じじぃの「科学・地球_36_世界史と化学・麻薬・覚醒剤・タバコ」

The Isolation of Natural Products: Morphine and Other Alkaloids

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=xnM2hTXd1vE

Poppy seeds

10 Amazing Health Benefits of Poppy seeds

Trust The Herb
Known for their nutty taste and unique aroma, Khus Khus or poppy seeds are one of the popular ingredients that finds a place in numerous cuisines across the world. But this popular ingredient is more than just a flavour enhancer.
These seeds have been mentioned in ancient Ayurvedic for its numerous health benefits. These seeds are rich in essential minerals and omega-6 fatty acids that benefit our health. From sleeplessness to digestion problems, poppy seeds have so many health benefits.
https://trustherb.com/10-amazing-health-benefits-of-poppy-seeds/

アルカロイドとは コトバンク より

植物体に存在する、窒素を含む特殊な塩基性成分の総称。
一般に、少量で動物に対して強い生理作用をもつ。ニコチン・モルヒネ・コカイン・アコニチン・キニーネなど。植物塩基。

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ダイヤモンド社 絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている 左巻健男(著)

【目次】
1  すべての物質は何からできているのか?
2  デモクリトスアインシュタインも原子を見つめた
3  万物をつくる元素と周期表
4  火の発見とエネルギー革命
5  世界でもっともおそろしい化学物質
6  カレーライスから見る食物の歴史
7  歴史を変えたビール、ワイン、蒸留酒
8  土器から「セラミックス」へ
9  都市の風景はガラスで一変する
10 金属が生み出した鉄器文明
11 金・銀への欲望が世界をグローバル化した
12 美しく染めよ
13 医学の革命と合成染料

14 麻薬・覚醒剤・タバコ

15 石油に浮かぶ文明
16 夢の物質の暗転
17 人類は火の薬を求める
18 化学兵器核兵器
https://www.diamond.co.jp/book/9784478112724.html

『絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている』

左巻健男/著 ダイヤモンド社 2021年発行

14 麻薬・覚醒剤・タバコ より

麻薬の王様ケシ

アヘン(阿片)は、ケシの未熟な果実から採れる乳液を乾燥させた茶褐色の粉末で、モルヒネを多量にふくみ、代表的麻薬の一種である。
また、ケシの原産地はヨーロッパ、北アフリカとされるが、シュメール人はケシを「喜びの花」と呼んでいたともいわれ、その歴史はきわめて古い。紀元前1500年代の古代エジプトで医学について書かれた『エーベルス・パピルス』に、幼児がひどく泣くときはケシのシロップを与えるとよいと記されていた。

歴史上に現れる麻薬は、天然の植物から採るものであり、ケシ、コカ、大麻の3種類の植物が知られている。そのなかでも、ケシからはアヘン・モルヒネ・ヘロインなどがつくられ、麻薬界の王様と呼ばれている。

なお、ケシの未熟果実に縦に傷をつけると白い乳液がにじみ出てくるが、乳液はほどなく茶褐色になる。これが「アヘン」だ。アヘンアルカロイドと総称されるさまざまな化合物がふくまれているあ、その代表的なものの1つがモルヒネである。
ケシは、苗が大きくなり、種が成長するまで高温・高湿度が必要であり、その後は乾燥が必要だったために、バルカン半島小アジアアナトリア)、イラン、インドなどで栽培され、イスラム商人の代表的な商品の1つとなった。

アヘンは薬だった

アヘンは中枢神経を麻痺させることで、激しい痛みを抑えしずめる、激しい咳発作を抑えしずめる、下痢を止める、催眠および麻酔補助の目的で使用される。効果はモルヒネと同様であるが、作用はおだやかで効き目は遅い。副作用として悪心、嘔吐、頭痛、めまい、便秘、皮膚病、排尿障害、呼吸抑制、昏睡など慢性中毒を起こし、乱用すると廃人同様になる。
    ・
ヘロインはケシから採ったアヘンにふくまれているモルヒネを化学的に加工してつくる。アスピリンをつくったことで有名なドイツの化学会社バイエルが、1897年に中枢神経を麻痺させる薬として開発した。その効き目がずば抜けていたことから、ドイツ語の「ヘロイュシュ=英雄的」という言葉より「ヘロイン」と名づけられたのである。

アヘン戦争

アヘンをめぐる争いが世界の資本主義に大清帝国を組み込んだ。アヘン戦争(1840~1842)は、アヘン密貿易取り締まりを強行した清に対し、イギリスが行った侵略戦争だ。
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1775年から1783年までのアメリカ独立革命における敗北でイギリスの財政は苦しくなり、自国の保有する銀が不足し始める。清との貿易に用いる銀の不足に悩んだイギリスは、東インド会社がインドのベンガル地方でのケシ栽培の独占権を持っていたことから、アヘンを清に密輸することを画策する。
インドからイギリスの収入のうち、20パーセントがアヘンになったのである。「大英帝国を支えたのはアヘンであった」という言葉があるが、これはあながち大げさな表現とはいえないだろう。
清は、アヘン貿易禁止令を出した。多くの清の官僚が賄賂をもらってアヘン売買を黙認したために、アヘン吸引の習慣が急速に広まる。1830年代の半ばには、吸飲者数は200万人を超えた。1831年以降、アヘン購入のために大量の清の銀が海外に流出することになる。銀価は2倍に上昇した。そのため、税を銀で納めなくてはならない農民の生活破綻が一挙に進行した。
そこで清は、アヘン厳禁派の官僚林則徐を広州に派遣し、1425トンのアヘンを没収・焼却し、アヘン貿易の厳禁を言い渡した。反発したイギリスは、1840年アヘン戦争を開始する。軍艦16隻をふくむ40数隻の遠征軍を中国に派遣したイギリス軍は厦門(あもい)・寧波(ニンポー)などを攻撃し、1842年には上海・鎮江を落とし、南京に迫った。
ついに、清は降伏して南京条約に調印する。条約の内容は、上海などの5港の開港、戦争費用および没収したアヘンの代金600万ドルの補償、香港のイギリスへの割譲と清にとっては、大変に厳しいものとなった。
戦後も清のアヘン輸入は増え続ける。相次ぐ銀価格の上昇で民衆生活はさらに悪化し、1851年、洪秀全を指導者とする太平天国の乱が起こった。反乱軍は一時、清の南半分を支配するほどの猛威を振るった。清の正規軍「八旗(はっき)」は反乱を鎮圧できず、曽国藩や李鴻章などの漢人官僚が組織した義勇軍(郷勇)が、1864年にようやく太平天国を鎮定した。
この乱で清が分裂すると、イギリスはフランスを誘ってアロー戦争(第二次アヘン戦争)を起こし、利権の拡大を目指す。また、世界規模の自由貿易実現を目指して1860年に北京条約を結ぶと、イギリスを先頭とするヨーロッパの自由貿易圏に清帝国を組み込むことに成功した。

大麻マリファナ

大麻はアサ科のアサ属の植物で、麻袋・麻布の麻(アサ)の原料植物と同じものだ。亜麻(リンネルの原料)などと区別するのに大麻マリファナ)ともいう。その繊維はとても丈夫で、衣服や袋・バッグなどに用いられている。
なお、大麻は日本では「大麻取締法」によって規制されている。大麻は麻酔性のテトラヒドロカンナビノール(THC)と呼ばれる化学成分をふくみ、古くから幻覚剤として快楽、宗教、または医療などに利用されてきた。
大麻の葉や花を乾燥させたものは細かく刻んでタバコのように使われることが多い。樹脂を固めたものを大麻樹脂(ハシシュ、チャラスなど)といい、加熱して気化したものを吸引したり、タバコに混ぜて喫煙したりされている。
19世紀のヨーロッパでは、不安の緩和や催眠のために大麻は医薬品として処方されていた。ところが20世紀になるとアメリカ政府は医療用をふくむ大麻を禁じる法律を制定した。
現在、メディアでは世界で大麻がどんどん解禁されているかんおような記事が出ている。実際、アメリカでは、ワシントン州コロラド州カリフォルニア州などの州で娯楽品としての大麻が限定的に合法になっている。オランダが、厳格なガイドラインのもとで大麻などのソフトドラッグを規制対象外にし、カナダでも娯楽品としての大麻が合法になった。
あなたは、大麻はそれほど危険な薬物ではないと考えているかもしれない。しかし、実際には、イギリス、ドイツ、フランスなどでは依然として大麻は違法薬物であり、日本をふくむほとんどの国で厳しく規制されているのだ。国際的には非合法の国のほうが圧倒的に多いのである。

じじぃの「全固体電池の現実味・鍵握る三井金属・出光興産!週刊エコノミスト」

Toyota Makes an Update on Solid-State Batteries

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=BgRxUN8oieo

BUSINESS - 三井金属鉱業

●TOPICS[ 第92期下半期トピックス]
当社は、次世代リチウムイオン電池とされる全固体電池用の硫化物系固体電解質を開発し、併せて、既存のリチウム二次電池では困難とされる高エネルギー密度を有する全固体電池の実証に成功しました。
全固体電池は可燃性の有機電解液を使用しないため、高い安全性が要求される二次電池として電池材料メーカーなどで開発が進んでいますが、その実用化では、イオン伝導率が高い固体電解質の開発、またその特性に合わせた正極および負極活物質の開発など、多くの技術課題の解決が求められています。
当社は独自技術で高いイオン伝導性を有し、かつ電気化学的に安定な「アルジロダイト型硫化物固体電解質」を量産性に優れた工法で開発しました。また、硫化物系全固体電池に適した正極および負極活物質の開発にも取り組み、高エネルギー密度を達成するとともに急速充放電も可能であることを試作した全固体電池で実証しました。
https://www.mitsui-kinzoku.com/LinkClick.aspx?fileticket=PxmC%2BPiAuQQ%3D&tabid=145&mid=1063

週刊エコノミスト』2021.3.2号

〔特集〕水素・電池・アンモニア 「全固体電池」の現実味 トヨタ、年内にも試作車か 電解質の鍵握る三井金属、出光興産 【執筆者】佐藤登(名古屋大学客員教授) より

現在、車載用電池はリチウムイオン電池(LiB)が多用されているが、同電池は電気自動車(EV)向けとしては、性能の限界に近づきつつある。
そこで、既存の液系リチウムイオン電池を固体化する「全固体電池」の実用化に期待が集まっている。全固体電池の構造を簡単に言えば、既存電池の構成材料「セパレーター」と「電解液」の代わりに「固体電解質」を使う(画像参照)。
全固体電池が期待される理由の1つ目は、火災事故のリスクが低減する可能性がある点だ。既存のリチウムイオン電池は可燃性溶媒の電解液が使われており、条件がそろうと火災事故につながる。電解液の代わりに不燃性の固体電解質を使えば、リスクは低減するだろう。
2つ目は、電池の冷却システムを省略できる可能性がある点だ。
液系電池の作動温度域はマイナス30度から50度までの範囲で、特に50度を超える高温域では電池の劣化が加速する。これに対し固体電解質は、100度の高温域でも使え、かつ高温域ではイオン伝導率も大きくなるため性能も向上する。そのため、液系では必要な電池冷却システムを省略でき、電池システムのコンパクト化が期待できる。
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21年は各社で生産体制へ

中核となる「固体電解質」の開発は、三井金属と出光興産が精力的に進めている。

三井金属は21年中に、電池の試作に供給できるよう、年間数十トン規模の生産体制を整える模様だ。インフラ用や医療用での応用をにらみ、マクセルと協力して開発を急ぐ。同社の固体電解質はアルジロダイト型(Li-P-S-Cl系)結晶質で、車載用途の開拓にも拍車をかけている。
トヨタが主導する別の固体電解質(Li-Si-P-S-Cl系結晶質)のイオン伝導率には及ばないものの、自動車メーカーや電池メーカーとの協業で実用化を目指す。
出光興産も千葉県市原事業所に生産設備を整え、21年から稼働させるという。
同社は硫化物系固体電解質の原料となる硫化リチウム(Li2S)の高純度製造技術を持ち、10年以上も研究を続けてきた。
韓国や中国勢も全固体電池への参入を虎視眈々(たんたん)と狙っている。

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どうでもいい、じじぃの日記。
3月11日、テレビ朝日 グッド!モーニングで「池上彰のニュース検定」を観た。

問題。車載用”リチウムイオン電池”シェアトップは? アメリカの企業、日本の企業、中国の企業

答えは中国の企業。
しかし、2021年はリチウムイオン電池から全固体電池に変わる過度期なのだそうです。
全固体電池を使うと自動車なら1回の充電で、東京から福岡まで1000kmの運転も可能になるのだとか。
この全固体電池では日本が中国を一歩リードしているらしい。
「中核となる「固体電解質」の開発は、三井金属と出光興産が精力的に進めている」
4月19日に開幕した上海モーターショー。
中国の新興EVメーカー(NIO)が夢の次世代バッテリー「全固体電池」を世界で初めて実用化した? そんなニュースが流れた。
ただ一部メディアでは、全固体の一歩手前の技術「半固体電池」なのではないかとの指摘もあり、真相ははっきりしていないらしい。

じじぃの「科学・地球_35_世界史と化学・抗生物質ペニシリンの発見」

A HISTORY OF ALCHEMY - A Lecture Presentation by Laurence Caruana

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=SPBa8-_w3Jw

Harry Potter and the Philosopher's Stone

A copy of 'Harry Potter and the Philosopher's Stone' book is selling for US$91,000 because of typos

Who knew committing a spelling mistake could potentially rake in tons of profits.
Just ask these auctioneers who recently sold the first edition of JK Rowling's first book, Harry Potter and the Philosopher's Stone for a whopping US$88,000 (£68,800).
https://sea.mashable.com/article/2980/a-copy-of-harry-potter-and-the-philosophers-stone-book-is-selling-for-us91000-because-of-typos

ダイヤモンド社 絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている 左巻健男(著)

【目次】
1  すべての物質は何からできているのか?
2  デモクリトスアインシュタインも原子を見つめた
3  万物をつくる元素と周期表
4  火の発見とエネルギー革命
5  世界でもっともおそろしい化学物質
6  カレーライスから見る食物の歴史
7  歴史を変えたビール、ワイン、蒸留酒
8  土器から「セラミックス」へ
9  都市の風景はガラスで一変する
10 金属が生み出した鉄器文明
11 金・銀への欲望が世界をグローバル化した
12 美しく染めよ

13 医学の革命と合成染料

14 麻薬・覚醒剤・タバコ
15 石油に浮かぶ文明
16 夢の物質の暗転
17 人類は火の薬を求める
18 化学兵器核兵器
https://www.diamond.co.jp/book/9784478112724.html

『絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている』

左巻健男/著 ダイヤモンド社 2021年発行

13 医学の革命と合成染料 より

染料メーカーと製薬

イギリスのウィリアム・パーキン(1838~1907)にとって、前章で紹介した「モーブ」(葵 アオイの花)の合成が巨大な染料工業を生むことは想像の範囲内であっただろう。だが、染料工業から派生した合成医薬品の大きな発展は想像できなかったかもしれない。
1890年代後半、ドイツには数多くの染料メーカーがあり、競争も激しく市場も飽和しつつあった。バイエルは合成アリザリンの収益をもとに。合成染料から将来性のありそうな化学製品(薬)開発への転換を自社の化学者に命じる。
1897年の夏、バイエルの若い化学者フェリックス・ホフマン(1868~1946)は、ヤナギの樹皮から分離されるサリチル酸(CH3CO-)をくっつけて(ヒドロキシ基-OHのHをアセチル基で置換して)アセチルサリチル酸をつくった。
もともとサリチル酸には解毒鎮痛作用と炎症を抑える作用があった。ただし胃の粘膜を激しく痛めるので医薬品としての価値は低かった。ホフマンはサリチル酸の炎症を抑える作用を維持したまま、胃への障害がなくなることを期待したのだ。
バイエルは、1899年、この粉末を小さな包みに入れて「アスピリン」として販売した。アスピリンの人気が高まり、ヤナギの樹皮やシモツケソウの花からとるサリチル酸では需要を満たすことができなくなると、フェノール(別名、石炭酸)からの合成法に切り替えた。
現在、アスピリンは病気や怪我へのすべての医薬品のなかで、もっともよく使われている。

抗生物質ペニシリンの発見

微生物によってつくられた、微生物や細菌の生育を阻止する物質を「抗生物質」という。最初に人体に応用された抗生物質ペニシリンである。1928年、アレキサンダー・フレミング(1881~1955)は偶然に混入したアオカビが、黄色ブドウ球菌の発育を抑える物質を出していることを発見。このカビが出す抗菌性物質を「ペニシリン」と名づけたが、発見当時はあまり注目されなかった。
ペニシリンの研究が再開されたのは1939年頃、ハワード・フローリー(1898~1968)、エルンスト・ボリス・チェイン(1906~1979)らによる。彼らは、戦争(第二次世界大戦)の激化で傷病兵が増えていることから、新しい薬を探していたのだ。1940年には培養液からペニシリンが抽出され、部分精製にも成功。その後、大量生産も可能になり、1944年、イギリス・アメリカの連合軍によってドイツ占領下のフランス・ノルマンディー海岸で行われた侵攻作戦「ノルマンディー上陸作戦」までには広く使われるようになり、多くの傷病兵の命を救った。

錬金術パラケルスス

古代から17世紀までの2千年近くものあいだ、栄えた錬金術錬金術は、紀元後間もない頃に、エジプトのアレクサンドリア、南米、中米、中国、インドで行われていた。いずれの地域でも金属から金を得たいという欲望、病気の治療などが動機になっていたのだ。

錬金術師たちは、「『賢者の石』という物質を使えば、金属を金に変えられる」と信じて、賢者の石をつくり出すために血道を上げた。この石には鉱物の元素も、金属の元素も、霊的な元素も入り込んでいるので、あらゆる生物の病気を治し、健康を維持する万能薬とも考えられた。不老不死の薬でもあった。

錬金術は薬の製造にも使われた。なかでも活躍がめざましかったのがパラケルスス(1493~1541)だ。本名は、テオフラストゥス・フォン・ホーエンハイム。本名の代わりに名乗ったパラケルススというのは「ケルススに勝る」という意味だ。ケルススは1世紀のローマの医者で、当時再発見された彼の著書が医学界で大流行した。
パラケルススは、ケルススの著書の大部分が紀元前4世紀に亡くなったヒポクラテスの著書の焼き直しであることを見抜いた。それならば、自分は彼よりも優れている。つまり、「ケルススに勝る」と名乗るのは当然だと考えたのである。そして、自分の実力を証明しようと、当時の医学の権威にたてついた。
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ラケルスは、治療薬や器具が入ったカバンを携えて町から町へとヨーロッパ中を旅した。彼は「あらゆる金属は水銀と硫黄からつくられる」という錬金術の従来の考えを批判し、水銀と硫黄の他に第3成分として塩(えん)を加えた。この3原則説は、それまでの水銀・硫黄説にほとんど取って代わった。
それまで、ヨーロッパの薬の大部分は植物を原料にしていたが、彼は鉱物の薬も加えて、酸化鉄や水銀、アンチモン、鉛、銅、ヒ素などの金属の化合物をはじめて医薬品として使ったのだ。
現代でもパラケルススが治療に使った化合物は、皮膚病の薬のほか、さまざまな用途に用いられている。

じじぃの「日印協力と中国けん制・新型コロナ・感染者35万人の実情は?プライムニュース」

駐日インド大使生出演 感染者35万人の実情は 日印協力と中国けん制 【後編】

動画 fnn.jp
https://www.fnn.jp/articles/-/177120

駐日インド大使生出演 感染者35万人の実情は 日印協力と中国けん制 【後編】

プライムニュース 「駐日インド大使生出演 感染者35万人の実情は 日印協力と中国けん制」

2021年4月30日 BSフジ
【キャスター】長野美郷、反町理 【ゲスト】サンジェイ・クマール・ヴァルマ(駐日インド大使)、佐藤正久自由民主党外交部会長 元外務副大臣)、増田道明(獨協医科大学医学部教授)、豊福健一朗(スズキ常務役員・マルチスズキインディア取締役 中継)
1日の新規感染者数が35万人を超えるなど、新型コロナの猛威に襲われているインド。途上国に向けたワクチン供給などを展開していた世界有数のワクチン生産国から一転、なぜ新たな“二重変異ウイルス”の拡大と医療崩壊の危機を迎えてしまったのか。
一方で、米豪と共に「クアッド(QUAD)」の枠組みで新たな連携を目指す日印関係は、今後どのように深化していくのか。

日米豪とインドの連携 中国とどう向き合うのか

●インド・スズキ生中継 コロナ拡大と生産一時停止
インドでは医療用の酸素不足を補うため工業用の酸素の転用も進められ、その影響から現地の日本企業も生産停止など様々な影響を受けている。
インドの医療危機の現状について。
(中継)インド・ニューデリー
●変異ウイルス拡大に揺れるワクチン接種と課題は
インドの医療危機の現状について。
英国、インド、南アフリカ、日本、米国、ブラジルの感染者と死者数(累積)。
サンジェイ・クマール・ヴァルマ、「国際協力の問題。我々は6700万のワクチンを世界に供給している。今は米国からワクチンの材料が入るようになった。物資を世界40ヵ国から得て全部インドに到着している、日本はその40ヵ国のうちの1つ。酸素濃縮器、アビガンなどを日本から得ており感謝している。インドが失敗したら世界が失敗する。インドが持続可能でなければならない」
増田道明、「新型コロナ以前からインドはジェネリック医薬品の生産を頑張ってやっていて、産業基盤があって技術的にも整っているという状況。農村部ではロジスティクスの問題でワクチンが行き渡らないというのは恐らくどの国も同じ」
豊福健一朗、「インドは大国であり人口が多い。また世界最大の民主国家で日本とほぼ同じ選挙制度を持っている。国内と海外のバランスはインドで常に議論される問題。モディ政権のような強い政権だとうまくいく」
佐藤正久、「安倍前首相はモディ政権になってからいろいろな話が進んだと、安定政権になったと明言されている。インドでは官僚が70人ぐらいいる」
反町理、「え! 官僚が70人?」
サンジェイ・クマール・ヴァルマ、「官僚が70人いるのは、より専門的になっている。1人が1つのセクターとなっている」
獨協医科大学医学部教授・増田道明の出演はここまで。
●日米豪とインドの連携 中国とどう向き合うのか

米国バイデン大統領は4月28日の施政方針演説

「私は習氏に、米国は北大西洋条約機構NATO)が欧州でしているように、紛争を始めるためではなく、予防に向け、インド太平洋地域に強力な軍事的プレゼンスを維持するとも伝えている」

サンジェイ・クマール・ヴァルマ、「アジア版のNATOと言うことを考えているわけではない。QUADは非常に前向きな考えを持ったプランと言える」
佐藤正久、「安全保障に加えサプライチェーンやワクチンの協力など。元々第1次安倍政権の時のセキュリティダイヤモンド構想から始まっている。当時オーストラリアが中国と近い関係にあったので話が進まなかった」

日米豪印の連携

20年11月3~6日・日米印の海上演習「マラバール」。豪州が13年ぶりに参加。
4月5~7日・日米豪印の海上演習に仏海軍が参加。
サンジェイ・クマール・ヴァルマ、「QUADはポジティブな役割を演じるものでなければいけない。軍事的な役割はNATOのような領域で議論すべきもの。軍事同盟のような方向には持って行きたくない」
佐藤正久、「それぞれの国が上手く使えば良いプラットフォーム。うまくQUADを拡大してそれぞれの国がセキュリティ面やワクチンやサプライチェーンなどに使うという形で良いと思う」
●日印関係とアジアの未来
インドの市場としての将来性について。
豊福健一朗、「インドは世界でもまれな将来伸びが期待される国。平均年齢が27歳、これから働き盛りで耐久消費財をたくさん購入する予備軍がたくさんいる。もう1つ今後のインドの農村の経済発展に大きな可能性を感じている。農村が一足飛びに経済活動に入ってくる可能性がある。農村にもインターネットが入って今までの農村というイメージではなくなっている」
反町理、「インドの成長の阻害要因は何なのか」
豊福健一朗、「インド政府の中に入って政府の方の活動の動きを日本と比較して観察した。鉄鋼省、繊維省、科学省などそれぞれ独立した役所になっており、それぞれ大臣がいる。昔の社会主義の名残があり国営企業が相当残っている。国営企業の管理が役所の仕事のかなりの役所の内容を占めている。国営企業の民営化、競争力強化が重要」
これからのインドのセールスポイントは。
サンジェイ・クマール・ヴァルマ、「インドは細分化されて多層構造。どんな民間企業でもインドは成長のために考えるには良いところ。インドは大きな購買力がある。またインターネットを使ったデジタル化が進んでいる」

【提言】 「これからの日印関係に望むこと」

サンジェイ・クマール・ヴァルマ 「我々が共通の価値観としている、平和・繁栄・民主主義をインド太平洋地域ひいては世界全体に広めていく」
 これはお互いの国にとって大事なことです。世界で正しい共通の概念です。
佐藤正久 「責任分担・補完」
 インドと日本はインド太平洋を引っ張っていく。インドは2030年は人口・経済で中国を超える。
https://www.fnn.jp/subcategory/BS%E3%83%95%E3%82%B8LIVE%20%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9

じじぃの「科学・地球_34_世界史と化学・美しく染めよ・インジゴ」

インジゴ (藍青色)

インジゴ indigo コトバンク より

天然藍の主成分。藍青色柱状晶。金属光沢をもつ。
約 300℃で昇華。分解点 390~392℃ (封管中) 。水に不溶。アルカリ性水中で還元すると可溶性のインジゴホワイト (黄色) になり,これに繊維を浸してから空気酸化すると,インジゴが再生され青く染まる。
藍は天然建染め染料の代表であったが,1880年 A.バイヤーが合成してから,合成藍 (インジゴピュア) に取って代られた。

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ダイヤモンド社 絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている 左巻健男(著)

【目次】
1  すべての物質は何からできているのか?
2  デモクリトスアインシュタインも原子を見つめた
3  万物をつくる元素と周期表
4  火の発見とエネルギー革命
5  世界でもっともおそろしい化学物質
6  カレーライスから見る食物の歴史
7  歴史を変えたビール、ワイン、蒸留酒
8  土器から「セラミックス」へ
9  都市の風景はガラスで一変する
10 金属が生み出した鉄器文明
11 金・銀への欲望が世界をグローバル化した

12 美しく染めよ

13 医学の革命と合成染料
14 麻薬・覚醒剤・タバコ
15 石油に浮かぶ文明
16 夢の物質の暗転
17 人類は火の薬を求める
18 化学兵器核兵器
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『絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている』

左巻健男/著 ダイヤモンド社 2021年発行

12 美しく染めよ より

美しい染料と線維

染料は繊維だけでなく、紙、プラスチック、皮革、ゴム、医薬品、化粧品、食品、金属、毛髪、洗剤、文具、写真などの着色や色素レーザーの発光にも使われている。
ところで、染料には植物や動物から採取される天然染料と、化学的に合成される合成染料がある。19世紀の中頃までは天然染料の時代だった。
天然染料は、植物性染料と動物性染料に分かれる。植物性染料には、ウコン、アカネ、ベニバナ、スオウ(蘇芳)、アイ(藍)、ムラサキグサなどがあり、動物性染料にはコチニール、貝紫がよく知られている。
アイの葉には青色の色素インジゴ(インディゴとも呼ばれる)、アカネの根には紅色の色素アリザリンがふくまれている。古代エジプトのミイラに巻く麻糸もインジゴやアリザリンで染められていたのだ。
アイの葉からのインジゴによる染色は、いまではごく一部で行われているに過ぎない。たとえば、沖縄や奄美大島では、天然の藍染めが行われている。
    ・
古代の海洋国家フェニキアでは、貝を使って紫色の染色が盛んに行われた。それが貝紫だ。ホラガイ、レイシガイなどのアクキガイ科の貝の内臓のパープル腺にある無色ないし淡黄色の分泌液を取り出して繊維にすり付け、空気中で酸化すると、赤味がかった紫色に変化するのだ。
貝紫の製造はフェニキアの港町ティルスで始まったとされ、「ティルス紫」と呼ばれた。ギリシャ神話では英雄ヘラクレスが発見したとされている。飼い犬が貝をかみ砕いたときに口が濃い紫色に染まるのを見たのだ。
貝にふくまれる貝紫は著しく少なく、1グラムの貝紫を得るには約9000個の貝が必要となる。そのため、高価であり、王侯貴族や高僧しか着られなかったので「ロイヤルパープル(帝王紫)」と呼ばれた。今日でも紫は帝王の色であり、王の象徴だ。貝紫をとるために貝があまりにも大量に採取されたため、400年頃絶滅に瀕したという。
アイの葉からのインジゴや貝紫などの天然染料の産業は、合成染料の登場とともに衰退した。
さて、現在でも利用されている天然染料の1つはコチニールである。コチニールは、サボテンに寄生するコチニールカイガラムシという昆虫から抽出した色素だ。エンジムシとも呼ばれ、ペルーやメキシコなど中南米に生息している。
現地の人たちは、マヤ文明やインカ文明の頃から、布織物の染料や口紅など化粧品の材料に用いていた。スペイン人は、新大陸に上陸するとコチニールを専売するようになった。この染料は16世紀から19世紀のあいだ、スペイン、イギリス、植民地時代のアメリカにとって羨望の的だった。なぜならば、自然で鮮やかなピンク色が得られるのはコチニールカイガラムシに限られたからだ。
なお、コチニールは、現在でも染め物、食品の着色(天然着色料として食品添加物になっている)、化粧品および薬品の着色に使われ続けている。コチニールの主要生産国はペルーだ。サボテンプランテーションコチニールカイガラムシを大量に飼育している。

分子設計図による合成

さて、最初の合成染料は、1856年にイギリスのウィリアム・パーキン(1838~1907)による偶然の産物だったが、ドイツのアウグスト・ケクレ(1829~1896)によるベンゼンの構造の解明によって、新しい染料の合成に理論的な見通しが立つようになった。

芳香族炭化水素は、ベンゼン環を持つ炭化水素だ。炭化水素には、ベンゼン環を持たないメタン、エタン、エチレンなどの鎖式炭化水素や、ベンゼン環を持たないが炭素が環状に結びついている環式炭化水素もある。
芳香族炭化水素は、「ベンゼン環が安定しており、ベンゼン環を保持したまま、炭素原子にくっついている水素原子が他の原子や原子団(原子の集まり)と置き換わる反応を受ける」という特徴がある。芳香とはかぐわしい匂いという意味だ。ちなみに、「芳香族」といわれるのは命名当時発見されていた化合物が、芳香を持っているからだ。
パーキンは、コールタールからベンゼンを取り出して「アニリン」をつくり、新しい紫色の染料「モーブ」をつくった。ベンゼンの構造が明らかになると、ベンゼンアニリンの違いがわかる。アニリンは、ベンゼンの水素原子の1つをアミノ基(-NH2)で置き換えたものである。つまり、ベンゼンを出発点にどうしたらアニリンを合成できるかという「分子の設計図」を描くことができるようになったのだ。
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ドイツのアドルフ・フォン・バイヤー(1835~1917)はインジゴの分子構造を決定する研究をもとに、1880年には桂皮酸から「インジゴ」の合成に成功する。アイの染料インジゴは「染料の帝王」と呼ばれ、インドの特産として多量にヨーロッパに輸入されていた。しかし、「合成インジゴ」が市場に出回ると、数百年来独占されていたインドを中心とする全世界のアイ栽培と天然アイ染料工場は破産に追い込まれた。
こうして、19世紀末までに合成染料は、その安さと美しさ、色彩の均一性などで天然染料に打ち勝ったのである。染料の主流は合成染料に変わったのだ。
これらの合成染料は、石炭の乾留成分コールタールからつくられた。汚くて臭い液体で、捨てるほかはなかったコールタールが、貴重な原料としてよみがえるのだから、なんとも面白い。1862年、ロンドンで開かれた万国博覧会では、鮮やかな色合いの合成染料が、汚らしいコールタールと鋭い対照をなして展示されていた。
その後に登場したナイロンなどの合成繊維を染めるのにも適していたため、世界は完全に合成染料の時代になった。

有機化学産業を牽引したドイツ

1860年代以降、世界の染料工業を先導したのはドイツである。ドイツの化学工業は3つの会社を軸に発展した。1つはバーデン・アニリンソーダ製造所(BASF。1865年創業)だ。アリザリンを合成したグレーベとリーバーマンの2人と契約し、アリザリンの商業生産ンを開始した。2つ目はヘキスト(1863年創業)だ。鮮やかな赤色染料アニリンレッド(マゼンタ)、独自の合成法で特許を取ったアリザリン、合成インディゴを生産した。3つ目のバイエル(1863年創業)も合成アリザリン市場に参入していた。
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バイエルは、合成染料の収益で医薬の開発・生産に乗り出し。1900年頃にはアスピリンを売り出した。第一次世界大戦第二次世界大戦のなかで、これら3社は統合されるが、第二次世界大戦後に復活し、現在はプラスチック、繊維、医薬品など有機化学業界で大きな存在感を示している。

じじぃの「バイデン演説・就任100日の評価・分断は深まったのか!プライムニュース」

習近平主席を「独裁者」と表現 就任100日バイデン大統領が対抗姿勢鮮明に

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=zsBscbDF2gk

バイデン“演説”分析 米国の現状と重要課題 就任100日の評価は 【後編】

動画 fnn.jp
https://www.fnn.jp/articles/-/176631

バイデン“演説”分析 米国の現状と重要課題 就任100日の評価は 【後編】

プライムニュース 「バイデン“演説”分析 米国の現状と重要課題 就任100日の評価は」

2021年4月29日 BSフジ
【キャスター】長野美郷、反町理 【ゲスト】古森義久産経新聞ワシントン駐在客員特派員 麗澤大学特別教授)、中山俊宏(慶応義塾大学総合政策学部教授)、ピーター・ランダース(ウォール・ストリート・ジャーナル東京支局長)
日本時間4月29日の朝、バイデン大統領が上下両院合同会議で演説を行う予定だ。
本来であれば、就任後に間を置かず行われる『一般教書演説』が、コロナ禍の影響などで未だに行われておらず、バイデン大統領の目指す“方向性”が不透明なままだったが、就任以来およそ100日になろうとするタイミングの演説で、政策の方向性が一定程度示されると見られる。
演説では、経済の復活やワクチン接種などのコロナ対策の推進、気候変動問題に一石を投じた国際会議の開催など、成功事例を強調すると見られるが、バイデン大統領の移民容認政策に端を発したメキシコ国境への入国希望者殺到や、民主党支持の判事を増やすことに繋がる最高裁判事の増員法案提出など、国内の分断がより深くなりかねない動きも見られる。
熾烈さを増す米中対立など、内外共に厳しい情勢に取り囲まれる中、バイデン大統領は演説で何を語るのか?

バイデン大統領演説 「対中競争」の行方と本音は

●バイデン大統領が施政方針演説 異例「対中包囲網」強化言及
バイデン大統領は28日に施政方針演説を行い、新型コロナウイルス対策の成果をアピールした他、中国包囲網を強化する姿勢を鮮明にした。
バイデン大統領は演説の中で「中国・習主席は世界最強の国を目指し、民主主義は時間がかかるため21世紀には衰退すると思っている。米国がインド太平洋地域で強力な軍事的プレゼンスを維持することを習近平国家主席に伝えた」と述べた他、台湾情勢を念頭に「紛争を起こすのではなく紛争を防ぐためだ」と強調。
新型コロナ対策でワクチン接種の実績をアピールした他、8年間で240兆円規模になるインフラ投資計画をあげて政権としての取り組みを強調した。
バイデン大統領の施政方針演説「今世紀最悪のパンデミックで、大恐慌以来最悪の経済危機であり、民主主義も南北戦争以降で最悪の攻撃を受けた。米国は再び動き出した。我々は21世紀を勝ち抜くために中国やほかの国々と戦っている。未来の製品や技術を開発し、圧倒しなくてはいけない。民主党共和党で争っている場合ではない。中国・習近平国家主席は世界で最も重要かつ存在感の強い国になりたがっている。私は習主席に米国はインド太平洋でも強力な軍事的存在を維持すると伝えた。NATOやヨーロッパと同じように、紛争を始めるためではなく避けるために。基本的人権が露骨に侵害された時は米国大統領は黙っていられないと指摘した」。
●バイデン大統領演説 「対中競争」の行方と本音は
ピーター・ランダース、「インド太平洋をNATO、ヨーロッパと同じように防衛したいと。アジア太平洋をヨーロッパと同じような形にするならどのような条約を作るのか、どのような仕組みを作るのか」
中山俊宏、「ミドルクラス外交と言っている。中産階級にとって意味を成す外交安全保障政策でなければいけないと。国際主義をどうやって維持するか、米国1人で責任を引き受けるわけではない、パートナーや同盟国が一緒にいると。日本や同盟国、パートナーにもっとやってくれと圧力がかかる」
古森義久、「中間層を強くすることが中国との競争に負けない一番いい方法だと。対外的な戦略と対内的な目前の選挙戦略が結びついたのがバイデン政権の中間層重視」
●バイデン大統領演説 「民主主義」強調の背景と効果
バイデン大統領は「群衆が議事堂を襲撃し民主主義を汚す映像がいまも我々の脳裏に鮮明に残っている」。
バイデン大統領の施政方針演説「民主主義」について。
ピーター・ランダース、「他国に対して成功していることを見せるために民主主義があるというのは論理的にどうかという気がする」
1月の議会襲撃事件は今も米国に暗い影を落としているのか。
中山俊宏、「バイデン大統領が演説で民主主義を重視したのは民主主義が米国の内から、さらに外でも後退しているという認識で、米国自身がトランプ時代にそういう現象と共鳴しあっちゃっているという認識」
アメリカファースト、主権、トランプ外交、国益、人権について言及。
ピーター・ランダース、「インドは先進国ではないが民主主義国だ。他国に対して民主主義というのを訴える力がある」
古森義久、「バイデン大統領が1月の事件を内乱と呼んで、南北戦争以来、米国の民主主義に対する最大の攻撃だなんて第二次世界大戦や9.11は何だったのか。これは共和党攻撃、トランプ支持者の攻撃。今回のバイデン大統領の演説は党派性が強く、追いかけていってやっつける。とことんトランプが体現したアイデオロジーパラダイムには根本から反対している」

長野美郷、「バイデン政権になって分断はどうなったのか」

古森義久、「分断は深まっている。黒人への人種差別やアジア人へのヘイトクライムなどひどくなっている」
中山俊宏、「分断はそんな単純なものではない。私はトランプ政権のほうが分断が大きかったと思っている。銃規制などに対して意外と共和党支持者にもバイデンの政策を支持しているのが多い」
トランプ政権で移民に対して厳しい対抗措置でやっていると見えていたがバイデン政権になって状況はどうなったのか。
民主党政権に期待値が上がり、迎え入れてくれるのではとホンジュラスコスタリカから押し寄せてメキシコ・米国の国境においてはトランプ政権の時よりひどい状況が生まれているというのは本当か。
ピーター・ランダース、「一部では、どの政権も明確な手段はない。オバマ政権の時も入ってきた人を追放する強い手段を使っていた。これから更に厳しくする必要があるかもしれない」
国境に押し寄せる移民希望者、子どもを密入国させる様子の映像。
古森義久、「子どもが入ってきても違法であればトランプ政権は帰した。今はバイデンは入れて認めた上で審査している、寛容、いま1ヵ月で18万人ぐらい子どもの逮捕者が出ている。2、3ヵ月前は半分以下だった」
●バイデン大統領演説 「生活&雇用支援策」に米国民は?

バイデン大統領の施政方針演説主な内容

ワクチン接種、レスキュープラン(困窮者支援・医療保険改革など)、ジョブズプラン(雇用創出)、ファミリープラン(生活・教育支援)、収入格差是正法人税などの強化)、対中国姿勢、安全保障(抑止力強化・アフガニスタン撤退など)、人種差別の是正、民主主義の回復。
ピーター・ランダース、「全部合わせると600兆円ぐらいになるのではと言われている、結構積極的に金を使う。バイデン政権になって民主党がやりたいことを丸出しにしていると思った」
米国議会の勢力図(上院、下院)。
古森義久、「民主党は一気に勝負をかけていると思う。大企業、所得の高い人がなんとなく悪いという感覚的なものがリベラリズムにはある。共和党は、米国第一主義がトランプだったがバイデン政権は気候変動第一主義だと言っている、これもリベラルの考え方。バイデンの本当の任期は2年だという考え方がある、それは中間選挙と年齢ということがある。その後はレームダックになるのではというのがあり、民主党も切迫感というか時間がない」
富裕層などに対する増税は米国ではどう評価されているのか。
ピーター・ランダース、「世論調査を取ると高く評価される。共和党支持でも、お金持ちならばどうでも良いのではという人が多いなか、共和党の議員はほとんど反対だと思う。中間層、中流階級を一番フォーカスしている大統領なので中流階級が支持してくれればそれで越したものはないと」
古森義久、「リベラルのポピュリズム的な要素があって、金持ちじゃない人のほうが多い。背後には保守とリベラルのイデオロギーパラダイムの戦いがずっとある」
ピーター・ランダース、「お金持ちに対する税率が4割を超えることにはなるが、50年代は一番高い税率が7割ぐらいだった」
古森義久、「振り子はレーガン時代から」
中山俊宏、「財源は明示しないと責任を果たしていないという意識が有権者にあるのではないか。今回富裕層に対する増税を示して、明らかにウォールストリートを敵に回した。しかし米国は意外に大企業に対する不信感が強い」
ピーター・ランダース、「トランプ政権の時も税金の色々なものは変わったので、過渡期の混乱はどうしてもあると思うが、経済全体を揺るがすような影響はないのではないか」

【提言】 「日本はバイデン政権とどう向き合うべきか?」

古森義久 「より強固で明確な主張を」
 中国の関係で言うとバイデン政権の対中政策はまだら模様だ。これからどんな方向にいくのか分からない。米中の間が緩和されたらそれが日本にとっていいことになるとは限らない。今のところバイデン政権は日本のいうことを聞いてくれている。日本の国益に沿った主張をつらぬくべきだ。
ピーター・ランダース 「価値観の調整」
 人権のついての価値観が日本と米国では必ずしも一致していない。これから価値観の調整が必要だ。
中山俊宏 「宿題に非ず」
 バイデン政権になり日本が最前線に立たされることが出てきた。今までのやり方では済まなくなっている。すでに宿題ではなく課題なのだ。
https://www.fnn.jp/subcategory/BS%E3%83%95%E3%82%B8LIVE%20%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9

じじぃの「科学・地球_33_世界史と化学・金・銀への欲望」

Treasures from the Royal Tombs of Ur

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Jge9uIUBdYc

ウル王墓 金製の兜

Weapons from The Royal Tombs of Ur

The gold helmet of King Meskalamdug. This is an electrotype copy of the helmet which is in the Baghdad Museum. See the original helmet, and a three-quarter view. Click on any image to enlarge it in a separate window.
This helmet is made to look like the wearer's own hair, with a knotted bun in the back, and a woven band on top. The holes at the bottom of the helmet were used for a cloth trim and to hold an interior lining. The Akkadian king, Sargon the Great, wears a similar helmet. The same kind of helmet is also worn by King Eannatum. This helmet was discovered in an extremely lavish burial, PG 755. Several objects in the tomb mention Meskalamdug, but the cylinder seal of Meskalamdug was found in another royal tomb; so there's some confusion as to which is really his tomb.
http://sumerianshakespeare.com/117701/118301.html

ダイヤモンド社 絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている 左巻健男(著)

【目次】
1  すべての物質は何からできているのか?
2  デモクリトスアインシュタインも原子を見つめた
3  万物をつくる元素と周期表
4  火の発見とエネルギー革命
5  世界でもっともおそろしい化学物質
6  カレーライスから見る食物の歴史
7  歴史を変えたビール、ワイン、蒸留酒
8  土器から「セラミックス」へ
9  都市の風景はガラスで一変する
10 金属が生み出した鉄器文明

11 金・銀への欲望が世界をグローバル化した

12 美しく染めよ
13 医学の革命と合成染料
14 麻薬・覚醒剤・タバコ
15 石油に浮かぶ文明
16 夢の物質の暗転
17 人類は火の薬を求める
18 化学兵器核兵器
https://www.diamond.co.jp/book/9784478112724.html

『絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている』

左巻健男/著 ダイヤモンド社 2021年発行

11 金・銀への欲望が世界をグローバル化した より

金は欲望の源となった

金は文字通り黄金色の美しい光沢を持つ。化学的に非常に安定で腐食しにくいので、黄金色の輝きをいつまでも失わない。人類がもっとも古くから利用してきた金属の1つで、世界中で通貨や装飾品として珍重されてきた。
たとえば、『旧約聖書』には金についての多数の記載があるし、メソポタミアのユーフラテス川下流域右岸のシュメール人が建設した都市国家ウルでは、紀元前3000年頃、すでに優れた金製の兜などがつくられていた。
また、エジプトの遺跡から発掘された多くの豪華な金製品はよく知られている。紀元前1300年代に在位したツタンカーメン王の墓からは、王のマスク、椅子、寝具、装身具など4000点以上の金製の副葬品が出土した。
紀元前3000~紀元前1200年頃栄えた、トロイ、クレタ、ミケーネのエーゲ文明も金製品を多く残した。

コロンブの大航海の原動力

大航海時代とは、15~17世紀にかけて、ヨーロッパ人が航海・探検によってインド洋や大西洋地域へ乗り出した時代だ。ポルトガルとスペインが切り開き、オランダ、イギリスが続いた。バルトロメウ・デイアス(1450頃~1500)の喜望峰回航、ヴァスコ・ダ・ガマ(1460頃~1524)のインド航路開拓、クリストファー・コロンブス(1451頃~1506)のアメリカ大陸到達、フェルナンド・マゼラン(1480~1521)の世界周航などが行われた。
当時のヨーロッパでは、日本(ジパング)は黄金の国とみなされていた。情報源は、マルコ・ポーロ(1254~1324)の『世界の記述(東方見聞録)』(1299年)である。そこには、「ジパングは東海にある大きな島で……黄金が想像できぬほど豊富なのだ。……支配者の宮殿の屋根はすべて黄金でふかれており、宮殿内の道路や床は指2本分の純金の坂を敷き詰めている」などと書かれていた。
マルコ・ポーロは、イタリア・ベネチア出身で、父・叔父に従って1271年に出発し、陸路で中央アジアを経て、1275年、大都(元の首都。北京の前身)に到着した。以後17年間、元の皇帝フビライに仕えた。
ベネチアに帰国したマルコは、ベネチアジェノヴァとの戦いに参加するが捕虜になってしまう。その獄中で口述したのが『世界の記述(東方見聞録)』なのだ。彼は13世紀の中央アジア・中国・帰路の南海航路(東南アジア、ベンガル湾南インドアラビア半島など)を詳細に記述し、伝聞でジパングも紹介した。
マルコはジパングに行っていないが、まったくのつくり話とも言えない。749年、聖武天皇の時代、奈良東大寺大仏の金めっきのために陸奥宮城県)の国から砂金が献上されたと『続日本記』にある。その後、奥州(東北地方)の金は、12世紀には奥州藤原3代の百年の繁栄を支えた。その産金総量は当時世界でも有数の10トンあまりに達した。
この時代の中国は、経済が空前の反映をみた宋の時代である。「日宋貿易」の決済に日本は砂金をふんだんに用いていたので、当時の中国人は、日本にやや過大な「金の島」のイメージを持ったのかもしれない。おそらく、中国人が持つイメージがマルコにも伝えられたのだろう。そして、前頁で紹介した「黄金の宮殿」は、中尊寺金色堂(1124年建立)の可能性がある。
コロンブスは大航海する前、マルコの『世界の記述(東方見聞録)』を熟読し、そのなかの黄金の国ジパングの記述の部分には何百ヵ所ものメモを書き記していた。
    ・
そして、コロンブスエスパニョーラ島で金と香料を求めた。しかし、香料は見つからず、金の産出もわずかであった。彼は先住民を虐殺しまくり、奴隷狩りに狂奔した……。
15世紀までの世界史の舞台は、地中海から西アジア、インド、中国に至る陸の帯状の地域に集中していた。それを大航海時代が大きく変えて、海を中心とする世界史へと大転換したと言えよう。
コロンブスは実際の「金の島」ジパングに到達しなかったが、大航海時代の原動力は金への欲望だったことは確かだ。コロンブスを支援したスペイン国王も、権力の基礎となる官僚や常備軍を維持する財源を必要としていたから、富(黄金)を求めて大航海を支援・推進したのである。

古代では銀は金よりも高価だった。

銀は昔から知られた金属だ。銀色のきれいな光沢を持つ金属で、金属のなかでもっともよく電気と熱を伝える。また、金に次ぐ展性(圧縮により伸びる性質)・延性(引っ張りにより伸びる性質)を示し、1グラムの銀は1800メートル以上の銀線に伸ばすことができる。
銀は自然銀でも産出したが、自然金よりは少ない。鉱石から取り出す必要があったがその方法は未発達であったため、金より希少性があった。
古代の銀は、おもに方鉛鉱という鉛をふくむ鉱石から取り出された。紀元前3000年ごろのエジプト、メソポタミアなどの遺跡からも鉛と一緒に発見されているが、金に比べて銀製品ははるかに少ない。バビロニア帝国の時代になると、銀製の壺などが出てくる。この頃は、銀のほうが金よりも高貴であるとされた。
紀元前3600年頃のエジプトの法律によれば、金と銀との価値の比は1対2.5だったという。銀のほうが金よりも高価なので、わざわざ金に銀めっきを施した装飾品も存在していた。
その後、鉱石から銀を取り出す技術の向上に伴い、銀鉱石からの生産が増加。結果、銀の価値は金に比べ低いものとなった。