じじぃの「科学夜話・機械式時計・3つの歯車・噛み合わせがおかしい?屈辱の数学史」

Three Gears are Possible - Numberphile

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=5Mf0JpTI_gg&t=8s

かみ合って回らない3つの歯車


   

英国 2022年 2ポンド貨発行25周年 2ポンド複合貨


かみ合って回らない3つの歯車。3Dプリンター使えば回せます!

2016年07月03日 0を1にする! 検査機メーカーになった町工場のブログ
上の画像を見てニヤリとした人もいるでしょう。
そう、3つの歯車をかみ合わせてしまうと、歯車の回転方向が干渉して回転できないんです。
なので、こういうデザインのポスターを見ると「やっちゃった…」って感じ。
http://neoview.blog.jp/archives/4345131.html

『屈辱の数学史』

マット・パーカ/著、夏目大/訳 山と渓谷社 2022年発行

第4章 幾何学的な問題 より

歯車の噛み合わせ

元高校教師である私のオフィスには、「すべての要素がうまく噛み合えば教育は成功する」という標語の書かれたポスターが額に入れて飾ってある。ポスターには、「教師」、「生徒」、「親」と書かれた3つの歯車が描かれていて、3つの歯車は互いに噛み合っている。このポスターは「正確であるが、機械的にあり得ない」としてインターネットで話題になった。歯車は確かに噛み合っているが、このままでは動かないからだ。どの歯車も一切、どの方向にも動かせない。動かそうとすれば、いずれか1つの歯車を取り除くしかない(私は「親」を取り除くのが良いと思う。経験上、そう言える)。

問題はいずれかの歯車が時計回りに動いたとすると、それと噛み合っている歯車は必ず反時計まわりに動かなくてはいけないということだ。このせいで、3つの歯車の動きは止まってしまう。たとえば、「教師」という歯車が時計回りに動いたとすると、右側の歯が、「生徒」という歯車の左側の歯を反時計回りに動かそうとする。だが、「親」という歯車は両方の歯車と噛み合っているので、結局はどれも動けなくなってしまうのだ。まるで三者面談のようにまったく何の成果もあげられない。

3つの歯車からなるメカニズムを構成させようとすれば、3つすべては噛み合わせず、どこか一箇所は切り離す必要がある。マンチェスター・メトロリンクでは、街を機能させるための3要素を歯車で表したポスターを制作したが、これもやはりこのままで歯車が動かないので、歯車が動くよう、図を3Dで作り直した人がいた。作り直した図では、2番目と3番目の歯車が噛み合っていないので、3つの歯車はすべて動くことができる。
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1998年、新たな千年紀の始まりを前に、イギリスでは新たな2ポンド硬貨が発行された(画像参照)。この硬貨の裏面のデザイン(表面は当然のごとく女王陛下の顔である)は、コンペで決定された。採用されたのは、ノーフォーク美術教師、ブルース・ラシンのデザインだ。このデザインは複数の同心円の組み合わせになっていて、1つひとつの円がそれぞれ、違う時代のテクノロジーを表している。産業革命の時代のテクノロジーは、19個の歯車から成る輪で表現されている。この歯車が時計回り動こうとすれば、隣の歯車は反時計回りに、その隣の歯車は時計回りに……という具合に動こうとする。環状に連なる歯車たちが動くには、偶数個の歯車がなくてはならない。偶数個あれば、時計回りに動こうとする歯車と反時計回りに動こうとする歯車が同数になるので、動くことができる。しかし、歯車が奇数個だと動くことができない。2ポンド硬貨に描かれている歯車は19個。これでは、まったく動かない。

新しい2ポンド硬貨のデザインにそういう問題があることは、すぐにインターネットで話題になった。面白がる人もいたが、中には強い言葉で非難する人もいた。王立造幣局からは、この硬貨のデザインについて次のような公式コメントが出された。

  このデザインは、テクノロジーの発達の歴史を表現したものであり、テクノロジーそのものを描いたわけではありません。歯車は単にテクノロジーの象徴として使われただけのものなので、歯車の数がいくつかということは、デザイナーの念頭にはなかったと思われます。
            ――王立造幣局

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どうでもいい、じじぃの日記。
私が子どもの頃、家に懐中時計があった。
懐中時計のふたを開けると、大きい歯車、小さい歯車がびっしり詰まっていた。
今思えば、その当時の技術の粋を集めたのが機械式時計だった。
時計といえば、スイス。
機械式腕時計が全盛の1969年に、日本のセイコーが世界初のクオーツ式腕時計を発表した。
セイコーがクォーツ時計を発表したことによって、機械式時計そのものが窮地に陥ることになった。
このクォーツショックの影響で、多くのスイスの有名ブランドが大きな打撃を受け、会社の売却や製品の生産中止に追い込まれていった。

人材競争力5年連続世界1位のスイスが環境問題でも先頭に

2021年の1人当たりGDPを見ると世界2位。金融、製薬、精密機械(時計)などに支えられる強固な実態経済があることがわかる。
また、IMDの世界競争力ランキング 2022年でも世界2位と高い国際競争力を誇っており、グローバル化が進む今、スイスは存在感を放っている。
のだとか。

「問題はいずれかの歯車が時計回りに動いたとすると、それと噛み合っている歯車は必ず反時計まわりに動かなくてはいけないということだ。このせいで、3つの歯車の動きは止まってしまう」
時計の歯車の組み合わせが、奇数だと歯車は動かないのだそうだ。

話変わって、
時計王国といえば、日本も時計王国だ。
スイスのように、日本が復活しますように。