じじぃの「有能な洗脳!奇想天外な科学実験」

Brainwashed America 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=SjCvrR641lw
『奇想天外な科学実験ファイル―歴史を変えた!?』 アレックス・バーザ/著 鈴木南日子/翻訳 エクスナレッジ 2009年発行
有能な洗脳 (一部抜粋しています)
メアリー・Cは更年期障害に伴う不安感を訴え、ある病院に入院した。数週間休んでリラックスし、心理学カウンセリングを受ける程度だろうと思っていた彼女は、そこで実際に何が待ち受けているか予想だにしなかった。彼女はまずLSDを大量投与され、その後、集中的に電気ショック療法を受けさせられた。まもなく彼女は過去の記憶を失い、自分の名前すら思い出せなくなった。そして病院の廊下をよろよろ歩きまわり、よだれを垂らし、失禁した。だが、それだけではなかった。35日間感覚遮断室に入れられ、3ヵ月間睡眠薬で寝かされたのだ。そのあいだ枕のなかのスピーカーからは、テープレコーダーに録音された「みんなあなたが好きです。あなたは必要とされています。あなたは自分に自信があります」という言葉が繰り返し流れていた。
カナダのモントリオールにあるアラン記念病院のイーウェン・キャメロン医師の診察を受けたのが、運の尽きだった。メアリー・Cは、ほかの数百人の患者同様、知らぬ間にCIA(アメリカ情報局)出資の「有益な洗脳」実験の被験者にされてしまったのだ。
スコットランドで長老派教会の牧師の一人息子として生まれたキャメロンは、大きな野心を持ってトップへと上りつめ、1950年代後半には世界で最も尊敬される精神科医の一人になっていた。キャメロンはケベック州、カナダ、アメリカの精神医学会の会長を務め、その後、世界精神医学会の共同創設者となる。そんなキャメロンにもひとつ不満があった。それはノーベル賞を受賞していなかったことだ。そこでキャメロンは、統合失調症の治療法を発見するための実験計画に乗り出した。これが成功すれば、ノーベル賞受賞は間違いない。キャメロンは患者本人の意思にかかわらず、またときには統合失調症ですらない患者までも実験台にした。
キャメロンが思いついた治療法からは、彼の自信過剰ぶりがうかがえる。キャメロンはやみくもにいくつかの実験的治療法を組み合わせた。目に留ったものは何でも試し、そして本物のフランケンシュタインの怪物を作りだした。
彼の治療法は、統合失調症患者の記憶を消して精神を浄化したうえで、空になった統合失調症でない人格を挿入するというものだった。冷戦時代らしく、キャメロンはこの方法を「有益な洗脳」と呼び、精神障害のある患者を健全な「新しい」人間に生まれ変わらせることができると説明した。今だったら、コンピュータのソフトウェアの障害を直すために、ハードドライブのメモリーをすべて消去して、まったく新しいバージョンのOSをインストールするようなものと言ったほうがわかりやすいだろう。ただし、人間の脳波もちろんコンピュータのようにはいかない。記憶を消して再フォーマットすることなどできないのだ。
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後年、CIAはキャメロンの実験に加担したことを後悔するようになる。1970年代に資金提供の詳細が漏洩(ろうえい)し、キャメロンの元患者たちから控訴されたのだ。この件は示談となったが、賠償額は公表されなかった。
その後キャメロンは、あらゆる意味で洗脳実験とは正反対のプロジェクトに取り組んだ。記憶を破壊するのではなく、再構築しようと試みたのだ。前節で紹介したジェームズ・マコーネルの記憶転移実験に関する記事を読んだキャメロンは、怪しげな実験に引きつけられる鋭い感覚を発揮し、喜んでこの研究に身を投じた。こうしてふたたび彼の目の前にノーベル賞がちらつきはじめる。
マコーネルが記憶の形成過程でRNAが大きな役割を果たすという仮説を立てていたため、キャメロンは、高齢の患者にRNAの錠剤を与えれば記憶を呼び起こす能力が高まるのではないかと考えた。そして、この過程をチェックするため、定期的に記憶力のテストを行った。まもなくキャメロンは肯定的な結果を報告するようになった。ただひとつ問題だったのは、キャメロンが患者たちに対して、まったく同じテストを繰り返していたことだった。これなら成績が上がるのは当然で、意味をなさない。どういうわけかキャメロンは、この明らかな欠陥を見逃してしまったらしい。
1967年9月、キャメロンはレークプラシット近郊の山に登り、心臓発作を起こして転落死した。この死に方は彼の生き様を表わしているようにも思える。頂上を極めようとする野心が、最終的に彼を転落させたのだった。

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どうでもいい、じじぃの日記。
『奇想天外な科学実験ファイル―歴史を変えた!?』という本を見ていたら「有能な洗脳」が出てきた。
「そんなキャメロンにもひとつ不満があった。それはノーベル賞を受賞していなかったことだ」
いろいろな名誉・地位を手に入れたが、ノーベル賞だけまだ手に入れてない男の物語である。
「これが成功すれば、ノーベル賞受賞は間違いない」
狙ってノーベル賞は取れるものではないとはいうが、間違えてノーベル賞を取った人もいるのである。
ジョン・J・R・マクラウド。1923年に血糖降下作用を持つ物質「インスリン」の発見でノーベル生理学医学賞を受賞しました。ところが、彼は部屋を貸しただけだったのです。
http://www.oride.net/trivia/trivia385-391.htm
お隣、韓国の金大中ノーベル賞を取るため、5億ドルの裏金を送り北朝鮮金正日と首脳会談を行ったのです。
http://yoshiko-sakurai.jp/2009/09/03/1306
「電気ショックを繰り返しかけ、LSDを投与し、無意識状態にしてコマンドを与えるという恐ろしい人体実験を行っていました」
こんなのを読んでたらオーム真理教の麻原彰晃を思い出した。