じじぃの「科学・芸術_170_フェルミのパラドックス」

宇宙人は存在する!エイリアンの種類とフェルミパラドックス 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=vCuC7HbQe_M
フェルミパラドックスslideshare.net HPより)

Midorioka141212
惑星科学の最先端 〜宇宙は地球であふれてる!?〜 京都大学 宇宙物理学教室 佐々木貴
フェルミパラドックス エンリコ・フェルミ (1901-1954) Where are they? 地球に似た惑星は恒星系の中で 典型的に形成されうる = 地球外文明はたくさんある? これまで地球外文明との接触の 証拠は皆無である = 地球外文明は存在しない? 天文学・生物学・数学・宇宙生物学等を巻き込む議論。
https://www.slideshare.net/noinoi79528/midorioka141212
『フューチャー・オブ・マインド 心の未来を科学する』 ミチオ・カク/著、 斉藤隆央/訳 NHK出版 2015年発行
エイリアンの心 (一部抜粋しています)
天の川銀河にある恒星の数が1000億というところから始めるとして、そのなかで太陽に似た恒星の割合を見積もる。さらにそのなかで惑星を持つ割合、そのうち地球型惑星を持つ割合などと見積もっていけば、数はもっと減る。こうして妥当な仮定を繰り返していくと、天の川銀河には、高度な文明が1万個あるという推定にたどり着く(カール・セーガンは、別の一連の推定によって100万個という数をはじき出した)。
その後、われわれの銀河系にある高度な文明の数は、はるかに正確に見積もれるようになった。たとえば、恒星が持つ惑星の数も、地球型惑星の数も、ドレイクが当初予想したよりも多いことがわかっている。それでもなお問題が残っている。たとえば地球にそっくりの星が宇宙にいくつあるのかがわかっている。そのうちのいくつに知的生命がいるのかはわからない。地球でさえ、45億年ほどかかってようやく知的生命(われわれ)が沼地から現れた。およそ35億年にわたり、生物は地球に存在してきたが、われわれのような知的生命が登場したのは、今から10万年ほど前にすぎない。だから、地球にそっくりな地球型惑星でも、真に知的な生命が現われるのは非常に難しいのである。
しかし、次に私は、SETIのセス・ショスタク博士にこんな難題を振った。銀河系にそれほど多くの星があって、それほど多くのエイリアンの文明があるのなら、なぜ彼らは地球に来ていないのか? いわゆるフェルミパラドックスである。その名はエンリコ・フェルミにちなんでいる。原子爆弾の製造に寄与し、原子核の秘密を解き明かしたノーベル賞受賞者だ。
その答えとして多くの説が提案されてきた、そのひとつは、星々のあいだの距離が長すぎるというものだ。われわれの最も強力な化学燃料ロケットでも、地球から一番近い恒星に到達するのにおよそ7万年かかる。われわれより数千年から数百万年進んだ文明なら、この問題を解決できるかもしれないが、ここで別の可能性もある。もしかしたら核戦争で自滅してしまったのかもしれない。ジョン・F・ケネディはかつてこう言った。「残念ながら、ほかの惑星ではわれわれより科学が進んでいたから生命が滅びたという警句は、あまりにも的確なのです」
だが、最も合理的な理由は次のようなものかもしれない。田舎道を歩いていてアリ塚に出くわたとしよう。アリのところへ行って、「小さな宝石を持ってきたよ。ネックレスを持ってきたよ。核エネルギーをあげよう。君たちのためにアリの楽園を作ってあげよう。リーダーのところへ連れて行っておくれ」と言うだろうか?
きっと言わないだろう。
今度はアリ塚の隣に8車線の高速道路を建設しているとしよう。アリは、工事の作業員がどの周波数で話をしているかを知っているだろうか? そもそも8車線の高速道路が何であるかを知っているだろうか? それと同じように、星々から地球にやってこられるような知的文明なら、われわれより数千年から数百万年進んんでいるだろうし、われわれが彼らに提供できるものなどないのかもしれない。言い換えれば、エイリアンがわれわれに会うためにわざわざ果てしない距離を旅してくると考えるのは、われわれの傲慢なのである。
われわれはきっと、彼らのレーダースクリーンに映っていないのだろう。皮肉にも、銀河系には知的生命が充ち満ちている可能性があっても、われわれは原始的すぎて気づかれないのである。