じじぃの「人の死にざま_144_モンロー」

マリリン・モンロー - あのひと検索 SPYSEE
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Marilyn Monroe sings Diamonds are a Girls Best Friend 動画 YouTube
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TIMEが選ぶ20世紀の100人〈下巻〉アーチスト・エンターテイナー 徳岡孝夫 訳 1999年発行
【金髪美人】マリリン・モンロー 【執筆者】ポール・ラドニック (一部抜粋しています)
ひとりの金髪美人は微に入り細をうがつ検証にどこまで耐えられるものか。だれもがマリリン・モンローを定義しようとする。300冊を超える伝記、スタイナムやケールによる博覧強記のエッセー、無数といっていいほどのドキュメンタリー、ドラッグ・クイーン、入れ墨、ウィーホールのシルクスクリーン、陶磁器収集家の人形。マリリンは女優から偶像、そしてブランドネームとなった。マーケット・シェアで彼女と肩を並べられるのはエルビスジェームズ・ディーンだけだ。コカコーラやリーバイス同様、いまや彼女には、よけいな説明など要らない。ほんのひと握りの映画に出演しただけの、36歳で自殺した女性が、どうしてこんなけた外れの人気商品にまでなったのであろうか。
マリリンの悲愴な個人史、つまり、里子に出された家で虐待された話や、スターを目指してもがく彼女につきまとって食い物にしようとしたハリウッドのくずたちの話を題材にして、多くの伝記が書かれた。マスコミが大々的に取り上げた、偉大な野球選手ジョー・ディマジオや文豪のアーサー・ミラーとの短い結婚生活、その合間を縫ってのシナトラらとの逢瀬、ケネディ兄弟との噂。暴露本のたぐいは流産、中絶、精神安静療法、放っておいて、と言い放ったヒステリックな記者会見といった話でいっぱいだ。彼女の死因には、薬物を誤って過剰に摂取したとの説、政治的に抹殺されなければならなかったという説、マフィアによる暗殺説などさまざまある。その魅力的でショッキングな経歴を基にして、ブロードウェー・ミュージカルの失敗作から、ジャッキー・スーザンの有名な駄作や、ミラーの戯曲『転落の後に』の脚色された人物描写まで、ありとあらゆるものが生まれた。不運に見舞われるおむつの弱い金髪美人という、マスコミが作りあげたマリリンのイメージは、マーロボロ・マンやハーレーにまたがった無法者とともに、アメリカの象徴になった。確かにマリリンの人生は波乱万丈ではあった。しかし、それだけでは、たとえ名士が次々に彩りを添えたとしても、女神や切手になるほどまでにマリリンが不動の名声を獲得したことの説明にはならない。ジャクリーン・オナシスは、その経験ゆえに、数々の事件に立ち会ったがゆえに、そして世界中を魅了した結婚のゆえに人々の記憶にとどまる。マリリンはそれに比べるとはるかに現実離れした、人間というよりもおとぎ話や神話の中のシンデレラやキルケのような存在だ。ほかにもいろいろな才能を持った飛び切り上等な金髪美人がいる。たとえば、ジーン・ハーロー、キャロル・ロンバードジェーン・マンスフィールド、マミー・バン・デーレン、マドンナなど、ピンナップ向きの美女は次々に登場した−−しかし金髪美人といえば、まずマリリンが真っ先に思い浮かぶのはなぜなのだろうか。
マリリンはセックスと才能とテクニカラーを作りあげるたぐいまれな錬金術のシンボルだ。彼女こそ映画そのものなのだ。私は最近になって、大ヒットしたミュージカル映画紳士は金髪がお好き』の中でローレライ・リーを演じるマリリンを見た。原作者アニタ・ルースが描いた、独創的で、恥も外見もなく金目当てに男と交際する女性をマリリンが無我夢中で演じるこの映画は、役柄とそれを演じる俳優がピッタリはまっている。「時々エズモンドさんは、わたしになかなか『ノー』と言えなくなるの」と、パトロンのひとりについて彼女が語ったこのせりふは、はちみつのように甘い声のローレライの、いたずらっぽい魅力をもっともよく表わしている。体にぴったりフィットして胸の谷間を誇らしげに見せたニットやオレンジ色のシフォンの服を着て、ローレライが腰をくねらせながらスクリーンに登場すると、みんなはいつだって目をくぎづけされ。よだれを垂らして、興奮状態になってしまう。マリリン以外のだれが、そんな官能に満たされた愚行をかくもたやすく正当化できるだろうか。
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マリリンはしっかりした芝居を演じるという意味では、どう見ても女優といえるような存在ではなかった。そして彼女は、一緒に仕事をする者にとっては、しだいに悪夢のごとき存在になっていった。ひどく甘やかされ、自身を喪失し、神経衰弱になることが多いので、ごく短いシーンの撮影さえおおいに手間取ったという。このような信じ難い行動や、特異で突飛な才能が永遠の魔法を生み出すことができるのは、映画の世界においてだけだ。モンローのように映画の中だけで天才的に光り輝く女優のすざましい輝きをとらえることができるのは、機械的な忍耐力を備えているカメラだけだ。絶頂期には、『お熱いのがお好き』と『バス停留所』で自堕落だが心の温かい女性を演じたマリリンは、ちょっと傷ついた月の光のような、どこか壊れやすく、快活で危うい雰囲気を漂わせていた。観客がとくにマリリンと同化することはないとわたしは思う。観客は彼女を愛したり、その場を案じたりもしようが、たいていは、彼女の存在に、あの極上の無邪気と言う輝かしい悲現実性に、ただただ驚嘆するのみだ。彼女の中には悪い女とよい女が同居している。彼女は賢くセクシーで、それでいて卑劣なことのできない、モーテルのシーツの中から身を起こした露のように清らかなビーナスであり、家庭に不和をもたらすどうしようもなくいとおしい女なのだ。モンローはアーチストとしてきちんと評価されることを切望していたが、『荒馬と女』のような仰々しい作品における彼女の演技には独創性がなく、たいして面白味もない。彼女が何世代にもわたって人々を魅了するためには、カシミヤのような高級でくすぐったい感触が必要なのである。
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マリリンはタブロイド紙にとって限りなく魅力的な存在だが、それは詰まるところ重要な点ではない。彼女を破壊したものが何であれ−−ハリウッドの経済学であれ、過激な性差別主義であれ、彼女自身の苦痛に満ちた心であれ−−彼女が提供し続ける喜びに比べれば見劣りする。最盛期のマリリンはコカ・コーラやリーバイスのような存在だった。素晴らしく、そしてどうしようもないほどアメリカ的な存在だった。

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『人間臨終図巻 上巻』 山田風太郎著 徳間書店
マリリン・モンロー (1926-1962) 36歳で死亡。 (一部抜粋しています)
アメリカ女性のセックス・シンボル視されたモンローは、1962年8月4日夕刻、俳優ピーター・ローフォードが、「なぜ約束の夕食会に来ないか」と、ロサンゼルスの自宅に電話したとき、とても疲れていて、夕食会にはゆかれない、といったあと、聞き取れないような声で、
「パット(ローフォード夫人で、ケネディ大統領の姉)に、さよならと伝えてちょうだい。大統領にも、さよならと伝えて。それから、あなたにもさよならをいうわ」
と、いって、彼をぎょっとさせた。
ローフォードは、マリリンにつきそっている精神病専門の看護婦に電話して、マリリンのようすを見てくれるように依頼した。看護婦はマリリンの部屋にいったが、レコードの音が聞こえたので、異常はないものと考えて自分の部屋にひきとった。
8月5日午前3時半に、もういちどたしかめにゆくと、マリリンの部屋にはまだ電灯がついていた。ドアに鍵がかかり、呼んでも返事がなかった。それで庭にまわって窓からのぞいてみると、マリリンはベッドの上で、電話の受話器を握ったまま死んでいた。
マリリンの屍体を解剖したのは、ロサンゼルス監察医務院の日本人監察医野口富恒であった。
その所見。
「身長164センチ。体重53キロ。中肉中背のよく発育した白人女性。
ブロンドの髪は染めたものであった。腹部にかって胆嚢(たんのう)と虫垂を切除した2ヵ所の手術の痕(あと)があった。死因は全臓器鬱血で、これは睡眠薬による死を物語っていた。毒物検出では、ペントバルビタールが、血液100グラム中4.5ミリグラム発見された。これは明らかに致死量であり、40ないし50錠の睡眠薬を飲んだことが考えられる」
マリリンは、その母も、祖父母も叔母も発狂したという家系を持っていた。そして彼女も不眠に悩まされ睡眠薬の過度の常習者だった。
しかし、その死が事故死であったか、または自殺であったか、自殺とすれば原因は何か、最後に電話でだれと話していたのか。

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