じじぃの「嘘つき・仮面をかぶった反社会的な人!共感の雑学」

「嘘つき」と「正直者」の脳の活動の違い


大谷:チェコ代表のマークと国旗が入ったキャップをかぶって米国入り


京大,fMRIを用いて「嘘つき」と「正直者」の脳の活動の違いを解明

2014年08月08日 OPTRONICS ONLINE
研究では,機能的磁気共鳴画像法(fMRI)によって脳活動を間接的に測定する方法を用いて,心理学的な実験を行なった。
具体的には,実験参加者は,fMRI による脳活動の撮像中に,①金銭報酬遅延課題,②コイントス課題,の2種類の課題を行なった。

その結果,報酬を期待する際の「側坐核」の活動が高い人ほど,コイントス課題において嘘をつく割合が高いことがわかった。つまり,脳のレベルでの報酬への反応性が高い人ほど,お金への欲求が強く,結果として嘘をついてしまった可能性がある。
さらに,金銭報酬遅延課題において測定した,側坐核の活動が高い人ほど,コイントス課題で嘘をつかずに正直な振る舞いをする際に,背外側前頭前野と呼ばれる領域の活動が高いこともわかった。背外側前頭前野は,理性的な判断や行動の制御に重要な領域と考えられている。このことは,お金への誘惑に打ち勝って正直に振る舞うためには,報酬への反応性が高い人ほど,より強い前頭前野による制御が必要という可能性を示唆している。
https://optronics-media.com/news/20140808/25183/

『悪の遺伝子―ヒトはいつ天使から悪魔に変わるのか』

バーバラ・オークレイ/著、酒井武志/訳 イースト・プレス 2009年発行

5章 共感しない脳 より

羊の顔ではびこる反社会的な人たち
一般的な反社会的犯罪者よりも不気味な存在が、エイドリアン・レーンの発見が示すような「成功する」反社会的な人物である。

彼はロサンジェルスの臨時雇い労働者の集団から91人を選んで質問し、少数のグループを選び出した。被験者らはさらに2つに分けられた。成功する反社会的な人物、つまり犯罪にかかわったことはあるが一度も逮捕されたことのない者と、「成功しない」反社会的な人物、つまり逮捕されたことのある者である。

この研究では、記憶と空間の把握に重要な役割を果たす「海馬」がカギとなっている。このクルミ大の組織は、なにをすべきか、何をすべきでないかを学ぶうえで決定的な役割を果たすからだ。レーンの説によると、海馬に欠陥のある反社会的な人物は、トラブルを避けるための明らかな手がかり、少なくとも他の人間にとっては手がかりとなるようなもの、を学習できないのだ。

たしかに、脳イメージングの結果によると、成功しない反社会的な人物は海馬に異常があり、成功する反社会的な人物では正常である。

のちの研究で別のちがいが明らかになった。成功しない反社会的な人物は前頭前野灰白質が正常の4分の3しかない。この領域は善悪の判断にかかわっている。また、社会的に不適切な、あるいは法に反する行為への衝動を抑えている。

レーンの別の研究は、いかにも彼らしく神経学と社会科学の知識を織りまぜ、常習的な嘘つきに構造病理学の光を当てたものである。

この研究でも、やはり臨時雇い労働者から、面接で12人の被験者を選んでいる。たとえば他人を操作したりだましたりした者、あるいは病気手当を得るために嘘をついた者などである。対照群として21人の正常人、それに第3のグループとして、反社会性パーソナリティー障害を持つガ病的な嘘つきではない16人を選んだ。

研究によると、病的な嘘つきの前頭前野の白質の量は、正常人よりも4分の1大きかった。レーンと同僚らは、「嘘をつきたい」という欲求に前頭前野の白質が中心的な役割を果たしているという、驚くべき事実を発見したのである。
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「反社会的な人物はまともな人間を装い、魅力的な面を見せ、言動からは理想的なリーダーのように思えるが、仮面の下に暗い面を隠している。人格に潜んでいるこの暗い面は、人をだまし、あやつり、いじめ、組織の内部で不正を働き、会社の金を盗む」

反社会的な人物の研究しているロバート・ヘアはまた、上司が反社会的な人物であると知ることは生き残りに役立つと指摘している。「もっとも重要なのは、気づくことである」とヘアは言う。「気づきさえすれば、対処するうえで、有利な立場に立てる」

もちろん、結論としては、社会に放たれた反社会的人物も大勢いるかもしれない。感情のない怪物が、正常な知能によってそれと悟られずにいるということだ。

このことは一部の邪悪な成功者、たとえばヒトラー、ゲーゲン神父、サダム・フセインのような人間が、なぜ疑われずに社会の中にいられるかを説明するうえで役立つのだろうか?

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じじぃの日記。

少し古い本だが、バーバラ・オークレイ著『悪の遺伝子』の5章「共感しない脳」に、「仮面をかぶった反社会的な人(嘘をつく人)」が書かれていた。

「研究によると、病的な嘘つきの前頭前野の白質の量は、正常人よりも4分の1大きかった。レーンと同僚らは、「嘘をつきたい」という欲求に前頭前野の白質が中心的な役割を果たしているという、驚くべき事実を発見したのである」

一説によれば、「嘘つき」は報酬に関係しているという。

ふだん、ぶれない行動をしていれば、お金の誘惑にも打ち勝つことができる。

ぶれない行動。大谷翔平選手を思い浮かべてしまった。