じじぃの「未解決ファイル_89_カーボンナノチューブ」

第214回やさしい科学技術セミナー(主催:Japan Prize) 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=6bCAuPiDfQE&feature=relmfu
The Kavli Prize  飯島澄男教授にカヴリ賞(ナノ科学)
http://www.norway.or.jp/en/news_events/policy_soc/technology/kavliprize_iijim/
カーボンナノチューブ 宇宙エレベーター Google 検索
https://www.google.co.jp/search?hl=ja&rlz=1T4GZAZ_jaJP276JP276&q=%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%8E%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%96&um=1&ie=UTF-8&ei=sSHAS4WCD9CHkQX88-nQBQ&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=4&ved=0CCkQsAQwAw&gws_rd=ssl&tbm=isch#hl=ja&q=%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%8E%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%96%20%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC&tbm=isch&um=1
NHK宇宙チャンネル (追加) NHKオンライン
●2050年 宇宙エレベーターの旅」 2014年9月11日の放送
アポロ宇宙船で人類が月に降り立ち、スペースシャトルでは宇宙が身近になり、今や国際宇宙ステーションから生中継も簡単にできるようになった。
しかし、私たちがいざ行こうとなると宇宙はまだまだ遠い存在だ。ところがそう遠くない将来、海外旅行に行くようなお手軽な感覚で誰もが宇宙に行ける乗り物ができるかもしれない。それが地上と宇宙をつなぎ往復する「宇宙エレベーター」だ。
http://www.nhk.or.jp/space/
特報首都圏 「“マイ宇宙”時代 〜暮らしを変える開発最前線〜」 2014年7月11日 NHK
【司会】斉藤孝信 【ゲスト】中須賀真一(東京大学教授)
国がばく大な資金と人材、時間をかけて行う衛星やロケットなどの開発や利用。
今、そうした宇宙開発が、民間企業や個人の手で行われ、私たちの身近なものになりつつあります。
その代表的な試みが「超小型衛星」と「宇宙エレベーター」の研究です。
いま、日本では、超小型衛星の開発分野に民間企業が続々と参入。
衛星から撮影される画像などを利用するときの価格などが大幅に減少し、民間の宇宙利用がさらに進むとみられています。
また、宇宙空間へ人や物を運ぶときのコストを大幅に下げられると期待されている「宇宙エレベーター」の研究・開発も日々進化を遂げています。
その第一人者は東京在住・メーカー勤務のごく普通のサラリーマンです。
閉そく感漂う日本で宇宙に夢と希望をかける人々の挑戦の姿を伝えます。
http://www.nhk.or.jp/tokuho/program/140711.html
カーボンナノチューブ ウィキペディアWikipedia)より
カーボンナノチューブ(略称CNT)は、炭素によって作られる六員環ネットワーク(グラフェンシート)が単層あるいは多層の同軸管状になった物質。炭素の同素体で、フラーレンの一種に分類されることもある。
単層のものをシングルウォールナノチューブ (SWNT)、多層のものをマルチウォールナノチューブ (MWNT) という。特に二層のものはダブルウォールナノチューブ (DWNT) とも呼ばれる。
カーボンナノチューブの発見】
1991年、日本の飯島澄男(当時NEC筑波研究所。現NEC特別主席研究員、産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センターセンター長、名城大学大学院理工学研究科教授)によって、フラーレンを作っている途中にアーク放電した炭素電極の陰極側の堆積物中から初めてTEM(透過電子顕微鏡)によって発見された。この発見には幸運だけではなく、高度な電子顕微鏡技術も大きな役割を果たしていた。また、電子顕微鏡で観察・発見したというだけでなく、電子線回折像からナノチューブ構造を正確に解明した点に大きな功績が認められている。このときのCNTは多層CNT (MWNT) であった。この業績から飯島はノーベル賞候補のひとりといわれている。
健康被害を及ぼす恐れ】
カーボン・ナノチューブ技術を用いた製品は、アスベストに似た健康被害を及ぼす可能性があることが2008年5月21日、英科学専門誌「Nature Nanotechnology」に掲載された論文により明らかとなった。この研究発表を行ったのはエジンバラ大学のケネス・ノナルドソン教授を中心とする研究グループ。研究グループによるとナノチューブ一般、特に、カーボン・ナノチューブ技術を用いた素材はアスベストに似た健康被害を及ぼし、肺癌などを誘発する危険性が高いと論じている。

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『ここまで来たナノテクノロジー 産業化する原子の世界―』 吉田典之/著 技術評論社 2010年発行
炭素の微細管−カーボンナノチューブ (一部抜粋しています)
高強度を生かし宇宙エレベーターも実現?
炭素の原子が六角形に並んだ網が、丸まった管になったものがカーボンナノチューブ(CNT)です。CNTは、1991年に名城大学の飯島澄男教授が発見しました。
最も細いのは単層のシングル・ウォール・カーボンナノチューブ(SWCNT)で直径は1ナノメートルほど。他層のもの(MWCNT)もあり、高強度で電気や熱を伝えやすく、中に他の物質を入れたり、微細なため多数集めると表面積を大きくできることなどから、多くの応用が考えられています。
CTTの優れた特長の第一は機械的な強さです。アルミニウムの半分ほどの軽さで鋼鉄の数十倍以上の強さを持ちます。すでに、樹脂に混ぜ込んで補強材として使われていますが、CNTでなければ実現できない用途として期待がかけられているのは、宇宙エレベーターです。
日本も参加している国際宇宙ステーションは、高度約300〜460キロメートルの宇宙空間を飛んでいます。ここまで行くにはロケットを使いますが、そのためには多額の費用がかかり、頻繁に打ち上げられません。
国際宇宙ステーションからロープを垂らしてそれを昇降するエレベーターがあれば便利ですが、そのために使うロープは極力軽量である必要があります。数百キロメートルのロープを現在ある素材でつくると、その材料の重さで切れてしまいますが、CNTなら使える可能性があるとされます。ロープを編めるほどの長さのCNTはまだできていませんが、現実のものになれば宇宙旅行も身近になるかもしれません。
カーボンナノチューブは耐熱性や耐摩耗性にも優れており、エンジンのピストンの補強も試みられています。自動車などのエンジンでは、軽量化のためピストンやシリンダーの内壁にアルミニウム合金が使われ、強度不足を補うためセラミックスの繊維が点火されることもあります。しかしセラミックスは固すぎて金属を摩耗させます。強度がありながらも、適度にしなって相手を傷つけにくく、しかも自分自身も減りにくいカーボンナノチューブが使えないか、研究開発が行われています。
ナノマテリアルは人体や環境に安全か (一部抜粋しています)
微粒子化の特徴がマイナスに転じる危険性
ナノテクの世界では、目だった悪影響や被害はまだ報告されていません。しかし、だからといってナノサイズの物質(ナノマテリアル)が安全であるということにはなりません。もし、危険性があるとしたらどれくらいなのか、生じる害を最低限にするためにはどうすればいいかなど、世界各国で議論が行われています。日本では産業技術総合研究所が中心になって、評価手法の開発などを行っています。
安全性への懸念が指摘されるナノマテリアルの代表例は、カーボンナノチューブです。細くて長い形が、胸膜にできる悪性中皮腫をひき起こすアスベストと似ていることから、同様の危険性があるのではないかと指摘する消費者団体や研究者もいます。
これまでの研究では、国立医薬品食品衛生研究所がマウスの体内に直接、大量のカーボンナノチューブを注射したところ、9割近くに中皮腫が起こったという実験結果があります。

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どうでもいい、じじぃの日記。
先月、テレビ朝日の『スーパーモーニング』で「軌道エレベーター」(宇宙エレベーター)の特集をやっていた。
地球と静止軌道の間に高さ36,000kmの宇宙エレベーターを作って、ロケットを使わずに宇宙に行けるようにしようというものだった。
軽く強いカーボンナノチューブを使えば可能だという。
NHK 『未来への提言』の「ジェームズ・ジムゼウスキー 〜ナノテク革命が世界を変える〜」という番組でもカーボンナノチューブが出て来た。カーボンナノチューブは重さを意識する必要がないのだそうだ。
カーボンナノチューブ」とはどんな素材なんだろう。重さを意識する必要の無い素材など本当に存在するのだろうか。
「山本南海子さん講演・2009/12/12」 ↓ によれば
http://www.boston-researchers.jp/wp/wp-content/uploads/2010/01/YamamotoNamiko.pdf
カーボンナノチューブは、同じ重さの鉄と比べて100倍以上の力に耐えることができます」
とある。
「鉄と比べて1/100の重さ」は重さを意識する必要の無いほどの素材なのだろうか。
カーボンナノチューブの製造コストは非常に高く、市場価格は1kgあたり1万円程度で、世界の年間生産量は250トン程度しかありません。一方、大量生産に適した鋼鉄は値段が1kgあたり100円程度、年間生産量は10億トンにも上ります。いくらカーボンナノチューブが夢のような性質を持っていても、鉄などの既存の材料を代替することは現実的ではないのです」
と書かれている。
吉田典之著『ここまで来たナノテクノロジー 産業化する原子の世界―』の本にはカーボンナノチューブにはアスベストに似た健康被害の危険性があるようなことが書かれている。
カーボンナノチューブ」は夢のような素材でもあり、恐ろしい未知の素材でもあるのだ。