じじぃの「たかがTシャツ、されどTシャツ・アラル海消滅」

Desert map

2014年 湖「アラル海」 ほぼ消滅

世界で4番目に広かった湖「アラル海」、ほぼ消滅 (追加) 2014.10.01 CNN.co.jp
かつて世界で4番目に大きな湖だった「アラル海」が過去14年で縮小を続け、有害な砂をまき散らす広大な砂漠と化している。米航空宇宙局(NASA)はこのほど、湖の縮小規模を示す画像を公開した。
http://www.cnn.co.jp/fringe/35054524.html
地球ドック(アースドック) 「〜宇宙から今の地球を健康診断〜」 2014年3月29日 テレビ東京
【出演者】大橋未歩田中直樹滝川クリステル江口洋介佐藤隆太野口聡一
●画像比較・・・これは何だと思いますか?
左が1977年、右が2013年のアラル海
ウズベキスタンカザフスタンの国境にまたがるアラル海は、かつて世界で4番目に巨大な湖だった。約40年の間に、ほとんど水が失われてしまったのだ。それは、人の営みによるものなのか…ココリコ田中直樹が、水を失ったアラル海の謎に迫る!
アラル海から120km離れた場所にはまだ川が残っていた。しかし大河の面影はなかった。
川の周囲に広がる畑では綿花が栽培されていたが、綿花を栽培するのには大量の水を必要とする。水を奪われた川は枯れていくが、綿花はウズベキスタンの重要な輸出品となっているため、それを止める事はできない。さらに、水が減っているアラル海では、干上がった湖底からガスが出る事がわかり、産業が少ないウズベキスタンにとっては貴重な財源となり、後戻りはできない。
水を失った湖の底には大量の塩が残される事になり、強い風が塩を巻き上げ、砂嵐となって容赦なく人々を襲う。
http://www.tv-tokyo.co.jp/earthdock/
『「エコ罪びと」の告白』 フレッド・ピアス著 NHK出版  2009年発行
第8章 Tシャツ (一部抜粋しています)
手ごろな価格の裏にあるもの
綿の大半は、次の7ヵ国が生産している。大規模な機械化農業が発達しているオーストラリア、アメリカ、ブラジル、そして膨大な数の中小農民が綿を生産している中国、インド、パキスタン、そして巨大国営企業が業界を独占している中央アジアウズベキスタンである。中国、インド、パキスタンは、巨大生産国でありながら、ほとんど綿を輸出していない。自国で栽培した綿花を、ほとんど国内で撚糸、紡績しているからだ。その結果、綿の輸出国はほぼ3ヵ国で占められている。アメリカ、ウズベキスタン、そしてオーストラリアだ。これら3ヵ国が、中国、インド、パキスタンのような繊維製品の巨大生産国に、原材料を供給している。衣料品の生産にはオートメーション化できない部分があるため、どうしても人手がかかる。そこにつけ込んで、こうした国々では行員を低賃金で働かせる「労働搾取工場」がはびこっている。
綿産業はもともと、人権の蹂躙や軽視の点で悪名高い。綿が大英帝国の主要製品だったころから、そしてもちろん南北戦争まえのアメリカにおいても、綿栽培は奴隷労働と結びついていた。いまもスターリン時代の名残りを引きずるウズベキスタンでは、国民は綿摘みを強制され、パキスタンとインドでは児童労働が広く行われている。だが今日では、綿の環境面への影響も、かなり憂慮されている。
懸念のひとつは殺虫剤だ。綿畑は世界中の耕地のわずか2.5%を占めるにすぎないが、全世界の化学肥料の10分の1、そして殺虫剤にいたっては驚くなかれ4分の1を飲み込んでいる。殺虫剤の大半はコナジラミとワタキバガのためだ。インドでは、国内で使用される殺虫剤の半分は綿畑にまかれている。その健康への影響はろくに調査もされていないが、まちがいなく膨大な規模となっており、インドだけでも年間に数千人もの農民が殺虫剤中毒で死んでいると考えられている。1984年、インドの都市ポパールで、化学工場が爆発して有毒ガスのキノコ雲を上げ、大勢の死者を出したが、このとき生産していたのは綿栽培向けの殺虫剤だった。
さらに綿栽培は、膨大な量の水を必要とする。綿栽培の好適地は、暑く当たりのよい土地である。たいていは砂漠地帯だ。全世界の綿栽培の4分の3は、人工的な灌漑を必要としている。これはどんな主要作物よりも多い。中国の黄河流域地帯からパキスタン南部、マリー・ダーリング川源流地帯から年々縮小してきたアラル海まで、綿栽培は多くの川や湖を干からびさせ、ほかのいかなる作物よりも地下水面を下げている。
それが1枚のTシャツにどう反映しているのか? 毎年、世界で売られているTシャツは数十億単位。イギリスだけでも年間に5億枚近くを輸入しているし(ひとり当たり8枚)、アメリカは、国内生産に加えて輸入ものだけで10億枚以上。1枚の値段がビール1杯とさして変わらないこともすくなくない。だが、平均的な250グラムの綿のTシャツを1枚つくるには、80グラムの肥料、殺虫剤の有効成分3グラム、2000〜7000リットル、つまりバスタブ30杯以上もの水が必要である。たった1枚のTシャツをつくるために、だ。市場は、この点を無視している。こうした環境負荷を価格に反映させるどころか、綿の価格は10年以上にわたって下がり続けている。

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プライムニュース『若き社会起業家が創造』 6月1日 BSフジ
【キャスター】八木亜希子、反町理、安倍宏行 【ゲスト】NPO法人フローレンス代表 駒崎弘樹NPO法人 ACE代表 岩附由香 【コメンテーター】一橋大学教授 米倉誠一郎
http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d090506_0
どうでもいい、じじぃの日記。
6月1日、BSフジ プライムニュース『若き社会起業家が創造』を観た。
対談の中で岩附氏が言っていたことが印象に残った。
八木 どこで起業化されたのか。
岩附 ACEは97年に学生5人で立ち上げた。そのきっかけは、児童労働を知らせる機会を逃すのはもったいないからとして活動した。2005年にNPO法人化させた。
八木 どういう現状の中で、児童労働のビジネスをされたのか。
岩附 ガーナのカカオとか、インドのコットン産業で40万人以上の児童が働いている。インドで働いている7〜8割が女の子だ。なぜ女の子かというと、それをうまく使う理由がある。昔から、女の子は幼い年齢から結婚させられたりする。男は学校にいってもいいが、女の子はどうせ結婚するのだからといって学校にいけない。女の子が結婚するとき多額の持参金が必要で、持参金が少ないといじめられる。女の子はそういうことを知っているので、自分の家計を助けようと強く思って働く。子どもたちのほうが賃金が安い。子どもたちは単純な労働をいとわない。子どもは労働組合を作らない。子どもは文句を言わない。農薬の健康被害はインドの全作地面積でコットンは5%だが、農薬が使われている比率は全インドの使用量の54%だ。地域の水が汚染されて障害のある子供が生まれたりしている。全体的な取り組みが必要になってきている。
八木 子供たちを救済するために、どのようなビジネスを展開しているのか。
岩附 オーガニックコットンで作られたタオル・ハンカチを知ってもらうことと、収益の半分を支援にまわしている。ガーナのココアも収益の半分を支援にまわしている。支援のやりかたは調査して、そのパートナーとなるべき団体を見つけ、どうしたら子どもたちを救えるか、一緒のプロジェクトを作る。
じじぃの印象。
Tシャツ、1枚が大きな環境、社会問題をかかえている。
たかが「Tシャツ」、されど「Tシャツ」
岩附由香氏のブログページです。 ↓
http://plaza.rakuten.co.jp/acejapan/