じじぃの「科学・地球_560_テックジャイアントと地政学・ChatGPT・マイクロソフト対グーグル」

話題の対話型AI「ChatGPT」て今日の晩御飯のレシピを一緒に考えてみたら3品バッチリレシピができた

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=ADd_WCiOKtw

ChatGPTをまだ試したことない方、私が試した会話を見てみてください。

確かに凄い!『ChatGPT』私の会話例(テクノロジーのブレイクスルーを体感)

2023-02-06 節約大好きmoccheeの徒然日記
『今日のご飯を決めて』

などという非常に曖昧な質問、かつ"ご飯を決める"という機械には理解しづらそうな問いかけにも
https://www.mocchee.com/entry/zakki-chatGPT

日本経済新聞』 2023年5月5日発行

検索×対話AI 競争号砲 画像自動作成も、巨人グーグルに対抗 より

マイクロソフトは4日、対話型の人工知能(AI)を搭載した検索エンジン「Bing(ビング)」の一般公開を始めたと発表した。対話型AI「Chat(チャット)GPT」を開発した米新興オープンAIの技術を取り入れた。基になるデータを最新にし、画像の自動作成機能も搭載した。検索で9割のシェアを握る米グーグルに対抗する。

新型のビングはオープンAIのチャットGPTと同様に、コマンド入力欄に自然な言葉で話しかけることでAIが回答する。例えば「おすすめの観光スポットはどこ」「おいしいカレーのうくり方を教えて」と尋ねると、具体的に旅行の計画やレシピを列挙して表示する。2021年9月までの情報がベースになっているチャットGPTに比べ、より最新の情報を反映したのが特徴だ。

文字の回答が中心だったチャットGPTに対し、ビングは関連する写真や外部のリンクも表示してより見やすくした。画像生成AIの機能も取り込み、コマンド欄に文字で指示すると、イラストを自動で描く機能も取り入れた。

マイクロソフトが新エンジン

コーポレート副社長 ユスフ・メディ氏
検索エンジンのビングを担当するマイクロソフトのコーポレート副社長ユスフ・メディ氏は日本経済新聞の取材に応じた。主なやりとりは以下の通り。

――欧米を中心にAIの安全性に対する懸念が強まり、規制の動きもあります。

「AIを安全に人々に提供するための政府や規制当局の役割を歓迎する。政府には果たすべき役割があり、それを実現するための話し合いにも参加していきたい」

――ビングを試験的に一般公開した狙いは。

「オープンプレビューと呼んだのは技術開発の途上にあるためだ。実際の市場でのテストでなければ必要な要素をみつけることはできない。AIはシステム全体の安全性を追求してきた。テストをおこない、フィードバックを受けて、問題があれば修正してよりよいものをつくっていく」

――ビングとチャットGPTとはどこが異なるのでしょうか。

「チャットGPTとは同じ大規模言語モデルを使っているが、微妙に異なるアプローチを取っている。昨晩の野球のスコアがどうなったか呼び出すことがことができるなど最新のデータに基づく検索に特化している」

――どう収益に結びつけていくのでしょうか。

「対話AIは広告モデルも変えていく。いまの検索は広告が多すぎることもあるが、より(利用者にとって)関連性の高い広告が出せるようになる」

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO70743090U3A500C2TB0000/

日経プレミアシリーズ テックジャイアントと地政学

【目次】
プロローグ シリコンバレーとの往来から見えてきた日本の近未来

Part1 ChatGPTが与える衝撃

Part2 テクノロジーが変える地政学
Part3 曲がり角のテックジャイアン
Part4 メタバース&Web3、先端技術ブームの実態
Part5 日本人が知らない世界の最新常識

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テックジャイアントと地政学

山本康正/著 日経プレミアシリーズ 2023年発行

Part1 ChatGPTが与える衝撃 より

生成AIやGPTとは何か ビジネスパーソンはどう向き合う?

2022年の11月から23年2月にかけてChatGPTというサービスの話題がもちきりです。自然に見える会話形式の応答で多くのユーザーを惹きつけたことと、その普及のスピードを受けてマイクロソフトが最大約1兆円を追加出資するという報道や、検索サービスが脅かされるかもしれないと報道されたグーグルが対抗サービスである「Bard」を急遽発表したことが注目を加速させました。この動きが定着するかはまだ定かではありませんが、どういったものかを理解することは重要です。

ChatGPTの元となるGPT-3は、AI研究機関であるOpenAIが、2018年のGPT-1'2019年のGPT-2に続き、2020年に発表した大規模言語モデル(Large Language Models)の1つです。大規模言語モデルとは、膨大なデータを学習し人間が使用する言語を単語の出現確率でモデル化したもので、GPT-3は極めて自然な文章を生成したり、翻訳したりすることができます。

このGPT-3を改良して、会話に最適化したものがChatGPTです。Chatは単に会話である「チャット」を指しますが、GPTの略はGenerative Pre-Trained Transformerで、直訳すると「生成の事前学習されたトランスフォーマー」となります。トランスフォーマーとは後述の深層学習モデルを指します。

マイクロソフト対グーグル 熾烈なAI開発争いに、日本企業は

ChatGPTを開発したOpenAIは、イーロン・マスクらが2015年に設立し、サム・アルトマンという当時約30歳の若手起業家がCEOを務めています。当初は、非営利法人の研究所として設立されたのですが、2019年には営利法人も設立され、現在は非営利法人と営利法人のハイブリッド体制で経営されています。もともとの経緯としては、「人工知能を人類全体に利益をもたらすこと」を使命に設立された非営利法人ということもあり、グーグルやフェイスブック(現在のメタ)などのビッグテックの従業員とは異なる形で、人工知能の開発をしたいという面白い人材が集まっていました。

今回、OpenAIの評価額が約3兆円といわれる中で、マイクロソフトは最大約1兆円もの投資を行うことが報道されています。「高すぎる、何に使うんだ」という意見はあると思いますが、クラウドでのデータを処理だけでも数億円がかかり、処理に使うパラメーターも毎年10倍ぐらい増えているため、人工知能の開発は多額のお金がかかるようになっています。そういった事情を踏まえると、日進月歩のAIの世界の中では、最大1兆円もの金額でも出し過ぎというわけではないのです。

人工知能の分野においてはDeepMindを買収していたグーグルを比較して、マイクロソフトはこれまで弱かったです。もともと人工知能の研究はグーグルが先導しており、LaMDA(ラムダ)という対話アプリケーションの開発も進めていたのですが、リスクへの懸念もあってなのかもしれませんが、ChatGPTのようなAIチャットボットのサービスは出さずにいました。

ところが、2022年11月にOpenAIがChatGPTを発表し、ユーザーが100万人までに大体5日、1億人までに大体2ヵ月というような驚異的なスピードで普及しました。これはかつて大ヒットしたPokemon GOと同等のスピードです。こうした現状を受け、2023年2月に、グーグルは「Bard」という会話AIサービスを急遽発表しています。しかし、発表のAIサービスの結果に不正確な内容があったことから、「公開は早急すぎたのでは」という声も聞かれました。新興のOpenAIによるサービスが不正確であっても評判の下落インパクトは大きくありませんでしたが、今や大企業であるグーグルが同様のことがあると、評判は大きく下がります。ここが、新興企業が大手企業に対してリスクを取りやすい理由の1つです。ただ、マイクロソフトがOpenAIとの提携を深めれば深めるほど、評判によるリスクはマイクロソフト側にも起こる可能性があることに注意しなければなりません。

マイクロソフトは今後、検索だけでなくOfficeのてこ入れにChatGPTを利用する可能性があります。WordにChatGPTを取り込まれれば、法律の文書などの自動精査や自動作成ができたり、マイクロソフトはコード管理のウェブサービスであるGitHubを2018年に買収していますのでコーディングをさらに自動生成もできたり、補完できるサービスが想定されます。

また、ChatGPTはよって、ウェブブラウザーを開いて、いろいろな情報を集めることの負担が少なくなるため、リサーチ業務なども随分と変わる可能性があります。具体的には、ExcelPowerPointなどにChatGPTのようなものが組み込まれて、「あなたはこの情報が欲しいでしょう」という提案が瞬時に出てくるようになるかもしれません。リサーチや情報を整理する業務が楽になっていく可能性があるでしょう。情報を整理してくれるパーソナルアシスタントがついてくれると思えば想像しやすいのでないでしょうか。業務の方向性はあくまで自分が決めなければなりませんが、細々とした情報抽出の作業は自動化される余地が大きいです。ただ、その際にはどのようなデータのやりとりをしたのかという内容の共有範囲が明確化されなければ、欧州などのデータ規制の厳しい国では普及は遅くなるでしょう。

このように、ウェブサイトを閲覧して、その上で何か答えをまとめないといけないケースではChatGPTなどのほうが単に検索よりも手間が少なくなる可能性があります。ただ、ホテルを予約したいという時、オンラインで買い物をしたい時などは、チャットボットである優位性は少し薄れます。そういった意味で、検索とチャットボットAIは競合というよりも補完という側面が強いと個人的には考えています。