じじぃの「人の死にざま_390_S・モーム」

サマセット・モーム - あのひと検索 SPYSEE
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Trio .. W. Somerset Maugham .. UK Theatrical Trailer 動画 YouTube
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The Moon and Sixpence (For Alba from Sallon) 動画 YouTube
http://il.youtube.com/watch?v=SB621Ibvbbk&feature=related
S・モームもスパイ 英「MI6」正史、極秘情報公開 2010年9月23日 asahi.com
映画「007」シリーズの主役ジェームズ・ボンドの所属先として知られる英国の情報機関「対外情報部(MI6)」の正史をまとめた本が、初めて出版された。「月と六ペンス」などを残した英国の有名作家サマセット・モームらがスパイの一員だったことも明らかになった。
http://www.asahi.com/international/update/0923/TKY201009230248.html
サマセット・モーム フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』 (一部抜粋しています)
ウィリアム・サマセット・モームは、イギリスの小説家、劇作家。フランスのパリ生れ。
10歳で孤児となり、イギリスに渡る。医師になり第一次大戦では軍医、諜報部員として従軍。1919年に『月と六ペンス』で注目され、人気作家に。平明な文体と物語り展開の妙で最良の意味での通俗作家として名を成した。作品に『人間の絆』『お菓子とビール』や短編「雨」「赤毛」、戯曲「おえら方」など。イギリス情報局秘密情報部に所属するスパイでもあった。
【経歴】
1874年1月25日、イギリス人の両親のもと、フランスのパリで生まれた。父ロバートはパリのイギリス大使館の顧問弁護士で、サマセット・モームはその末子であった。
モームは旅行を好んだ人物であった。作家として世に出ると、まずスペインに旅行した。以後もしばしば訪れており、『ドン・フェルナンド』などの紀行を発表している。30歳になるとパリで暮らし、シチリアにも訪れている。やがて戯作をはじめ、『信義の人』『ジャック・ストロー』『ドット夫人』などが上演され、劇作家として一本立ちした。
1914年、40歳のときに第一次世界大戦が起こると、ベルギー戦線の赤十字野戦病院に勤務。やがて諜報機関にまわされ、スイスのジュネーブに滞在した。表向きは作家活動をしており、半生を振り返る意味で書かれた大作「人間の絆」や傑作戯曲「おえら方」はこの間に書かれている。1915年、健康を損ない諜報活動をやめると、アメリカに渡り、さらにタヒチ島などの南洋の島を訪れている。『人間の絆』が出版されたが、戦時中だったため注目されなかった。
翌年にアメリカから日本、シベリアを経由し、ペトログラートへと向かった。ロシア革命の渦中のペトログラートでは、MI6の諜報員としてケレンスキー接触し、資金援助した。ドイツとの単独講和阻止のために送り込まれたのであったが、単独講和を唱えるボリシェビキが戦争継続派のケレンスキーの臨時政府を倒し、失敗に終わった。
やがて肺を悪くし、スコットランドで療養。画家ゴーギャンの生涯をもとに「月と六ペンス」の構想を練り始めた。1919年に出版されると、アメリカでベストセラーとなり、『人間の絆』も再評価され、小説家として世界的名声を得た。「雨」「赤毛」を収めた『木の葉のそよぎ』、ハーディをモデルとしたことで物議を醸した『お菓子とビール』、中年女性の恋を描いた『劇場』などの長編や、「おえら方」「ひとめぐり」などの戯曲を発表し、第二次世界大戦まで旺盛な創作活動を行った。1930年代には、執筆料の最も高い作家といわれた。
相変わらずモームは旅を続け、中国、マレー半島インドシナ半島を訪れている。1927年に終の住家となる家をフランスのリヴィエラに買うが、その後もキプロス、ニューヨーク、スペイン、西インド諸島、インドなどへ赴いている。シンガポールラッフルズ・ホテルを「ラッフルズ、その名は東洋の神秘に彩られている」と絶賛し、長期滞在。シンガポールMRTのサマセット駅はモームの名から採られている。またタイのバンコクにあるザ・オリエンタル・バンコクを高く評価。後に長期滞在しており、現在、同ホテルにはモームの名を冠したスイートルームがある。

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『人間臨終図巻 下巻』 山田風太郎著 徳間書店
サマセット・モーム (1874-1965) 91歳で死亡。 (一部抜粋しています)
『月と六ペンス』 『人間の絆(きずな)』 その他の作品が全世界のベストセラーとなったサマセット・モームは、1954年、80歳になっていた。そのころ彼はロンドンである富豪の晩餐会に招待されたが、食卓で偶然、新聞の死亡広告についての会話になった。そのうち1人が80歳のモームがいることに気がついて、隣の男にささやき、やがてみながその話をやめたが、2、3分間、藩氏のつぎほを失って当惑する時間が流れた。
「私は自分の死亡広告を読んだことがあるよ」
と、沈黙を破ってモームがいった。そして、ある新聞記者が自分の死亡広告の予定原稿を送って来て、まちがいがあったらチェックしてくれといって来たという話をした。
「だから私はチェックしてやった。翌日それをとりに来た彼にいった。まあ、正確は正確だが、思いやりに欠けるうらみがあるね、と」
しかし彼はそれからなお10年以上も生きた。
モームが生涯その作品で描き出そうとしたのは精神的に物質的に、あらゆる人間の絆から独立し、独立しようとする人間であった。そして、そのような作品を書いたのは、モーム自身が精神的に物質的に、あらゆる人間の絆から独立しようと望んだ意欲からであった。彼はそれに成功した。しかし。・・・・
「実に冷酷無惨な皮肉のために、モームは人間感情のいちばん強いものの一つ−−出来るだけ生命にしがみついて生きつづけようとする願望−−によって裏切られ、それは実に痛ましく、どんなに彼の精神が超然とした自由を持っていなかったかを示すことになった」
と、ロバート・L・コールダーはいい、「生涯の最後の12年間に、モームは一連の若返り療法を受け、こうした療法は彼の肉体的生命を通常以上のものにしたかもしれないが、彼の最後の5年間がほとんど生きるに値しないものであったことは、疑問の余地がない」と述べたあとで、さらにいう。
「彼が生命を天寿より少なくとも5年間のばしたことはまちがいないが、それは自責と、遠い過去に受けたと思い込んでいる想像上の被害に対して、他人に恨みのこもった復讐をする歳月だった。1962年、彼は蒐集した絵をサザビーの店で競売に付し、この売り上げの一部を請求して娘が訴訟を起こすことになった。その翌年彼はこの娘を廃嫡(はいちゃく)したが、シェイクスピアリア王のように、彼は自分の富の将来を支配する力さえ失ったのだった」
名声と巨万の富を得、11人の召使いにかしずかれて南仏リヴィエラの宏壮な邸宅ヴィラ・モーレスクに暮らしながら、晩年のモームは絶望と、ほとんど狂気の人であった。
彼の甥のロビン・モームが、「あなたの人生でいちばん幸福な思い出は何ですか」と訊くと。モームはどもりながら答えた。
「そ、そ、そんな思い出はいっときもなかったな」
「私は一生を通じて失敗者だった。間違いにつづく間違いだらけの人生だった」
「1行も書かなければよかったのだ。私を知っただれもかれも、最後には私を憎むようになった。しかし今となっては何もかもあとの祭りだ」
そういうとモームはロビンの手にしがみつき、恐怖にみちた顔で全身ふるえながら、ドアのほうに眼をむけて、
「部屋にはいって来るやつはだれだ? 出てゆけ! おれはまだ用意が出来ていないんだ。おれはまだ死んじゃいない。死んじゃいないんだぞ」
と、さけんだ。戸口にはだれの姿も見えないのに。
また彼は告白した。「私は4分の1、正常で、4分の3、同性愛者だった。ところが私は全然逆だと思いこもうとした。それが私の最大のまちがいだった」
そして死の直前に、モームはロビンにいった。
「人生というものは、はじめは素敵だが、やがて時間とともにメチャメチャになるパーティのようなものだ。今はもう家に帰っても少しも残念ではない。でも家に帰ると信じられればいいのだが−−帰って懐かしい母やあの悪党のジュラルド(彼の同性愛の相手)にもういちど逢えると考えられればいいのだが。しかし、帰れやしない、断じて。−−この人生で魂をすっかり失ってしまって、あとには何も残っていないということもあり得るんだ」
こういう状態で、老衰の極、モームは1965年12月16日午前5時少し前に息をひきとった。

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