じじぃの「インシュリンの注射針」考

岡野雅行 画像
http://img01.hamazo.tv/usr/yaramaika/%E5%B2%A1%E9%87%8E%E9%9B%85%E8%A1%8C%E6%B0%8F-s.jpg
スクール革命! 「世界で大人気 ニッポンNo.1」 (追加) 2012年11月18日 日本テレビ
【レギュラー出演】優木まおみ八乙女光内村光良山崎弘也、山田涼介、春日俊彰若林正恭、知念侑李、篠山輝信高地優吾 【ゲスト】 中田有紀辛坊治郎
Q.日本の町工場が開発した世界の子どもたちが喜ぶモノとは?
正解 「痛くない注射針」
辛坊さん、「墨田区にある岡野工業テルモと共同開発。0.2ミリの穴は穴を開けるのではなくて、細い板を丸く曲げて作っている。この射針は中国にも輸出している」
http://www.ntv.co.jp/s-kakumei/
サイエンスZERO 「バイオミメティクス 生物が秘める超絶能力をいかせ!」 2012年11月11日 NHK Eテレ
【司会】南沢奈央竹内薫中村慶子 【ゲスト】石田秀輝(東北大学大学院教授)
トンボの飛翔能力が、世界が直面するエネルギー問題を解決する! 蚊の吸血メカニズムが、何千万もの糖尿病患者の希望の光となる! こんな一見、突飛な、しかし夢のある「バイオミメティクス(生物模倣)」の研究が進んでいます。生き物たちが、過酷な生存競争と進化の果てに獲得した能力は、私たちの想像をはるかに超えます。今、彼らの特殊な能力が、新しいテクノロジーを次々と生み出しているのです。身近な生き物に隠された「自然の神秘」を徹底的にクローズアップ、その無限の可能性に迫ります!
東晦大学の槌屋和義准教授は、「自然界で無痛吸血をしている蚊に学ぶ」というユニークな考えの持ち主で、薄膜をつくる微細加工技術を応用し、蚊の口のサイズと同等の直径0.05ミリという超微細の針をつくることに成功した。
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp406.html
テルモ、世界最細で痛みの軽減を追求した注射針を発売 直径わずか0.18mm 2012年8月30日 財経新聞
テルモは30日、世界で最も細いペン型注入器用ディスポーザブル注射針「ナノパスニードルⅡ」を、9月3日より全国の医療機関向けに発売すると発表した。海外でも展開を進め、今秋よりドイツやイタリアで発売し、順次欧州で拡大する予定。
インスリン注射をする糖尿病患者や、成長ホルモン、ワクチン注射など自己注射をしなければならない患者は、注射に対する痛みや怖さを感じながら日々のコントロールを行っている。テルモは2005年に、世界で最も細い注射針「ナノパスニードル」を発売。またその後もより痛みの少ない針の実現に向けて技術を積み重ねてきた。
http://www.zaikei.co.jp/article/20120830/112185.html
注射針の太さ: Do you think for the future? 2005/07/26
注射針の太さ
MSN-Mainichi-INTERACTIVE(7/25)の記事。テルモ:世界最細の注射針開発 先端0.2ミリ、痛みの軽減を期待
医療機器メーカー「テルモ」(東京都渋谷区)は先端が0・2ミリと世界で最も細い注射針を開発した。糖尿病治療のインスリン製剤の自己注射用で、一般的な注射針(0.25ミリ)に比べ約20%細く、痛みが軽くなると期待されるという。
血糖をコントロールするために、1日数回の自己注射が必要な糖尿病患者は約60万人いるとされる。注射の痛みを和らげるには針を細くする必要があるが、細くなるとそれだけ注入抵抗が増し、扱いにくくなる欠点があった。
同社は根元から先端に向かって細くしていく構造を採用。従来の針は根元も先端も同じ太さだが、「細いままよりも、薬剤の注入抵抗を抑えられた」という。また、先端が細くなっても、根元は従来のものよりやや太いため、針の強度も変わらないという。
針が細くなると痛みがなくなるのだから、もっと細いものがあっても良さそうなものだが、どんな状況なのだろう。テルモのプレスリリースを読むと、注射針の太さは「ゲージ」という単位で表すようだ。今回開発されたのが 33ゲージ。単に細くすると注入抵抗が増えるし、恐らく折れる危険性も増えるということから、細くするにも限界があるということか。
注射針の太さについては、お尻用の注射針に一般的な注射針の規格について、18ゲージから27ゲージ、外径にして 1.2mmから0.4mmまで紹介されている。注射針の根本の色で区別されているなんて知らなかったけど、専門家(?)は、こんな風にピンクだ、グリーンだと、色で注射針を区別しているようだ。
ちなみに、献血の時の針は新潟県赤十字血液センターのQ&Aによると、17ゲージまたは18ゲージを使用しているとのこと。18ゲージで外径1.2mmということだから、17ゲージだと1.3〜1.4mm程度だろうか。毎月こいつで血を抜いてもらっているけど、やっぱり太いな。 微量の採血や注射と違って、取り扱う量が多いので仕方ないのだろうけど、あまり細いと赤血球が破壊されてしまうという問題もあるようだ。
まあ、今までに多数の献血を経験したために、痛みに慣れただけかもしれないし、いつも針が刺さる部分の感覚が麻痺しちゃったのかもしれないし、あるいはあの太い針を見ても恐怖を感じなくなったという心理的なことも影響しているかもしれないが、献血の際にほとんど痛みを感じないことも結構ある。むしろ、逆に献血前の検査の時の細い針での採血の方が痛かったりしたこともあるから、太いから痛いというものでもなかろう。
ところで、通常の注射針の作製方法は、YOMIURI ON-LINE もの知り百科によると、ステンレス板を丸めて溶接し、これを引き伸ばしているようだ。
以前「無痛針」という言葉も聞いたことがあったので調べてみたら、京都経済新聞記事が見つかった。太さ80ミクロンというから、これは随分細い。ただし、このナノデスは、通常の注射針ではなくて、マイクロパイル・シートと呼ばれるもので、数十ミクロンの特殊な細い針を剣山のように多数並べたもののようだ。この針はなんと糖でできていて、体内で溶けてしまうらしい。
他にも、こんな無痛針などもあるようだが、いずれにしても非常に細いため、取り扱う液量が微量となり、高感度分析システムと組み合わせたりするものらしい。でも、ここを見ると、外径150ミクロン以下の注射針を色々用意しているようだから、冒頭記事の「世界最細の注射針」という表現はどうだろう? 読み返してみると、テルモのリリースにはちゃんと「世界一細いインスリン用注射針」と書いてあった。
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設計製造.comの記事によると、パイプで作ると100円/本だけど、岡野さんが開発した方法だとこれが1円/本となるようですね。
この岡野工業岡野雅行さんという方は、モノ作りの世界では結構有名人のようです。
結局、普通の注射針はどうやって作っているんでしょう? 少し調べてみましたが、確実なところは不明のままです。でも、読売の記事が紹介している方法は、むしろ特殊なケースかもしれませんねえ。
http://tftf-sawaki.cocolog-nifty.com/blog/2005/07/post_f3f3.html
『雑学大王385 身の回りの「謎」がわかる!』 日本雑学研究会 2008年発行
画鋲(がびょう)はどうやって作るのか
紙を板などに止めるとき画鋲を用いる。小さくて、あまり注目されることのない道具だ。だが、画鋲は小さいながらもけっこう大事な働きをしている。これは一体どのようにして作られているのだろうか。
現在、もっとも多く使われている画鋲は、頭の周り(円周上)にギザギザがついていて、その中央に溝が入っており、二重になっているように見える。昔の画鋲は実際に二重になっていた。中央の溝はいわばその名残りであり、溝があるために、そこに爪が引っかかって抜きやすいという利点もある。
この画鋲の作り方は、まず画鋲用として圧延された鋼板から、プレス機によって所定の大きさの円盤を打ち抜く。それをギザギザの刃物の上で転がし、まわりにギザギザをつける。同じように「<」型の刃物の上でこの円盤を転がし、中央に溝をつけ、二重に見えるようにする。そして頭の中央に、針を差し込むための穴をあけ(穴は突き抜けないようにする。つまりパンチで中央にへこみをつける)、そこへ銅線(=針)を差し込み接着プレスし、針先をカットする。それにメッキを施せば画鋲が完成する。
ちなみに、学校やオフィスなどでよく使われている金色をした画鋲は、真鍮(しんちゅう)でメッキされている。

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『人生は勉強より「世渡り力」だ! 』 岡野雅行/著 青春出版社 2008年発行 (一部抜粋しています)
不可能を可能にする"勘"の磨き方
俺は世界で初めて「痛くない注射針」をつくった。みんな蚊に刺されたことがあると思うけど「痛い!」なんて感じたことはないだろ? 俺がつくった注射針も、あの蚊に刺された感覚しかないんだ。口はばったい言い方になるけど、これは俺にしかできなかったね。
職人としての腕だけの問題じゃないんだよ。腕のいい職人ならいくらもいる。ほかではできなくて、俺にできたのは理由があるんだ。「痛くない注射針」なんて話は"常識外"のことなんだ。できるかできないかを検討するレベルじゃない。そんなものに誰も手を出そうなんて思わないよな。
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(図がある)
↑ 「痛くない注射針」。それまでの注射針は、パイプ状のものを切断してつくるのが一般的だった。その方法でも、0.2ミリの太さの円柱状のものならできる。しかしそれでは液体をうまく押し出せず、注射針としては具合が悪い。不可能にも思えるこの難題をクリアしたのが、「一枚の板を丸めてつくる」という独自の発想だった。針の先端にいくほど細くなっていく(テーパー形状)ようにした。これによって、刺しても痛くなくて、しかもスムーズに注入できる針が生まれた。

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どうでもいい、じじぃの日記。
ぼけっと『雑学大王385 身の回りの「謎」がわかる!』の本を眺めていたら、「画鋲(がびょう)はどうやって作るのか」があった。
今はそれほど複雑な物でなければ、ほとんど100円ショップで買える。この画鋲なんかも1ケースで100円で売っている。
この画鋲、本を読むと、結構複雑な工程を得て製品になっている。何でもそうだろうが先人たちの知恵が凝縮されているのだろう。
じじぃは糖尿病なもんで毎日インシュリンを打っている。
このインシュリンの注射針は岡野工業岡野雅行さんが作り、テルモが製品化した。
世界最細の注射針開発、先端0.2ミリだ。
『人生は勉強より「世渡り力」だ! 』の本にこの注射針、金型で作った。そして「一枚の板を丸めてつくる」が出ている。
どうやったら「一枚の板を丸めてつくる」で0.2ミリの穴の注射針ができるのだろう。
じじぃは、しばらく眠れませんでした。