じじぃの「脳科学・プレインテック・AIのさらにその先へ!面白い雑学」

[末期のALS]手も口も体も目線も動かせない,閉じ込め症候群患者との通信がBrain Machine Interface技術によって実現[BMI] Rue

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=-RR2XpYCE6M

ALS 非侵襲型のアプローチも進展

   

コンピュータと脳がつながる BCIがもたらす未来

未来コトハジメ
BCIは、脳波読み取りデバイスの実現方法の違いにより、2タイプに大別される。一つは、外科手術で頭蓋骨内にアプローチし、脳そのものに電極(脳波読み取りデバイス)を刺す侵襲型。もう一つは、ヘッドセットタイプのデバイスで頭を覆うことで脳波を読み取る非侵襲型である。ここまで紹介してきた例は侵襲型の代表例であり、少なからず体に負担を与えるものの、脳波検知の精度は高い。

一方の非侵襲型は外科的な負担はないが、代わりに精度が低いという課題がある。ただスイスの脳科学研究機関Wyss Centerでは、非侵襲型のヘッドセットデバイスで画期的な実験に成功した。
https://project.nikkeibp.co.jp/mirakoto/atcl/wellness/h_vol15/?P=2

『面白くて眠れなくなる脳科学

毛内拡/著 PHP研究所 2022年発行

PartⅢ 脳の可能性は無限大――「AIのさらにその先へ」プレインテック市場 より

5兆円の市場規模

脳とテクノロジーを結ぶ技術のことをプレインテックと呼びます。三菱総合研究所が行なった試算によると2024年までにはプレインテック市場は、5兆円規模になると予想されています。そのスローガンは「AIのさらにその先へ」です。
すでにGoogleMicrosoftなどの大手IT企業が、参画し始めています。
そのターゲットの多くは、健康に関するもので、いま流行中のヘルステックの脳科学版ともいうべきものです。ヘルステックでは、時計型のリストバンドから心拍数を24時間測ったり睡眠パターンを記録することで、健康状態を把握したり、自分に見合った保険商品を選ぶなどの応用にもつながってきました。
プレインテックでは、熱さましのシートのように単におでこに貼りつけるだけで脳波や脳血流などを測ることによって、認知症のリスクを予測したり、うつ病の予兆を知らせたりすることができるかもしれません。
また、脳とコンピュータや機械をつなぐ技術は、ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)やブレイン・マシン・インターフェースBMI)として、期待されています。たとえば、足の不自由な人が、念じるだけで車椅子が動かせたり、全身の筋肉が動かなくなってしまった人が、コンピュータ上で意思疎通を行なったりするなど、夢のような技術が提案されています。いずれはテレパシーでコミュニケーションできる時代が来るかもしれません。
しかし、課題は脳の電気活動を正確に測定する技術や、それを正しく解釈することにあります。また、脳情報の解釈がこれら電気活動だけでいいのかというのも疑問が残ります。
またニューロフィールドバックと呼ばれる方法では、自分のさまざまな脳情報をリアルタイムに数値化することで、現在の自分の脳の状態を把握する方法です。たとえば、ネガティブな気持ちになっている状態やその予兆がわかれば、事前に対処したり、認知を改善したりすることでそれを予防することもできるかもしれません。
人類の歴史は、体への機能付加の歴史でもあります。たとえば、洋服を着たり、靴を履いたりすることも機能付加ですし、メガネを手放すことはできません。人間は、牙や翼や速く走れる脚力を持たない代わりに、テクノロジーを進化させてきたのです。
近年では、聴覚障害の患者さんに、人工内耳を移植する実験が成功しており、これは、人類史上初の成功したBMI技術であるといえます。また、人工網膜の研究も熱心に行なわれており、仮に視力を失ったとしてもまた機械の力で見えるようになるかもしれません。あるいは、舌の上に取り付けた光センサーで、うまく視覚野を刺激すると、舌で感じた光を見ることができるといいます。