じじぃの「カオス・地球_266_すばらしい医学・腎臓の機能・人工透析」

週に3回の人工透析を18年 臓器移植を待つ男性の思い(チューモク)

動画 YouTube
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●透析の原因
現在、日本には高血圧の患者が約1000万人、糖尿病の患者が約950万人いると言われています。高血圧・糖尿病は完治することは難しく、生活習慣の改善や継続的な投薬治療を受けないとコントロールできません。

高血圧・糖尿病の患者が、薬をきちんと内服せず、生活習慣を改善しないままでいると、腎臓の機能障害を合併することがあります。腎臓の機能障害が進行するとやがて腎臓死となり、腎臓の代替治療を受けなければ生命を維持できなくなります。
https://rank1-media.com/I0004299

すばらしい医学―あなたの体の謎に迫る知的冒険

【目次】
はじめに

第1章 あなたの体のひみつ

第2章 画期的な薬、精巧な人体
第3章 驚くべき外科医たち
第4章 すごい手術
第5章 人体を脅かすもの
おわりに

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『すばらしい医学―あなたの体の謎に迫る知的冒険』

山本健人/著 ダイヤモンド社 2023年発行

第1章 あなたの体のひみつ

腎臓のすごい役割 より

腎臓の重要な働き
腎臓の役割は何かご存知だろうか? そう問うと、多くの人は「尿をつくること」と答えるだろう。だが、この答えは腎臓の機能を表面的に捉えたにすぎない。もっと正確に書くなら、「体液の量、電解質、浸透圧、PHなどの組成を一定の範囲内に維持すること」である。腎臓は、この働きを担う唯一の臓器なのだ。

例えば、真夏の暑い日に大量に汗をかいたり、摂取する水分量が減ったりすると、体液が減少し、イオン濃度と浸透圧は上昇する恐れがある。その場合、腎臓は尿を濃縮することで、失われる水分を減らす。逆に、多量の水を摂取すると、体液量が増え、イオン濃度と浸透圧は低下する恐れがある。その場合、腎臓は尿を薄くして体外に余分な水分を排出する。
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誰しも、自分の尿の色が濃くなったりするのを見慣れているはずだ。その理由はもうわかるだろう。体に水分が足りないときは濃縮された黄色の尿が出る一方、水分が余っているときは薄い色の尿が出るからだ。

腎臓は、ろ過装置
全身を巡る血液は約5リットルである。その一部は絶えず腎臓に流れ込んでいて、ここで濾過(ろか)されて尿にがつくられる。腎臓には「糸球体(しきゅうたい)」と呼ばれる濾過装置が左右それぞれ約100万個ずつ存在する。その名の通り、毛細血管が糸玉のような形状になったもので、1つは直径0.1~0.2ミリメートルと目に見えないほど小さい。

この濾過装置は、捨ててはならない血液中の細胞成分、つまり白血球や赤血球、血小板や重要なタンパク質(アルブミングロブリン)を通さないが、それ以外の水分や電解質は通過する。

何らかの病気で糸球体の機能が障害されると、この濾過作業がうまくいかなくなり、赤血球が漏れ出したりタンパク質が漏れ出したりする。健康診断の尿検査で、尿潜血(目に見えない尿中の赤血球)や尿タンパクの有無を調べる目的の1つは、本来漏れ出すはずのないこれらの物質を検出し、腎臓の存在を知ることだ。

増えている慢性腎臓病
腎臓の機能が低下すると、体液バランスを維持することが難しくなる。これによって生命に危険が及ぶ場合は、機械に腎臓の機能を肩代わりしてもらう。これが血液透析である。

一般的な血液透析の場合、月水金や火木土のように週に3回、1回あたり数時間の透析に通うパターンが多い。普段、知らないうちに腎臓が行ってくれる仕事の代理を機械に依頼すると、これだけの手間がかかってしまうのだ。

健康な自分には透析など馴染みの薄い存在だ、と思っただろうか? 実は必ずしもそうではない。慢性的な腎臓能低下、すなわち慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は、近年増加しているのだ。

CKDは、糖尿病や慢性糸球体腎炎と呼ばれる病気が原因になるほか、肥満、喫煙、高血圧、脂質異常性などのメタボリック症候群もCKDの発症に大きく関わっている。

ひとたび失われた腎臓の機能は元に戻らない。よって、病気の進行を遅らせる治療、すなわち、血糖値や血圧のコントロール、適度な運動、禁煙、食事制限などが必要になる。

唯一無二の機能を持つ腎臓は、丁寧に守らねばならないのである。