じじぃの「マネーの奔流_その1!世界の英知が語る」

ワシントン・コンセンサス フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』 (一部抜粋しています)
【議論】
文藝春秋』2007年3月号に、伊藤忠商事会長で経済財政諮問会議委員の丹羽宇一郎が「財界だって格差社会はノー」という論文を寄せているが、このなかでワシントン・コンセンサスを、1989年のベルリンの壁崩壊後、社会主義の敗北が明らかになって以降、IMF, 世銀および米国財務省の間で広く合意された米国流の新古典派対外経済戦略で、「小さな政府」「規制緩和」「市場原理」「民営化」を世界中に広く輸出し、米国主導の資本主義を押し広げようとする動きであると説明し、これに批判を加えている。
また、ワシントン・コンセンサスの実現によって格差社会が世界中に広がっているという批判が経済学者ジョセフ・E・スティグリッツなどから寄せられている。

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2010年世界の英知が語る「第一部 マネーの奔流はどこへ向かうのか」 2010年1月1日 NHK BShi
【出演】ジャック・アタリ、ラグラム・ラジャン、謝国忠 【キャスター・解説員】長崎泰裕
フランスのジャック・アタリ氏は、ミッテラン元大統領の特別顧問を務めた後、経済・歴史・文化など幅広い分野の著作を執筆し、“ヨーロッパの知性”と呼ばれる。インド出身で、米シカゴ大教授のラグラム・ラジャン氏は、インドのシン首相のブレーンも務める人物。中国の謝国忠氏は、1997年のアジア通貨危機など、数々の危機を予測したカリスマ的存在。危機の本質はどこに? いま何が必要か? 3人の言葉をもとに探っていく。
http://archives.nhk.or.jp/chronicle/B10002200091001020030084/?n=0&q=%E5%A5%94%E6%B5%81&o=1&np=20&or=t
どうでもいい、じじぃの日記。
1/17、再放送だったがNHK Bshi 『2010年世界の英知が語る』「第一部 マネーの奔流はどこへ向かうのか」を観た。
3人でのトーク番組ではない。NHKが3人に同じ質問をし編集した番組である。
大体、このようなことを話していた。
オープニングで
アタリ G20はG2を隠す集まりだった。アメリカと中国とで、新たな"太平洋戦争"が始まろうとしている。
世界の現状について
アタリ 世界の市場はグローバル化されたが、それを制御するルールも法律も存在しない。グローバル・ルールなくしてグローバル市場を持つとどうなるのか。ソマリアである。
ラジャン 中国はグローバル化のおかげで貧困から脱出でき、グローバル市場に物を供給できた。
  中国は安価な物を20年間、世界に供給してきた。世界がこのままグローバル化の恩恵を受ける時代は終わった。
アタリ グローバル化でヨーロッパ、アメリカ、日本は衰退していくだろう。これを解決しようとしたらグローバル化にハンドルが必要だ。
  中国が低い賃金なのにアメリカは高い賃金でやっているという矛盾が、バブル崩壊で表に出てきた。
ラジャン 新興国は自分たちの経済が脆弱だとして、自国の通貨を低く抑えてきたのが原因だ。
解説員 ワシントン・コンセンサスの功罪をどうみているのでしょうか。
アタリ アメリカは他国の経済をグローバルさせるためにワシントン・コンセンサスを進めてきた。アメリカの利益のためだ。
ラジャン 今回の金融危機で、今までやってきたシステムを否定するのは誤りだ。大事なのは規制ではなく自由な市場だ。
アタリ 今回の金融危機で、ワシントン・コンセンサスに民主主義と福祉国家の理念を組み合わせる必要がある。組織論としてはIMFと世銀を統一し、さらにG20安全保障理事会を統一する必要がある。
ラジャン 企業や金融業者がリスクをとらないかぎり、良くならない。
解説員 アタリ氏とラジャン氏の考え方は大きく異なるようだ。
金融改革について
アタリ 銀行は公共企業体として活動しなければならない。
ラジャン クローバック・システムがある。トレーダーがもらいすぎているというなら、映画スターや野球選手の年俸も制限しなければならない。国の経済に関係ない話だ。
  ボーナスを変えたぐらいで変えられるというものではない。
アタリ 銀行の投機的運用を規制すべきだ。銀行は産業に対する資金供給だけに限らせるべきである。
ラジャン 銀行がリスクを負わないとなれば成長を規制するようなものだ。
  金融危機の原因はデリバティブだ。銀行が悪いわけではない。透明化を行えばいい。
ラジャン 銃が人を殺すのではない。銃を持った人間が人を殺すのだ。金融システムが悪いわけではない。新しい金融商品が出てきたとき上限を持たせるのはいいが、規制すべきではない。
  役立つはずのマネーがモンスターのようになっている。そのために有効なのは課税だ。投機的マネーをコントロールしないといけない。
アタリ 金融機関を監視するシステムが必要だ。グローバル化を規制する必要がある。
世界経済のゆくえ
解説員 中国が次にやってくる時代の主役だということを前提に話しています。
ラジャン アメリカの大学教育はすばらしいが、小学校から高校の教育は遅れている。
  アメリカが雇用を増やすのは困難だ。既存の産業でアメリカの再生はできない。新しい産業で雇用を増やさないといけない。
ラジャン アメリカが消費を減らさないといけない。逆に新興国は消費を増やさなければならない。
  アメリカが消費を減らさないといけない。どの国も今まで以上に生活水準を上げようとする考え方は危険だ。
アタリ アメリカ一極支配は崩れ出した。しかし、アメリカにとってどこかの国が代わるというわけではない。世界は多極化し、アメリカは経済でも保護主義が強まるだろう。
  中国にはあり余る資金が集中しているが、個人はまったく貧しい。中国は国の財源を国民に還元しないといけない。中国を消費社会にしないといけない。
ラジャン 中国政府は巨額の投資をしているが、需要が落ちたときに出る余剰をどうするつもりでいるのか。
アタリ 中国はいわば巨大なドバイだ。われわれは中国を注視する必要がある。中国は今、個人の自由という方向に向かっている。中国は今後10年以内に民主国家に変わるだろうが、この間に混乱が生じるだろう。
  中国とアメリカの国民性は似ている。お互いに消費社会だ。2つの大国は密接な関係にある。中国の発展はまさにグローバル化にある。
未来をどうみているか
  ドバイのように不動産に回ったマネーは潜在的に脅威となっている。バブル状態になってしまっている。
ラジャン アメリカはこれからも大国であり続けるだろう。世界のトップテンに中国、ブラジルが入ることだろう。東洋と西洋で緊張状態が生まれるだろう。その原因には資源問題がからんでいることだろう。
  ヨーロッパ、日本などで国家財政の問題が起きるだろう。中国の生産コストの上昇で世界的なインフレになるだろう。
アタリ ヨーロッパで20年前に通貨統合があったと同じように、今後20年以内に世界共通通貨ができるだろう。
  アジア共通通貨を作る必要がある。中国と日本で合意すれば、アジア共通通貨に進むことだろう。
アタリ 今後3つの津波がくる。第1は銀行の大恐慌がおきる。第2は強すぎる経済成長。第3は世界が一つの管理システムにまとまっていく。
じじぃの印象
ラジャン氏の「中国政府は巨額の投資をしているが、需要が落ちたときに出る余剰をどうするつもりでいるのか」がある。
謝氏の「ドバイのように不動産に回ったマネーは潜在的に脅威となっている。バブル状態になってしまっている」がある。
今後、2〜3年内で何か中国で激変が起きると思うのだが・・・・。