じじぃの「未解決ファイル_115_シロイルカ」

Beluga Mimicry ベルーガ ナックの声マネ 鴨川シーワールド  (追加) 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=vdMP_2TAHLk
シロイルカ 島根のおじさん Delphinapterus leucas 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=daT2uB5T6KU
サイエンスZERO 「イルカが話す!触れあう! 不思議な能力の秘密」 (追加) 2012年3月2日 NHK Eテレ
【司会】安めぐみ、山田賢治 【コメンテーター】科学作家 竹内薫 【語り】原田裕和 【ゲスト】京都大学野生動物研究センター特定助教 森阪匡通
今、イルカの持つ高い知能があらためて注目されています。人間の言葉をまねしたり、物の名前を覚えたりするだけでなく、お互いに体をこすりあって複雑なコミュニケーションをとっていることも明らかになってきました。実は、イルカの脳は、体重比に換算すると人間の次に大きいといわれます。水中で社会生活を営む中で、高度な知能が発達したのではないかというのです。イルカの知能はどこまで高いのか?最新研究から迫ります。
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp377.html
コニーアイランドにあるニューヨークの水族館 Yahoo!ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/msuzukiny/15457458.html
セントローレンス川シロイルカの悲劇 日経サイエンス
セントローレンス川に生息するシロイルカの受難は,まず肉や脂肪を目当てにした狩猟から始まった。白人がアメリカ大陸に来てからはもちろんだが,8500年前ごろの遊牧民の遺跡からも,シロイルカの骨が見つかっている。19世紀には5000頭から1万頭がセントローレンス川に生息していたが,カナダ政府が捕獲を禁止した1970年代には,500頭までに減っていた。
 狩猟がなくなっても,シロイルカの受難は続く。500に減った個体数は増えないまま今日まで来ている。なぜ増えないのか,議論がされたが,著者たちは化学工場が出す有毒廃棄物がシロイルカを苦しめていると考えている。
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/9607/beluga.html
シロイルカ フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』 (一部抜粋しています)
シロイルカはクジラ目 ハクジラ亜目 イッカク科 シロイルカ属に属する小型のクジラである。主に北極および北極圏に棲息する。英名 (Beluga) を用いてベルーガと呼ばれることも多い。別の英名としては White Whale (「白いクジラ」の意)があり、日本語でも稀にシロクジラと呼ばれる。
シロイルカ属はイッカク科に属する属の一つで、シロイルカ1種のみが属する。
【形態】
シロイルカの頭部の額に突き出しているメロンと呼ばれる脂肪組織は、他のハクジラ類のものよりも丸く柔らかい。多くのハクジラ類と同様、鼻腔の奥を振動させて生じた音波を、メロンと呼ばれる脂肪組織をレンズのように用いて収束させ、個体間のコミュニケーションとエコーロケーションに用いる。高音の笛のような音を発生するため、捕鯨者により「海のカナリア」 (Sea Canary) というあだなをつけられた。また、シロイルカのメロンは他のハクジラ類とは違い、形状を自分の意思で変えることができる。これは北極圏の氷の海に適応するためであろうと推察される。横浜・八景島シーパラダイスでは、メロンを震わせながら歌う(音を発生する)「おでこぷるぷるシロイルカ」と称するシロイルカを観察することができる。
シロイルカの特徴の一つは、他の多くのクジラやイルカとは異なり、七つの頸椎が互いに不動状態に固定されておらず、そのため頭部を上下左右に振ることが可能なことである。この特性を利用して、水族館では人間におけるお辞儀様行動をさせることがある。野生状態では首を動かしながら、口から海底に水を吹き付けて掘り返し、底生動物を捕食していると言われている。効率良く水を吹き付けるように、口は単に開閉するだけでなく、ひょっとこのように突き出すことができる。島根県立しまね海洋館においては、アーリャ(雌)、ナスチャ(雌)、ケーリャ(雄)、ランゲル(雄)、アンナ(雌)が口をすぼめて口腔内に溜めた空気を噴き出して空気の輪を作ることができ、アーリャ、ナスチャ、ケーリャの3頭パフォーマンスなどの際にその様子を観察することが可能である。また、こうした短い吻は強力な負圧を発生させる事が可能であり、食餌はこの負圧を利用した吸引方式で行う。
【行動】
シロイルカはクリック音、キーキー音、口笛のような音、ベルのような音など、様々な音声を発する。ある研究者は、シロイルカの群の出す音を、オーケストラの弦楽器が演奏の前に調音している時の音に喩えている。先にシロイルカは「海のカナリア」と呼ばれることもあると述べたが、これはカナリアのように騒々しいからだと言われることもある。50種類の明らかに異なる音声が記録されており、多くの音の周波数は100Hzから12kHzの範囲である。
シロイルカを見ることができる施設】
鴨川シーワールド(千葉県鴨川市
横浜・八景島シーパラダイス横浜市金沢区
名古屋港水族館名古屋市港区)
島根県立しまね海洋館アクアス(島根県浜田市) - バブルリングの芸ができる。

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『イルカとぼくらの微妙な関係』川端裕人/著 時事通信社 1997発行
カナリアは歌わない (一部抜粋しています)
ベルーガシロイルカ)は特殊なイルカだ。もちろん、その体色のこともあるけれど、それ以上に進化史的な観点から「特殊」なのだ。
現在、イルカの中で最も多様な適応をとげ30種以上も現存するマイルカ科に比べて、ベルーガはわずか2種類しかいないマイノリティ、イッカク科に属する。今から1000万年ほど前には、マイルカ科のイルカたちと袂を分かって独自の道を歩み始めたと考えられる。北極海をぐるりと取り囲むように分布し、ハクジラの仲間では、最も高緯度まで進出する。セントローレンス川の個体群は、ベルーガの分布の南限であり、また他の個体群と地理的に切り離されているという意味で「離れ小島」的棲息域ともいえる。
最大で体長4.5メートル、体重1.5トンに達するが、標準としては4メートル、1トンくらい。きわめて社会的な生き物で、たいていの場合、群れを作って行動する。ぼくの見たグループはわずか10頭の小さなものだった。一方、北極圏やハドソン湾では1000頭以上の群れも観察されている。
そして、何よりもぼくが惹かれるのは、彼等の体つきだ。イルカもクジラもたいてい頸椎が融合してしまって首を自由に動かせない。頭を振るには、腰を使って身体全体を振らなければならない。しかし、ベルーガは頸椎が分離しているため、人間のようにうなずいたり、首を振ったり、といったことが簡単にできる。おまけに顔の筋肉が発達しているらしく、唇をすぼめたりして表情とおぼしきものを浮かべる。もっとも、もともと「笑い顔」なので、いくら表情を変えても、決して怒った顔や、悲しい顔はできない。とはいえ、いつも同じ笑い方しかできないマイルカ科のイルカたちに対して、ベルーガは笑い方にも何種類もあるわけで、なんとなく情操の豊かなイルカという感じがしてしまう。
このあたりのことは、ベルーガを飼っている水族館の水槽の前でしばらくのあいだ粘ってみれば誰にでも実感できることだ。ぼくはニューヨークのコニーアイランドの水族館で、オスのベルーガと1時間あまりにらめっこをして過ごしたことがあって、その時のベルーガの豊かな表情を思い出すと今でも吹き出しそうになってしまう。
あのつんつるの出っ張ったおでこ(メロンというエコーロケーションのために必要な器官が入っている)もかわいらしいし、人間の唇の動きをまねるように口を丸めたり、イーッと横に引っ張ったり、とにかくこいつ本当にイルカなんだろうかと思うことしきりなのである。
川で見たどこか神秘的なベルーガたちと、水族館のユーモラスな振る舞いの間に、とりあえずのところ、ぼくは違和感を感じている。でもこれは両方とも、柔軟性の高いベルーガという生き物のある側面なのだ。あるいは、ベルーガという多様な行動を示す生き物から人間が受け散ることができるイメージのバリエーションというか。
町の外れに「海洋哺乳類研究所」というのがあるのを知った。この川のベルーガについての情報を求めて訪ねることにした。入口を入るとそこは簡単な展示施設になっていて、ベルーガを中心とした「川の鯨類」についての資料を提供してくれる。ベルーガは、クジラとは違って、この地域から河口部の間に周年とどまる本当の意味でセントローレンス川の住民なのだと知った。
部屋の片隅にヘッドフォンが掛けてあるのを見つけた。壁にはアクリルのプレートが張り付けてあって、フランス語と英語で「海のカナリア」と書いてある。
そういえば、ベルーガの「特殊さ」の最大のポイントはその鳴き声かもしれない、と思った。イルカがさまざまな鳴音でたがいにコミュニケーションをはかるのはよく知られている。ベルーガの鳴音はどんなイルカよりも多彩で、つまり、群れの中でとても濃密な「会話」を交わしながら生きているのだと考えられている。おまけに彼らの声は澄んで美しいものだから、「海のカナリア」というニックネームが広く使われる。
部屋の片隅のヘッドフォンの先には、湾内に仕込まれた水中マイクがつながっていて、常時川の中の音をピックアップしている。水の中では音は遠くまで届くから、ベルーガの群れが数キロ内の水域にいれば必ずその「さえずり」を拾えるというわけだ。
ところが、耳に最初に飛び込んできたのは、調子の悪いミキサーががなりたてるみたいなかん高い騒音だった。小さなボートのスクリューの音だと思った。もっと重々しく深い金属音はおそらくフェリーな何かだろう。あらためてセントローレンス川が、人間の生活に密接に関係した「生活圏」なのだと実感した。
「船の音しか聞こえないんじゃないの? このあたりの水中って本当にうるさいのね」さっきなでヘッドフォンを使っていた女性客が話しかけてきた。
「そうだね。騒音だらけだ」と答えた。
「このあたりにはベルーガなんていやしないんだわ」
いや、いるよ。さっき見たんだ。ぼくは心の中で言った。
水中が雑音だらけだというのは、それはそれで発見なわけだが、やはり、どうせならベルーガの声を聞いてみたい。
野伊豆の彼方になにがしか生き物が立てる音を聞き取ろうと集中していると、何分か後、そいつは幻聴のように聞こえてきた。ピーピー、キュルキュル、ピー、キュルルキュル。カン高い、鳥のさえずりとも思えるような声。それは、わずか数十秒続いたかと思うと、やがてボートの音にかき消されてしまった。
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PCB、DDTはそれぞれとっくに使用が禁止されているのだが、それがいまだにベルーガの体の中に高濃度で存在するのは、授乳を通じて母から子供にこの毒物が伝えられるからだ。ベルーガの母乳は非常に脂肪分が濃いことで知られるが、脂肪は有機塩素化合物の格好の溶媒だ。ベルーガは生まれたその日から、母親に毒物を飲まされながら育つのである。
ちなみにセントローレンス川ベルーガの体から検出されるPCBは時に1000PPMを超える。一方、あまり汚染されていない北極海ベルーガはわずか5PPMだ。また、体にさまざまな悪さをする鉛も北極海ベルーガに比べて、10倍もの濃度で蓄積されている。だから、彼らの死体は、普通に投棄できない産業廃棄物として扱われ、特別に処分されているくらいなのだ。「泳ぐ産業廃棄物」であるベルーガが体内の汚染物質からどんな害を被っているか、それを実証するのはなかなむずかしい。しかし、状況証拠として、まず、セントローレンス川ベルーガたちに腫瘍が多いことが挙げられる。検死した個体の40%以上が、ガンを含む悪性の腫瘍を持っていた。部位としては、胃や腸などの消化器官から、膀胱や肺、脳に至るまであちこちに散らばっている。以前に比べて、先天性の異常が増加し、妊娠率は低下しているとも言われる。

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どうでもいい、じじぃの日記。
東金図書館から、『イルカとぼくらの微妙な関係』という本を借りてきた。
シロイルカは英語名でベルーガということを初めて知った。
シロイルカのほとんどは北極圏に棲息しているのだという。本に出てくるシロイルカはカナダ・ケベック州セントローレンス川に棲んでいるイルカ(ベルーガ)だ。
「イルカもクジラもたいてい頸椎が融合してしまって首を自由に動かせない。頭を振るには、腰を使って身体全体を振らなければならない。しかし、ベルーガは頸椎が分離しているため、人間のようにうなずいたり、首を振ったり、といったことが簡単にできる。おまけに顔の筋肉が発達しているらしく、唇をすぼめたりして表情とおぼしきものを浮かべる。もっとも、もともと『笑い顔』なので、いくら表情を変えても、決して怒った顔や、悲しい顔はできない」
イルカでもシロイルカは顔と首が独立していて、顔の向きが自由に変えられるのだ。顔の筋肉が発達しているとは顔に表情があるということだろう。もともと「笑い顔」なので、いくら表情を変えても、決して怒った顔や、悲しい顔はできない。そういえば、あいつはいつも「笑い顔」だ。
北極圏に棲息しているシロイルカはほとんど環境汚染されていないが、セントローレンス川に棲息してしているシロイルカは農薬なんかで汚染されているため、シロイルカの死骸は有害な廃棄物として扱われている。
これにはショックを受けた。
イルカが大好きなじじぃ。
これ以上、イルカをいじめないでくれ。