じじぃの「微生物とつながる農業!クローズ」

トマトの「全遺伝情報」、初めて解読成功 (追加) nicozon 動画あり
さらに、おいしいトマトが食べられるかも知れません。 千葉県の研究機関が参加した国際的な研究チームが、トマトが持つ、すべての遺伝情報の解読に世界で初めて成功しました。
http://www.nicozon.net/watch/sm17974848
PGG Wrightson Seeds, Novel Endophytes, Richard Brenton-Rule 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=MUrIqJhMDAc&feature=related
茨城県農業総合センター
http://www.afftis.or.jp/shingi/08.htm
植物共生細菌「エンドファイト」による減農薬農業支援
エンドファイト(Endophyte)とは、「endo=within」と「phyte=plant」をつなげた「植物の中」という意味を持つ合成語で、植物の体内に共生する多数の微生物の総称です。植物自身が持つ免疫機能を活性化する有用な細菌を含んでおり、これらを植物プロバイオティクス(※1)と呼んでいます。マエカワでは、この自然由来の共生細菌「エンドファイト」をつかった食糧分野への支援を行っています。
(※1)プロバイオティクスとは…抗生物質を表す「アンチバイオティクス」と共生を表す「プロバイオシス」をかけあわせてできた言葉。人体や、植物の内に取り込むことで体内の環境を整え、健全な生育を補助する微生物を表す。
http://www.mayekawa.co.jp/ja/about/r_and_d/endophyte/
サイエンスZERO 「つながる生物の謎 土の中の小宇宙」 2010年4月17日 NHK
【ゲスト】茨城大学農学部准教授 成澤才彦 【コメンテーター】東京女子大学教授 黒崎政男 【司会】安めぐみ、山田賢治
多くが未知だった土の中の微生物について、「不思議な関係性」が次々わかってきた。なかでも注目されるのが、植物の細胞内に共生する微生物「エンドファイト」だ。植物と会話を交わすように共生を始める様子や、植物に必要な養分を供給するだけでなく、植物の病気や環境への耐性を高めることなどが確かめられた。こうした性質を農業に利用する試みも始まっている。土の中、そこで繰り広げられる、生き物の不思議なつながりに迫る。
【土の中の小宇宙】
 土の中には、目に見えるものだけでなく、さまざまな種類の生き物が存在する。トビムシやダニの仲間などは、片足くらいの面積におよそ1000匹いるという。さらに、倍率の高い顕微鏡で見てみると、バクテリアや私たちの食物や薬に利用しているこうじ菌や青カビなど、小さいものだとおよそ1マイクロメートルのものも生息している。土の中の生物は、このように種類が特定できるものはごくわずかで、ほとんどは未だ知られていない生き物である。
【とらえた!植物と微生物の会話】
 エンドファイトは、根から感染して植物の細胞に侵入する。大阪府立大学では、陸上植物の8割に共生しているアーバスキュラー菌根菌と植物の間の化学物質によるやりとりに注目し、共生の始まりを解き明かした。植物の栽培溶液から、共生をよびかける物質の分離に成功し、植物側が共生を呼びかけることが確かめられた。また、ドイツの研究から、菌根菌からも何らかのシグナル物質を出して植物の遺伝子を発現させて、共生の準備に入ることが突き止められた。
【眠り姫に口づけ】
 土の中のバクテリアはふだん眠った状態だが、何かのきっかけで突然増え始めることが知られている。研究者たちはその眠れるバクテリア姫を目覚めさせる王子様がいると考え、「眠り姫仮説」というストーリーを立て研究を行っている。その正体を探るため、研究者たちが実験に用いたのは、キシャヤスデヤスデを入れた土と入れないもので実験した結果、ヤスデがいる方はさまざまな種類のバクテリアが急激に増えていることがわかった。
【エンドファイトを農業に生かせ】
 茨城農業大学では、エンドファイトを農業に役立てるための研究が行われている。成澤准教授は、エンドファイトの病気を防ぐ効果に注目し、実験を行った。病気にかかりやすいアスパラガスの苗を病原菌が付着した培地の上に置き、エンドファイトがあるものとないものとで生育を比較。エンドファイトがある方は病気になることなく、根が盛んに育った。さらに、環境ストレスへの耐性を強める効果にも期待が高まっている。
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp302.html
クローズアップ現代 「微生物とつながる農業」 2010.11.1 NHK 動画あり
【スタジオゲスト】岐阜大学応用生物科学部教授 百町満朗 【キャスター】森本健成
COP10で取り上げられた「生物多様性」。農業にも、生き物の複雑なつながりを生かす取り組みが始まっている。中でも、植物の体内に入り込む微生物「エンドファイト」は、植物の成長を早めたり、病気や虫から植物を守る効果があることがわかり、肥料や農薬に代わるものとして期待されている。研究者や企業も、より効果的なエンドファイトを求め、探索に乗り出した。ニュージーランドでは、国を挙げてエンドファイトの普及に乗り出している。主要な牧草の8割にエンドファイトが使われ、害虫の被害を大幅に軽減、牛乳の生産量が3割増加するなど大きな効果をあげている。日本でも、北海道で稲にエンドファイトを導入する試みが始まり、病気の被害が農薬を使わずに軽減するなど、減農薬の切り札として期待が高まる。続々と見つかる不思議な微生物「エンドファイト」を使った、次世代農業の可能性に迫る。
http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=2958
どうでもいい、じじぃの日記。
11/1、NHK クローズアップ現代 「微生物とつながる農業」を観た。
大体、こんな内容だった。 (手抜きをしている)
農薬も肥料も使わないりんご、病気に強い米、これらに共通するのが不思議な微生物「エンドファイト」の存在です。エンドファイトは植物の隠れた能力を引き出す能力を持っていることが最新の研究で明らかになってきました。
研究者、「エンドファイトを使ってみると農薬を使わなくても栽培できる」
農薬や肥料に頼って、収穫量を得てきたこれまでの農業。先週閉幕した生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)では、安定した農業を続けていくために作物を支える多くの微生物の重要性があらためて確認された。
農業への利用が期待されるエンドファイト。実用化に向けた試験も始まっています。
ニュージーランドでは国を挙げて、利用を促進、経済効果は140億円にもなります。
ニュージーランドの政府関係者、「エンドファイトの大きな利点は、農業において高い生産性が得られることです」
微生物とのつながりで広がる新たな可能性に迫ります。
森本さん、「『エンド』とは内側、『ファイト』とは植物という意味です。つまり植物の中に入り込む微生物です。数多くの微生物があって、それらの総称が『エンドファイト』です。植物の中に入り込むことによって植物の隠れた能力、たとえば成長力や病気、害虫への抵抗力を引き出すというのです。一体エンドファイトとはどんな微生物なのか、まずご覧いただきましょう」
青森県弘前市のりんご園が映像に出てきた。
木村秋則さんは農薬や肥料を一切使わずにりんごを栽培しています。りんごは病気にかかりやすく、農薬や肥料を使わないと栽培が難しいと言われてきました。しかし木村さんは10年以上の試行錯誤の上、りんごを実らせることに成功しました。成功の秘密はりんご園に自然の森のような土を再現したことだと言います。
木村さん、「木が弱いとほとんど伸びないわけですよ。それが今、肥料を施した以上に伸びているってことは、すごく木が元気いいってことだと思うんです。もう元気を超えているんじゃないですか」
土の中から表れた白い物、微生物の固まりです。木村さんのりんご園には微生物が非常に多いといいます。微生物が多いのは土の中だけではありません。りんごの葉の内部を見てみます。(顕微鏡を覗いて)曲がりくねった管のように見えるのが微生物です。このように植物の中に入り込んでいるのがエンドファイトです。
今、エンドファイトと植物の不思議なつながりが分かり始めてきました。
エンドファイトと植物の関係の絵が登場。
エンドファイトは根や葉の表面から植物の中に入り込みます。すると植物の眠っていた遺伝子が働き始めます。その結果、植物がよく育つようになったり、病気や害虫に対する抵抗力が高まったりすると考えられています。エンドファイトを農業に生かそうという研究も始まっています。茨城大学の成澤才彦さんがその研究を行っています。
成澤さんは従来の農業のありかたは微生物の多様性を損なってきたと考えています。
茨城大学の研究室の映像が出てきた。
成澤さん、「今までの農作物の作り方だと畑に作物を植えて、化学肥料をたくさん与えて植物だけで成長させようと、微生物の力はいらないような栽培をしていますよね。だから農作物は病気にかかりやすいし、いろいろな環境ストレスに弱い」
全国各地から集めたエンドファイトは約600。この中から特に効果を発揮するエンドファイトが見つかっています。これは屋久島の土から採れたエンドファイトです。
このエンドファイトの入った培地でトマトを育てます。
エンドファイトなしのトマトとエンドファイトありのトマトの生育の映像が出てきた。
約1週間でエンドファイトなしのトマトに比べて、ある方は約6センチも大きく生育しました。
白菜にエンドファイトを入れた白菜の映像が出てきた。
エンドファイトを入れない白菜は連作障害にかかり、エンドファイトを入れた白菜は順調に育っています。エンドファイトが病気をくいとめたと考えられます。
成澤さん、「植物が本来持っているけれども出てこなかった。エンドファイトは出てこなかった力を引き出すことが出来るのだと思います」
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ニュージーランドの牧草地に映像に変わる。
羊と牛、合わせると3000頭を飼育するビル・ガーランドさんです。ガーランドさんは7年前からエンドファイトを導入した牧草を使っています。
ガーランドさん、「このあたりは斜面が多く、牧草の育ちがよくなかったんですけど、エンドファイトを入れてからは最高の場所になったよ」
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北海道美唄市の農家の映像に変わる。
北海道では7年前、稲作に使う農薬を50パーセント削減する目標を打ち出しました。
農薬を減らす技術が求められるなか、美唄農協が注目したのがエンドファイトでした。現在美唄市を中心に76軒の農家が使っています。このエンドファイトは稲の根元の部分に入り込んでいます。田植え前に一度散布すれば、苗の中に入りこみます。今年猛暑にみまわれた美唄では「いもち病」が発生しました。一方、エンドファイトを使った農家ではいもち病の被害は使わなかった農家の6割以下になりました。
農家の山田さん、「やはり、今年は被害が少ない」
いもち病の農薬の使用は周りの農家の半分以下、それでも被害はほとんど広がりませんでした。
農家の山田さん、「エンドファイトはいくらか効いたから、広がらなかったと思っています。1回でも農薬を減らせればそれだけでも、米の産地ですから、よその産地より差別がつけられるんじゃないかと思っています」
美唄農協では来年から本格的な実行化を検討しています。
美唄市組合長、「消費者が農作物を選ばれる基準というのが農薬を使っているかに目線がありますから、生産者の責務として進んだ一歩だと考えています」
スタジオに戻って。
森本 このエンドファイト、期待が大きいだけに、いざ実用化されるとなると気になるのは安全性ですけど、食糧としての安全性はどうなんでしょうか。
百町 エンドファイトが微生物農薬として登録されるときには、数々の農林省ガイドラインを経なければなりません。そういった意味では安全だと考えていいと思う。これからエンドファイトの種類が増えた場合、どんなエンドファイトを使ったかを表示する義務が出てくるのではないか。
森本 我々は知る権利があるというわけですね。エンドファイトを使ったということで生態系への影響は。
百町 エンドファイトを微生物農薬として使用するということは、特定のものを大量に、高密度に環境に導入するということになりますので、生態系撹乱ということを視野に入れて安全性を強化していく必要性があると思います。
森本 エンドファイトによって、今後農薬や化学肥料を使わずに行える農業というのは実現していく可能性はあるんでしょうかね。
百町 これまでは農薬や化学肥料によって農業が恩恵を受けてきたわけですけど、一方環境汚染を引き起こしてきたわけです。これからの農業を考えていくうえにエンドファイトを使いながら農薬や化学肥料を適切に使い、環境に配慮していくことが必要だと思います。エンドファイトは環境保全の第一歩だと思います。
森本 そういう意味では環境保全型農業でエンドファイトは大きな役割を占めていくことになりますね。
じじぃの印象
1グラムの土の中には、バクテリアだけで50億個体もいるのだという。また、微生物の99%が未知のものだと考えられているのだそうだ。
なぜ、今までこの微生物の研究が進まなかったのか、不思議な感じだ。
「エンドファイト」を使うことで、少しでも地球の生態系がよくなることは素晴らしいことだと思う。