じじぃの「がらくたワールド仮説・がらくた分子から地球生物に?生命誕生の雑学」

【生命の起源】原子はなぜ“生命”になったのか|解明・宇宙の仕組み (ディスカバリーチャンネル

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=3Lx4Yu54FCg

がらくた分子


進化分子工学 (選別・増殖・変異を繰り返す)


なんと、原始の大気に陽子線をあてたら「がらくた分子」ができた…! じつは、これこそが「生命のはじまり」かも、という「驚きの仮説」

2024.05.24 現代ビジネス 小林憲正
放射線によってできる「がらくた分子」
原始大気や宇宙空間などで、放射線の影響によりアミノ酸前駆体が生成することを述べてきました。では、こうしてできるアミノ酸前駆体とは、どのようなものなのでしょうか。

もし、ミラーや欧米の多くの研究者が考えるように、アミノ酸がストレッカー合成*でできるならば、その前駆体はアミノアセトニトリルという比較的単純な分子のはずです。しかし、加速器実験による生成物を加水分解する前に分析したところ、アミノアセトニトリルは少量しか存在せず、加水分解後に生じるアミノ酸のごく一部しか説明できないことがわかりました。では、ここでのアミノ酸前駆体とは、おもにどのような分子なのでしょうか。
https://gendai.media/articles/-/129979?page=1&imp=0

『生命と非生命のあいだ』

小林憲正/著 ブルーバックス 2024年発行

第5章 「がらくたワールド」という考え方 より

「がらくた分子」はタフで多様
ここで、生命が誕生するまでの化学進化の過程で必要なのはどのような分子かを、あらためて考えてみましょう。

いったん生命が誕生してしまえば、必要な分子をみずからリサイクルして使えるので、RNAのような洗練された弱くこわれやすい分子でもいいのですが、生命誕生前では必要な分子が壊れてしまえばおしまいです。ハードボイルドの主人公フィリップ・マーロウの台詞ではないですが、まさに「タフでなければ生きていけない」のです。

私たちは、陽子線を照射してつくったアミノ酸前駆体を含むがらくた分子の頑丈さを、アミノ酸そのものや、それまで想定されていた、がらくた分子よりも小さいアミノ酸前駆体と比べてみました。アミノ酸が星間でできたとすれば、それは宇宙線にさらされます。原始太陽系星雲に取り込まれれば、場所によりますが、若い太陽からの紫外線やX線にさらされるでしょう。小惑星の内部では、放射性元素からのガンマ線などを浴びます。隕石や彗星からできた宇宙塵として地球に降るときは、太陽からの紫外線が最もシビアです。これらの条件で比較してみますと、がらくた分子の形が、アミノ酸そのものや、小さいアミノ酸前駆体よりも安定であることがわかりました。

また、「がらくた分子」とひとくくりにしていますが、それぞれの分子に共通しているのは炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)でできていることと、平均して数%のアミノ酸を含んでいることだけで、構造はどれも異なっているはずです。さきほど、がらくた分子は触媒活性を持っていると言いましたが、1分子ずつ取り出して、その触媒機能を測ることができれば、それぞれは異なった値を示すでしょう。そのなかには、何か"一芸"に秀でた分子もあるはずです。

生命の定義で、「ダーウィン進化」が重要視されていることを第1章で述べました。ダーウィン進化についてはあらためて第7章で述べますが、進化はより環境に適したものが選ばれるという「自然選択」によって起きるという考え方です。生命誕生後の生物進化においては、ダーウィン進化が重要な働きをすることは広く認められています。もし生命誕生前の化学進化の時代にも、このダーウィン進化が起きていたとすると、そのときに鍵となるのは、進化によって選別されるもととなる、大きい集団(「ライブラリー」とよびます)です。その意味でがらくた分子は、生成当初から膨大なライブラリーを形成しているので、きわめて多様な機能(触媒機能など)を持つものが含まれていることが期待できます。

RNAワールドの研究者たちが行っている試験管内分子進化(第4章参照)という手法も、変異ライブラリーの中で機能の優れたものを選び、それを増幅して機能の優れたRNAをつくりだすものです。こうしたアプローチは「進化分子工学」とよばれていますが(図「進化分子工学」、画像参照)、がらくた分子が進化したとする「がらくたワールド仮説」も、基本的には同じ考え方といえます。

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じじぃの日記。

小林憲正著『生命と非生命のあいだ』という本に「『がらくた分子』はタフで多様」があった。

●がらくたDNA
ではこのDNAすべてが遺伝子となっているのでしょうか。 実は遺伝子として実際に働いていて特定のタンパク質を作っているのは全DNAの約2%に過ぎないのです。
それではあとの98%のDNAは何をしているのでしょうか。これらのDNAは長い間「がらくたDNA」とよばれてきましたが、最近はこれらのDNAは単なる「がらくた」ではなくて、何か意味を持っているらしいということが少しずつ分かってきました。
https://www.pss.co.jp/sc_bio/contents1.html

●がらくた分子
太陽系内外の惑星や衛星で生命やその痕跡が発見される期待がかつてなく高まっている。小林憲正横浜国立大学教授は、宇宙線の作用でアミノ酸の基となる有機物ができることを加速器の実験で実証。この有機物を「がらくた分子」と名付け、ここを出発点に生命が誕生したというシナリオを描いている。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO19055930Q7A720C1TJN000/

なんと、原始の大気に陽子線をあてたら「がらくた分子」ができた…! じつは、これこそが「生命のはじまり」かも、という「驚きの仮説」

生命起源論を科学的研究にまで高めたのが、1953年のユーレイとミラーの実験だ。
彼らは、生命誕生を再現するため、原始大気を水素・メタン・アンモニア一酸化炭素二酸化炭素などでつくり、化学反応のエネルギー源として紫外線照射や放電を起こした。

ミラーの実験と同じように、放電の代わりに陽子線を照射したら「がらくた分子」ができたというお話。

「がらくた分子」 → 「がらくたDNA」 → 生命の誕生?

なんとなく、ありえそうなお話です。