じじぃの「未解決ファイル_94_根粒菌」

根粒ってなに?
マメ科植物の根には、こぶのような根粒がついています。この中には根粒菌という細菌がいて、宿主のマメ科植物から栄養をもらって生きています。一方、根粒菌は、植物がつくれない物質をつくることができ、その物質をマメ科植物にも与えています。
http://www2.tokai.or.jp/seed/seed/mijika10.htm
土と助け合う生物「どうしてマメ科植物だけが根粒菌と共生するのか?」
将来これらがつながり、「どうしてマメ科植物だけが根粒菌と共生するのか?」、「根粒はどのようにできるのか?」、「こぶは作らなくても植物に役に立つ微生物はいないのか?」という謎に答えることができ、根粒菌と共生するイネを作り出し、少ない肥料でイネを育てるという夢がかなうかもしれません。
http://www.museum.tohoku.ac.jp/past_kikaku/soil/panel/biotic4.htm
『究極の食』 南清貴/著 講談社インターナショナル 2008年発行
カラダにいいことは地球にもプラス (一部抜粋しています)
我々が1日に必要としている動物性たんぱく質の量は、先にも触れました勧告量では50グラムを切りました。1960年ぐらいには110グラムとか、120グラムだったはずですが、年々減って、今はもう50グラム以下。実際には30グラムから35グラムぐらいでよいのではないかと言われています。それも魚で摂るほうがよいと言われているぐらいなので、肉食をやめても何ら困ることはないのです。自分の身体に適切なものをきちんと食べるように心掛けると、動物性たんぱく質の量は自ずと減りますから、これを皆が実践した途端に、飼料になっていた穀物が余り、原理的には一気に世界中の飢えがなくなってしまうのです。ですが、これにはどこの国の政府も取り組もうとしませんので、日常生活の中で、気付いた人がここに実践していく以外にないのです。大上段にふりかざして、『飢えている人々を救うために肉を食べない」なんて言う必要はありませんし、「地球環境を汚さないために肉を食べない」ということを大声で叫ぶ必要もありません。自分の身体のために、動物性たんぱく質の摂取量を減らしましょう。減らす人が増えれば増えるほど同時に地球環境にとってはよいことが起きます、ということです。
先日、たまたま料理教室の準備をしながらテレビを見るともなく見ていましたら、経済評論家が食料自給率をテーマに話していました。フランスでは何年前こうだったのが今こんなに上がっている、アメリカでは100パーセントを超えているだの言って、日本も食料自給率を上げるよう努力しないといけない、こんなだから中国の餃子のような問題が起きるのだとまで言っていました。30年前ほど前、日本は工業製品を輸出していればよいので、田んぼや畑など作る必要はない、食料は全部輸入したっていい、と堂々と言っていたのと同じ人物なので、やや呆れました。
それはともかく、私は終始一貫、自分たちが食べるものは自分たちの国で作るべきと主張してきました。ここで言う国というのは、地域、民族をたばねる一つの形式としての国です。その地域では珍しいもの、普段食べられないものを輸入することで食べられるようになったり、それで相手国の文化を知ることができたりするのはとてもよいことだと思います。しかし、国の根幹である食料は、きちんと自分たちで作り、近い距離でやりとりがなされるべきだと思うのです。そのほうが利便性が高い。食料の自給率がぴったり100パーセントなんてことはありませんから、110パーセントの国があれば、90パーセント、80パーセントぐらいの国もあるかもしれない。でも、40パーセントというのはあまりにもひどい数字です。今からでも、きちんと生産を増やしていかなければなりませんが、生産量を増やすということは農業に従事する人たちの数を増やすということで、それはとりもなおさず農業で生活が成り立つようにしておかなくてはならないということです。今は農業だけでは暮らしが立ちません。こんな状態にしたままで食料の自給率だけ上げろなどと言うことはできないのです。自分たちが食べるものを身の周りで作ってもらうためにはそこに当たり前のお金を投じ、そうすることでまずその環境を整えなければならない。それが自分の身体にとってよいことに繋がり、ひいては地球にとってもプラスになることに繋がっていくのです。
私たちの国は、水田を中心に国を成り立たせてきたのです。水田は、もちろん米を作るためにかくべからざるものではあるのですけど、平地が少なく山坂の多い地形をうまく利用しながら米の収量を増やしてきたわけで、日本人の知恵の源でもあったのです。治水灌漑事業でもあり、文化を育む場でもあった。ただ自給率を上げるというだけでなく、こういった部分も見逃してはいけないのです。
例えば、水田の周りにはたいてい大豆が植わっていました。マメ科の植物は根っこに根粒菌という菌を発生させますので、それが空気中の窒素を固定し、イネの窒素栄養素になって循環していたのです。これも一つの文化ですし、受け継がれてきたシステムをきちんと大事にしなくてはならないのに、そこには目を向けずにただ食料の自給率を上げることだけに血道を上げると、結局は工業製品化という方向に進んでいかなければならなくなり、農業自体を大規模農業に変革していこうという動きになってしまいます。
それはそれでもしかしたら収量を上げるために必要なことかもしれませんが、しかし山坂の多い日本では、そもそも本格的な大規模農協は不可能です。効率が悪いことを承知の上で農業のあり方を模索しなければならない国なのです。
やはり百姓仕事は大変ですから、機械化したり、化学的な肥料で収量を上げるなど効率化を図ることもある程度は必要だと思うのですけど、必要以上に合理化してしまうと間違いも起きます。人間はロボットではありませんので、食べ物を工業化すればするほど食べる人間の健康レベルが下がるのです。そこに消費者がきちんと目を向けて、労働に見合った対価をきちんと払うという姿勢を持たないと、今後の農業は育っていかないと思います。ですが、自分の身体によいことを実践するという態度をとり続けていけば、それが結果的には我々の身体を整えることに繋がり、飢えている人を救うことになり、という発想の広がりを持てるようになるのではないでしょうか。

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『植物という不思議な生き方』 蓮実香佑/著 PHP研究所 2005年発行
共生も楽じゃない 根粒菌との共生 (一部抜粋しています)
実は根粒菌は、空気中の窒素を取り込むという特殊な能力を持っているのだ。窒素は植物の生長には欠かせない元素である。ふつうの植物は土の中にある窒素分を吸収して利用しているが、土の中に窒素が常に豊富にあるとは限らない。
一方、窒素は地球の大気の78%を占めている主成分である。空気中の窒素を吸収することができれば、無尽蔵にある窒素資源を利用できるようになるのだ。マメ科植物は、すべての植物がうらやむその夢を実現した。つまり、根粒菌を体内に住まわせることによって、大気の主成分である窒素を獲得することを可能にしたのである。
マメ科植物は生長の過程で根粒菌が根に住まわせる。マメ科植物と根粒菌の最初の出会いは感動的である。
根粒菌マメ科植物が根から出すフラボノイドという物質を頼りに、根毛の先端にたどりつく。「ごめんなさい。どなたかいませんか」。まるでそう挨拶するかのように、根粒菌は、植物に対してある種の物質を出す。すると、この根粒菌からの挨拶を認識したマメ科植物の根は、あたかも根粒菌を温かく迎えるかのように丸く変形して根粒菌を包み込むのである。やがて根粒菌は、細胞分裂を繰り返しながら根の奥へと侵入していく。
このとき、不思議な現象が起きる。植物の細胞が根粒菌を導くかのように根の中に筒状の通り道を作っていくのだ。まさに、要人を迎える赤じゅうたんのようである。沿道の植物細胞の喝采が聞こえてくるようだ。根粒菌が進む根毛の根元でも歓迎の準備が始まっている。植物の細胞が分裂を始め、根粒菌が滞在するための部屋となる根粒を作る準備をするのである。そして、根粒菌が到着すると大広間とも言うべきコブ状の根粒を作り上げ、根粒菌はその中で存分に増殖して、窒素固定を始めるのである。
一般に植物の根毛は水分や栄養分を吸収するためのものである。ところが、マメ科植物の場合は、根粒菌を迎え入れるために使われている。なんというていねいな歓迎ぶりだろう。
根粒菌にとっても窒素固定は多大なエネルギーを必要とする大技だ。そのため根粒菌は、ふだんは窒素固定をする気力も体力もなく、落葉などを分解しながら質素な暮らしをしている。ところが、マメ科植物の根の中に入ると、根粒菌は見違えるほど急変する。
根粒菌にとって、根の中は安全に暮らすことができる快適な場所である。さらに生活に必要な糖分はすべて植物が十分与えてくれるのだ。働きやすい環境と十分な報酬を与えられて、根粒菌は、がぜんやる気を出して窒素固定の能力を発揮する。マメ科植物との出会いが、根粒菌の眠っていた潜在能力を引き出すのである。マメ科植物のような会社に転職したい、と思う方も少ないのではないだろうか。
もちろん、根粒菌の働きはマメ科植物にも大きな利益をもたらした。根粒菌の働きによって、マメ科植物は窒素分の少ないやせた土地でも育つことが可能となったのである。昔から豆類はやせた土地でも栽培できると人々に重宝されてきたのはそのためだ。エダマメは昔、あぜ豆といって田んぼの畦(あぜ)に植えられていたし、田植え前の田んぼには一面にマメ科植物のレンゲを育てた。これも空気中の窒素を取り入れて、田んぼの窒素分を高めようとした昔の知恵である。

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どうでもいい、じじぃの日記。
子供のころ、田んぼは今頃になると、お百姓さんが一斉に田んぼにイネの苗を植えていた。
そして、田んぼの畦にはエダマメが植えられていた。
千葉の東金市の郊外に移り住んで1年以上経った。家の周りは休耕田ばっかりである。
そして、田んぼは機械でイネの苗が植えられている。田んぼの畦は何も植えられていない。
昔と今では、田園風景も随分と様変わりした。
『植物という不思議な生き方』の本に「根粒菌」のことが書かれている。
イネの生育を促進させるため化学窒素肥料を与えるが、マメ科植物は自分で空気中の窒素を取り込んでいる。
実際にはマメ科植物の根には根粒がついていて、この中には根粒菌という細菌が宿主のマメ科植物から栄養をもらい、根粒菌は空気中の窒素を取り込んでいる。こういうのを共生というらしい。
マメ科植物以外にも根粒ができる植物としてハンノキ、ヤマモモ、グミがある。
「エダマメは昔、あぜ豆といって田んぼの畦に植えられていたし、田植え前の田んぼには一面にマメ科植物のレンゲを育てた。これも空気中の窒素を取り入れて、田んぼの窒素分を高めようとした昔の知恵である」
すべては効率重視からなのかもしれないが、田んぼの畦にエダマメがあってもいいんじゃないか。
と、どっかのじじぃが言ってました。