じじぃの「生活習慣病・慢性腎臓病・脂っこい食事は避けよう!不老不死の研究」

【対談】堀江貴文×池上雄太編集長|新刊『不老不死の研究』|ホリエモンが今気になる最先端医療とは?|連載・金を使うならカラダに使え!|GOETHE

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=DV4AZi9y9M8

『不老不死の研究』

堀江貴文・予防医療普及協会/著 幻冬舎 2022年発行

第3章 生活習慣病「糖尿病」「腎臓病」なき世界 より

1300万人を苦しめる「腎臓病

慢性腎臓病は8人に1人の国民病

人口1億2600万人の日本で、腎臓病患者が現在何人いるかご存知だろうか。なんと慢性腎臓病の推定患者数は2005年の集計で1330万人にのぼり、成人人口の約8人に1人に達する。また、高齢化に伴い、2015年には1480万人となり、今後も増加が予想される。もはや「腎臓病は国民病」と断言してさしつかえないだろう。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるとおり、内部で障害が起きていても自覚症状が現れにくい。と同時に、肝臓はタンパク質の合成工場のように機能し、壊れた部分の再生機能をもつ素晴らしい臓器でもある。

腎臓は人体にとって大事な役割をたくさん背負っており、細胞の数が多く繊細な構造だ。肝臓とは異なり、腎臓はひとたび壊れてしまうと再生できない弱点をもつ。つまり加齢に伴って、腎機能は必然的に弱まっていく宿命にあるのだ。

筑波大学の准教授で肝臓病の専門医・永井恵先生に、腎臓のメカニズムについて話を聞いた。
  「食事や生活様式が近代化するまでは、腎臓病といrば、生活習慣病に関わらない免疫や遺伝の異常によるものでした。しかし、摂取エネルギー、塩分、脂質が過多になり、座りっぱなしの人が増えています。高齢化が進み、メタボリック・シンドロームの人が多くなっていることと腎臓病が増加することは、大きな意味で一緒です。メタボの人は血圧やコレステロール中性脂肪の値が高く、高尿酸血圧症ですよね。すると動脈硬化を起こしやすくなります。腎臓には大小さまざまな血管がたくさんあり、血管の塊のような臓器です。動脈硬化によって血管が詰まると、その欠陥の先にある糸球体に血管が行かなくなってしまいます。すると腎臓の機能が失われていき、病気になってしまうのです。 (永井准教授)

糸球体とは、血液内にある老廃物や塩分を濾過する装置のことだ。1つの腎臓の中に、糸球体は100万個もある。100万個の糸球体は、1日にトータルで150リットルから170リットルもの尿をつくり、濃縮して膀胱に送る。1日24時間休むことなく尿をこし、1日1.5リットル程度の尿を体外に排出するわけだ。その濾過する力が下がった状態が続くことを慢性腎臓病と呼ぶ。
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仕事が忙しすぎて、食事中以外はまったく水分を口にしない人がいる。腎機能が正常な場合はまだしも、慢性腎臓病で飲水が十分できていない状態の人は、なけなしの力で一生懸命尿を作ってくれる糸球体の首を絞めているようなものだと自覚したい。

脂っこい食事は避け、節酒しよう

永井准教授は、動脈硬化が腎臓病のトリガーになると説明してくれた。血糖値の数学は皆がやたらと気にするが、中性脂肪の数字にはさほど敏感でもない。脂っこい食事をとり続け、中性脂肪が高くなりすぎると動脈硬化の原因となり、腎臓病悪化のトリガーになると永井准教授は指摘する。
  「血糖値は、食後1時間から1時間半をピークとして下がっていきます。中性脂肪の数値は、食後から4~5時間後にピークが来るのです。つまり朝昼晩と3度の食事を摂ると、起きている間はずっと高中性脂肪状態になってしまいます。これも動脈硬化の大きな原因です」 (永井准教授)

食事の脂質を小腸から吸収したカイロミクロン(リボタンパク質)は、中性脂肪の塊だ。そのほかに肝臓でも中性脂肪が作られ、この2つが中性脂肪の大きな供給源となぅている。
中性脂肪がスムーズに分解されればHDL(善玉)コレステロールに変わるわけだが、スムーズに分解されなければ、中性脂肪を大量に抱えこんだLDL(悪玉)コレステロールが増えてしまう。
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「会食という点で、飲食することは、肝臓が悪い方には決しておすすめはしません。ですが、飲食自体が腎臓に対して、悪影響を及ぼす可能性は低そうです。むしろ缶ビール1本程度、日本酒1合程度を習慣的に飲んでいるほうが、慢性腎臓病は発症・進展しにくいとされています。脂っこい食事のみならず、おつまみになるようなしょっぱいものをたくさん食べたり、不眠になったり、アルコール摂取以外のリスク・ファクターを抱えることになりますので、ぜひとも節酒で健康的な会食をお願いします。どうせ飲むなら、1日で唯一最高で1杯で終わってください」 (永井准教授)

自分にどのような病気の可能性があり、臓器の機能がどのくらいあるのかを健康診断や人間ドックを通して把握しておくことが、楽しみのある日々の生活を送るには大切だといえるかもしれない。

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どうでもいい、じじぃの日記。
生活習慣病とは、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」をいう。
慢性腎臓病の主な原因は、糖尿病と高血圧だ。
慢性腎臓病の症状としては、夜間の排尿、疲労、吐き気、かゆみ、筋肉のけいれん、呼吸困難、足のむくみ、食欲不振などがある。

脂っこい食事は避け、節酒しよう

人工透析は、腎臓に代わって血液中の余分な水分や老廃物を取り除き、血液をきれいにする治療法だ。

この頃、毎日のようにコンビニに行くようになった。
「からあげ」がうまい。
なぜか、コンビニ店のコーヒーがやたらとうまい。
まあ、この習慣がクセになってしまった。
人工透析は嫌だなあ。
トホホのホ。

じじぃの「歴史・思想_638_逆説の日本史・中華民国の誕生・科挙」

科挙からみる中国史 ~史上最難関試験~【一話完結】

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=xDjyvC8lUaE

科挙の合格者発表


科挙

ウィキペディアWikipedia) より
科挙(かきょ)とは、中国で598年 - 1905年、即ち隋から清の時代まで、約1300年間にわたって行われた官僚登用試験である。同様の制度は中国だけでなく、日本、朝鮮、ベトナムにも普及した。

建前上、受験資格に制限のない科挙ではあったが、科挙に合格するためには幼い頃より労働に従事せず学問に専念できる環境や、膨大な書物の購入費や教師への月謝などの費用が必要で、実際に受験できる者は大半が官僚の子息または富裕階級に限られ、士大夫の再生産の機構としての意味合いも強く持っていた。ただし、旧来の貴族の家系が場合によっては六朝時代を通じて数百年間も続いていたのに比べ、士大夫の家系は長くても4代から5代程度に過ぎず、跡取りとなる子が科挙に合格できなければ昨日の権門も明日には没落する状態になっていた。また幕友として働きながら受験する者もいた。

科挙に合格して官僚となることは、本人のみならずその宗族にとっても非常に重要な意味を持ち、「官本位」と呼ばれる権力中心の中華王朝社会では一人の人間が官僚となり政治権力の一部となることは本人だけでなくその者の宗族に莫大な名誉と利益をもたらす。そのため宗族は「義田」という共同財産を使い「義塾」を開いて子弟の教育を行って宗族から一人でも多くの科挙合格者を出すことに熱心であった。

清朝末期に中国が必要としていた西洋の技術・制度は、いずれも中国社会にはそれまで存在しなかったものばかりであり、そこでの常識だけでは決して理解できるものではなかった。中国が植民地化を避けるために近代化を欲するならば、直接は役に立たない古典の暗記と解釈に偏る科挙は廃止されねばならなかったのである。

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『逆説の日本史 27 明治終焉編 韓国併合大逆事件の謎』

井沢元彦/著 小学館 2022年発行

第2章 「好敵手」中華民国の誕生 より

中華民族が2500年持ち続けた「人間は平等では無い」という信念

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」は福澤諭吉の『学問のすゝめ』の冒頭の音場としてあまりにも有名だが、この続きを知る人は少ない。まず、この言葉を受ける一句に注目していただきたいのだ。それは「といへり」なのである。現代語に訳せば、「とは言うけれども」なのである。お気づきだろうが、このように文章をつなげば当然その後に続く文章は、その前の文章とは反対の内容を語ることになるはずだ。つまり、「人間は完全に平等である」の反対である。実際、この「といへり」の直後は「人間は平等」を補足する言葉なのだが、その少し先に「されども」という接続詞があって次のようになっている。

  されども今、広くこの人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、貧しきもあり、富めるもあり、貴人もあり、下人(げにん)もありて、その有様雲と泥どろとの相違あるに似たるは何(なん)ぞや。その次第、はなはだ明らかなり。『実語教(じつごけう)』に、「人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」とあり。されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり。また世の中にむずかしき仕事もあり、やすき仕事もあり。そのむずかしき仕事をする者を身分重き人と名づけ、やすき仕事をする者を身分軽き人といふ。すべて心を用い、心配する仕事はむずかしくして、手足を用うる力役(りきえき)はやすし。ゆえに医者、学者、政府の役人、または大なる商売をする町人、あまたの奉公人を召し使う大百姓などは、身分重くして貴き者といふべし。
        (『学問のすゝめ』伊藤正雄校注 講談社刊)

おわかりだろう。実社会において「人間は平等では無い」と福澤は述べているのだ。では、そんな社会でどうしたら浮かび上がることができるのだろう。その答えもある。

  身分重くして貴ければおのずからその家も富んで、下々(しもじも)の者より見れば及ぶべからざるようなれども、その本(もと)を尋ぬればただその人に学問の力あるとなきとによりてその相違も出来たるのみにて、天より定めたる約束にあらず。諺(ことわざ)にいわく、「天は富貴を人に与へずして、これをその人の働きに与うる者なり」と。されば前にも言える通り、人は生まれながらにして貴賤・貧富の別なし。ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人(げにん)となるなり。
        (引用前掲書)

あらためて解説するまでも無いだろうが、要するに最初はみんな平等なはずの人間に格差が生じるのは、学問を修めたか修めなかったかによって決まる、というのである。
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ここで重要なのは、「経書の中の格言を妙録」したという部分である。『経書』とは「中国古代の聖賢の教えを述べた書物。儒教の経典。儒教の経典。 四書・五経・十三経の類。経籍」(『デジタル大辞泉』)
だから、じつはこうした考えのオリジナルは儒教にあるのだ。と言っても朱子学では無い。朱子学がうまれたのは日本における鎌倉時代以降だから、平安時代に成立した『実語教』の内容は孔子の教えである古い形の儒教に沿ったものなのである。その孔子の言行録である『論語』をあらためて読んでみればわかることだが、じつは『学問のすゝめ』を声高に唱えているのはそもそも孔子が元祖であり、福澤の主張はそのうの受け売りに過ぎない。しかし、福澤にもオリジナリティーはちゃんとある。それは、中国大陸や朝鮮半島では後に朱子学の悪影響で、朱子学以外は学問で無いということになってしまった。だからすでに述べたように孫文は「無学の人」にされてしまったのだが、ここで福澤が述べている学問とは西洋の学問のほうであって朱子学では無い。むしろ朱子学のようなものは捨てるべきだと福澤は考えており、だからこそのちに「脱亜入欧」も主張した。つまり、なにを学問とするかについて福澤はあきらかに新しい考え方を述べている。しかし、その根本にあるのは「実社会において人間は決して平等では無い」という、世界でもっともリアリスティックな民族と言っていい中華民族、あるいは漢民族または中国人と言い換えてもいいが、彼らの根本的信念なのである。人間は決して平等では無い。逆に言えば、優秀な人間と無能な人間が両方いるのが人間社会である。ではそうした人間社会をどのように効率的に的確に運営していけばいいのか?

こうした社会的前提を絶対的なものにすれば、答えは1つ。優秀な人間を選抜して彼らがそれ以外の愚かな大衆を指導していけばいい、ということになる。その合理的な遠別手段として考案されたのが、儒教そしてのちには朱子学を受験科目とする「国家公務員登用試験」である科挙だ。
そしてこの試験は、身分を問わず誰でも受験が可能である。ということは、社会制度としての公平性も保たれる。彼らは、この社会的体制こそ世界に他に類例を見ない合理的で優秀なものだと考えた。だからこそ、それが実施されている場所こそ「中華の地」つまり世界でもっとも優れた中国であり、中国人こそ最高の文明人であるという自負も生まれた。

じじぃの「生活習慣病・啓発映画・糖尿病の不都合な真実!不老不死の研究」

糖尿病の不都合な真実 【映画】

一般社団法人予防医療普及協会
動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=i6ETHFAhtkE


糖尿病が悪化して、足を切断せざるをえない状態にならないために。介護職員でもできるケアを伝授します。

OG介護プラス
万病のもとと言われる糖尿病ですが、糖尿病によって起こる合併症として意外と知られていないのが、下肢壊疽(えそ)です。
足に治りにくい傷ができ、最悪、下肢を切断せざるを得ない状態にまで悪化してしまう、恐ろしい状態です。
●毎日の足のチェック
フットケアにおいて一番大切なこと。
それは、毎日の足のチェックです。
新しい傷ができていないか。
靴がずっと当たることで、継続して赤くなっている部分はないか。
これらの小さな変化は、毎日観察していなければ見つけることができません。
毎日必ずチェックをすることで、小さな変化に気づくことができ、早期に対応することが可能となります。
https://ogw-media.com/kaigo/cat_human/938

『不老不死の研究』

堀江貴文・予防医療普及協会/著 幻冬舎 2022年発行

第3章 生活習慣病「糖尿病」「腎臓病」なき世界 より

糖尿病と足の老化

2000万人が糖尿病!? 恐るべき「サイレントキラー」

糖尿病は今や日本の「国民病」と言い切っていい。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(12019年)によると、「糖尿病が強く疑われる者」の割合は男性が19.7%、女性は10.8%に達する。日本人の6人に1人(2000万人)が糖尿病、または糖尿病予備群なのだ。

新型コロナウイルスパンデミックを受け、厚生労働省は2020年も2021年も「国民健康・栄養調査」を実施していない。コロナ禍で自粛生活が半強制され、自宅に引きこもる人々に過食&運動不足&ストレスのトリプルパンチが重なった。次に「国民健康・栄養調査」を実施したら、糖尿病の病態が悪化している人がグンと増えているかもしれない。
2000万人が糖尿病にかかっている可能性があるのに、ほとんどの人が糖尿病の実態を知らない。なぜか。糖尿病は深刻な合併症があらわれるまで、ほとんど自覚症状がないまま進行していくからだ。
そのため糖尿病は「サイレントキラー」と呼ばれる。気づかないうちに肉体がじりじりと蝕(むしば)まれ、「しまった!」と思ったときには手遅れなのだ。

啓発映画「糖尿病の不都合な真実」を作ってみた

中高年になっても早朝の30分ウォーキングを日課にしているとか、夕方にイヌの散歩を毎日している人もいる。普段から気をつけて、生活の一部に運動を取り入れている人は素晴らしい。
地方都市で暮らす高齢者は車移動が多いから、都会の住人に比べて自分の足で歩く機会がすくない。どうすればすべての日本人に運動を促せるのだろう。

スマホ歩数計アプリで毎日の歩数を記録し、1日1万歩を連続で達成した人にはアプリを通じてマイル(ポイント)をプレゼントする。チャリティイベントに引っかけた地域起こし、町起こし事業など、みんなで楽しみながら歩くことが重要だ。
埼玉県立浦和高校のように、7時間がかりで50キロの道のりを全生徒が歩く「強歩大会」を伝統としている学校もある。こういうイベントを田舎町で企画し、制限時間内にゴールした人には景品をプレゼントするのもいいと思う。

  「子どもが肥満児の家庭は、親も肥満であることが多いです。スナック菓子が好きな子どもは、親とジャンクフードやお菓子が大好きなことが多いものです。家庭環境を変えないことには、糖尿病予備群を減らすことはなかなかできません。糖尿病は生活習慣病と呼ばれるとおり、人間の生活習慣はそう簡単には変えられないものです。患者さんの中にはアドヒアランス(adherence=治療や服薬の方針に患者が積極的に協力し、治療を受けること)が低い方がいますので、その方々が積極的に治療に取り組めるような方法も考えなくてはいけません。『糖尿病の不都合な真実』のようなショッキングな映像を見せるのも1つの方法ですが、ショックのあまり怒り出してしまう人もいるくらいです」 (富田医師)

糖尿病の怖さを多くの人に伝えるため、映画「糖尿病の不都合な真実」は敢えて恐怖を煽るショッキングを映像を増やした。「小中学生には刺激が強すぎる」と言う人もいるが、私は子どもにもこのショートムービーを観てもらいたい。小さいころから糖尿病の怖さを記憶に刷りこみ、行動変容を促すことが重要だからだ。

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どうでもいい、じじぃの日記。
生活習慣病とは、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」をいう。

糖尿病が悪化して、足を切断せざるをえない状態にならないために

まあ、年をとると血の巡りが悪くなり、足の毛細血管にまで血が行き届かなくなるのだろう。

この頃、お風呂に入ると、足先が少し痛むような感覚が起こる。
これは暖められることで、足の毛細血管が驚いているんだろうな。
体には、お風呂への入浴は薬のようなものなんだろうなあ。
足の切断は嫌だなあ。
トホホのホ。

じじぃの「歴史・思想_637_逆説の日本史・中華民国の誕生・北京議定書」

北京議定書の調印式の写真

北京議定書

2019-07-15 世界の歴史まっぷ
●北京議定書(辛丑和約) 1901
義和団事件に関する清朝と11ヵ国(出兵8ヵ国(日本・ロシア・イギリス・フランス・アメリカ・ドイツ・オーストリア・イタリア)とベルギー・オランダ・スペイン)との講和条約
清朝は、責任者の処罰、賠償金4億5000万両テールの支払い、北京公使館区域および特定地域への列国軍隊の常駐などを承認した。
https://sekainorekisi.com/glossary/%E5%8C%97%E4%BA%AC%E8%AD%B0%E5%AE%9A%E6%9B%B8/

『逆説の日本史 27 明治終焉編 韓国併合大逆事件の謎』

井沢元彦/著 小学館 2022年発行

第2章 「好敵手」中華民国の誕生 より

清朝打倒を望む多くの清国人がめざした「駆除韃虜、恢復中華」

恵州起義(恵州で清朝打倒の戦い)は失敗したのに、なぜ清国人の革命運動に対する評価は高まったのか? ごく簡単に言えば、それは「敵失」だったろう。清朝の腐敗堕落があまりにひどく、「君君たらずとも臣臣たらざるべからず」が根本道徳である清国人も我慢の限界に達したということだ。この言葉は中国の古典『古文孝経訓伝序』にあるもので、意味はいうまでも無く「主君に徳が無く主君として不適格でも、臣下は忠節を尽くさなければならない」ということだが、思い出して欲しい。清朝最後の忠臣とも言うべき李鴻章が苦心して築き上げた北洋艦隊は、なぜ弾薬不足に悩まされたのか? 国家にカネが無かったのでは無い。そのカネを実質的な「皇帝」であった西太后が自分の贅沢のために浪費し、艦隊に回さなかったからである。明治天皇が皇室の費用を艦隊充実に回したのとくらべれば、まさに天と地、月とスッポンの違いである。しかも、義和団事件においても西太后は当初義和団を支持していたのに。劣勢になると手のひらを返し、あげくの果ては北京から西安まで逃げ出したうえに、列強に多額の賠償金を取られた。李鴻章が最後の力をふり絞ってまとめた講和条約(辛丑和約)で決まった北京議定書では、4億5千万両を列国に年利4パーセントで39年間の分割払いで支払うことが決まった。この6年前には日清戦争の敗北で日本に2億3千万両支払ったばかりなのに、である。当然、そのツケは重税となり庶民にまで回ってくる。

また忠義を絶対視する朱子学の視点から見ても、西太后は皇帝を差し置いて勝手な政治をしている真の君主とは言えない存在である。それでもその政治が清国いや「中国人」全体にとって良いものであるならまだしも、そうでは無いのだからますます忠誠心が薄れる。さらに、漢民族遊牧民族に対する根深い差別というか優越感もあった。つまり、「あんな野蛮な連中が皇帝となっているのは真の中国では無い。だからうまくいかない」ということだ。高等教育以上はアメリカで学び「中国人」の中ではもっとも民主的センスをもっているはずも孫文も、そうした優越感というか差別環状には「迎合」せざるを得なかった。
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それにしても改めて思うのは、日本における天皇はいかに貴重な存在であったかということだ。吉田松陰らが中心となって(これも朱子学の応用ではあるのだが)天皇を絶対者(私の用語では「平等化推進体」)に押し上げたことによって、近代国家に絶対必要な「四民(士農工商)平等」も「忠孝一致」も実現した。忠孝一致とは以前にも述べたことだが、わかりにくいことだからもう一度繰り返すと、本来の朱子学では「孝」は「忠」に優先する。極端なことを言えば、いや決して極端では無いのだが、軍人でも親孝行のためなら戦場から離脱して実家に帰っても非難されない、ということだ。しかしそれでは市民国家(市民すなわち男子がすべて兵役を果たし、国家のために忠誠を尽くす)は実現できない。そこで日本では、「国民はすべて天皇の赤子(せきし、子供)であり、親に対する『孝』と天皇に対する『忠』は等価値だ」ということにした。

しかし、朱子学体制の本場である中国大陸や朝鮮半島ではこれが不可能だ。皇帝や国王は絶対者のように見えるが、「親に対する『孝』を捨てて国家に対して『忠』を尽くせ」という命令は絶対に出せない。「『孝』のほうが絶対」だからだ。もしそんな命令を出したとしたら、その瞬間にその権力者は「失徳の君」になり、国民の支持を失い反乱が起きる。古くは孟子(もうし)もそうした君主は放伐(ほうばつ、追放あるいは討伐)してもよいと言った。このことは、逆に言えば、「有徳の君」であれば必ず忠節を尽くさなければならない、ということになる。
ちなみにもう1つ重要な指摘をしておけば、孔子より数えれば二千数百年、朱子から数えても千年近く絶対的名道徳規範として存在した「孝」より「忠」を、中国人民に優先させた権力者が中国歴史上ただ1人いる。それは毛沢東であり、紅衛兵という存在がそれを可能にした。詳しくは『逆説の世界史 第1巻 古代エジプト中華帝国の興廃』をご覧いただきたいが、そのために毛沢東は反対者を徹底的に粛清せねばならなかった。
ソビエトの独裁者スターリンがそうであったように、歴史上もっとも同胞を殺したのは毛沢東である。スターリン銅像ソビエト連邦の崩壊とともに破壊されたが、毛沢東の肖像や銅像は今もあらゆるところに飾られている。それどころか、国家を象徴する紙幣の肖像も毛沢東である。それは中国共産党政権下において、まさに日本における天皇のように本当の意味での絶対者になったのは毛沢東しかいないからだ。しかし、日本の天皇には長い伝統があるが中国には無い。だから毛沢東はそれを一代で作ろうとし文化大革命という「反対者皆殺し」という強硬策の成果で、「瞬間的」に一度は成功したのだが永続させることには失敗した。それを曲がりなりにもやろうとしているのが北朝鮮の金一族であり、さらには習近平がそれを狙っている。幸いにも日本はそんなことのために同胞を大虐殺する必要はない。日本という国がいかに恵まれているか、おわかりだろうか。逆に言えば、孫文がいかに苦労したか、わかっていただけただろうか。

じじぃの「科学夜話・iPS細胞・絶滅危惧種を救えるか?絶滅動物」

Northern White Rhinos - The last two females.

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=k5CM_xw_TNM

【2021年最新】絶滅危惧種に指定されている22種類の有名な動物を一覧で紹介

2021年 myethicalchoice.com
絶滅危惧種は、人間にあまり知られていない生き物だけではありません。動物園に足を運べば見ることができる有名な動物も、絶滅危惧種に指定されているんです。

今回は、数多く存在する絶滅危惧種の中から、意外にも絶滅危惧種に指定されている有名な動物13種を紹介します。
1.レッサーパンダ(VU)
2.ワオキツネザル(EN)
3.ホッキョクグマ(VU)
4.アジアゾウ(EN)
5.シロサイ(CR)
6.チンパンジー(EN)
7.モウコノウマ(EN)
8.マレーバク(EN)
9.ジャイアントパンダ(EN)
10.ソデグロヅル(CR)
https://myethicalchoice.com/journal/climate-change/endangered-species/

『絶滅動物は甦らせるべきか?』

ブリット・レイ/著、高取芳彦/訳 双葉社 2020年発行

第7章 ディ・エクスティンクションは、絶滅危惧種を救えるか より

科学的な装備

合成生物学は、生き物の生態を操作しやすくすることを主な目標としている。科学者は標準化された遺伝子パーツを斬新な手法によって細胞内でつなぎあわせることで、成体の働きの一環として、バイオ燃料や香辛料、香水、薬などの目当ての物質を生成させることができる。合成生物学は細菌用のソフトウェアを開発するのに少し似ている。細胞内でプログラムを走らせる専用ソフトだ。
ほかにも合成生物学者たちは、生き物の生態を理解することを目指し、生態から一から構築したり、機能的に必要最低限のところまで生物の部品を一つひとつ取り去ったりする(たとえば、微生物のゲノムから不要な遺伝子をすべて取り去り、生きるための機能が残りぎりぎりの状態にする)。合成生物学は、光学的思考を生物の世界に応用し、自然の営みに任せるだけではありえない新たな可能性を生みだす分野だ。絶滅を防ぐため長いあいだ奮闘してきた保全生物学者たちに比べれば、合成生物学は新参者ということになる。
保全生物学者と合成生物学者のグループが出会ったときに、最初のデートがうまくいけば、ひょっとしたら関係が続くのではないかという期待があった。そして、その関係が本当にうまく続けば、絶滅の危機に瀕した動物の赤ん坊がクローン技術で誕生するかもしれないという願望もあった。
両者の会話では、ディ・エクスティンクション(絶滅した動物の復活)のほかにも、気候変動の壊滅的影響に耐えられるようサンゴを改良することなどが話題に上った。

バイオテクノロジーキタシロサイを増やす

2015年12月、オーストリアのウィーンで開かれた会議では、ケナガマンモス再生計画と同じキタシロサイを救済する方法も提案された。

体細胞の一種である線維芽細胞を皮膚から採取して再プログラムし、人工多能性幹細胞(iPS細胞)をつくる技術である。すでに書いたとおり、iPS細胞は極めて未分化の状態に変身させられた細胞のことで、体をつくるほぼすべての種類の細胞に変化する能力がある。

科学者たちはすでに、ファトゥの皮膚から採取した細胞を使い、この方法で幹細胞をつくっている。次の段階は、その幹細胞に刺激を与えて精子と卵細胞に分化することだ。その精子と卵細胞を人工授精によってキタシロサイの胚にするのである。

マウスで成功は報告されているものの、サイでこの段階に成功した例はまだない。仮に胚ができたら、今度はそれを代理母に移植し、出産を目指すことになる。

ただし、キタシロサイの雌が2頭しかいないことや、どちらも生殖機能に問題を抱えていることを考えると、代理母にはマナミシロサイを選ぶ方が適切だろう。キタシロサイミナミシロサイが完全な別の種なのか、それぞれの亜種にあたるのかは議論が分かれているが、どちらにしても、サンディエゴ動物園サファリパークとオルペジェタ自然保護区にいるミナミシロサイの雌たちなら、妊娠と出産が期待できる。

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どうでもいい、じじぃの日記。

あなたにとって絶滅とは?

アフリカ中部に生息していたキタシロサイは、密漁や環境破壊によりケニアの施設で保護されているメス2頭しか生き残っておらず、最後の雄は2018年に死んでしまったため、自然繁殖ができません。
キタシロサイが絶滅することに何の意味があるのか。

絶滅することで、我々の住む環境が大きく劣化していることがあるのだそうです。

分かりやすい例をあげると、サンゴ。
実はサンゴって海の中でとても重要な役割を持っています。たとえば、海の生き物の4分の1はサンゴを棲み家にしていて、サンゴが絶滅すると海洋生物の過半数がなくなると言われています。
また、二酸化炭素を吸収し、熱帯雨林に匹敵するほどの二酸化炭素を体内に留めているとも。つまり、私たちの豊かな食生活だけでなく、地球温暖化からも守ってくれているのです。

キタシロサイを絶滅から救うには
大阪大学の研究グループは、絶滅危惧種キタシロサイのiPS細胞から精子卵子のもとになるPGC様細胞を作り出すことに成功したと発表しました。
野生動物からPGC様細胞を作り出したのは、世界で初めてだということです。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000279216.html

じじぃの「歴史・思想_636_逆説の日本史・中華民国の誕生・李鴻章」

北京の55日 予告編

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=mja-v2VSUo0

北京の55日(55 Days at Peking)


北京の55日

ウィキペディアWikipedia) より
『北京の55日』(55 Days at Peking)は、1963年に製作・公開されたアメリカ合衆国の映画。
清朝末期に義和団の乱が起こり、首都北京に義和団が押し寄せて、外国人居留区が包囲されて11ヵ国の居留民が籠城して55日間を戦った物語を描いている。ニコラス・レイ監督で主演はチャールトン・ヘストンエヴァ・ガードナーデヴィッド・ニーヴン。音楽はディミトリ・ティオムキン
【あらすじ】
清王朝1840年阿片戦争以来国力が衰えて、欧米列強によって半植民地化され、さらに1894年の日清戦争に敗れて国内は混乱していた。1900年、国内に大規模な宗教団体である義和団が暴力による外国勢力排斥の行動を起こしていた。義和団が北京に迫ってくる前に、アメリ海兵隊のマット・ルイス少佐(チャールトン・ヘストン)は配下の部隊を引き連れて北京に到着し、北京市内を行軍中に不穏な動きに遭遇した。

やがて北京市内を散歩していたドイツ公使が襲撃され殺される。この現場を見たルイス大佐は現場近くで端郡王が公使の殺害を命じている所を目撃した。すぐに英国公使アーサー・ロバートソン卿(デヴィッド・ニーヴン)は西太后に抗議したが言葉巧みに取り上げず、事態は何も解決せず、逆にその帰途に民衆から突き上げを受けるのであった。そして1900年6月20日義和団がついに攻撃を開始して北京の外国公使館地区に押し寄せて包囲した。この時に北京の公使館地区に住む11ヵ国(イギリス・アメリカ・ドイツ・フランス・イタリア・ロシア・ベルギー・オランダ・スペイン・オーストリアハンガリー・日本)の軍人及び家族や婦女子を守るため、11ヵ国の軍が合同して自衛にあたり全員が籠城した。
西太后は北京を一時退去し、清朝の行く末が短いことを感じ取っていた。ロバートソン公使は故国へ帰ることになり、ルイス少佐は部下を率いて北京を去ることになった。公使とお別れの挨拶をした後に、少佐はテレサを馬上に乗せて部隊とともに北京を去って行った。

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『逆説の日本史 27 明治終焉編 韓国併合大逆事件の謎』

井沢元彦/著 小学館 2022年発行

第2章 「好敵手」中華民国の誕生 より

伊藤内閣成立で「無かったこと」にされた孫文の「奇策」

さて、孫文宮崎滔天犬養毅孫文とは滔天を通じて知り合った)と初めて会ったのは1897年(明治30)のことだったが、滔天を通じて大アジア主義の大物頭山満ともつき合うようになった。大アジア主義とは、幕末から明治にかけて勝海舟が唱えた日本、中国、朝鮮の3国がアジアの同志として欧米列強に対抗していこうという構想を、アジア全体に拡大しようとしたものだが、頭山の構想ではその盟主となるべきは日本であり天皇であるべきだった。したがって、朝鮮を併合したのは正しく最終的には中国も日本に従うべきだという考え方になる。それに対して孫文は、同じ形の構想でもあくまで日本よ中国は対等に同盟すべきで日本は中国を支配下に置くなどと考えるべきではない、という発想だった。本音を言えば漢民族優越論者である孫文は、最終的には中国が盟主になるべきだと考えていた可能性もある。先に述べたように、孫文も決して中華思想から自由ではなかったからだ。しかし、この段階では腐敗し老朽化した清国を倒すのが先決であり、それに協力してくれるならあらゆる勢力を受け入れるという形にならざるを得なかった。

ところで、孫文は日本亡命以降「中山」という号を用いて孫中山と名乗るようになるのだが、そうなったきっかけは亡命中にくらしていた場所の近所の表札で見かけた「中山」の苗字を気に入り、日本人としての変名を「中山樵(なかやまきこり)」と名乗っていたからである。さまざまな問題があるとは言え、孫文親日家であったことは疑いの無い事実である。
しかし、革命への道のりは長かった。この後、1900年(明治38)に孫文は2つの計画を立案し実行しようとした。広東独立運動と恵州(けいしゅう)起義である。恵州起義は革命のオーソドックスな方法である地方からの武装蜂起だが、広東独立運動のほうは清王朝という特別な体制下で考えられた「奇策」と言うべきものだった。なんと、清朝重臣である李鴻章(りこうしょう)を口説いて広東に独立政府を樹立し、その独立政府の首班に孫文が就任し支持を集めて革命を広めていこうというものだ。清王朝最高の切れ者と言うべき李鴻章は、当時広東方面の総督(正確には両広<広東省と広西省>総督)だった。つまり左遷されていた。李鴻章は日本の実力を見抜き日清戦争開戦に反対し、予測どおり日本に負けた後は下関(しものせき)で講和の全権大使も務めたのだが、清朝は彼の功績を賞賛するどころか敗戦の責任をすべて押しつけた。だから左遷されていたのだ。「なぜ」という疑問には、「それが中華帝国」というもので「腐敗し老朽化した」というのはこのことだ、と答えるしかあるまい。「滅ぶべくして滅ぶ」国と評してもいいだろう。清国海軍の主力である北洋艦隊は李鴻章が作ったものだが、日本と戦っている時も弾薬不足に悩まされていた。予算が無いのではない。西太后が予算を浪費していたのだ。それでも日本に敗れた時北洋艦隊の最高司令官丁汝昌(てい‐じょしょう)は日本からの亡命の誘いを振り切って服毒自殺した。「西太后に申し訳ない」からである。繰り返すが、それが「中華帝国」というものなのだ。「君君たらずとも臣臣たらざるべからず」ということだが、それでは欧米列強にも日本にも絶対勝てない。
そこで、イギリスから派遣されていた香港総督サー・ヘンリー・アーサー・ブレイクが動いた。李鴻章に広東独立を勧めるとともに、孫文との間を仲介したのである。イギリスにとって清国内に自国の影響力が強い独立政権ができれば利権の確保にも都合がよいし、ライバルのロシアを牽制できる。孫文にとっても、とにかく独立政権が1つでも清国内にできることは革命の成功につながる。だから孫文は、滔天とともに李鴻章tの会談に応じた。
このことは、滔天の自伝である『三十三年之夢』にも記されている。重要なのは、清朝の「臣」である李鴻章が一度はその気になったということである。本来ならこれは反逆であり絶対に許されないことだが、それを決意しなければ孫文と決して会談したりしない。なにしろ孫文は最初の広州起義(1895年)以来の「お尋ね者」であり、清国官憲に逮捕されたら死刑は免れない。だからこそ滔天が心配してついてきたのだ。ところが、この広東独立計画は結局挫折した。
あの「北京の五十五日」、つまり義和団事件が起こったのが原因だった。前に述べたとおり、西太后は最初のうちは義和団を公式に支持しながら、列強連合軍の反撃で敗北が確定すると手のひらを返して討伐を命じた。そして各国との講和協定の全権に「困ったときの李鴻章」を起用した。彼はこの時当時としては老齢の域に達していたのだが、「最後のご奉公」とばかりに北京に戻り1901年に北京議定書をまとめ上げ、その2ヵ月後に死亡した。78歳だった。文字どおり最後の力をふりしぼり結局は忠臣として死んだわけで、当然ながら広東独立計画は「無かったこと」になった。
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日本陸軍からは軍事顧問として将校を派遣するというところまで話が進んでいたのである。もちろんこの話は孫文ら革命派に対する日本の好意というよりは、イギリスと同じで中国大陸に日本の援助に基づく政権ができれば日本の大きな国益につながるからである。
しかし、その年の10月になって山県内閣が総辞職し第四次伊藤博文内閣が成立すると、話は180度変わった。伊藤は、この後に起こる日露戦争にも最後まで反対した人間である。このような形で外国の内政に干渉することを好まなかった。結局、伊藤首相は革命派に対する援助をすべて停止せよと命じた。

じじぃの「科学夜話・クリスパー・マンモスは甦らせられるか?絶滅動物」

Frankenstein Official Trailer #1 - Boris Karloff Movie (1931) HD

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=AkSbwiKP3mo

寒さに耐えるシベリアのトロゴンテリーゾウ


積み重なる技術的な課題:マンモス復活計画が始動 気候変動対策の切り札?

2021/10/9 日経ナショナル ジオグラフィック社
コロッサルの最終目的は、十分な数のカギとなる遺伝子を操作して、マンモスのように北極圏の寒さに適応する「代用」種のゾウをアジアゾウから作ることだ。

また、マンモスの遺伝子をアジアゾウのDNAに挿入するときには、多くの遺伝子を一度に改変する必要がある。この点に関してチャーチ氏の研究室では、別の動物を使って研究を重ねてきた。これまでに、ブタの臓器を人間への移植に利用するため、「クリスパー・キャス9(CRISPER-Cas9)」と呼ばれる遺伝子編集技術を使って、ブタのゲノムを数十ヵ所1度に改変することに成功している。

古代のマンモスに関する研究では、マンモスにもゾウとよく似た社会的特徴があったことが示されている。では、初めて誕生するマンモスとゾウのハイブリッドは、どのように扱い、交流させればよいのだろうか。将来形成されるであろうハイブリッドの群れは、北極圏でどのようにして生きることを学び、マンモスのような自分たちの文化を一から作れるというのだろうか。
https://style.nikkei.com/article/DGXZQOUC2167U0R20C21A9000000?page=3

『絶滅動物は甦らせるべきか?』

ブリット・レイ/著、高取芳彦/訳 双葉社 2020年発行

第1章 ディ・エクスティンクションの方法 より

いにしえの琥珀の奥深くに

ジュラシック・パーク』はとても魅力的な物語だが、小説にしろ映画にしろ、科学に影響を及ぼすことはなかった。現実はどうかといえば、見方によってずっと恐ろしくもなれば、ずっとつまらなくもなる。恐ろしく感じる理由は、ディ・エクスティンクション(絶滅した動物の復活)が可能になりそうなことだ。そうなれば、再生させる動物の福祉や、再生種の導入先となる貴重な自然環境に対する責任を全面的に人類が背負うことになる。つまらなく感じる理由は、結局のところすべて計画どおりに進み、意外性に欠けるかもしれないからだ。

クリスパーの危険な利用を防ぐ

クリスパーによって、安く簡便なゲノム設計と、精密医療と、遺伝子救済が可能な新時代が訪れる一方、この技術が好ましくない使われ方をするのではないかと懸念する声も大きい。ダビデ像のような筋肉と最高の知性を兼ね備え、トップアスリートに育つような「デザイナーベビー」が生み出されるという不安は大きく、それを理由にクリスパーの規制を主張する人も多い。我が子の背丈を選べるとしたら、高身長と低身長、どちらがお好みだろうか。
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きょう、私がこの文章を書いているあいだ、遺伝学者ジョージ・チャーチ博士の研究所の科学者たちはクリスパーを使って古代のケナガマンモスのDNAを編集し、現在種のゾウの細胞に注入している。ヒト細胞におけるクリスパーの用途は多岐にわたるが、それらを禁止すべくかどうか議論しているうちに、分子はさみはチャーチのような研究者たちに研ぎ澄まされ、さらに幅広い用途に使えるようになっているのだ。科学者たちは、クリスパーを使って人間の細胞内で遺伝子を移動させたり、絶滅種から現存種の細胞に遺伝子を移し替えたりする技術を高めている。今後、道徳的に受け入れにくいと考える人がいるような実験への応用にも、さらに習熟していくかもしれない。

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どうでもいい、じじぃの日記。
1月16日、NHK 山中伸弥スペシャル 「iPS細胞と私たち!ヒューマニエンスQ」を観た。
こんなことを言っていた。
  万能細胞から iPS細胞になるのは受精から数日後である。
  実はiPS細胞から受精卵に戻る技術はまだ確立していない。

  京都大学の斎藤通紀教授は、マウスES細胞やiPS細胞から、精子卵子に貢献する始原生殖細胞様細胞の試験管内誘導に成功した。
  始原生殖細胞・・・生殖細胞のもとになる細胞。メスでは卵子に分化し、オスでは精子に分化する
  マウス→iPS細胞→始原生殖細胞→受精→マウスの誕生。
  健康そのものだ。
  人間に置き換えてみたらどうだ。
  iPS細胞から人間ができてしまうのだ。
  山中伸弥、「現在、ヒトiPS細胞から生殖細胞を作成する研究が行われている。人間に対しては倫理的課題が生じる。どこかの国がこっそりと人間を作ってしまう可能性がある」
   
人間の皮膚などから、精子卵子を作り受精させ子どもを作るのは、もはや時間の問題なのだそうだ。

ノーベル文学賞を受賞者の日系英国人作家・カズオ・イシグロの作品『わたしを離さないで』を思い出してしまった。
こんな内容だ。
  クローン人間が主人公である。クローンとして生まれたキャシーとトミーの運命は、若く健康なまま臓器提供することであり、それは彼らの死を意味する。しかし彼らはなぜか、その運命を受け入れているように見える。逃げもせず、集団で造反もしない。彼らは、自分の運命(人工的に生まれたという負い目)を受け入れてしまっているのだ。

絶滅動物は甦らせるべきか?

きちんと研究のプロセスと結果を報告することが大前提だが、こっそりと人間を作ってしまう国があるらしい。