じじぃの「科学夜話・郵便投票・モンテカルロ法・原爆と酔っ払い!すごい数学」

President Donald Trump says voting by mail is ripe with fraud again

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=J20N4HbIuho

架空の火竜 「サラマンダー」

サラマンダーになぞらえられているエリアが1つの選挙区を構成する

ゲリマンダー

ウィキペディアWikipedia) より
ゲリマンダー(Gerrymander)とは、選挙において特定の政党や候補者に有利なように選挙区を区割りすることをいい、本来的にはその選挙区割りが地理的レイアウトとして異様な場合を指していう。
ゲリマンダリング(Gerrymandering)とも呼ばれる。英語での発音はジェリマンダーであり、jerrymanderと綴られることもある。
アメリカ合衆国(米国)マサチューセッツ州エルブリッジ・ゲリー知事による1812年の選挙区割りが、架空の火竜「サラマンダー」に似ていることから命名され、語源となった人名はゲリーと発音される。

モンテカルロ法

ウィキペディアWikipedia) より
モンテカルロ法(Monte Carlo method、MC)とはシミュレーションや数値計算を乱数を用いて行う手法の総称。
元々は、中性子が物質中を動き回る様子を探るためにスタニスワフ・ウラムが考案しジョン・フォン・ノイマンにより命名された手法。カジノで有名な国家モナコ公国の4つの地区(カルティ)の1つであるモンテカルロから名付けられた。ランダム法とも呼ばれる。

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『世界を支えるすごい数学――CGから気候変動まで』

イアン・スチュアート/著、水谷淳/訳 河出書房新社 2022年発行

2章 政治家が有権者を選ぶ より

原爆と酔っ払い

ゲリマンダーかどうかを判定するもう1つの方法が、実際とは異なる選挙区分けを何通りか考え、地域全体で推定投票パターンに関するデータを用いて結果を比較するというものである。ダークが考案した選挙区分けではダーク党が70%の議席を獲得するが、それ以外のほとんどの選挙区分けでは35%しか獲得できないとしたら、何か不審な点があるはずだ。
この発想の大きな問題点は、選挙区や地域の数を現実的な値にしてもなお、考えられるすべての選挙区分けを列挙できないことである。組合わせ論的爆発が起こって急激に増えていってしまう。しかも考慮するすべての選挙区分けが法律に従っていなければならず、この制約条件は数字では扱いきれない可能性がある。しかし幸いにもかなり昔に、この組合せ論的爆発を回避する方法が編み出されている。マルコフ連鎖モンテカルロ法MCMC)という方法である。ここでは、考えられるすべての選挙区分けを網羅する代わりに、正確な推計をおこなうのに十分な数の選挙区向けのサンプルをランダムに生成する。世論調査において、比較的少数のランダムなサンプルに質問することで世論を推定するのに似ている。
モンテカルロ法は戦時中に開発したマンハッタン計画にさかのぼる。療養中のスタニスワフ・ウラムという数学者が、暇つぶしにペイシュンス(ソリティア)という1人トランプゲームをやっていた。そして成功する確率はどのくらいなのだろうかと思って、クリアできるトランプの並びを計算しようとしたところ、その方法はとうてい無理だとすぐに気づいた、そこで代わりに何度もプレーして、そのうち何回か成功したかを数えた。するとそこで、マンハッタン計画で解かなければならない物理方程式にもそれと似たような方法が使えるではないかと気づいた。
ロシア人数学者のアンドレイ・マルコフにちなんで名付けられたマルコフ連鎖は、ランダムウォーク(酔歩)を一般化した概念である。ひとく酔っ払った人がふらふらしながら歩道をランダムにに行ったり来たりしている。ある回数足を踏み出したとき、その人は平均でどれだけの距離を進んでいるだろうか? (答え:平均でおおよそ歩数の平方根)。マルコフはその歩道をネットワークに置き換えて同様のプロセスを思い浮かべ、ネットワークの各エッジにそこを通る確率を割り振った。その上で次のような問題を考えた。きわめて長い時間さまよったのちに、ある場所にたどりついている確率は? このマルコフ連鎖を用いると、各時点での状況に応じた確率で一連の出来事が起こるような、現実世界の多くの問題をモデル化できる。
MCMCはこの2つの方法を組み合わせたもので、マルコフ連鎖における確率リストの中からモンテカルロ法を使ってサンプルを取る。統計学者のパーシ・ダイアコニスが2009年におこなった推計によると、科学や工学やビジネスにおける統計解析のうちおよそ15%にMCMCが用いられているそうで、このように強力で実績があって有用な方法をゲリマンダーに当てはめてみるのは当然だろう。マルコフ流のランダムウォークによって選挙区分けのしかたをいくつも生成し、モンテカルロ法を使ってその中からサンプルを取る。するとお見事! 提案されている選挙区分けがどのくらい典型的であるかを統計的に評価できるのだ。エルゴード理論というもっと高度な数学でもこの方法の有効性が裏付けられていて、ランダムウォークを十分に長くおこなえば統計学的に正確なサンプルを得られることが保障されている。
近年になって数学者が法廷でMCMCを証拠として挙げることが増えている。ノースカロライナ州ではジョナサン・マッティングリーが、獲得議席数などの量を比較的理にかなった範囲に設定した上でMCMCによる推定をおこない、採用された選挙区分けの案は統計の党派に偏っていることがうかがわれる証言した。ペンシルベニア州ではウェズリー・ペグデンが統計的手法に基づく計算によって、政治的に中立的な選挙区分けによる結果がランダムウォークに基づく選挙区分けよりも悪くなる可能性は低いことを酢飯、偶然だけでそのような結果が起こる確率を推計した。どちらの裁判でも裁判官は、数学者の示した証拠は信頼できると判断した。

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どうでもいい、じじぃの日記。
私は今年76歳になった。
年金と生命保険金の受け取りで生活している。
30歳くらいのとき、郵便局がやっている年金型生命保険に加入し、今は満期を経てわずかな収入源になっている。
毎年、受け取りが正常に行なわれているかの確認のハガキが届いているが、今年になってマイナンバーカードの確認を求めるハガキが届いた。
郵貯側は、受け取りに不正がないかの確認のためと思われる。

米国では、トランプ前米大統領中間選挙の選挙期間中、郵便投票が不正の温床になると強く主張していた。
「死んでいるのに投票した人」リストに名前がある、ということらしい。
トランプさん、「投票所に行って投票してほしい」
年金の不正受給のように、郵便投票の不正があると言われれば、あるかもしれないなあ。