じじぃの「科学夜話・ゴルジ染色・ジーンズの色をつくった男!わかるノーベル賞の本」

蛍光免疫染色の見かた Part2

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=Uuf7qFM81vc

ゴルジ染色


カハールとゴルジ、シナプスのギャップ論争

シナプス神経細胞神経細胞の接合部
シナプスにはギャップはないと主張した有力な科学者のひとりがイタリアの内科医のカミッロ・ゴルジ(Camillo Golgi, 1843-1926)であった。彼は、硝酸銀を重クロム酸カリウムと反応させることで、クロム酸銀の粒子を神経鞘に固定させ、神経細胞の突起部分を染め出す染色法を開発した。彼の染色法は、ゴルジ染色法と呼ばれるようになった。ゴルジはこの染色法の開発のみでなく、筋肉が骨につく部分にある腱にある感覚器官(ゴルジ腱器官)や、細胞内小器官のゴルジ装置の発見者としても知られている。

一方、スペインの神経解剖学者、サンティアゴ・ラモン・カハール(Santiago Ramony Cajal, 1952-1934)は、ゴルジ染色法などにより染め出した中枢神経系の組織を丹念に観察し、神経系は神経細胞ニューロン)という非連続の単位によって構成されており、個々の神経細胞は、細胞体、樹状突起、軸索を持ち、神経細胞の接合部(シナプス)にはギャップがあると主張した。

ゴルジとカハールは1906年にノーベル医学・生理学賞を受賞したが、お互いに全く異なる立場から受賞記念講演を行い、授賞式ではお互いに言葉を交わすことは無かったと伝えられている。シナプス部にギャップがあるという決定的な証拠は、電子顕微鏡によるものであったが、この論争は、カハールが、ゴルジ染色法で染めだしたニューロンの形を丹念に調べた後、ほとんど勝負がついていた。
http://web2.chubu-gu.ac.jp/web_labo/mikami/brain/15-1/index-15-1.html

『マンガと図鑑でおもしろい! わかるノーベル賞の本』

うえたに夫婦/著 大和書房 2023年発行

ジーンズの色をつくった男 1905

有機染料とヒドロ芳香族化合物の研究 アドルフ・フォン・バイヤー(ドイツ 1835-1917)

藍色の染料「インディゴ」は、化学組成が複雑で、長い間、天然のものを使うしかなかった。
そんな中、バイヤーは1865年から十数年かけてインディゴの合成に成功。
彼の研究は染料産業に革命を起こし、さらにはその後の合成化学の発展に大きく貢献することになった。

神経細胞が見える! 1906

神経系の構造に関する研究 カミッロ・ゴルジ(イタリア 1843-1926)、サンティアゴ・ラモン・カハール(スペイン 1852-1934)

人の神経系は、感覚や運動に関係する重要なものだが、構造が複雑なために研究は困難とされていた。
そんな中、ゴルジは1873年神経細胞を可視化できる「ゴルジ染色法」を発明し、カハールはその方法で神経の構造の解明に成功。
彼らの研究は神経の研究の基盤となった。

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どうでもいい、じじぃの日記。

うえたに夫婦著『マンガと図鑑でおもしろい! わかるノーベル賞の本』という本を見ていたら、「神経細胞が見える!」という項目があった。

Golgi-Cox (ゴルジ-コックス)染色法とは

「ゴルジ染色法は、神経細胞樹状突起から伸長し、軸索とシナプス形成するスパインを染色する手法です。個々の樹状突起の分岐が美しく可視化されるほか、安価、簡便で、トランスジェニック動物や特別な実験器具を必要としないことなどの長所があります。ゴルジ染色法の原理は、クロム酸銀 (Ag2CrO4)の結晶化ですが、選択的に個々の神経細胞に浸透する詳細なメカニズムは未だに明らかになっていません。
1873年にCamillo Golgiが発表して以来、ゴルジ染色法には様々な改良が施されています。1891年にCoxが開発したGolgi-Cox (ゴルジ-コックス)法は、硝酸銀の代わりに二クロム酸カリウムと塩化水銀の混合物を用いる染色法で、樹状突起分岐のトレースや樹状突起スパイン定量に特に有用な手法です」

https://www.funakoshi.co.jp/contents/63802

ゴルジ染色は、生物の脳を構成する神経細胞ニューロン)を染色することによって、可視化できるようになった。

2020年、NHK Eテレ サイエンスZERO 「細胞の息吹をとらえろ!“電子顕微鏡の達人”甲賀大輔」を見た。

体内に広がるミクロの世界、細胞の姿を鮮明に捉えた甲賀さんの画像は、まるでアート作品のよう。どうやって撮影するのか?

https://www.nhk.jp/p/zero/ts/XK5VKV7V98/episode/te/1K6R6N62G6/

2008年に、緑色蛍光タンパク質GFP)の発見でノーベル化学賞を受賞した下村脩博士のことが思い出されます。

ついでに、インディゴ。

ネットで「インディゴ 藍色」をキーにして検索してみた。

「昨日のインドールつながりで、今日はインディゴ。日本伝統の藍染めの色で、ジャパンブルーとも呼ばれるほど。その起源は古代のインドに遡れるとされます。色素が貴重であった時代、鮮やかに発色する藍は珍重されました。江戸期には、徳島藩の特産品としてその経済を支えています」

だとか。