じじぃの「インドの衝撃」

NHK Special "The Impact of India" - Part 1 (IT, Human Resource, Education) 動画 google
http://video.google.com/videoplay?docid=-8960593568071128585#
『激変する世界地図の本当の読み方』 竹村健一 青春出版社
インドの知られざる先進性 (一部抜粋しています)
欧米諸国がこぞって注目する意外な分野とは
中国と並ぶアジアの大国・インドというと、ITのアウトソーシングやソフトウエア開発の拠点というイメージが強い。しかし、日本人はまだよく知らないようだが、インドは世界でも有数の医療先進国なのである。
理数系に強いインド人が欧米に留学して優秀なエンジニアになるのと同じように、医学を学んで欧米の医療機関で実績を上げている。とくにアメリカではインド系医師が非常に多く、「アメリカを脅すには刃物はいらぬ。インド系医師を帰国させるだけでいい」といわれているほどである。そうして欧米で経験を積んだ医者が本国に戻って開業するため、世界の最先端医療をインドで受けることができるのだ。
先日、あるパーティで作家の石川好氏に会ったところ、片手だけで手袋をしている。どうしたのかとい聞いてみると、彼は興味深い話を語ってくれた。
石川氏は血行障害とリウマチが重なり、手がだんだん壊死していく難病を患ってしまったという。日本の病院を転々としたものの病状は一向に改善せず悩んでいたところ、たまたま知り合ったインド人も青年医師にインドで治療を受けることを勧められ、インドの病院に入院した。その結果、日本では何をやってもあまり効果が上がらなかったのに、症状は劇的に改善したというのである。
なぜ日本で治療できないような難病をインドで治療できたかというと、インドには手足の壊死に関して高い治療技術があるからだという。われわれ日本人にしてみるとインドは暑い国だと思いがちだが、北にはヒマラヤ山脈がそびえ、凍傷にかかる人間がたくさんいる。そこから、手足の血行障害や壊死などの症状に対する医療が進歩したと石川氏は語ってくれた。
このように、インドは高い医療技術を持ちながらも、治療費が欧米各国に比べて格段に安いから、多くの欧米人が治療のためにインドを訪れている。なかでも、いま世界中から大きな注目を集めているインドの医学ビジネスが、代理出産である。つまり、不妊治療を行っても成果が上がらない依頼者の受精卵をインドの女性の子宮に着床させ、子どもを産むのである。
国際未来科学研究所代表の浜田和幸氏によると、アメリカでこのような代理出産を行うと日本円にして約500万円もの費用がかかるが、インドでは30万円程度でまかなえるという。それが可能になるのは、インド国内の貧富の格差である。
インドではBRICsの一員として高い成長率を誇っているが、カースト制度の名残りも依然として残っており、多くの国民はまだまだ貧しい。一般的なインド人の平均年収は日本円にしてわずか6万円程度なのである。したがって、30万円という金額でも、年収の何杯にもあたる大金となる。
仲介業者は、依頼者からも、代理出産するインド女性からもリベートを受け取るが、依頼者から見れば安い費用で待望の子供が得られるとともに、出産にまつわるツワリや分娩といった苦痛から解放される。インド女性は多額に報酬を手にすることができるということで三者三様にメリットを得ることができるため、代理出産が大ブームになっているのだという。
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このことからもわかるように、インド政府はITと並んで医療ビジネスを国の重要産業と位置づけているようだ。
最先端医療を格安料金で受けられるインドの医療は、すでに欧米では一般的になり、多くの患者がインドに殺到している。これから日本でも、高度な治療はインドに行くという時代かやってくるかもしれない。

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NHKスペシャル インドの衝撃 第2回「世界最大の選挙戦 貧困層が国を動かす」 2009/5/31
有権者7億1000万、“世界最大の民主主義国家”インドで、5年に一度の国政総選挙が、4〜5月に行われる。インドの政治は今大きな変革期にある。二大勢力、国民会議派インド人民党に対して、無数の少数政党が台頭、インド最大の票田でもある弱者層の声を汲み上げ、格差の拡大など発展のゆがみも目立つ中、勢力を伸ばしている。特に今回は、カースト最下層のダリッドを基盤とする大衆社会党が台風の目。インド最強の女と異名を取る党首マヤワティの存在もあって、選挙戦は過熱している。
番組は3つの陣営の選挙戦に密着、政略と利益誘導入り乱れる闘いを通じて、インド社会の変化と、巨大で多様な国をまとめあげている民主主義の現場を見る。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/090531.html
どうでもいい、じじぃの日記。
5/31、NHKスペシャル インドの衝撃 第2回「世界最大の選挙戦 貧困層が国を動かす」を観た。
主に、貧困層を支持基盤に持つ大衆社会党の選挙活動を通して見たインド総選挙の実情をドキュメンタリータッチで描いている。
インドにはカーストという制度が今でも支配している。カーストはインドの身分制度で、高位順にバラモン、クシャトリ、バイシャ、シュードラの4つに分かれる。ダリッドはさらにその下に置かれ、人々が嫌がる仕事しかできない。
この「カースト ダリッド」をキーにして検索をしてみた。
「インド北部の小学校で、ダリッドと差別されている人々が作る給食をボイコットする騒ぎが起き、波紋を広げているという。経済成長や国際化が進むインドだが、数千年続いてきた悪しき慣習はなかなか消えない」
があった。
インドでの貧困層は人口の6割を占め、インド人の平均年収は日本円にして6万円程度しかない。
番組では、貧困層の家が土で作られ、電気の無い生活をしている人々が映し出されていた。
また、ダリッドは水を飲むのにもコップでは飲めない。自分の手で飲まないといけない。
大衆社会党の党首マヤワティ(女性)の言葉。「カーストによる差別を解消するのは自分しかいない」
インドではカーストを利用して選挙を行うことは禁止されている。
総選挙の結果は貧困層の支持基盤しかない大衆社会党は負けて、カーストを表だって出さなかった国民会議派が勝った。
選挙でカーストを問題にして、票の奪い合いを展開をするというのは時代錯誤だ。
国民会議派が勝ったということは、あたりまえといえばあたりまえだった。
インドはBRICsの一つで、21世紀は中国とインドの世紀だとも言われている。