じじぃの「人の死にざま_190_スタンダール」

スタンダール - あのひと検索 SPYSEE
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La rouge et le noir Kim Rossi Stuart part 1 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=QazJgDPYNYU
赤と黒 フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』
【あらすじ】
貧しい木こりの子として生まれた主人公ジュリアン・ソレル(ジュリヤン・ソレルとも)はナポレオンを崇拝し、野心に満ちた美しい青年である。初めはナポレオンのように軍人としての栄達を目指すが、王政復古の世の中ではその願いもままならない。そこで、今度は王政復古の世の中で羽振りの良い聖職者を目指している。
パルムの僧院 フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』
【あらすじ】
主人公は、若いイタリア人貴族ファブリス・デル・ドンゴ。ナポレオン時代の彼の不運が物語の骨子である。事件はイタリアのパルマ公国(パルムはフランス読み)とコモ湖に面した城を中心に起こるが、ファブリスが戦闘に参加したワーテルローなど、ヨーロッパのあちこちも舞台となる。
ナポレオンを崇拝する青年ファブリスはワーテルローの戦いに参加するが、何も出来ないまま、重傷を負う。ファブリスの叔母で「魔性の女」サンセヴェリーナ公爵夫人ジーナは、その愛人で腹黒い総理大臣モスカ伯とともに、ファブリスをパルムの宮廷で出世させようと計る。 しかし、ファブリスはつまらない事件で殺人を犯し、ファルネーゼ塔に幽閉される。そこで監獄長官の娘クレリヤと恋に落ち、そして……。
陰謀と軍隊のエピソードを交えたロマンティック・スリラーのようだが、スタンダールの鋭い人間観察と心理分析が冴えわたる傑作である。

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『賢者たちの人生論 プラトンゲーテからアインシュタインまで』 金森誠也/著 PHP文庫 2009年発行
スタンダール (一部抜粋しています)
バルザックにおのれの見解を表明したスタンダールは、大小説家でありながら、小説を書くにあたり文学形式、批評家、読者、それに新聞の出方、また作品の永続性のあるなしなどについては考えず、自己中心的にひたすらおのれのたのしにのために執筆したといわれる。彼は若いときから領事などの職につき、『恋愛論』の他にも『イタリア絵画史』『ハイドンモーツアルト、メタスタジオ伝』など多くの著作があったが、いずれもベストセラーになるようなことはなかった。ところが、中年になり、40歳50歳の声を聞くようになってから、彼の書いた長編小説の売れ行きがよく、金儲けになることを発見した。人に知られぬ孤独の人もついに世界的作家へと成長したのである。
彼は47歳で第1の長編小説『赤と黒』、51歳で、『ルシアン・ルーヴァン』、56歳で『パルムの僧院』を書いた。この3つの長編小説は、いずれもスタンダールの青年時代の心の体験を再現している。とくに『赤と黒』と『パルムの僧院』を例に取れば、一方は農家のせがれ、他方は甘やかされた貴族の子弟であったが、いずれも19世紀初頭の情熱的な理想主義にかぶれ、ナポレオンを崇拝し、自由、英雄的生活の理念に憧れ、現実社会に抗していかにも冒険的な生活を送り、女性に恋する。小説でも一方は犯罪者として処刑され、他方は有名な僧院長となって世を過ごすという全く逆の結末をむかえたことになるが、2人の生き方は共に19世紀の英雄の歩んだ道をほのめかしているのだろう。
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スタンダールバルザックへの手紙で、「私は熱愛する事物についてのみ語ります」とのべた。その際彼が最新の注意を払ったのは、人生や自然の細部に注目してそれを再現すること。とくに人間の心のかすかな反映からさりげなく耳にした逸話や会話から持前の心理学的洞察を働かせて、人間生活の複雑な動きを知覚し。かつそれを記述することであった。
こうしたスタンダールの態度は19世紀はじめのヨーロッパの有力な精神的風潮とも軌を一にしているようだ。たしかにそれ以前には、壮大なテーマを哲学的に構成しようとする動きがあった。
たとえばドイツでは、カント以後の観念論哲学者、とくにヘーゲルは講壇の上から全世界は理念や精神によって解釈できると豪語し、思想的な大風呂敷をひろげ、世の人々を驚かせた。
しかしその後の科学や産業の進歩により実用的な思考がさかんになるにつれ、こうした巨大な理論的思想体系は挫折し、細部を愛する具象的思想が発展した。これについてツヴァイクはいう。
超弩級(ちょうどきゅう)戦艦にかわって登場したのが精神の世界の大洋のただなかで、ひたすら細部を観察し魚雷を発射する潜水艦であった」
スタンダールについてはこの比喩はあたっているだろうと思われる。彼の作品、とくに『赤と黒』や『パルムの僧院』の中で最も感銘を与えたのは、彼が人間の心や感情の動きの細部を描いたことである。たとえば、はじめは田夫野人(でんぶやじん)と思って軽蔑していた父の秘書ジュリアン・ソレルをしだいに尊敬し熱愛するようになる令嬢マルチドの心の変化の描写は、実にきめこまかく美しい。共にジュラール・フィリップが主演したこのスタンダールの両作品の映画化の成功も、そうした細部の描写を適切に映写幕に反映させたからであろう。

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『人間臨終図巻 上巻』 山田風太郎著 徳間書店
スタンダール (1783-1842) 59歳で死亡。
「1842年。パリ。3月22日。
 1人の肥った重い体つきの男がよちよちと引きずるような足取りで、愛するブールバールを通り過ぎてゆく。だが、この彼がここでまだ伊達男よろそく細身のステッキを粋(いき)にもてあそびながら女たちを張っていた、あのよき時代はどこに行ったのであろう。今ではひと足運ぶたびに、ふるえる腕を太い杖にささえなければならぬのだ。スタンダール、この最後の年に彼は何と追いこんでしまったのだろう。以前のきらきら光る目は、重そうな、青黒いくまの出来たまぶたの奥に力なくひそみ、神経の痙攣が口もとをひきつらせている」(シュテファン・ツヴァイクスタンダール』中田美喜訳)
スタンダールは、最後の10年ばかりは、ローマ法王領のチヴィタ・ヴェッキア領事の職にあったが、前年の1841年脳溢血の発作を起し、暇を得てパリに帰省中であった。
「疲れてとぼとぼと、この物悲しい影は彼のすまいへ歩を運び、輝きながら駆け抜ける馬車にも、ひまなおしゃべりを交わす散策者にも、すれちがうあだ女たちにも、ほとんど目をあげようとしない−−夕暮のにぎわいを見せる町のまばゆいあかりのたわむれのなかを、のろのろとすべってゆく物悲しさのかたまりである。
 突如人だかりがしてくる。物見高い人々がひしめく。あの肥った人物が取引所のすぐ前のところで倒れたのであり、飛び出した目を据(す)えたまま、顔を紫色に変じていまそこに横たわっているのだ。2度目の致命的な卒中が襲ったのだった。弱々しくのどを鳴らしている男は、締めつけていたカラーをむしりとられ、一旦薬局に運ばれたあとでかれのちいさなホテルの部屋へとかつぎあげられる。そこはメモやら書きかけの著作やら日記帳といった数知れぬ紙で埋まっている。そしてそれらの日記帳の1冊には、ふしぎにも未来を予知した次のような言葉が書かれていたのである。"わざとそうするのでないかぎり、路傍で死ぬということを私は何ら笑うべきものとは思わない"」(同上著)
翌日の午前2時に彼は死んだ。
「実をいうと私は自分に人から呼んでもらう才能があるなどととは少しも思っていない。時おり、書くことがひどく面白いと思うことがある。それだけだ」と、かって彼はバルザックへの手紙に書いたことがある。
彼の部屋に残されていた書きものは箱につめられ、彼が生涯独身であったため、1、2の知人の間を転々としたあと、持て余されて彼の故郷の田舎町グルノーブルの図書館に運ばれた。
自己韜晦(とうかい)の名人スタンダールは、モンマルトルの自分の墓石にさえ「ミラノ人、アルゴ・ベール、生きた、書いた、愛した」と書くことを遺言していた。
友人のメリメの言葉によると「彼はいつも恋していた」というが、一方彼自身は「私の一生はいつも酬いられざる恋人の状態にあった」ともいっている。
46年後の1888年、パリに新しい道をつける必要上、墓を移動する作業中この墓の碑銘と埋葬者の素性が話題になった。
ちょうど同じころ偶然グルノーブル図書館にほこりまみれになっていた彼の原稿が探しあてられ、はじめて彼の自叙伝『アンリ・ブリュラール』が人々の眼にふれるに至った。そして生前に出版されたもののさして評判にもならなかった『赤と黒』『パルムの僧院』などが不滅の光のなかに再浮上した。

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