じじぃの「グリーンな世界は危険な世界」

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中央公論 11月号
「グリーンな世界」は危険な世界? カーネギー国際平和財団客員研究員 ディビッド・ロスコフ (一部抜粋しています)
世界を「緑」にすることで、私たちがいま直面している深刻な問題のいくつかは解決されるだろう。それは間違いない。しかし一方で、新たな問題を生みだすことも想像にかたくない。
たとえば、ガソリン自動車から電気自動車への移行は、リチウムの争奪戦を勃発させかねない。リチウムが地理的に隔った場所でしか採掘できない希少資源だからである
また、代替エネルギーのなかには、その生産のために膨大な水を必要とするものがある。だから世界の争奪を原因とした紛争が発生する可能性が高まることも考えられる。あるいは、排出ガスのない原子力発電所を世界中に何十ヵ所も増設したとしよう。そうなれば当然、テロリストが核物質を手に入れたり、各国が核兵器計画に乗り出したりする危険も高まる。
何十年も続いてきた、いわゆる「ブラック・ゴールド」の時代、つまり「石油戦争の時代」は、近く終焉を迎えるだろう。しかし、私たちは、まったく新しい形の紛争や論争、歓迎できない"サプライズ"に対処せざるを得なくなる。いずれ直面する可能性が高い知政学的な「緑の摩擦」を、いくつか紹介しよう。

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ボリビア 提供: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』 (一部抜粋しています)
内陸国化と相次ぐ敗戦】
ボリビアの領域の変遷。戦争により広大な領土が近隣諸国に併合された1884年 チリとのバルパライソ条約で銅と硝石の鉱山が豊富な太平洋岸の領土(リトラル県)を割譲し、海への出口を持たない内陸国になる。保守党のグレゴリオパチェコが大統領になり、以降鉱山主の支配が1899年まで続く。
【鉱業】
植民地時代から19世紀末までは金と銀が、20世紀以降は錫がボリビア経済の主軸であった。 石油の輸出も盛んであり、1930年代に東部で油田が発見されたことがチャコ戦争の一因ともなった。 2001年に世界最大規模の天然ガス田が発見され、ボリビア経済再生の頼み綱となっている。また最近では、リチウムイオン電池の原料となるリチウムの世界埋蔵量の半分以上がボリビアに眠っていると注目を浴びている。南部のウユニ塩湖には推定540万トンのリチウムが埋蔵されているが、ボリビア政府にはそれを抽出する技術も資本も持ち合わせていない、という事情がある。

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アタカマ砂漠 提供: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』 (一部抜粋しています)
【概説】
東西の幅は平均160kmに満たない一方、南北の広がりは1000kmあり、長大な盆地状をなす。 アンデス山脈と海岸の山地によって湿った空気が遮断されているため、世界でも最も乾燥した砂漠であり、40年間まったく雨が降らなかった地域もある。不毛で岩塩や石灰の堆積層で覆われている所が多く、銅、銀、ニッケル、リチウムなどの資源に富んでいる。天然の硝酸ナトリウムチリ硝石)の産出は世界最大であり、1940年代初期まで大規模に採掘されていた。また、世界最大のリチウム産地である。代表的な寒流であるペルー海流が作る西岸砂漠の一つである。約5000もの地上絵がある。この地上絵は、ナスカのような巨大な地上絵ではなく、また斜面に描かれている。
【地球物理学的解説】
中華人民共和国新疆ウイグル自治区にあるタクラマカン砂漠と同じような盆地型高地砂漠である。海岸沿いに形成された山地とアンデス山脈によって挟まれた地形をなす。これは、チリ沖にあるプレートの湧き出し口によって形成された、初期造山運動によるアンデス山脈と、その後に生じた造山運動による海岸線の隆起によって挟まれた地形のためであると推定されている。
そのため、アタカマ砂漠内には、過去の海であった証拠として、中央部の低地帯にアタカマ塩湖(Salar de Atacama)が形成され、ここを中心として岩塩や石灰からなる山地が形成されている。

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どうでもいい、じじぃの日記。
中央公論』11月号 世界展望に"「グリーンな世界」は危険な世界?"が載っている。
環境に配慮した「グリーンな世界」の未来を占ってみようという記事だ。これからの20年後の社会で、こんなことが起きているかもしれない。
4つに大別して書いている。印象に残った文章をピックアップしてみた。
1.石油大国の興隆と衰退
・こうした石油成金にとっての「わが世の春」は、今後数十年は続く。20年後の世界は依然として、エネルギーの4分の3を石油と天然ガスから得ていることだろう。
・石油輸出に依存するロシアは、需要の低下と埋蔵量の縮小と、未曾有の人口学的な破綻に直面している。やがてロシアは国家としての先細りを自ら感じ、近隣諸国とって危険な存在になることだろう。
・石油の誰にもおしとどめることのできない衰退がサウジアラビアの継承権争いに、どのような衝撃をあたえるかを考えてみよう。国を揺るがすような混乱に陥った様が、頭の中にありありと浮かぶのではないだろうか。
2.原子力ブームの衝撃波
・発表された原子力エネルギー計画の3分の2は、発展途上国のものである。(じじぃ:中国、インドなどを言っているようだ) 技術的に進歩した今もけっして無視することのできない2つの大問題がある。1つは、使用済み核燃料の安全な破棄である。もう1つはいかに安全を確保するかだ。
核兵器問題の専門家であるロバート・ガルーチ元米国務次官補は私に、こうした危険の増大を考えれば、致命的な核テロ攻撃は「ほとんど確実に起こる」と述べた。
3.水戦争とそれより深刻なもの
・現在、全世界の11億人は、清潔な水を簡単に手に入れることができない。さらに、今後20年間のうちに、地球上の人類の実に3分の2が、水問題を抱える地域に住むことになるという予測がある。(じじぃ:中国、インドなども含んでいると思われる)
・かってダウ・ケミカル社の最高経営責任者アンドリュー・リバリスは"水が新たな価値を持ち、新たな紛争を生みだすという意味で、「新たな石油」になるだろう"と指摘したが、これはもう新たな常識といっていい。
・次世代送電網技術からエネルギーの効率的使用にいたるまで、あらゆるものの鍵を握っているシリコン・チップなど、水とは無関係に見える技術もまた、生産段階で大量の水を必要としているのである。
低所得者層も、有害な水を口に入れないようにするため、瓶詰めの水の購入を余儀なくされている。
4.リチウムの大争奪戦
二酸化炭素の排出を減らすことができる。しかし、電気自動車の「玉に瑕」は、電池である。リチウム・イオン電池は、従来のニッケル水素よりも大きな蓄電量を持ち、寿命が長い。
リチウム資源は、中南米に集中している。正確には、チリとボリビアの両国にまたがるアタカマ砂漠である。両国が共有しているものは、このリチウム資源とスペイン語のほかに、もう1つある。それは19世紀後半の「太平洋戦争」によって根付いた敵対意識である。この戦争で、チリがボリビアから太平洋沿岸の領土を奪い取ったことについて、ボリビア側は今日でも苦い思いを抱いている。
ボリビアが海への出口を持たないことは、この2つのリチウム大国が外国からの投資を招こうとする際に、ふたたび争点になる可能性がある。ボリビアとチリのリチウム鉱山同士の競争だけでなく、将来的なリチウム電池の国内生産を巡る競争が、2回目の「太平洋戦争」をもたらしかねない。