じじぃの「有機ガラス・水族館で使われている巨大水槽!ケミストリー世界史」

LARGEST Aquariums In The World!

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=6SFMlLdYHEI

LARGEST Aquariums In The World!


【シェア世界1位】水族館アクリルパネル『日プラ』“NIPPURA”, largest share of the global market for acrylic panels for aquariums

物語を届けるしごと
沖縄・美ら海水族館大阪・海遊館アラブ首長国連邦・ドバイ水族館(Dubai Aquarium)、中国・珠海長隆海洋王国(しゅかいちょうりゅうかいようおうこく)などで使われる巨大水槽に不可欠な水族館用のアクリルパネルは、香川県の『日プラ』という企業がつくっています。
そのシェア、なんと世界一。従業員数約80人の香川県の中小企業が世界から注目されています。
https://yousakana.jp/nippura/

『ケミストリー世界史 その時、化学が時代を変えた!』

大宮理/著 PHP文庫 2022年発行

第15章 2つの世界大戦のあいだ より

第一次世界大戦は1918年に終わりましたが、人類が体験した新しい戦争でした。機械化された兵器が大量投入され、史上例を見ない殺戮が行われました。戦争が終わっても伊豆着いた軍人が街にあふれ、もう戦争はごめんだ、と多くの人が心に刻みました。この教訓から国際連盟が発足しました。

1933年 有機ガラスの誕生――ガラスよりも安全な透明ガラス

●自由で成形できるのがメリット
コロナ禍でいちやく存在感を増したものに、アクリル板というガラスのように透明なプラスチックがあります。アクリル樹脂という透明な物質でできていて、透明度を生かして、メガネのレンズ、水族館の巨大水槽や光ファイバーなどに利用されています。
1933年、ドイツで、有機ガラスといわれる、透明なガラスのようなプラスチックが発売されました。当時は、飛行機がますます進化していました。アニメ「紅(くれない)の豚」で描かれた時速200キロメートルくらいの牧歌的な飛行機の時代から、時速400キロメートルオーバーなどになってくると、むき出しのコックピット(操縦席)では操縦に無理があり、コックピットを覆う風防(キャノピー)という透明な蓋(おお)いが必要になります。ガラスは割れたときに危険ですが、プラスチックなら安全です。
20世紀の後半に、強度が高くて透明な新しいプラスチック、ポリカ―ボネートが登場するまで、透明なガラスのようなプラスチックはポリメタクリル酸メチル(アクリル樹脂)の独壇場でした。
現代の水族館で使われているおしゃれなアーチ型の巨大水槽など、自由に成形できるのがプラスチックのメリットです。
第2次世界大戦では、アクリル樹脂の有機ガラスは戦闘機や爆撃機の透明な風防として利用されました。重慶、ロンドン、ハンブルクドレスデン、東京などの街を焼きつくした空襲で、爆撃手が有機ガラス越しに照準しながら、爆弾投下のスイッチを操作していたのです。
それから80年近くたって、水族館で巨大な水槽の有機ガラス越しに、きれいな魚たちやサンゴを見ながらデートができる時代になりました。歴史というものが突きつけてくる、『平家物語』のような無常観を覚えずにはいられません。