じじぃの「未解決ファイル_117_暗黒(ダーク)エネルギー」

村山斉の宇宙をめぐる大冒険 2017年01月06日 170106 動画 dailymotion
http://www.dailymotion.com/video/x57lv9a
はてな宇宙 特別企画「村山斉が解説する2011年ノーベル物理学賞 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=BEAav1iOyoo
宇宙の大部分を占めるダークエネルギー
http://www.rikanenpyo.jp/FAQ/tenmon/img/006_1.jpg
白熱教室 「第4回 そしてダークエネルギーの発見〜私たちのみじめな最後〜」 (追加) 2014年7月11日 NHK Eテレ
【講師】アリゾナ州立大学 宇宙物理学 ローレンス・クラウス教授
最終回は一気に宇宙論の最先端へとたどり着く!
ダークマターの存在に気づいた物理学者たちだが、さらなる矛盾にぶつかることになる。通常の見える物質に加え、その量をはるかにしのぐダークマターが宇宙を満たしていることは分かってきた。だが、別の観測事実から、宇宙にはもっとはるかにたくさんの物質(またはエネルギー)が存在しなければつじつまが合わないという大問題が浮上したのだ。なんと、通常の物質とダークマターを足し合わせても、宇宙に存在するべきエネルギーの総量のわずか30%にしかならないというのである。つまり70%のエネルギーが“ダークエネルギー”として宇宙空間に充満していなければつじつまが合わない。そして20世紀の終わり、そのダークエネルギーの存在を実証する観測結果が出る。宇宙の膨張は加速しているというのである! これはダークエネルギーの存在を仮定してはじめて説明がつくものだった。では、未来永劫、加速しながら膨張を続ける宇宙は一体どうなるのか? 知的生命にとっては非常なみじめな未来が待っているのである。そのみじめな未来とは!?
http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/cosmology/index.html
99.996%の確率で、暗黒エネルギーの存在を証明 2012年9月18日
ドイツとイギリスの大学研究チームが、この宇宙の73%を占めると考えられている正体不明の暗黒エネルギーが99.996%の確率で存在するという研究成果を発表した。
http://www.astroarts.co.jp/news/2012/09/18darkenergy/index-j.shtml
『ビジュアルでよくわかる宇宙の秘密 宇宙誕生の謎から地球外生命の真相まで』 中川人司/監修 クリエイティブ・スイート/編著 PHP文庫 2009年発行
宇宙ってこれからどうなるの?
カギを握るのはダークエネルギーの正体
宇宙は現在すでに、137億歳という「超高齢者」。いや、本当に超高齢者なのかどうか、それは宇宙が今後どうなるかによって変わってきます。
宇宙は現在膨張していて、いまのところ、これからも膨張し続けていくと考えられています。しかし実際にどうなるかは断定できず、そのゆくえは、ダークエネルギーがどのようなものであるかにかかっています。
一番有力なのは、ダークエネルギーが、空間そのものがもつエネルギーであるという考え方。その場合、宇宙が膨張してもダークエネルギーの密度は変わらず、つまり、ダークエネルギーは今後もいままでと同じような力で宇宙を押し広げ続けていくだろうとされます。しかし、かならずしもその密度が変わらないとはいい切れません。密度が大きくなっていけばさらに膨張は加速するだろうし、逆に小さくなっていくのであれば、いつか宇宙は収縮に転じることになります。まだいくつものシナリオが考えられるのです。
最も有力とされる、膨張し続ける宇宙の未来について紹介すると、その場合、数百濃く年ぐらいのちには、近くの銀河同士が合体して巨大銀河がいくつも誕生する時代となります。しかしそのうちに、新たな恒星を生み出す材料ともいえる水素ガスが宇宙全体からなくなってしまい、いつか星は、死んでいくばかりで、誕生しなくなります。そしてさらに遠い未来には、いずれ宇宙はブラックホールだらけになると考えられます。そのブラックホールもいずれ「蒸発」してなくなるとされていて、さらに先には原子などもなくなって、それ以上分解できない素粒子のみがかすかに飛び回るだけの真っ暗で冷たい世界になると予想されています。これがどのくらい先の話かといえば「10の100乗年」(1のあとに0が100個並ぶ)ぐらい先のこと。宇宙が誕生してから現在まではまだ「10の10乗年」どれほど遠い未来かわかると思います。
そう考えると、137億年とはいえ、宇宙はまだ生まれたばかりの「幼年期」という見方もできます。ただ、星の活動の活発さからいえば、すでにピークはすぎていて、いまは「初老」の時代に入っているともいわれるようです。

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世界で最も注目を集めた研究者と、最多引用論文を発表 2012年4月12日 トムソン・ロイター
世界的な情報サービス企業であるトムソン・ロイターは、毎年恒例の、最も注目を集めた研究者(Hottest Researchers)と、2011年の最多引用論文の調査結果を発表しました。今回は、最も注目を集めた研究者の世界5位に(独)理化学研究所、植物科学研究センター長の篠崎一雄氏、また、最多引用論文の世界1位にテキサス大学教授の小松英一郎氏がそれぞれ選出されました。
http://ip-science.thomsonreuters.jp/press/release/2012/hottest-researchers-2011/
『Newton(ニュートン)』 2012年10月号
LEADING EDGE 科学の最前線から 宇宙論研究の先頭を走る「WMAPチーム」の要 小松英一郎博士に聞く (一部抜粋しています)
今の僕の課題は、インフレーションが本当にあったかどうかを検証することです。実は、今回の観測の結果から、初期宇宙は、ほとんどのインフレーション理論が予測するような、"一つのエネルギー源による加速"をしていたわけではないかもしれないという可能性が出てきました。
インフレーション理論は今のところ、ほかの理論とくらべても一番単純でデータともよく合うので、支持されています。しかし、実験や観測でしっかりと確認できるまでは、ただのおとぎ話にすぎないんですね。
そもそも、インフレーションというのはむちゃくちゃなことなんですよ。現在宇宙は加速膨張していて、100億年後には宇宙の大きさは2倍になるといわれています。それにくらべて、現在のインフレーションでは、宇宙は最初の1034分の1秒(1秒の1000兆分の1のさらに1000兆分の1のさらに1万分の1)の間に大きさが数十けたも増大したというわけですから、こんなむちゃくちゃなことはないですよね。簡単に信じてはいけませんよ(笑)。
インフレーションは今考えられているようなものではない、となったら、これはとんでもない発見です。インフレーション理論が提唱されたのが1980年。それを観測的に検証できる時代に、ようやくなったわけです。現在宇宙背景放射の観測を行っているヨーロッパのPLANCK(プランク)が、その成果をまとめたものを来年発表します。結果が非常に気になりまね。
僕の最終目標は、宇宙の歴史を最初から最後まで明らかにすることです。ただ、宇宙の始まりといわれるインフレーションにせよ、宇宙の未来にせよ、どちらもダークエネルギー(暗黒エネルギー)がカギとなっています。このダークエネルギーの正体がわからないことには、宇宙の全貌を知るのはむずかしいでしょうね。
観測的に多くのことがわかってきたとはいえ、僕たちが見ることができるのは光が進むことのできた距離だけです。宇宙はえたいのしれないものなので、簡単にすべてがわかってはいけないんですよ。でも、少なくとも見えている部分くらいはわかりたい、というのが僕たちのささやかな願いです。
とはいえ、ダークエネルギーの正体が完全にわかってしまえば、僕の一応の目的をなしとげることができるわけです。もしそうなったら、今度はまた何か別の研究をやるんでしょうね(笑)。そういう好奇心と、わからないことがあったらわかるまであきらめないという気持ちが、研究者にとってはとても大切だと感じています。

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サイエンスZERO 「ダークエネルギーが宇宙を加速する」 2011年12月10日 NHK Eテレ
【司会】安めぐみ 、山田賢治 【コメンテーター】東京大学数物連携宇宙研究機構機構長 村山斉
12月10日に行われるノーベル賞授賞式。今年の物理学賞を受賞したのは、「加速しながら膨張する宇宙」を発見した3人の研究者です。宇宙が加速するためには、重力とは反対の性質を持つ「ダークエネルギー」が必要であることもわかり、宇宙論を根底からくつがえすことになりました。そして世紀の発見までには2つの研究チームの熾烈な先陣争いありました。現代宇宙論最大の謎・ダークエネルギーをめぐるドラマに迫ります。
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp369.html
サイエンスZERO 「宇宙の未来を決める 暗黒エネルギー」 2010年9月4日 NHK教育
【司会】安めぐみ 、山田賢治 【コメンテーター】名古屋大学教授 杉山直 【ゲスト】東京大学教授 鈴木真二
137億年前、ビッグバンではじまった私たちの宇宙。その未来を支配するのが「暗黒エネルギー」だ。暗黒エネルギーは物を引き離す力=斥力の元になるエネルギーで、宇宙空間にあまねく存在していると考えられている。星や銀河の周辺では重力が強く、その力はほとんど目立たないが、宇宙の大部分を占める真空の空間では暗黒エネルギーが支配的になるという。
暗黒エネルギーが「発見」されたのは1998年。アメリカの研究チームが、宇宙の膨張が加速していることをつきとめたことがきっかけだった。それまでは、ビッグバンの後、星や銀河の重力によって、宇宙が膨張するスピードは少しずつ遅くなっていると考えられていた。しかし、観測結果は正反対で、宇宙の膨張スピードはどんどん速くなっていることがわかったのだ。重力に逆らって宇宙を膨張させるエネルギーは「暗黒エネルギー」と名付けられ、今ではその存在なくして宇宙の過去や未来を語ることはできなくなっている。
暗黒エネルギーの存在は従来の物理学や宇宙論の常識をくつがえす不思議なものだ。磁石などの斥力は距離が離れるにしたがって力が弱くなるが、暗黒エネルギーの力は距離が離れるほど大きくなる。さらに、暗黒エネルギーはすべての空間に等しく存在するために、宇宙の膨張とともにその量が増えているのだ。
暗黒エネルギーが増え続けると将来宇宙はどうなるのか。そのひとつのシナリオが「ビッグリップ」と呼ばれる宇宙の終末だ。今から1000億年後、暗黒エネルギーの力が極限に達すると、銀河や星はもちろん、原子までもがばらばらに砕け散ってしまうという。このビッグリップが起こるかどうかは暗黒エネルギーがどれくらいのスピードで増えているかによって決まるため、現在世界中の研究者が暗黒エネルギーの増え方を計測しようとしている。
テキサス大学の小松英一郎教授は、WMAPと呼ばれる探査機を使い、宇宙の果てから来る微弱な電波をくまなく観測した。そして、全宇宙にあるその電波の分布図を作成・解析し、宇宙に存在する暗黒エネルギーの量を導き出した。
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp317.html
どうでもいい、じじぃの日記。
9/10、再放送であったがNHK教育 サイエンスZERO 「宇宙の未来を決める 暗黒エネルギー」を観た。
こんなことを言っていた。
暗黒エネルギーが宇宙を支配する。永遠の宇宙が暗黒エネルギー(ダークエネルギー)に満たされていることが分かりました。
宇宙は137億年前ビッグバンによって生まれたといわれています。暗黒エネルギーは遠い将来、銀河を無くしてしまうかもしれません。
1929年、エドウィン・ハッブルはウィルソン山天文台反射望遠鏡を用いて、我々の銀河系の外にも銀河が存在することや宇宙が膨張していることを発見した。
1998年、ジョンズ・ホプキンス大学のアダム・リース博士は暗黒エネルギーに関する論文を発表した。
彼は宇宙の膨張は次第に減速しているという考えのもとで、70億年前の宇宙の膨張と50億年前の宇宙の膨張を比較してみた。計算の結果、宇宙の膨張は減速しているどころか、膨張が加速していることが分かった。
宇宙の膨張を加速させているものは何なのか? この謎のエネルギーを「暗黒エネルギー」と名前をつけた。
名古屋大学教授の杉山直氏が解説する。
山田さん、「安さん、手にあるリンゴを上に放ってみてください」
上に放って、下に落ちてくる・・・万有引力
宙に放り投げられたリンゴが、加速してどんどん遠ざかっていく。反重力・・・暗黒エネルギーの世界。
テキサス大学の小松英一郎教授はWMAPと言う衛星を使い、全宇宙からやってくる電波を観測し電波の分布から宇宙にある暗黒エネルギーの量を導き出した。
 ΩΔ=0.726
暗黒エネルギーが宇宙の全エネルギーの72.6%を占める。(約73%)
その他、暗黒物質が23%、銀河・星などが4%。
小松英一郎教授の出したこの論文は宇宙の暗黒エネルギーに関する論文の中で一番引用数が多い。
暗黒エネルギーが73%というのは現在の値で、将来は75%、80%、・・・と増えていく。
宇宙は137億年前ビッグバンによって生まれた。 (点の宇宙)
ビッグバン → 70億年前は宇宙は銀河・星がほとんどを占めていた。 (小さな宇宙)
ビッグバン → 70億年前 → 現在 宇宙は膨張を加速し、暗黒エネルギーがどんどん増えていっている。 (大きな宇宙)
将来はほとんど暗黒エネルギーだらけの世界に。 (銀河・星が消滅した、すかすかの宇宙)
ダートマス大学の物理学者ロバート・コールドウエルは、将来暗黒のエネルギーの増え方が早くなり無限に広がり、宇宙はバラバラになるという。この宇宙がバラバラになることを「ビッグリップ」というのだそうだ。
将来、暗黒エネルギーは原子、電子をもバラバラな素粒子にし、暗黒の宇宙になる。
ゲストの鈴木氏、「それは一つのシナリオでしょ」
宇宙は膨張していても、ある時期で収縮に転じるというシナリオもあるのではないか。鈴木氏もショックを隠せない様子だ。
ビッグリップは必然のシナリオなのか。
東大では各国から70人が集まり、暗黒エネルギーの増え方を調べている。
暗黒エネルギーの量によって暗黒物質の固まり方に違いがあり、それによって暗黒エネルギーの増え方を推測できる。
ハワイにあるすばる望遠鏡の超視野カメラに10億画素のカメラ増設を計画中で、2016年ごろ完成を目指している。暗黒エネルギーの増え方、減り方を観測するのだそうだ。
じじぃの感想
アインシュタイン一般相対性理論で「宇宙項(宇宙定数)」を導入した。
それは宇宙は永久不変で時間的に変化しないと考えたからだった。
宇宙の大きさは不変のはず。そして宇宙が自らの重力によってつぶれることなく形を保つためには、宇宙が重力にさからって外側に向かう力が必要だと考え、「宇宙項」を導入した。
しかしその後、ハッブルの観測結果、宇宙は膨張していることを知ったアインシュタインは、宇宙の大きさを不変と考えて宇宙項を導入したことを「生涯最大の過ち」だと言った。
だが、この宇宙項というエネルギーが宇宙が生まれた間もないころに宇宙が大膨張するのに必要だった「真空のエネルギー」に相当し、さらには、宇宙項は暗黒エネルギーである可能性が出てきたのである。
果たして、「宇宙項」は「生涯最大の過ち」だったのだろうか。