに失われた10年として今日に至っている。
「政権交代による政治主導の産業戦略が求められているのであるが、なかなか前進しない。『失われた20年』が『失われた30年』になりかねない状態となっている」
・
「東アジア諸国へ日本の農産物を輸出していくには、ヘリコプターで農薬をまくような100〜200haの農業ではできない安心・安全の農業への転換が必要となる。厳しい安全基準や検疫体制によって、安全や安心を付加価値にするのである。その一方で、農産物を直接販売することで流通の中抜きを取り戻したり、地域で加工したりして、地域としての農業を再生していくのである」
11/1、NHK クローズアップ現代 「微生物とつながる農業」を観た。
番組の中に農薬や肥料を一切使わずにりんごを栽培しているという木村秋則さんが映像に出てきた。
農薬を使わない農業。
木村秋則さんはもしかしたら、日本を救う救世主なのかもしれない。