じじぃの「がん音痴」

「がんばらない」の医師 鎌田實VS東京大学病院放射線科准教授・緩和ケア診療部長 中川恵一さん がんサポート情報センター 2008年03月号 (一部抜粋しています)
東京大学病院放射線科准教授・緩和ケア診療部長 中川恵一 VS 「がんばらない」の医師 鎌田實
鎌田 「欧米型のがんでは放射線治療抗がん剤も大事」とありますが、欧米型のがんとは具体的にどんながんですか。
中川 乳がん前立腺がん、肺がんなどです。がんは生活習慣病ですから、時代とともに大きく変わってきています。たとえば、私が生まれた1960年をみると、日本人男性のがん死亡の3分の2は胃がんでした。アメリカも1930年代までは、胃がんが断トツのトップでした。なぜ胃がんが多かったのかといえば、冷蔵庫がなく、井戸水を飲むという、不衛生な食生活をしていたからです。つまり、胃がんは途上国型がんの代表なのです。それが生活習慣や生活環境が改善され、雑菌がない食生活に変わってくるにしたがって、胃がんが減ってきたわけです。
そこで欧米型のがんはどういうものかといえば、実はコレステロールに関係があります。男性ホルモン、女性ホルモンによって、前立腺がん、乳がんが増えます。コレステロールから性ホルモンが合成されますから、お肉を食べないで、コレステロールを増やさないようにすれば、前立腺がんや乳がんは減るはずです。しかし、欧米ではお肉をたくさん摂りますから、スウェーデンあたりは女性のがんの4割が乳がんです。日本でも胃がん、子宮頸がん、肝臓がんといった「感染症型のがん」の死亡者数は減っている一方、欧米型の食生活によって、乳がん前立腺がんは増えています。
鎌田 「欧米型のがんでは放射線治療抗がん剤も大事」と、あえて書いた理由は?
中川 現在、がんの完治を目指す場合、手術か放射線治療か、どちらかを受ける必要があります。抗がん剤だけでは通常の固形がんは治りません。ただ、日本ではがん患者さんの25パーセントしか放射線治療を受けていません。これでも10年前の倍ですが、アメリカでは60パーセント、イギリスでは56パーセントのがん患者さんが放射線治療を受けています。
日本でなぜ放射線治療が少ないのかといえば、胃がんの存在が非常に大きかったのではないかなと思っています。実際、外科では、胃がんを手本として他のがんを考える習慣があったようです。胃がんは全摘ができ、しかも非常に取りやすいがんです。抗がん剤エビデンスがないわけではありませんが、やはり大きな意味では手術が圧倒的に大事です。その胃がんががん死亡の死因の3分の2を占めていましたから、その考え方が乳がん前立腺がんなどにも適用され、なるべく広く取るということになっていたのです。
ですから、乳房温存手術も、日本は先進国の中でいちばん遅れました。現在、前立腺がんでは手術と放射線治療と比べても、生存率はまったく同じです。しかし、手術で対応することが圧倒的に多いのが現状です。小線源治療といって、ヨード125のアイソトープを永久に、つまり死ぬまで埋め込む放射線治療の方法があります。これはアメリカでは日帰り、日本でも1〜3泊で済みます。早期のがんに限定されますが、忙しい人にはお勧めできる治療法です。しかし、この治療を受ける人はまだまだ少ないですね。
http://www.gsic.jp/support/sp_02/kvs/25/index.html
体の負担を軽くし、合併症も少ない食道がん胸腔鏡・腹腔鏡併用手術 がんサポート情報センター 2008年10月号 (一部抜粋しています)
★★★痛みが少なく、翌日には歩けて「大手術を受けた」感覚がないのに、開胸・開腹手術と同等の治療成績
監修:村上雅彦 昭和大学医学部消化器一般外科准教授
食道がんの手術はがんの手術の中でも、最も大がかりなもののひとつ。体にかかる負担も大きく、手術死も少なくありませんでした。
これに対して、昭和大学医学部消化器一般外科准教授の村上雅彦さんらは、胸腔鏡と腹腔鏡を導入。
開胸・開腹手術と同じ治療成績をあげながら、体の負担を大幅に軽減し、合併症の減少に成功しています。
http://www.gsic.jp/cancer/cc_10/ysc/index.html
乳がん粒子線治療研究会 財団法人メディポリス医学研究財団 (一部抜粋しています)
乳がん粒子線治療研究会の趣旨
最近、乳がんは、集団検診やマンモグラフィ等の進化により、かなり小さい乳がんでも見つけることができるようになってきています。ほとんどの症例が4cm以下で、鹿児島県でも、3cm以下が75%以上となっています。
その治療法の一つとして、粒子線治療も適応できるのではないかと考えられています。
そのような状況を踏まえ、乳がん粒子線治療研究会は、乳がん粒子線治療についての臨床研究を深め、乳がん粒子線治療技術とその治療成績の向上ならびにその普及等に寄与することを目的として設立されました。
http://www.medipolis.jpn.org/modules/protonbeam5/index.php?id=4
週刊新潮 2008年5月7・14日号 「がんの練習帳/中川恵一」 (一部抜粋しています)
「死なないつもり」の日本人へ
日本人のおよそ2人に1人が、がんになります。僕も含めて、読者の半数が、がんに罹るというわけです。そして日本人の3人に1人が、がんで亡くなっています。65歳以上の高齢者に限れば、2人に1人が、がんで死亡しています。今やがんの半数以上が治癒する時代ですので、高齢者の大半が、がんになっている計算です。
こうした割合は、世界一高いもので、日本は「世界一のがん大国」と言えます。
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しかし、繰り返しになりますが、読者の2人に1人は、がんになるわけですから、がんを人生の設計図のなかに織り込んでおく必要がありますし、その予習は絶対に必要です。「死なないつもり」でいるわけですから、がんだと告知されると、平常心ではいられません。頭が真っ白になったまま、あれよあれよという間に不本意な治療を受けてしまい、後遺症に苦しんで後悔する、といった患者さんをこれまで大勢見てきました。実際には、乳がんではお乳は切り取らないですむことが多いですし、子宮頸がんでも前立腺がんでも、欧米では臓器を摘出する外科手術より、メスを入れない放射線治療の方が主流です。しかし、多くの日本国民はこうした「がんの常識」すら知りません。がんになる前に、がんを知る「練習帳」が必要なのです。

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どうでもいい、じじぃの日記。
週刊新潮 2008年5月7・14日号に「死なないつもり」の日本人へが載っている。
日本人の65歳以上の2人に1人ががんで死んでいるのだそうだ。昔、がんで死ぬ人が少なかったのは、がんになる前に死んでしまったからで、それだけ日本人は長寿だということなのだろう。
この記事を読む前は、国別の乳児死亡率などで日本が一番低いという統計があったので、日本の医療技術は世界のトップクラスなのだと思っていた。
http://memorva.jp/ranking/unfpa/2005_baby_death.php
どうも、乳がんとか前立腺がんでは、そうでもないようだ。
友人の奥さんが、乳がん手術でおっぱいを無くしている。
切らなくて済むんだったら、切らないほうがいい。
じじぃもブログに「がん治療、最前線」を書いた。
http://d.hatena.ne.jp/cool-hira/20090221/1235166802
乳がんなどは、この「重粒子線治療」治療で痛みもなく、完治するようだ。
インターネットで、いろいろ病気について調べられる時代になった。
自分の身体のことなのだから、自分でも調べて、納得して治療を受けるのが最善なのだろう。