じじぃの「アリの世界にもリストラ」考

地球ドラマチック スーパーコンチネント 〜2億5千万年後の地球〜(前編) 動画 Pandora
http://channel.pandora.tv/channel/video.ptv?ref=em_over&ch_userid=fx_keaton&prgid=39603307
Army ants close-up 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=lOCR6WoBqIw&feature=related
ハキリアリ
ハキリアリは中南米の暖かい場所に生息する社会性のアリである。英語でもLeaf-cutter ant、Leaf-cutting antなどと呼ばれるように、葉を切り取りとる。その葉を何に使うかというと、巣に持ち帰って特殊なキノコをつくるために肥料として利用するのである。
http://www5c.biglobe.ne.jp/~odah/animal/sonota/hakiriari/hakiriari.htm
地球ドラマチック 〜2億5千万年後の地球〜 前編 2010年10月14日 NHK教育
【語り】渡辺徹
今から2億5千万年後の地球をシミュレーション。2010年に地球を出発した宇宙飛行士が冷凍冬眠から目覚め、地上に降り立った。何を目撃するのか?(前編)

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『雑学全書』エンサイクロネット 光文社 2000年発行
アリの行列はどうやってできる?
砂糖やお菓子のかけらを土の上に放り投げておく。すると、しばらくたつと、アリの長い行列ができている。彼らは、どんな方法で、仲間たちに食べ物のありかを知らせているのだろうか。
まず、食べ物を発見した最初のアリは、まず自分が持てる分だけの食料をくわえて、巣に運び帰る。このとき、彼は漫然と巣に戻るわけではなく、歩きながら、地面に匂いを残していく。
やがて、その特別の匂いに気づいた他のアリが、匂いをたどって食べ物に続々と到達してくる。その数はどんどん増えていき、いつのまにかアリの大行列が出来上がっていくのだ。
この匂いは「足跡フェロモン」と呼ばれ、その匂いが、アリならではのコミュニケーションの手段なのだ。働きアリにとって「足跡フェロモン」は通勤定期のようなものといえるかもしれない。

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『ヒトとアリどちらが働き者か―時間生物学からみた「仕事」と「ゆとり」の研究』 金子隆一/著 NON BOOK 1998年年発行
アリの世界にも「リストラ」 「能力主義」がある
現在では、原生人類と直系ではないということがほぼ確かになったようだが、ネアンデルタール人の段階で、すでに彼等は、現役の狩人としては役に立たなくなった老人や身体に障害のある者にも平等に分け前を与えていたという。
もっとも、それでほんとうに皆が満足し、納得していたのかどうかとなると、たぶん怪しいのではないだろうか。同じ槍作り、壺(つぼ)作りでも、必ず製品のクオリティには差があり、すでに人々は十二分にその違いに気づいていたと思うのだが。
ところが、ヒトが農業を始め、余剰食料を蓄(たくわ)え、貨幣というものを使い始めてから、劇的に状況が変わってしまったのである。あるいは、このとき初めて、ヒトは、同じ仕事(およびその結果としての製品)の中にクオリティの違いがあり、それを客観的に評価する方法がある、ということを強く認識するようになったのかもしれない。
クオリティの差が生みだしたものが、現代で言えば、「能力主義」であり「リストラ」である。この能力主義やリストラが人間の世界だけのものかと言うと、実はそうではない。
たとえば、ハキリアリである。ハキリアリには、働きアリ(ワーカー)と兵隊アリ(ソルジャー)がいる。働きアリは、ひたすら巣の中に、畑の土壌となる植物を運び込み、一部の者は、その運搬ルートの清掃に従事して、運搬の邪魔になりそうな小石や枝などを徹底的に排除する。兵隊アリはこのルートの側面を守り、外敵が植物の運搬の邪魔をするときには寄ってたかってこれを追い払う。さらに、巣の中では、栽培担当のアリが、運ばれてきた植物を噛み砕き、発酵させ、菌糸をうえつけて回るとともに、古くなった培養床を運び出す。そのため、ハキリアリの巣の近くには、巣から出される大量の培養床などのゴミを捨てる場所があり、それ自体が大きな塚となって盛り上がっている。
ところが、このゴミ捨て場へ向かう行列をよく見ていると、事故によって足や触角、ときには腹部などを失ったハキリアリが、まだ元気に生きて動いているにもかかわらず、仲間に担(かつ)ぎ上げられ、あるいは追いたてられて行くのを目にする。彼らはもはや巣の維持に役立たないため、ゴミとみなされて文字どおりポイ捨てされているのである。
アリとはいえ、その社会は徹底的に、彼らの農耕をスムーズに遂行するために進化を遂げたものなのである。アリの世界にも"リストラ" "窓際族"といったものがあるとは、まことに身につまされる話である。

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どうでもいい、じじぃの日記。
先日、NHK教育で「地球ダラマチック 〜2億5千万年後の地球〜」(前編)を観た。
今から2億5千万年後、地球はどうなっているかをシミュレーションした番組だ。ほとんどがアニメで作られている。
2億5千万年後の地球に、今日の我々が生きたという痕跡があるのだろうか。そこには直立二足歩行に進化したアリが恐竜の足跡を調査するように、我々人類の痕跡を調査している映像があった。
アリの世界は「女王アリ」、「働きアリ」、「兵隊アリ」、「雄アリ」と分化していることが一般的に知られている。
そして、『ヒトとアリどちらが働き者か―時間生物学からみた「仕事」と「ゆとり」の研究』にアリの世界にも「リストラ」があることが書かれている。傷ついた役にたたないアリはゴミ捨て場に捨てられるのである。
『もの思う鳥たち―鳥類の知られざる人間性』という本には、驚くべきアリの学習能力について書かれている。研究室で行われた実験では、アリが、10ヵ所もの袋小路をもつ難しい迷路の通りかたを覚え、4日後にテストされた時にも、それを記憶していたのだ。
http://d.hatena.ne.jp/cool-hira/20100807/1281129104
一般的に頭がいいとは脳の「記憶力」と「直感」が優れていることをいうようである。一昔前は頭がいいとは脳の容量が大きいことをいっていた。
テレビの映像に出てきたアリは今いるアリよりも全体的に体が数倍大きなアリだったが、頭だけが大きくなっているわけではなかった。
このテレビ番組制作者は、今の人類のようなものが必ずしも進化の絶頂にあるのではない、ということをメッセージとして伝えたかったのかもしれない。