じじぃの「日本のコンテンツ戦略」

『プライムニュース』「出遅れるな・海外市場〜日本の切り札となるか!?コンテンツ戦略」 8月13日 BSフジ
【キャスター】八木亜希子、反町理、大山奏解説委員 【ゲスト】東大大学院教授 浜野保樹アスミック・エース エンタテインメント取締役社長 豊島雅郎
http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d090813_0
どうでもいい、じじぃの日記。
8月13日、BSフジ プライムニュース「日本の切り札となるか!?コンテンツ戦略」を観た。
日本のコンテンツ産業とはどんなのがあるんだろうと思って観た。
番組の最初にネイチャーに「インド北部の地下水が急に減っている」が載っているというニュースが入り、その解説があった。
インド北部で綿などの栽培のために地下水を汲み上げているが地下水の枯渇が起き始めているのだそうだ。
100年程度のスパンで作られた地下水が短いスパンで地下水を汲み上げているというのが原因だ。
これがGPS衛星で写した2002年と2006年の映像を比較することで分かる。比較写真を見てなるほど。顔の暖かいときと冷たいときの赤外線写真の比較と似ている。
その後、手塚治虫の「鉄腕アトム」の映像が流れる。
大山 「Japanese Cool」というパネルを出して、よく最近クールジャパンという言葉があるが、「かっこいいニッポン」という意味らしい。クールジャパンというわりにはどうも大きなビジネスに繋がっていない。
反町 パチンコは世界でも売れると思うが。
浜野 外国に広まることは分かっているが、パチンコへの警戒感が強く、輸入するところがない。
大山 「各国のコンテンツ市場比較(2008年)」(アメリカ、日本、ドイツ、イタリア・・・の棒グラフ)というパネルを出して、アメリカは日本の2倍ぐらい大きい。
大山 「世界のコンテンツ市場規模の推移」というパネルを出して、右肩上がりなのが分かる。日本だけが下がっている。
八木 世界中が増えているのに、なぜ日本だけが下がっているのか。
浜野 少子化でゲームをする人が減っている。アメリカは逆に増えている。1つは産業に付加価値の無いものは中国に流れてしまっている。2つ目は国力に関係していて、国のイメージしたものを国が宣伝していない。
豊島 セルDVDの売り上げが2005年から2008年に急に落ちている。"YOU TUBE"とかハードディスクに貯めて観る。無料で観られるようになったのが大きい。
八木 この間の「おくりびと」はどうだったんですか。
浜野 ちょっと言いにくいですね。
八木 「日本映画のアメリカでの興業収入」のパネルを見てポケットモンスターが1、2を占めている。日本のアニメは大成功と言っていいのか。
浜野 日本に利益が還元されていない。日本の映画を字幕で観る人はほとんどいない。自分の文化より優れた作品でないと観ない。ハリウッド映画を観てしまう。シャル・ウィ・ダンス、忠犬ハチコーでもリメークしないとヒットしない。
反町 その他にアメリカが受け入れない原因があるのか。
浜野 外国の映画を観るという風土が無い。アメリカ映画を選んでしまう。日本人はアメリカに売りつけるとき、相手のいいなりになってしまうことが多い。海外で観てもらうことが名誉と思っているところがある。利益に繋がらない。
豊島 日本人の方が繊細さや感受性でアメリカ人より優れているが、アメリカ人は皆で楽しむ。演出がうまい。
大山 フランスで行われた「ジャポンエキスポ」の大きな写真を出す。
八木 アメリカとヨーロッパとではどこが違うのか。
浜野 日本に興味を持つ人が去年から今年にかけてだけで2万人も増えた。ただ、日本からフランスへは言語とかでリスクがある。マーケットはあるのだが、なかなか入っていけない。イタリアでも正規版も入っていない。正規版の海賊版が出ている。
豊島 前にフジテレビで作ったアニメがフランスで視聴率99%だった。有名になっても利益が日本にフィードバックしない。
浜野 浮世絵などは江戸時代、庶民の文化だった。若い人への浸透度が高い。ヨーロッパでは子供よりも富裕層が観ている。言語に関わるものをどうしていくのか問題だ。
メールによる質問 「ノルウェーの森」などはどうなっているのか。
豊島 日本で企画した段階で引き合いがきて、買いたいと言ってきている。
八木 アジアには期待できるのではないか。
浜野 日本へのあこがれがある。ディズニーランドもそうだ。中国人はお金を払って観るという風土が無い。規制があるが、どうしても観たい場合は海賊版で観る。海賊版でなく本物をライブで観たいときは、ちゃんとお金を払って観てくれる。高倉健主演の映画『君よ憤怒の河を渉れ』は中国人10億の人が観た。かっこつけている人を言うのに「高倉健」みたいだねと言う。韓国の場合は『ラブレター』を皆知っている。
反町 これから日本が生きていくには、こういうアニメなんかが大きな柱にならないとと思う。
浜野 アメリカの商務省は1920年代に「貿易は映画に続く」という標語を作った。アメリカはアメリカ映画の海外輸出を支援してきた。私は和服が日本の文化だと思うから和服を着ているが、日本の衣食住とかずっと長い環境にあって続いているものだ。コンテンツ産業だけで誰も食っていけるとは思っていない。共に生きようというライフスタイルがある。周辺回りへの影響が大きい。「貿易は映画に続く」。そういうことを理解しないと、「なんだ、漫画の話か」になってしまう。
大山 「日本アニメータの年収(2007年)」(20代年収110万円〜60代年収449万円)というパネルを出して、特に若い人の低賃金が問題になっている。
八木 アニメータというのはアニメを描く人でいいんですか。
浜野 上手な人がキーの絵を描いて割っていく。その動画を描く人の役割で変わっていく。中国や韓国などに海外に下請けに出すようになった。アジア人である日本人が出来るんだったら中国とか韓国でも日本と同じことが出来るということが分かってきたのでシンガポールも含めて国策でやるようになってきた。
反町 政府のとるべきこと、バックアップとかはどうなっているのか。
浜野 映画もアニメも政府から一度も助けてもらっていないが、どうも政府はアニメなんかを下に見ているようなところがある。外国に行くとアニメの話題が多い。子供のとき「アニメなんか見ないで」とか言われたことがあって後ろめたいという意識がある。払拭されていない。
メールによる質問 3D上映はどうなっているのか。
豊島 今、劇場でしか3Dは観れない。劇場でメガネをかけると立体的に見える。そのうち、オンデマンドになって観たい場所、観たい時間に観れるようになって家庭にも入ってくる。
浜野 3Dの期待はすごく大きい。
反町 競争力があるとすれば、やはりアニメか。
浜野 浮世絵とか海外で評価されて、日本に逆輸入された。黒沢明の『羅生門』がグランプリをとったが、あれはまぐれだと言うのがいた。『隠し砦の三悪人』など衣装を描いてちゃんと時代考証をやって映画を創っている。
提言。
浜野保樹さんの提言 「知る」 本当にいいものなのか自問する。よく知らないで相手に売りつけるのは相手に失礼だ。いい、好きだというものを海外に紹介する。迫力、説得力が違ってくる。
豊島雅郎さんの提言 「動員力」 今の若い人はインターネットで家に引きこもることが多い。まだまだ、世界標準を創るんだという意気込みを持って、世界を視野に入れて創ってほしい。