じじぃの「カオス・地球_179_小川和也・人類滅亡2つのシナリオ・第2章・ゲノム編集・生態系の崩壊」

China Creates Genetic Super Babies | China Uncensored

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=tYirl9C8ekU

中国ゲノム編集ベビー


中国ゲノム編集ベビーは異常に賢い「スーパーヒューマン」である可能性が浮上

2019.02.22 FRIDAY nazology
●遺伝子操作の危険性と行く末
シルバ氏は中国の双子の件についても触れ、「人の機能低下を治すのと、機能をわざと向上させるのには大きな違いがある。
さらにその行為が何に影響するかわからない以上、軽率な施術は控えるべきだ」と警鐘を鳴らしました。
https://nazology.net/archives/32006/2#%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%90%E6%93%8D%E4%BD%9C%E3%81%AE%E5%8D%B1%E9%99%BA%E6%80%A7%E3%81%A8%E8%A1%8C%E3%81%8F%E6%9C%AB

朝日新書 人類滅亡2つのシナリオ―AIと遺伝子操作が悪用された未来

【目次】
はじめに
第1章 AIによる滅亡シナリオ

第2章 ゲノム編集による滅亡シナリオ

第3章 科学と影のメカニズム
第4章 “終末”を避けるために何ができるか

                • -

『人類滅亡2つのシナリオ―AIと遺伝子操作が悪用された未来』

小川和也/著 朝日新書 2023年発行

画期的なテクノロジーほど、暗転したときのリスクは大きい。特にAIとゲノム編集技術は強力で、取扱いを誤れば、人類に破滅をもたらす因子となりうる。「制度設計の不備」と「科学への欲望」がもたらす、人類最悪のシナリオとは。

はじめに より

人工的な知能と、生命を操るテクノロジー。いま人類は、知能と生命という、自らを形成する最も重要な2つに関する技術を手にし、熱心に育てている。

人工的な知能である「人工知能(AI:Artificial Intelligence)」は、人間の知能のような動作をするコンピュータシステムを指すことが多いが、能力の著しい拡張により、定義も一定ではない。突発的な出来事にも臨機応変に対応できる能力、さらには人間を超える知能を視野に、研究開発が進む。

もう1つの技術「ゲノムテクノロジー」は、膨大な遺伝子情報「ゲノム」を解析し、意図通りに書き換える、いわば遺伝子を操る技術である。病気の治療から食糧危機まで、地球上の多くの課題の解決策になるため、AI同様に熱視線が注がれている。人間の能力を拡張したり、遺伝子操作された人間を生み出す手段にもなり得るこの技術により、2018年には世界初のゲノム編集ヘビーが誕生し、論議を呼んだ。

第2章 ゲノム編集による滅亡シナリオ――遺伝子改変の進んだポストヒューマンが、ホモ・サピエンスを淘汰する より

デザイナーベイビーを100%生み出さない世界は実現できるのか

2030年代以降、ゲノムテクノロジーは、人類や動物の生命を自在に操ることを可能にし、技術的成長は加速度的にその先を目指す。デザイナーベイビーも、全人類が完全に足並みをそろえて止めない限り、どこかで誰かが、様々な目的で生み出すことになる。人類の欲望が技術を暴走させれば、デザイナーベイビーは人類の優劣を際立たせ、分断と紛争の火種になる。
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ネアンデルタール人が絶滅した理由については諸説あるが、生存力において、ホモ・サピエンスネアンデルタール人を凌駕したことだけは間違いない。

ゲノム編集技術を使って生み出されたポストヒューマンによるホモ・サピエンスの淘汰も、かつてホモ・サピエンスネアンデルタール人から置き換わったプロセスと似たような過程をたどる可能性がある。

たとえば、ホモ・サピエンスとポストヒューマンの間に生まれた子どもがポストヒューマンの集団の中で育ち、さらに子どもを生んだ場合、ホモ・サピエンスのDNAは4分の1になる。世代を重ねるごとにホモ・サピエンスのDNAは半減していき、結果的に、ポストヒューマンに置き換わっていく。しかも、そのプロセスの中でホモ・サピエンス遺伝子に改変の手が加われば、置き換わる速度も、置き換えの性質も違う。

この点において、デザイナーベビーを生み出す技術は、人類の未来を大きく左右するターニングポイントとなる。人類の運命を問う踏み絵だ。

ポストヒューマンによる、ホモ・サピエンスの淘汰。これが本書で主張したい滅亡シナリオのうちの1つだ。だがほかにも、ゲノムをめぐる滅亡の因子はある。本章の最期となるここで、考えられる滅亡のリスクをいくつか紹介していく。

生態系の崩壊――”ポストライフ”の世界へ

ここまでは、人体を対象にしたリスクを紹介してきた。だが、ゲノムテクノロジーの影響は、人間の身体のみならず、生物や植物の生態系にまで及ぶ。生命操作は、生きとし生けるものが対象となり、扱い方によっては生態系の崩壊を引き起こす可能性がある。

ゲノムテクノロジーの発展に特に力を注いでいる中国は、ゲノム編集関連特許数でそれまでリードしていた米国を2016年に逆転し、急速に世界の最前線となり始めている。
2015年、ゲノム編集で意図的に小型化した「マイクロブタ」を中国企業が作り出したことが発表され、2017年には世界初のゲノム編集技術によるクローン犬が中国で誕生したことが報じられた。

さらに、新型コロナワクチンや治療薬の研究開発を目的に、中国のバイオ企業はゲノム編集によるマウスを世界中に売る。本来はマウスが新型コロナウイルスに感染することはないが、人間の遺伝子の一部を組み込むことでマウスも感染するように改造できる。買い手のニーズに合わせてゲノムの配列を決め、メスのマウスの子宮の中に遺伝情報の一部を書き換えた受精卵を移植する。この手で作り替え可能な生命創造により、自然界には存在しないマウスが大量に生み出される。

遺伝子を人為的に操作された生物が、自然界に放出されるリスクもある。

性別を変異させることで、マラリアを媒介する厄介者の蚊をアフリカで激減させる「ターゲット・マラリア」と呼ばれるプロジェクトがある。英国インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)の研究チームは、繁殖とともに特定の遺伝子を拡散させる技術「遺伝子ドライブ」を利用して、蚊の性別を決める遺伝子の劣化コピーを拡散した。
劣化コピーの遺伝子は雌の蚊に作用し、人を刺したり卵を産んだりできない雌雄同体に変異させることが目的だ。この方法であれば特定の種に絞って作用させることができるため、殺虫剤よりも効果が的確であると見られている。ケージの中で実施した実験成果の発表によると、8世代後には子孫を残せる正常な雌の蚊はいなくなり、ケージ内の蚊は全滅した。「ターゲット・マラリア」プロジェクトが実れば、マラリアから多くの人命を救えるようになる。この遺伝子ドライブの実験は、近い将来、屋外で実施されようとしている。それは、野生動物の間に遺伝子変異を拡散することを意味する。果たして、自然界はそれを受け入れ、健全でいられるのだろうか。

ゲノム編集技術を未来永劫、”理想的”に扱うことはできるのか

威力のある技術は新しい時代を作り、未来を紡いできた。ゲノム編集技術の獲得は、人間自らがヒトの誕生と成長を合理的に操作できる力を初めて手にしたことを意味し、人類の歴史上、大きな転換点をもたらすインパクトを持っている。人間の尊厳、人間の生殖、人間の機能、人間の能力など、人類の根源に触れる比類なき諸刃の剣である。
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自然が作った生命を、人間がデザイン、操作する営みは、前代未聞、未知の世界だ。時間と共にデザイン技術は進化し、量子コンピュータ人工知能の進展などがそれを加速させる。技術的に操作できることと、実際にすることは別次元であり、「できるから」といって、生命をシステム化の領域に移行させた場合の不具合は、取り返しのつかないものとなる。

倫理学者のマイケル・サンデルは、「遺伝子操作は『世界そのもののnature(本性)の根本的な改変』であって、『与えられたもの(the given)』、すなわち思い通りにならない世界のnatureそのものを『激しく罵ろうとする衝動』に基づいている」と述べている。自然な生命を人間がデザインすることは、まさにこれに該当する。

不可能だったことを技術の力で可能にし、生き永らえ、社会を発展させてきた人類にとって、ゲノム編集もその延長にあると捉えるかもしれない。しかしながら、生命をデザインする行為は、本当にその延長線上にあるのか。破滅へ導く可能性を排除できるのか。

ゲノムテクノロジーという光が強烈であるほど、強烈な影を作り、科学の二面性のコントラストを強める。全世界が、ゲノムテクノロジーを倫理的に望ましく、理想的に扱うことを期待したいが、その期待を保証する科学的根拠は現時点では見当たらない。