じじぃの「オゾン発生器!本当はどうなんだろう」

オゾン脱色実験  動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=FvLkcG2sybM
『ミステリーを科学したら』 由良三郎/著 文藝春秋 1991年発行
倫理規定 (一部抜粋しています)
数人の集まりの際に、その人たちに農薬入りの茶あるいは酒を飲ませ、全員を即死させるという話がある。
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飲んでから数時間後に病院に担ぎ込まれ、それで死亡したという例を見ても、早くて翌日、遅ければ2週間後というように、かなり時間が経過してから死んでいる。だから、冒頭の例のように全員即死ということにはならないだろう。この点では、農薬はやはり青酸カリには及ばないようだ。
そうかと言って、推理作家の立場からすると、毒殺がいつでも青酸カリではいかにも芸がないようで、気が差すのも事実である。そこでいろいろ研究して適当な薬を探すことになるのだが、医者でなくても容易に入手でき、味も匂いもなくて水によく溶けるものとなると、なかなか見当たらない。
で、殺人剤としてはやはり青酸カリが一番ということになるのだが、この薬は理想的な殺人剤だろうか?
私はそうは思わない。この毒には他の殺人剤と共通な欠点がある。それは、被害者の体内に痕跡が残ることである。もしもこの欠点がなければ、完全犯罪も夢ではなくなる。
私は自分が推理小説を作るのに際して、いろいろな毒殺を考えてきた。しかし帯に短したすきに長しで、どうも目新しいものがない。さんざん苦慮した末にひょいと思い付いたのはオゾンだった。
これを考え付いたときは思わず我ながら膝を叩き、これだっと叫んだ。そして、このネタを軸にして長編を1つ書き上げたのである。
本格ミステリーの場合、トリックを曝(ば)らしてしまったのでは、これから読む人の楽しみをさらうことになるのだが、これは私の自作なので、肝腎なところだけちょっと漏らしてもどこからも文句は出ないだろう。
1篇の骨子は、オゾンによって殺人を行うということである。もう少し詳しく述べると、ある農協倉庫から食品倉庫消毒用のオゾン発生機を盗み出し、それが作る高濃度オゾンをビニール袋に受け、それを寝ている被害者の頭に被せて押え付けるのである。
被害者は、オゾン風呂から出る弱いオゾンを含むビニール袋を被って寝ていた。その袋を外して、強力なオゾンの袋と替えたのだ。
たいていの人は、オゾンは健康に良いと思っている。しかし、濃度によっては、オゾンは致死的な毒薬にもなる。このことはあまり知られていない。この常識の盲点を突いた犯罪というわけだ。
しかも、オゾンなら痕跡が残らない!

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どうでもいい、じじいの日記。
『ミステリーを科学したら』という本を見ていたら「オゾン発生機(器)」が出てきた。
オゾンは、空気に紫外線を照射したり、酸素中で無声放電を行うなどすると発生する。
 3O2 → 2O3
オゾンは強力な酸化作用があり、殺菌・ウイルスの不活化・脱臭・脱色・有機物の除去などに用いられる。
もともと、オゾンは酸素なので、いつでもどこでも生成でき、反応後は酸素に戻るため、残留性がない。
この本の著者は青酸カリを用いた殺人より、このオゾン発生器を使えばより完全犯罪ができるようなことを書いている。
こっそり、殺したい奴のところに、このオゾン発生器を設置しておく。
オゾンを発生させた後は酸素に分解しているので証拠が残らない。
ネットで「オゾン 殺人」をキーに検索してみた。
そんな事件は見つからなかった。(やる奴がいないのか、それとも・・・・)
オゾン発生器でゴキブリを殺すというのがあった。
ゴキブリの完全犯罪はうまくいくらしい。