じじぃの「科学・芸術_954_世界の陰謀論・謎の死」

History's Mysteries - The Death Of Marilyn Monroe

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=L7Xnx0I4GEM

Marilyn died from a sleeping pill overdose clutching a telephone

『ビジュアルストーリー 世界の陰謀論

マイケル・ロビンソン/著、安納令奈/訳 ナショナル・ジオグラフィック 2019年発行

謎の死

有名人の突然の死は、人々に衝撃を与える。その死によって、同時代の大勢の人々は動揺し、さまざまな感情をかきたてられる。死の説明を求めたり、原因を探ったりする声が高まると、その裏に何かある、という陰謀説が出ることがよくある。人気スター、マリリン・モンローはドラッグの過剰摂取で、あまりにも突然亡くなった。しかしこれは、本当に自殺なのか、それとも他殺か? ヒップポップ界のスター、トゥパック・シャクールは、ロサンゼルスの路上で射殺された。明らかにこれは殺人だ。しかし、襲ったのは誰か? ニューヨークのライバルのラッパーか? それとも、イルミナティと関係がある、もっと根深い動機を持った人物の犯行か?

ファラオの呪い

1922年、第5代カーナーヴォン伯爵ジョージ・ハーバート(1866~1923年)の資金提供を得て、考古学者ハワード・カーター(1874~1939年)率いるイギリスの遠征隊はエジプトの王家の谷でツタンカーメン王の墓を発見した。
王(ファラオ)の永遠の眠りを妨げた者には必ず太古の呪いがかかる、という言い伝えを心配する者もいた。それでもひるまず、カーターの遠征隊はカーナーヴィン卿とともに1922年11月29日、王ガ眠る玄室に足を踏み入れた。まさにこの日、王のシンボルである1匹のコブラが、カーターが飼うカナリアを襲って食べたらしい。その4ヵ月後、カーナーヴィン卿は蚊に頭を指されたのをきっかけとして敗血病にかかり、亡くなった。カーターは1939年まで生きたが、この遠征にかかわった者や墓を訪れた者の多くが、不可解な死を遂げている。そのため、王の呪いは人々を震え上がらせる。

マリリン・モンロー

ノーマン・ジーン・ベーカー(1926~1962年)、またの名をマリリン・モンローという世界に愛された銀幕のスターが、1962年8月5日に死体で見つかった。死因は睡眠薬バルビツールの大量服用で、メディアは「自殺の可能性が高い」と報道した。ここから、陰謀論者の多くがモンローの死亡の経緯や動機を疑い始める。殺されたのか? 誤って死んだのか? それとも覚悟の自殺か?
3回の結婚経験を持つ、きらびやかな映画スターは当時、精神的に追い詰められていたらしい。うつ病から逃れようと薬物とアルコールに浸り、依存症に陥っていた。遺書はなく、誤って薬を過剰摂取した可能性はない、と検死官は報告した。解剖の結果、睡眠薬の錠剤を一度に大量に飲み込んだことが死因だと判断されたため、覚悟の上の自殺、と考えられた。解剖の結果から検視官が「自殺の可能性が高い」と報告しても、マリリンは実は殺されたのではないか、と一部の人は疑う。最初にこの考えを示したのはマリリンの『マリリン――性と愛の神話』(1973年、原題:Marilyn The Biography)の著者、作家のノーマン・メイラー(1923~2007年)だ。メイラーは著書のなかで、親しくしたのはCIAおよび(または)FBI、と推理する。殺人の動機は、ケネディ兄弟、つまりジョンとロバートと、彼女との不倫関係だという。

マイケル・ジャクション

もう一人、ポップカルチャーのスターを紹介しよう。”キング・オブ・ポップ”、マイケル・ジャクション(1958~2009年)だ。不可解な状況で亡くなったマイケルを検死解剖した鑑定結果は「殺人」だった。死因は彼の主治医コンラッド・マレー博士(1953年~)による薬の過剰処方とされ、この主治医はのちに過失致死罪で有罪判決を受ける。マレー博士が何者かと共謀してマイケルの死期を早めたのだろうか。マイケルは生前、身の危険を感じている、と姉トラーヤ(1956年~)に漏らしていた。マイケル関連のビジネスが生み出す莫大の利益が狙われていると考えたのだ。マイケルの娘パリス(1998年~)もまたこの説を信じている。
エルヴィス同様、多くの人々が、マイケルの死を疑う。だから、”キング・オブ・ポップ”の目撃情報がいまも次々と寄せられる。なかでも特に謎だらけなのが、マイケルの死後すぐ、ネット上に現れた”アラン・ポンティフェックス”なる人物である。アランが住むというカナダのオンタリオ湖畔の家は警備が厳重で、周辺取材をしても、この新しい入居者を知る者はいない。マイケルは実は生きていて、死亡したと世を偽っているのか?