Christian Ziegler (2014 Photo Contest)
コウモリ VS. ナマズの死闘
闇夜に君臨する翼 パナマのコウモリ
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Photojournalist
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『死ぬまでに観ておきたい 世界の写真 1001』
ポール・ロウ/著、小川浩一、竹村奈央、風早仁美/訳 実業之日本社 2019年発行
理想のはえ縄:魚を捕獲するウオクイコウモリ より
クリスチャン・ツィーグラー
撮影年:2006年
撮影地:バロ・コロラド島、パナマ
フォーマット:35mm
コウモリはおよそ1240種いるとされ、哺乳類の中ではネズミ目に次いで2番目に大きなグループを形成している。ラテンアメリカ原産のウオクイコウモリもその1種だ。ウオクイコウモリは、サイズが大きく翼を広げたときには1mにもなり、さらには魚を食べるのに適応した数少ないコウモリのうちの1種であるという点で、特異な存在だ。超音波を発し、その反響音から対象物との位置関係を知る反響定位によって獲物が立てた水面のさざ波を感知し、それによって魚をすくい上げ、両脚の間の袋に入れて鋭い鉤爪で固定する。さらに必要とあらば、泳いだり水面から飛び立つことも可能だ。
捕獲の瞬間をとらえたこの驚くべく画像を撮影するのあたり、野性生物の写真家で自然保護活動家でもあるクリスチャン・ツィーグラー(1972~)は、ある研究者チームと一緒に働いた。彼らは、コウモリの生物ソナーと呼ばれる超音波センシングの働きを研究するために、小さな湖を造っていた。写真に光を当てて動きを抑えようと、ツィーグラーは湖の周りに9代のフラッシュを設置した。3台は上空から、1台は後ろから、5台はコウモリが飛行すると考えられる経路にそって配置された。