じじぃの「ジェノサイド!悲しみのダルフール」

The Darfur Genocide: A Present Reality 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=hXdWDM4fmRY&feature=fvw
Janjaweed Google 画像検索
http://www.google.co.jp/imglanding?q=Janjaweed&imgurl=http://m.blog.hu/mi/mindennapiafrika/image/janjaweed.jpg&imgrefurl=http://mindennapiafrika.blog.hu/2007/12/06/szudan_a_darfuri_tragedia_1_resz&h=244&w=330&sz=25&tbnid=9HZqgd__nxTfHM:&tbnh=88&tbnw=119&prev=/images%3Fq%3DJanjaweed&hl=ja&usg=__uHFA5E_41omf_g9ubTUNZ6walK4=&sa=X&ei=cqgMTPPAHs_Icfv7zawO&ved=0CDAQ9QEwBQ&start=0#tbnid=9HZqgd__nxTfHM&start=2
『世界のドキュメンタリー』 「ダルフール・隠された真実」虐殺 2008年5月19日 NHK BS
潜入ルポ ダルフール 隠された真実
2007年4月、スーダン国境に近いチャド南東部の2つの村が襲撃され、大勢の村人が殺された。番組は冒頭で、襲撃直後の生々しい光景を映し出す。スーダンダルフール地方で、アフリカ系住民の虐殺を行っているアラブ系民兵組織“ジャンジャウィード”の仕業と考えられたが、現場にはスーダン政府軍の持つ最新鋭の武器が残されていた。スーダンでは、馬に乗って村を襲撃するジャンジャウィードスーダン政府軍のビーグルが行動を共にする光景が頻繁に目撃されている。
国際社会に対し、スーダン政府はジャンジャウィードへの関与を否定し続けているが、取材班は真相を確かめるため、ダルフールへの潜入を敢行する。武装勢力の襲撃が頻発し、スーダン政府もメディアの立ち入りを厳しく制限する危険地帯。アフリカ系住民が自衛のために作った武装組織SLAスーダン解放軍・反政府系)のベースキャンプの周囲では、村を追われた住民たちが肩を寄せ合い暮らしていた。
取材班は、さらに危険なダルフールの中心部を目指し、「ジェノサイド・マウンテン」と呼ばれる丘にたどり着く。付近には大量の人骨が散らばり、多くのアフリカ系住民が連行され、集団で殺害されたという。ダルフール紛争が、組織的に計画された民族浄化であることを示唆する証拠だとSLAの兵士は語る。近くの村には、政府軍のロケット弾が投下された跡の大きなクレーターも見つかった。
スーダン国境近くでジャンジャウィードを捕虜にしたというチャド軍の司令官は、押収した武器を見せながら中国製だと紹介し、スーダン政府が中国から武器供給を受け、武装勢力に流しているとの推測を語る。
ダルフールで何が起きているのか、真相に迫る潜入ルポ。
制作: Tony Comiti Productions(フランス) 2007年
担当者メモ
ダルフール紛争関連のリポートは、難民キャンプが舞台のものが主で、現地の状況も難民たちの体験談として語られることが多かったのですが、この番組は、実際にダルフールへ潜入し、その様子を記録した貴重なものです。
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/080519.html
ジャンジャウィード フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』 (一部抜粋しています)
ジャンジャウィードの兵士ジャンジャウィード (Janjaweed)はスーダン西部ダルフール地方のアラブ人の主にバッガーラ族からなる民兵組織である。ジャンジャウィードとは、「馬にのった武装した男」という意味の現地語である。名の通り、馬やラクダに騎乗し、小部隊で機動的な活動を行う。
【活動の概要】
・2003年以降のダルフール紛争の主要な当事者であり、アラブ人が支配するスーダン政府の支援を受けて非アラブ人国民に対して民族浄化を行なっている。彼等によって殺害されたのは、2003年以降で1万人とも3万人とも言われている。
スーダン政府はジャンジャウィードとの関係を否定しているが、政府軍の航空機と連携して集落を攻撃する行為が確認されている。2008年1月にはジャンジャウィードの指導者であるムーサ・ヒラル(w:Musa Hilal)を大統領特別顧問に任命した。
・2005年1月、20年続いた第二次スーダン内戦終結後は虐殺がさらに激化、1000にも及ぶ黒人の村を襲い殺戮を繰り返した。これにより犠牲者は7万人、難民は100万人を超えるに至った。
ジャンジャウィードの襲撃により、難民は隣国へも流入するものの越境攻撃を繰り返し、多数の難民キャンプが蹂躙される結果となった。チャド政府は、自国領内でのジャンジャウィードの活動を非難している。
【武器の供給元】
ジャンジャウィードの使用している小火器などは、主に中国から供給されている。これは、中国がスーダン政府に石油収入の見返りとして武器を輸出していることによる。スーダン政府は、ジャンジャウィードに中国から購入した武器・弾薬を支給し、虐殺に加担している。間接的には中国も虐殺、民族浄化に関与しているということである。中国はスーダン政府に対する制裁に一貫して反対している。

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『悲しみのダルフール ダミアン・ルイス/ハリマ・バシール/著 真喜志順子/翻訳 PHP研究所 2010年発行
戦火の砂漠 (一部抜粋しています)
彼らがこの村を襲撃したのは、わたしがマスカバドから戻って5ヵ月後のことだった。12月23日の朝−−いまのわたしは、それがクリスマスの2日前だと知っている。わたしは母が朝食のアシーダを作るのを手伝っていた。父も弟も妹もそばに座って、朝食を待っていた。父と弟たちは畑仕事に出かけ、妹のアジアは学校に行くのだ。
わたしはアシーダをかきまぜ、柔らかさを確かめるために深鍋に中身を移した。とろみが強すぎると鍋の底にくっついてしまうが、柔かすぎると手ですくって口に運ぶことができないのだ。そのとき、遠くの方で聞き慣れない音−−玄をつまびくようなかすかな音が聞こえた。耳尾澄ますと、ブオン、ブオン、ブオンという音が次第に大きくなっていく。飛行機か何かだろうが、いままで聞いたことのない音だった。
子どもたちが通りに駈け出し、飛んだり跳ねたりしながら、音がする方角を興奮して指差している。
「ハワジャだ! ハワジャ!」子どもたちが歌うように叫ぶのが聞こえた。手を叩き、ブオンブオンという音に合わせて踊り出した。「3番の飛行機! 3番の飛行機! 3番の飛行機!」
わたしは思わず微笑んだ。わたしが子どもの頃に歌っていた歌を、彼らも歌っているなんて。それにしても、どうしてこんなおかしな歌詞だったんだろう。それに、飛行機といえばハワジャ−−白人が乗るものだとどうして決めつけていたんだろう?
わたしは深鍋の方に体を向け、アシーダを皿に盛りつけ始めた。家族全員で手ですくって食べれるように、大皿を目の前に置いた。父が椅子から腰をあげるのが目に入った。父は立ち上がると、手を目の前にかざして朝日をさえぎりながら遠くを見つめた。耳慣れない音はますます大きくなってくる−−ブオン、ブオン、ブオン。村のすぐ近くを通り過ぎていくような大きな音だ。
子どもたちが声を上げているのが聞こえた。「扇風機のついた飛行機! 扇風機のついた飛行機!」わたしたちもよく、ヘリコプターが飛んでくるときにそう言ったものだ。
父の目に機体が映った。5機のヘリコプターが太陽の方向からこちらに向かって飛んでくる。父は目をこらして、もっとよく見ようとした。はっきりとはわからないが、5機とも軍用機のようなカーキ色をしている。村の空気が少しずつ変わり始めた。周囲に人々は、尋常ではない何かを感じ始めていた。わたしは朝食の大皿から顔を上げた。緊張感とパニックが広がっていくのを感じた。わたしはさっと立ち上がった。ぐんぐんと迫ってくる空軍部隊のヘリコプターを見つめ、どこを目指して飛んでいるのかを見極めようとした。
ふいに、先頭のヘリコプターが村の上空で高度を下げ、短い翼の下で一陣の閃光と煙があがったかと思うと、その直後、何軒もの小屋が爆発し、泥や草葺き屋根や柱や人間の体が空中に飛び散った。信じられない光景だった。きっと目の錯覚だ。こんなことが起こるはずがない、とわたしは自分に言い聞かせた。だが、心は信じまいとしても、頭のなかでは、これが紛れもない現実であることを理解していた。
この村を襲撃している! この村を襲撃している! (濁点が入っている)
誰もが襲撃に気づき、驚いて叫んだ。
「逃げろ! 逃げろ!」
「隠れろ! 隠れろ!」
一瞬、恐怖で身がすくんだわたしの肩を、父がつかんだ。
「逃げろ!」と父が叫んだ。「逃げろ! 弟と妹と一緒に逃げろ! 森に行け! 森に隠れるんだ! 父さんたちが迎えに行くまで、そこに隠れていろ! 走れ! 走るんだ! ぐずぐずしている暇はない・・・・」
    ・
わたしは地面に横たわったミリアムの体の上にかがみ込んだ。脈は弱く、かすかに息をしている。ほかに怪我はないか調べてみたが、とくに異常は見当たらなかった。ショックとトラウマが彼女の命を奪いかけているのだ。わたしは彼女の額に自分の額を当て、口移しの人工呼吸を試みた。息を吹き込むたびに、彼女の胸を全体重をかけて押した。30分ほどそれを続けている間、彼女の幼い息子が母親の手を握り、母親に生きてほしいと願っていた。彼女を助けなければ! この子のために、どうしても彼女を助けなければ・・・・
突然、ミリアムが目を開けた。あの世から戻ってきたかのように、周囲を見回した。自分が生きていることに気づいたとたん、彼女は叫んで、叫んで、叫び続けた。亡くなった家族の名前を呼び続けた。どうしてわたしを死なせてくれなかったの。そう言って彼女はむせび泣いた。死ねば楽になれたのに。わたしは幼い息子が生きていることを知らせようとしたが、彼女は理性を失い、誰の手にも届かない世界にいた。わたしが命を救った人間は、死を望んでいたのだ。
その日、しばらくして、ザガワ族の若い男たちが村にやってきた。伝統的な白い衣服を着て、両目だけを外に出して白いスカーフを顔に巻き、機関銃を持っていた。彼らは、主要な反政府組織のスーダン解放軍(SLA)の一員だと名乗った。この村が襲撃に遭ったことを聞いて、山間部の秘密の基地から現状を調査に来たという。反政府組織の兵士が公然と姿を見せたのは初めてのことだ。
わたしたちは彼等を取り囲み、襲撃の様子を説明した。話をするうちに、生き残った村の男たち−−わたしの弟たちも−−は怒り出し、涙を浮かべた。誰もが戦うことを望んでいた。それ以外には何も考えられなかった。モハメドとオメルが志願兵として最初に名乗りをあげると、多くの男たちがそれに続いた。わたしも志願しようとしたが、女が戦うことは許されないとたしなめられた。反政府組織の医師として参加したいと申し出たが、この村にも負傷者が大勢いて、あなたのやるべき仕事があるのだと説得された。
家族全員が集まって、これからどうすべきかを話し合った。だが、父がいるべき場所には、うつろな穴がぽっかりあいていた。長女として、母とともに家族の中心にならなければいけないことはわかっていた。この村に残る理由はない、とわたしは言った。家畜はほとんどいなくなってしまったし、農作物も焼き払われた。ジャンジャウィードが、わたしたちの美しい村を血染めの焼け野原にしてしまったのだ。彼らは畑を馬で踏みつぶし、用水路を破壊した。果樹園までもが炎で黒こげになってしまった。
ハメドとオメルの決意は固かった。反政府組織の兵士たちは夕方までにここを出発するので、自分たちも一緒に行くという。アラブ人を殺して、父の敵を討つ。それ以外のことは考えられない。隣国のチャドに逃げるか、ほかの大きな町にいる親類のもとに身を寄せるという選択肢もある。だが、村の負傷者の大半は長旅ができる状態ではないし、わたしは、この村に残って彼らの世話をすることが自分の義務だと感じていた。反政府組織の一員になれなくても、医師としての技術を活かして、この死にかけた村で一人でも多くの命を救うのだ。
「やっぱり、ここにとどまるべきだと思うの」わたしは母に言った。「村人はみなわたしたちを必要としている。彼らが元気になるまでここにいたほうがいいわ。そのあとで、神の思し召しで、ここを出て行きましょう」
だが、母は首を横に振った。「チャドに行くべきよ。チャドには親戚がいるから、そこに身を寄せることができるわ。金(きん)を持っていけば、途中で何があってもそれで散引もできる」
「金はまだ残っているの?」わたしは聞き返した。全部、ジャンジャウィードに持っていかれたものとばかり思っていたのだ。
「ええ。おばあちゃんが誰にもわからない場所に隠してくれたの。近くの村でラクダを借りることもできるかもしれない。そうすれば、チャドにいる親戚を探すのも楽になるわ」
祖母の2番目の妻がチャドにいるので、彼女の子どもたちは母の異母兄弟に当たる。母は彼らにあったことはなくても、名前は覚えていた。もし彼らの村が襲撃されて、わたしたちに助けを求めに来たら、わたしたちは喜んで彼らを迎えるだろう。母には、彼らも同じことをしてくれるとわかっていたのだ。問題は、チャドまで無事に行き着けるかどうかということだ。途中でジャンジャウィードに見つかれば、それで一巻の終わりだ。
「長旅になるわ」わたしは言った。「それに、途中で襲われるかもしれない。奴らがこの村に戻ってくるとは思えない。ここにはもう何も残っていないのよ。だから、しばらくここにいるほうが安全だと思うの。とどまるのが最良の選択だと思うわ」
母が肩をすくめた。「いつかはここを離れなきゃいけないのよ。わたしたちは全てを失ったの。食べるものも残っていない。この村は死んでしまった。残る理由がどこにあるの?」
「ここには、何もかも失ってしまった人が大勢いるの。彼らは家もお金も頼るべき身寄りもない。そんな人たちを見捨てるわけにはいかないわ。それに、彼らは怪我をしているのよ。しばらくは、彼等を助けるためにここにいるべきよ」
結局、わたしたちは村にとどまることになった。そうすれば、モハメドとオメルもわたしたちの居場所がわかる。反政府組織の兵士として訓練を受けてから、わたしたちを守るためにここに戻ってくることができる。少なくとも、理屈の上ではそうだ。その晩、兵士になる年齢に達している男たちは出発の準備をした。わたしはモハメドとオメルに別れの挨拶をした。だが、流す涙も、悲しむ気力もほとんど残っていなかった。そして、彼らは行ってしまった。
あとに残されたのは、老人と女と子どもたちと、死にかけた村だけだった。

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どうでもいい、じじぃの日記。
「アラブ人が支配するスーダン政府の支援を受けて非アラブ人国民に対して民族浄化を行なっている」
ジャンジャウィードの使用している小火器などは、主に中国から供給されている」
同じ国の住民なのに、なぜ民族浄化などを行なっているのだろうか。
なぜ、中国とロシアはスーダン政府およびジャンジャウィードによる民族浄化を積極的に支援しているのだろうか。それほどまでしてスーダンの資源がほしいのだろうか。