じじぃの「未解決ファイル_105_ラミダス猿人」

Ardipithecus ramidus Movie 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=9FF-AN71qpE
 Ardipithecus ramidus

最古の「人類の祖先」はルーシーではなくアルディ(ラミダス猿人) 2009年10月2日 WIRED VISION
『Science』誌10月2日号、ラミダス猿人の化石人骨『アルディ』――『アルディピテクス・ラミダス』[ラミダス猿人の英語名]から取った愛称――に関する論文を多数取り上げている。
[1992年以降エチオピアで発見された諸化石から全身像などを復元した研究者グループによると、]アルディは、人間という種族に属する最初の猿人だと認められた種の有名な化石人骨『ルーシー』より100万年以上も前に、直立歩行をしていた可能性があるという。
「人類の最初の祖先」という地位は今やルーシーではなくアルディのものとなったわけだが、これは、人類の系図を表面的に書き換えるだけでは済まない。ルーシーの発見以来、人類の起源はサバンナ[疎林と潅木を交えた熱帯草原地帯]にあるとされてきたが、アルディは森林地帯に生息していたと見られる。さらに、科学者らはルーシーの骨格から、人類と他の類人猿の最後の共通祖先はチンパンジーに似たものだと判断していたが、アルディの発見で、そうした判断は否定されることになる。
http://wiredvision.jp/news/200910/2009100222.html
発見!ラミダス猿人 〜440万年前の“人類”〜 2010年7月10日 NHK
アメリカの科学雑誌サイエンスが発表した2009年最大のニュース。それは、アフリカ東部エチオピアで発見され、復元された猿人の化石、「アルディピテクス・ラミダス」(ラミダス猿人)だった。 その発見は、人類がどのような足跡をたどってきたのか、これまで謎とされてきた部分に光を当てるものだった。
http://www.nhk.or.jp/co-pro/recent/20100710.html
『この6つのおかげでヒトは進化した―つま先、親指、のど、笑い、涙、キス』 チップ・ウォルター/著 梶山あゆみ/翻訳 早川書房 2007年発行
足の親指の不思議な物語 (一部抜粋しています)
近年、新しいふたつの化石が発見され、私たちの直接の祖先がいつどこで誕生したかについての議論が活発になっている。化石のひとつは2001年にチャドで発掘された頭蓋骨で、約600万年前のものと見られている。チャドと言えば、大地溝帯から2500キロ近く西に離れた地域だ。この化石はサヘラントロプス・チャデンシスと名づけられた。サヘラントロプスは、、類人猿ではなく私たちの祖先にあたるという意見もあれば、チンパンジーと人類の共通の祖先だとの見かたもある。答えを出すのは難しい。頭蓋骨の断片しか発見されていないため、その生物が直立二足歩行をしていたのか、四足歩行をしていたのかを知るすべがない。もうひとつの化石は、2001年にケニアのツゲンヒルズで発見されたオロリン・ツゲネンシスである。発見者は、オロリンも人の祖先であると主張しているが、サヘラントロプスと同様に、オロリンにも類人猿的な特徴とヒト的な特徴が混在している。今得られている情報から判断するかぎり、彼らを直接の祖先とするのには無理がある。ワシントンD.C.にある国立自然史博物館の人類起源プログラム責任者、リック・ポッツの次の言葉が、状況をいちばん端的に言いあらわしているかもしれない。「数万年前には、アルディピテクス・ラミダス(議論の余地のないヒトの祖先として最も古いもの)が答えを語ってくれるのを待つという機運が高まっていた。私たちはそれが最も古いヒトだと考えていたのだ。新しく発見された化石に見られる[特徴の]類似点と相違点を考えると、孤立した集団がたくさんあって、それぞれが独立した進化を遂げたあと、再び集団がひとつになったと思われる。すべてに答えを出すのは非常に難しいだろう」
私たちとの祖先がいつ、どういう理由で直立歩行を始めたかについても、意見の一致を見ていない。最も広く受け入れられている説では、約600万年前から始まった気候変動で多くのジャングルが破壊され、その現実に対処するために祖先たちが直立したということになっている。当時はアフリカの大部分が森林に覆われていた。ところが、近年になって発見された化石は、この仮説に疑問を投げかけている。2001年、エチオピアのミドルアワシュ渓谷で、頭蓋骨の断片、手の骨、腕の骨、鎖骨の断片が見つかった。その生物はアルディピテクス・ラミダス・ガダバと名づけられ、約580万年〜520万年前に生息していたと見られた。ところが、併せて見つかった1個の足の指の骨は、その生物が直立できたことを示していた。この発見が奇妙なのは、別の研究でこの地域の土壌を調べたところ、600万年前のエチオピアのその地域は森林でおおわれていたことがわかったからである。サバンナと草原が広がったために後ろ足で立たざるをえなくなったのだとしたら、この生物がジャングルで暮らしながら直立歩行していたのはなぜなのか。指の骨が誤解を招く形をしているだけかもしれない。この生物が住んでいた森の向こうには開けた土地があって、直立歩行が必要になったのかもしれない。あるいは化石になったこの生物が単なる進化の例外だったのかもしれない。この時代のヒトの祖先は「前適応」として、大木の枝の上を直立してあるいていたとの説もある。いずれにせよ。祖先となる生物は最終的に立ちあがり、東アフリカの開けたサバンナで進化を続けて、今日の私たちに至っている。

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どうでもいい、じじぃの日記。
7/16、NHK HIで再放送であったが「発見!ラミダス猿人 〜440万年前の“人類”〜」を観た。
7/12に、NHK HIで「人類誕生の謎に迫る 〜最古の化石 トゥーマイの物語〜」を観たばかりだった。
「最古の化石 トゥーマイの物語」の場合はひとつの頭蓋骨から、これが人類の最古の化石だと結論を出していた。冷静に考えれば、トゥーマイと呼ばれるこのひとつの頭蓋骨だけから、直立二足歩行していた最初の人類だと結論づけるのは無理なのかもしれない。直立二足歩行していたとするには頭蓋骨の他に手や骨盤などの化石が必要だ。
その点、1974年にエチオピアで発見された「ルーシー」は全身骨格が見つかっていて、その骨格から直立二足歩行していたと結論づけても無理がない。
「発見!ラミダス猿人」に研究グループの一人として日本人(東京大学教授の諏訪元さん)が出てきたのはうれしかった。
このラミダス猿人(アルディ)は「ルーシー」よりさらに古い地層から発見されたものだ。
映像では、発見された地帯を何十人もの人が発掘作業をしていて、得られたラミダス猿人の化石はほんの体の一部、断片ばかりである。
風化していて、土から化石を分離しようとすると化石までもが崩れてしまう。
見つかった犬歯は明らかにゴリラやチンパンジーのものと比べて小さい。手の構造もチンパンジーやゴリラのように歩行時に地面に付いて使用していた形跡がない。
諏訪さんの話、「チャドで頭蓋骨が見つかった600万〜700万年前のトゥーマイ猿人など、ラミダスより古い人類の化石も見つかっているが、頭蓋骨だけからは全体像はわからなかった。ラミダス猿人から類人猿の共通祖先に迫ることができるのではないか」
ルーシーの発見以来、人類の起源はサバンナ(草原)にあるとされてきた。
ラミダス猿人は森林地帯に生息していたことが分かった。人類はサバンナに出ることによって直立二足歩行するようになったのではなくて、森林地帯ですでに直立二足歩行していて、そのあとでサバンナに出ていったのである。このラミダス猿人が森林ですでに直立二足歩行していたということは人類学者をずいぶん悩ませている。
なぜ、サバンナでなくて森林なんだ。
番組で解説をしていた人類学者は、「森林で直立二足歩行していたのは背中に物をかつぐためだったのではないか」と話していた。
話しは変って
じじぃは朝、散歩するとき、小さな竹の棒を杖がわりに持って歩く。
あるとき、放し飼いの犬が「ううっ」と吠えて近づいてきた。
この小さな棒を振り回して進むと、犬は遠くに逃げていってしまった。
チンパンジーに蟻の巣穴に細い木の枝を入れて、ついてくる蟻を食べるという行動がある。
約450万年前、森林の中を猿が小さな棒を持って歩き始めた。ときにはその棒を振り回して歩いていた。そして、サバンナに向かうころはその棒は槍になっていた。
とか。