じじぃの「ロンドン橋!本当は恐ろしいほど残酷な」

The London Bridge Experience 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=VBcuq9HQbTg
【中国】瀕死の女児を見て見ぬふり(動画あり) 璧を完うす(へきをまっとうす)
http://andreagritti.blog112.fc2.com/blog-entry-1322.html
人柱 ウィキペディアWikipedia)より
人柱は、堤や橋、城といった大規模な建築物が水害や敵襲によって破壊されないことを神に祈願する目的で、生きながらにして建築物やその近傍に埋められた人身御供のことである。
【人柱伝説の残る建築物の例】
錦帯橋
・ロンドン橋

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『案外、知らずに歌ってた童謡の謎』 合田道人/著 祥伝社 2002年発行
ロンドン橋 どうしたら崩れない? (一部抜粋しています)
マザー・グース」の名が使われるようになったのは、18世紀初頭のこと。フランスのペローの童話がはじめて英訳されたときに、サブタイトルとして言語の直訳がつけられた。それが『マザー・グースの話』というものだった。
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「ロンドン橋」は、すでに18世紀前半のイギリスの文献にも載っているというから、少なくともそれ以前から歌い継がれてきた。そんな歌だった。
歌のテーマ。"ロンドン橋"は、その名の通りにイギリスの首都、ロンドンにある。市内を流れるテムズ川の架かっている橋だ。ロンドン橋の歴史は、ロンドンの歴史といっていいほど古い。
今のロンドンの地に人が住み始めたのは、紀元前8世紀頃。と、なればその時期から生活に必要な橋が作られていたはずだ。橋といっても木の橋だ。だから、いくら頑丈にこしらえたとしても、耐久性には限界があった。腐るし、流れてしまうし・・・。
記録では、11世紀の後半から12世紀前半にかけての1077年、1086年、1087年、1092年、1098年、1100年、1132年、1136年それぞれの年に大火が発生、橋は焼け落ちたり損傷を受けたりしている。約60年の中で8回も損害に見舞われている計算だ。
とくに1136年の火事は、橋を全焼した。短期間のうちにあまりにも火事が多発するので、それからしばらくは橋を架けなかったほどだ。でも橋がなくては、あまりにも生活は不便。駄目を承知で、またも木橋を作っては焼かれて流された。
そんなとき、街の司祭だったピーター・デ・コールチャーチは木橋ではなく石造りの橋の建設が必要だと人々に説いた。そして、そこを「聖なるロンドン橋」、神の住まいにしたい、つまり礼拝堂をロンドン橋の中に立てようと計画したのだ。
1173年着工(1176年説もある)。30年以上も費やした1209年、長さ300メートル、幅7メートル、水面からの高さが高い所で10メートル、南側に橋門とはね橋、橋の中ほどに聖トマス礼拝堂という立派な石の橋が誕生したのである。これが石造りの最初のロンドン橋である。
それでも地震や洪水などでやはり何度か橋は流れ落ちた。そのたびに改修が繰り返される。そしてとうとうこの歌が生まれる時代がやって来た。まるで人々は、古くなってしまった橋の崩壊が、迫っていることを感じとっているかのように歌いまくった。
 ♪ロンドン橋が落ちる 落ちる
 ♪ロンドン橋が落ちる レイディ・リィ・・・
このマイ・フェア・レの部分は、今は
 ♪マイ・フェア・レディ・・・
と歌われたり、
 ♪きれいなきれいな お姫さま・・・
と歌われたりしているが、このレイディ・リィとは、一体誰のことをさしているのだろう?
この歌では、どうしてもそのお姫さまが次々と橋の造り方を命令しているように思えるのだが・・・。
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この時期の女王がエリザベス1世である。橋の上にさらし首を命じた女王でもあった。
もしかして、歌に出てくる、
 ♪レイディ・リィ・・・
とは彼女のことではないのか?
気づかれないように"エリザベス"の"エリー"を"リィ"に変えたとは考えられまいか?
宗教闘争の根は深い。さらし首を命じた女王をすてきなお姫さまと皮肉って、
 "人柱より残酷なさらし首を橋の上で行わせるとは何事だ"
と、いう庶民の気持ちを見破られないように、美しいメロディーにのせることによって歌ったのではあるまいか?
なぜか女王は橋を通ることをひどく拒んだという。出かけるときはいつもポートで渡った。
この歌が自分に向けられていることを、薄々感じていたのであろうか?
皮肉をこめた女王に対する、
 ♪レイディ・リィ・・・
の歌だと見る一方で、もうひとりの有力な"リィ"の存在がある。
ウォリックシャーに住んでいた貴族夫人の名前が"リィ"なのだ。この貴族の屋敷を新築したときに伝わる話が、この橋架けの歌の基本を作ったようにも思えてくる。
工事の人間が、新しいお屋敷を作るための材料の相談に訪れた。
 「リィ奥様、今度の家はどんな材料に致しましょう。木材に致しましょうか、れんが造りがよろしいでしょうか」
丁寧に設計者と工事人は聞いた。
 「そうね。何がいいかしら? 嵐がきても、びくともしない物がよろしいわね」
 「町一番のお屋敷です。リィ奥様にふさわしい豪華な材料がよろしいかと思われますが・・・。金と銀とでお造りになるとか・・・」
 「馬鹿馬鹿しい。それじゃあ壁や窓枠が盗まれてしまうわよ。豪華というよりしっかりと丈夫に建ててほしいの。絶対に崩れたりしないようにね」
どの材料をすすめても夫人は、なんくせをつけて首を縦にふらなかった。
そのうち、設計者も工事の人間も、夫人は屋敷を造り直す気など毛頭ないのではないかと、疑い始めた。
少しの間、沈黙が流れた。工事人は、恐る恐る、しかし真剣に話した。
 「奥様、それではどうしても崩れたりしない家をお望みなら、壁に人柱を立てるしか方法はございませんでしょうな」
リィの美しい顔が緊張して硬直したように、こわばった。
 「人柱ねぇ?」
リィは、目を見開くとこう、言い放った。
 「では、それで行きましょうか」

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London Bridge 「ロンドン橋」
London Bridge is falling down,     ロンドン橋が落ちる
Falling down, Falling down.       落ちる、落ちる
London Bridge is falling down,     ロンドン橋が落ちる
My fair lady.               マイフェアレディ
Build it up with wood and clay,    粘土と木で作ろうよ
Wood and clay, Wood and clay.     粘土と木で、粘土と木で
Build it up with wood and clay,    粘土と木で作ろうよ
My fair lady.               マイフェアレディ
Wood and clay will wash away,    粘土と木では流される
Wash away, Wash away.        流される、流される
Wood and clay will wash away,    粘土と木では流される
My fair lady.               マイフェアレディ
     ・
Build it up with silver and gold,    金と銀で作ろうよ
Silver and gold, Silver and gold.    金と銀で、金と銀で
Build it up with silver and gold,    金と銀で作ろうよ
My fair lady.               マイフェアレディ
Silver and Gold will be stolen away, 金と銀では盗まれる
Stolen away, stolen away.       盗まれる、盗まれる
Silver and Gold will be stolen away, 金と銀では盗まれる
My fair lady.               マイフェアレディ
Set a man to watch all night,     寝ずの見張りをたてようか
Watch all night, watch all night.    寝ずの見張りを、寝ずの見張りを
Set a man to watch all night,     寝ずの見張りをたてようか
My fair lady.               マイフェアレディ
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どうでもいい、じじいの日記。
『案外、知らずに歌ってた童謡の謎』という本を見ていたら「ロンドン橋」が出てきた。
 ♪ロンドン橋が落ちる 落ちる、落ちる・・・
で始まるあの有名な歌詞である。
日本の童謡にもおっかないのがあるが、このロンドン橋には人柱伝説がある。
粘土と木の橋で作ったものは流されるから、れんがと石で作りましょ。
れんがと石で駄目ならはがねと鉄で作りましょ。
はがねと鉄でも駄目なら金と銀で作りましょ。
金と銀で作ったら盗まれるから、寝ずの見張りをたてましょ。
ここで問題になるのが「寝ずの見張り」だ。
昔、橋などの建設には、水の神に捧げる人間の生けにえが必要だったとされる。
日本にも山口県の岩国に日本三大奇橋(めずらしい橋)のひとつで錦帯橋がある。
何度も流されて、考え出されたのが「人柱」だ。白装束の姉妹が橋台深くに人柱となったので、そのとき作られた錦帯橋は300年近く流出しなかったいう。
ロンドン橋の寝ずの見張りも、永遠に眠ることを許されずに橋を守り続ける人柱なのだそうだ。
マザー・グースの中には、ペストの大流行で人がばたばた倒れていく様子を歌ったものがある。ペストの大流行で人がばたばた倒れていくのを童謡にして子供に歌わせているというのも、すごい話である。