じじぃの「『諸君!』 さらば」

『諸君!』 6月号
白熱 8人ラスト大座談会 諸君! これだけは言っておく遠藤浩一(評論家・拓殖大学大学院教授)/櫻井よしこ(ジャーナリスト)/
田久保忠衛(杏林大学客員教授)/西尾幹二(評論家)/
松本健一(評論家・麗澤大学教授)/村田晃嗣(同志社大学教授)/
八木秀次(高崎経済大学教授)/(司会)宮崎哲弥(評論家)
第三部 世界経済戦争の帰趨 (一部抜粋しています)
米ドル凋落、人民元台頭のはざまで、どうする日本経済
西尾 いま、アメリカは大量の国債を発行し、それをまたぞろ日本や中国に押しつけようとしていますね。一方、めちゃくちゃに紙幣を刷りながら、米政府は"基軸通貨だからスーパーインフレはこない"と強弁している。そんなはずはないと、多くの経済学者が指摘していますが、日本の財務省の幹部クラスのなかにも米政府と見解を同じくしている人がいるらしい。全くどこの国の役人だかわかりません。
ドルは今後、没落していくでしょうが、それにかわる基軸通貨がいまのところ見当たらない。複数の外貨に連動した固定相場制、いわゆる「通過バスケット制」の道も、模索はされるでしょうが、恒久的な解決策とは考えにくい。で、結局、日本はどうするかといえば、4月のG20の場であらためて表明したように、没落間近のドルを支え、その後をついていくわけですね。自らの国益、自らの判断は存在しない国ですから。
4月のロンドンでのG20で、ロシアと中国が国際準備通貨の創設を提案し、米ドル基軸体制に挑戦状を叩きつけた。このことからもあきらかなように、国際基軸通貨としてのドルはもう崖っぷちなんですよ。
櫻井 しかし、日本がドルを見放せば、中国人民元基軸通貨化への動きを許すことになりかねないわけです。すでに中国は、ロシア、韓国、中央アジアなどの諸国と、自国通貨で決済しています。この動きは日本の国益に反します。
宮崎 東南アジアでも、華僑資本のネットワークを通じて、人民元が浸透しつつありますね。
櫻井 この流れが加速すれば、日本を含むアジア全域が、基軸通貨国、中国の経済圏にはいってしまうおそれがある。
西尾 そう簡単にはなりませんよ。
櫻井 簡単にはなりませんが、少なくとも中国はきわめて野心的です。そして実際、人民元は力をつけつつあります。
アメリカ=ドルの力が相対的に低下しつつあるなかで、日本は、アメリカ追従するという意味ではなく、日本の経済圏に与しないためにドルを支えていく。それが国益を考えたときの判断だと私は思います。
西尾 それはその通りです。ただ、そうはいっても米ドルはまちがいなく没落する。しかし、アメリカは座して死ぬはずがない。金本位に戻る。あるいは新ドル札を刷って対外債務をいっぺんに半分にする"徳政令"をだすという手もある、などといわれています。
ただ、アメリカが自国経済を守ることは他国経済を傷付けることになるため、あまり勝手なことをやり過ぎると戦争になるでしょう。それぐらい滅茶苦茶なスケールの債務をアメリカは抱いているということです。米国債を世界でもっとも多く保有し、米国経済と一蓮托生の中国経済の未来も、いまや混沌としている。そのときに、なぜ日本人は、日本円をアジアの基軸通貨にするという独自のデザインをえがかないのか。
遠藤 私は基軸通貨の問題は結局、安全保障と同じで、損得勘定という気がしています。身も蓋もない話ですが。
アメリカドルが弱体化して、かわりに別の通貨が台頭する場合、円を基軸通貨にできれば一番いいけれども、仮にそれが人民元だったとすると、日本はその状況を受けいれられるのか、ということです。たとえ相対的な地位低下を免れないとしても、米ドルを基軸通貨とする体制のほうが日本にとってまだマシであるとするならば、それに協力するのが現実的な選択肢ではないか。
西尾 そんなことを論じているうちに米ドルは勝手に崩壊していきますよ。
宮崎 成功するかどうかはともかく中国はドルの衰退を見越して、人民元経済圏を少しずつ、着実に広げていこうとしているようにみえます。
西尾 いやいや、元も崩壊していきます。
村田 で、円だけ残るんですか?
宮崎 そんなことあり得るかなあ(笑)。

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どうでもいい、じじぃの日記。
うちのばばぁ(女房)が東金のA病院に入院して5日目である。
このA病院は門から病院入り口までの約50メートルぐらいの間に、大きなさくらの木がいくつか植えられていて、公園のようである。
ばばぁのいる棟には、糖尿病の患者、脳梗塞でリハビリ中の患者、うつ病の患者さん等が一緒に入院している。糖尿病の患者はちょっと太っているだけで見た目では普通の人と変わらないので、最初、何でこんな人が入院しているのだろうと思った。
今日も、ばばぁのベットの端に座って、朝から夕方まで本を読んだ。本さえあれば一日中過ごせる。
『諸君!』 6月号は最終号である。もう、40年になるのか。この雑誌は我が青春の本であった。
6月号は買ったばかりで、まだ、ほとんど読んでいない。目次にある「輝ける論壇の巨星たち」には懐かしい人々の名前が掲げられている。
こんな人たちの記事をよく読んだ。
田中美知太郎氏の哲学論、グレゴリー・クラーク氏の文明評、深田祐介氏のサラリーマン論、山本七平氏の日本人論、司馬遼太郎氏のエッセイ、江藤淳氏の戦争論渡部昇一氏の憲法論、山崎正和氏の天皇論など。
今日は「白熱 8人ラスト大座談会 諸君! これだけは言っておく」を読んだ。
昔、中国人と一緒に仕事をしたことがある。精華大を出た人だった。中国は発展途上の国とはいえ、人材は豊富にある。国際的に日本が中国と対等になっているのは、たまたま日本が明治維新で西洋の知識を早く取り入れたからでしかない。これから中国の世紀になることは間違いない。
基軸通貨アメリカのドルから中国の元にシフトしたとしても、ほとんどの人はしょうがないと思っているのではないか。
ただ、記事の中で、西尾幹二氏の「いやいや、元も崩壊していきます」が気になる。何を根拠に言っているのだろうか。
国の力と本当の国の豊かさは別物である。また、日本人が中国人より優れているのは作られた製品の中にきめの細かい付加価値があることである。
と、どこかのじじぃが言ってました。