じじぃの「未解決ファイル_86_タバコ」

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アレロバシーとアレロケミカルズ
これら不思議な現象もやがて科学的に解明されていきました。
その植物がもっている天然の物質が体外に放出され、これが他の植物や昆虫、微生物、小動物、人間などになんらかの影響を及ぼす現象を「アレロパシー」(他感作用)といいます。また、この天然の物質を「アレロケミカルズ」(他感物質)といいます。
植物は、自己防衛本能のために、このような物質を生産しているのです。とくにその作用が著しいといわれているのが、除虫菊、タバコの葉、ワサビ、カラシ、ニンニク、ハッカ、ヨモギ、クローバーなどです。
農家の方々は、アレロパシーなどということは知らなくとも、経験的にその作用を知り、これを農業に活かしてきました。だが、科学者はその謎を科学的に解明しました。そしてこれを「農薬」の誕生に結びつけたのです。植物のアレロケミカルズこそ農薬の原点だったわけです。
http://www.ideshokai.com/kikaku2.htm
NHK 教育テレビ サイエンスZERO 植物の"超"能力 2008年9月13日
【専門家ゲスト】静岡大学農学部教授 原正和 【コメンテーター】ヴィジュアリスト 手塚眞 【キャスター】安めぐみ、山田賢治
エネルギーや食糧などの問題を解決する手段として、いま植物が持つ能力に注目が集まっている。タバコなどは土壌に含まれるカドミウムなどの重金属を根から吸い上げて葉にためこむ能力が高く、汚染された土壌を広範囲にわたって浄化する「ファイトレメディエーション」に応用しようという研究が行われている。また海中で光合成を行っている海藻の能力に注目し、海苔の光合成の遺伝子を他の植物に組み込んで光合成の能力を高め、二酸化炭素の吸収量を増やすことで温暖化対策に役立てようという研究も進んでいる。植物の中には虫に食べられることでその虫の天敵を呼び寄せる“におい物質”を出すものがいることも分かり、その物質で農薬をできるだけ使わずに害虫を駆除しようという試みも始まっている。さらに、植物の細胞壁にあるセルロースという成分を使い、環境に負荷が少なくて丈夫な素材が開発されるなど、最新のバイオテクノロジーで植物から新たな素材を生み出している。植物の能力を引き出し、応用しようという研究最前線に迫る。
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp225.html
『トンデモない生き物たち』 白石拓 宝島社 2006年発行
植物だって病気になれば熱も出る (一部抜粋しています)
私たちが風邪を引くと体温が上がる。これは脳にある体温中枢が侵入してきた病原菌と戦っている免疫系から情報を受け取り、「体温を上げよ」という命令を下すためだ。免疫とは侵入病原菌と戦う体の防御システムである。体温が上がると免疫が活発になり、戦いを有利に進めることができる。
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一方、植物も病原菌に感染するとやはり体温が上昇することが、タバコの研究からわかってきた。タバコは、タバコモザイクウイルスに感染すると、ウイルスが増殖し、葉がモザイク状に変色するタバコモザイク病という病気になり枯れてしまう。
ところが、ウイルスに抵抗性の遺伝子をもつ個体では、さまざまな方法でウイルスの増殖を阻止する。
ウイルスが感染してしまった細胞は、もはやこれまでと自ら積極的に死んでいく。こうすることで、ウイルスは最初に感染した部位から広がることできなくなる。このような現象を過敏感反応(HR)といい、ウイルスのみならず、細胞やカビに感染したときにも見られる。
また、感染した葉からサルチル酸という化学物質が生産される。サルチル酸は全身に抗菌物質を作るよう働きかける信号の役割をする物質。日本でも古来より、ヤナギの楊枝(ようじ)で歯をみがいて頭痛や歯痛を止める治療法があったのは、このサルチル酸の効能による。
さらに植物体にサルチル酸がたまると、葉の気孔が閉じられる。気孔は気体を出入りさせたり、体の水分を蒸発される窓。それを閉じることで、ウイルスの空気中への拡散を防いでいる可能性がある。
そして、気孔が閉じられたことで水分の蒸発が止まり、植物の体温が上昇する。ただし、ほんの0.3〜0.4℃程度だが。
さらにタバコは、自分がるタバコモザイクウイルスに感染したという情報を、アレロパシーによってまわりの仲間に伝える。アレロパシー(他感作用)とは、植物が離れた仲間に化学物質で影響を与える作用をいう。アレロパシーの役目を担(にな)っているのがやはりサルチル酸だ。
ところがサルチル酸というのは気体になりにくい不揮発性部物質なので、空気中に広がらない。だがおもしろいことに、ウイルスの感染によってサルチル酸の一部がサルチル酸メチルという揮発物質に変わり、それが空気中を飛んで仲間に届くのだ。仲間はサルチル酸メチルを受けとると、ウイルスの流行を知り、すぐに感染に備えて防御準備を整えるのである。
タバコはアレロパシー物質としてほかにも、ジャスミンの香りの成分であるジャスモン酸や、リンゴの成熟ホルモンとして知られるエチレンなども出すことがわかっている。

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どうでもいい、じじぃの日記。
『トンデモない生き物たち』の本の「植物だって病気になれば熱も出る」にタバコのことが書かれている。
聞き慣れない言葉に「アレロパシー(他感作用)」というのがあった。
ネットで調べてみると、このタバコのアレロパシーを利用して農薬が生まれたのだという。
農薬といっても、いろいろあるのだろう。生態系にほとんど悪影響を与えない農薬もあるのだ。
タバコということで以前、NHKサイエンスZERO』でもタバコのことをやっていたのを思い出した。
タバコは重金属を根から吸い上げる能力が他の植物と比べて高いのだそうだ。
健康の悪者の一番に常に挙げられる「タバコ」。
人間が勝手に悪者扱いしているだけなのかもしれない。