じじぃの「不思議な動物たち・味にうるさいグルメ・シャチ!見せびらかすイルカ」

Orcas In The Wild : Read Description 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=bjMiR-lXb9c&feature=related
Killer Whale eats King Salmon caught on fishing line 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=lDQ1GAZZk6E&feature=related
シャチ ウィキペディアWikipedia)より
シャチは、クジラ目ハクジラ亜目マイルカ科シャチ属の唯一の種である。
【生態】
他のハクジラと同様、二つの種類の音を使い分けていることが知られている。一つはコールと呼ばれ、群れのメンバー同士のコミュニケーションに使用される。もう一つはクリック音と呼ばれ、噴気孔の奥にある溝から、メロンと呼ばれる脂肪で凝縮して発射する音波である。この音波は物質に当たるまで水中を移動するため、シャチはその反響音を下あごの骨から感じ取ることで、前方に何があるか判断することができる。この能力をエコーロケーション反響定位)と呼ぶ。クリック音の性能は高く、わずか数mmしか離れていない二本の糸を認識したり、反響音の波形の違いから物質の成分、果ては内容物まで認識することが可能だという。
オスの平均寿命は30歳、最高寿命は約50歳で、メスの平均寿命は50歳、最高寿命は80歳あまりである。

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『見せびらかすイルカ、おいしそうなアリ』 パット・センソン/著、田村源二/翻訳 飛鳥新社 2011年発行
味にうるさいグルメ――シャチ (一部抜粋しています)
シャチ(鯱、Orcinus orca)を見たことがある人は、彼らがすごい捕食者であることをご存知のはず。カナダのブリティッシュコロンビア州アメリカのワシントン州の沖に生息するシャチは、とても優秀なハンターで、餌を選り好みする贅沢ができる。シーフードなら何でもいい、という食べかたはしない。おいしい餌しか口にしないのだ。太平洋のシャチにとっては、餌といえばキングサーモン(チヌークサーモン)。
シャチはどうやってキングサーモンだけ選ぶなんてことができるのか? それがしばらく前からの研究者たちの疑問だった。キングサーモンはその海域にいるサケの15パーセントほどを占めるにすぎないのである。だから、同様の外見をしたギンザケやベニザケがもっとたくさんいるというなかから、キングサーモンだけ選んで獲るというのは、大変な作業にちがいない。
ワシントン大学の海洋哺乳類学者ジョン・ホーン博士は、このグルメ餌獲り行為を可能にしているものを解明したと考えている。彼によると、シャチは音波探知システムを利用してこの離れ業をやってのけるという。
シャチのキングサーモン好きはハンパじゃない。カナダ水産海洋省でジョン・フォード博士が20年にわたって実地した調査でも、シャチは近くにどんな魚がいようとも、キングサーモンが獲れるときははならずそれを選んで獲るということがわかっている。そばにいる魚を何でも獲るというほうがずっと簡単だろうから、1種類にこだわるというのはなかなか苦労がいることだろう。それに、サケ属の種を見分けるのは容易なことではない。警察の面通しさながらに、おもな3種のサケの標本を目の前に並べられれば、たぶんそのちがいを指摘できるかもしれない。だが、1種類ずつ見せられたら、きっと見分けるのにずいぶん苦労すると思う。微妙なちがいしかないからだ。しかもシャチの場合、それを水中の薄暗いところでやるのだ。さぞや大変なことにちがいない。
だが、シャチにはわれわれ人間にはないツールがある。実はシャチはイルカの仲間で、バンドウイルカ同様、白と黒の体のなかにソナー・システムを搭載しているのである。シャチのソナー発信には2つのタイプがある。ひとつはコミュニケーション用の発信(コール音)、もうひとつは魚群探知機のための音波発信(クリック音)。前者は近くにいる仲間への呼びかけ、挨拶といった単純でわかりやすいもの。後者はもうすこし複雑だ。ホーン博士はこう説明する。
「シャチは短い音、いわゆるクリック音を、ドーム状に膨らんだ額のなかのメロン体と上顎から発して、それが魚やその他の獲物に当たって跳ね返ってきた音響音を捉える。そして、捉えられたそのエコーは、下顎を伝わって脳へと送られる」
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魚に当たって返ってくるエコーがあれば、魚がそこにいるということはわかる。だが、その種類まで識別するということになると、その反響音のきわめて精密な分析・解釈が必要になる。その点を解明するために、ホーン博士は研究室で実験を行った。
彼はまずソナー・システムをつくった。そして近くの養殖場で3種類の魚を手に入れ、1匹ずつソナーの前に様々な角度でおいた。当然ながら「麻酔で眠らせ、細い糸でつないでおく必要があった」。そうやって博士は、魚が返してよこす反響音を仔細に調べた。
魚に当たって返ってくるクリック音にじっと耳をかたむけても、ハリントン博士にはそのちがいを聞きわけることなどできなかった。だが、その同じ音をコンピューターに入れて、その波長パターンを見ると、案の定、3種類の魚のパターンにすこしだけちがいがあった。たぶんシャチが感知するのはこのちがいなのだろう。
波長にちがいを生じさせているのは、浮き袋と呼ばれる魚の器官であろうと思われる。浮き袋のなかにはガスが入っていて、魚の浮力を調整するのがその役目。浮き袋は密度がまわりの水とも魚の肉ともちがうので、ソナーの音波の反響のしかたもきわめて特徴的なものになる。
キングサーモンは他の2種類の魚にくらべて浮き袋が小さめなうえ、それがついている角度もちがう。角度が違えば当然、そのエコーもちがうものになる。
ともかく、正確にどうやっているのかはいまだによくわからないが、シャチは3種類の魚が返してくる反響音にあらわれる微妙なちがいを感じとり、その情報を利用してキングサーモンだけを選んで獲ることができるようだ。そしてそれは間違いなくシャチの利益になる。3種類の魚のなかでキングサーモンがいちばん脂肪率が高いのである。ということは、キングサーモンはおいしいばかりでなく、最もエネルギーに富む餌でもある、ということ。
きっと、シャチだって味にうるさいのだ。ブリティッシュコロンビア州アメリカのワシントン州の沖に生息するシャチは真のグルメなのである。

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どうでもいい、じじぃの日記。
ぼけっと、『見せびらかすイルカ、おいしそうなアリ』という本を見ていたら、「味にうるさいグルメ――シャチ」があった。
「シャチはどうやってキングサーモンだけ選ぶなんてことができるのか? それがしばらく前からの研究者たちの疑問だった。キングサーモンはその海域にいるサケの15パーセントほどを占めるにすぎないのである。だから、同様の外見をしたギンザケやベニザケがもっとたくさんいるというなかから、キングサーモンだけ選んで獲るというのは、大変な作業にちがいない」
シャチは同じような形をしたキングサーモン、ギンザケ、ベニザケからキングサーモンだけを選んで餌にしているんだって。ほんとかよ。
そういえば、コウモリだってエコロケーション(音の反響を受け止め、それによって周囲の状況を知ること)を行っているからありえるのかもしれない。
「波長にちがいを生じさせているのは、浮き袋と呼ばれる魚の器官であろうと思われる。浮き袋のなかにはガスが入っていて、魚の浮力を調整するのがその役目。浮き袋は密度がまわりの水とも魚の肉ともちがうので、ソナーの音波の反響のしかたもきわめて特徴的なものになる」
えっ、魚の体の中の浮き袋まで透視しているの?
ほんとかよ。うそでしょ。